プロ的なテクニック


検卵・・・
 産まれた卵が有精卵か確認する作業です。もし無精卵であれば、すぐに取り除き次の産卵の準備に移ることができます。これにより商売的にヒナを孵す際に、無精卵を温めることでのタイムロスをなくせるわけです。
 したがって、家庭で
愛玩目的に飼う場合は不必要、むしろ下手にいじることによって巣離れ(卵を温めることを放棄する)を起こす危険を伴います。

 親鳥が卵を温め始めて4 、5日目、卵を取り出し、光源にかざして中を透かし見ます(多方向からの確認が必要)。
 無精卵の場合は右図の左のようにただ一色ですが、有精卵の場合は右のように、核ができ、そこから血管が走っているのが見えます。

※ 検卵の時期が早すぎるとまだ血管がとおっ
 ていないので、無精卵と誤認してしまう恐れ
 があります。また遅すぎても確認しづらくなっ
 てしまいます。

抱卵された有精卵の外見上の変化

 抱卵1〜2日目は変化なし(↓写真右側)。
 3〜7日目にかけて徐々に赤みを増していく。
 8日目頃以降は、若干青黒い白色に変っていく(↓写真左側)。

検卵で見られる内部の変化

 抱卵当日は変化なし。
 2日目にボンヤリと「違和感」を感じるようになる。
 3日目には赤い血管がわずかに確認できる。
 4〜6日目にかけて核が大きくなり、目の存在も確認できる。血管が
周囲に発達し細分化していく。
 7日目には、核部分の色が濃くなり、卵黄部分は血管に覆いつくされ
る。
 8日目以降は強烈な照明でなければ、血管を透かして見ることが困
難になる(体格の増大から細部の器官の発達段階に移る)。

 

托卵・・・
 卵は産むが温めない無責任な状態、または産卵に専念させる目的で、卵を他の鳥に抱卵・育児(育雛)させることです。代理で抱卵・育雛する鳥を仮母と呼びます。商用では文鳥は産むだけで、十姉妹という文鳥の半分くらいの小鳥を仮母として用いることが多いらしいです。

問題点・・・十姉妹の産卵時期とずれてしまうと入れ替えた文鳥の卵をうまく温めないことがあるので、仮母としては一つがいでは足りず、オス・メス合わせて四・五羽は必要となるようです(文鳥と違い気のやさしい十姉妹は、仲良く共同生活を送る)。これは家庭で文鳥を飼う場合には無駄でしょう。さらに、十姉妹の繁殖能力はすばらしいので、油断するとあっという間に十姉妹が大々家族となってしまう危険もあります。

〈普通の方法〉
 
文鳥が卵を産みはじめたら、温める前に取り出し、おがくずを入れた箱の中で冷暗所に保管します。
 ※ いったん温め始めると細胞分裂が起こり、取り出すと中止卵となって
  しまうので、毎朝産まれたての卵を取り出さなければいけません。

 1回分6個ほどの卵がたまったら、仮母の巣の卵と入れ替えます。

〈特殊な例〉
 
育雛経験のない文鳥夫婦の卵を、経験豊富な文鳥に托して育ててもらいます。

抱卵中の様子 青白い4個は偽卵
玄孫を托卵中 卵と偽卵

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