ビーズクラフトは、とても奥が深く、誰もが惹かれることと思います。
好きな色と形のビーズを組み合わせて、好きなデザインの作品を作り出す。
せっかくの作品だから、より美しく、そしてできるだけ長く愛用したい。
そのためには、作る前の準備も必要です。
本に書かれていない、経験からのワンポイントをいろいろと……。
大切な作品作りのお役に立てば嬉しいです。


丸小で作るうさぎのストラップの製作工程をアップしてみました。レシピではありませんが、こんな作り方もある、という参考になればと思います。
某所で入手したキットのテグスが、太さは同じなのに強度が極端に不足しており、ちょっと強く引っ張っただけで、あっという間に切れてしまいました。完成間近だっただけに、かなりショックでした。(T_T)
以後このようなことのないよう、作品の用途とテグスの強度には、注意するようになりました。人は失敗して学習するんですね。(^-^;)
現在愛用しているのは、「釣り具の上州屋」で購入する釣り用のテグス。
お値段はちょっと高めですが、セールの日やお買い物ポイントなどをうまく使って、賢く買えば……テグスが切れて作り直す手間と時間を考えると、ずっといいかも知れません。
なんといっても「時は金なり」ですからね!(^-^)

ナイロン製のテグスを入手する時は、できるだけ「強」の表示のあるものを選んでいます。太さは同じでも強度が違うので、作品のもちが圧倒的に違います。
自分のものなら造り直せば済みますが、人に贈るものの場合は、できるだけきれいで長持ちして欲しいので、作る作品によって数種類を使い分けています。
同じナイロン製でも、手芸店のものと釣具店のものでは、さらに強度が違い、釣具店のものの方が強度があります。でも、お値段はちょっと高め。
ネックレスのモチーフなど、柔らかく、しかも丈夫さを必要とする時にはナイロン製を使用します。

リングを作る際に使用しているフロロカーボン製のテグスは、ナイロンよりも少し張りがあります。
仕上がりはナイロンとあまり変わらない割に強度があるので、リングの腕など、力の掛かる部分に使うといいと思います。

動物モチーフなどを作る際に使用しているホンテロン製のテグスは、フロロカーボンよりもさらに堅い感じで、とても張りがあります。むしろ「頑丈」という表現が合っているかも知れません。
ネックレスなどを作る時には、ワイヤーの代わりにしてもいいくらいです。
モチーフを作ると、ナイロンやフロロカーボンを使用した場合よりもしっかりして、堅く仕上がります。その分、結び目はきっちりとすることがポイントです。
いずれの材料も、釣り好きのお友達がいたら、試しにサンプルを少しだけ分けて貰って、何か作ってみるといいですね。
テグスの色って、普通は透明ですよね。
でも、手芸店に行くと、赤、青、黒などのテグスがあります。
テグスも見せるデザインの場合、こんな色を使って仕上がりに変化を出すのもひとつの手です。




手芸店や日曜大工の店、東急ハンズなど、工具を入手する場所はいろいろあり、また各店で取り扱っている種類もまちまちです。もちろん、工具のお値段もピンからキリまで。
中にはとても安く入手できる工具がありますが、あまりお勧めしません。
工具に関しては、やはり高いものは高いなりの高い機能を持っていると思います。
ある方がこうおっしゃっていました。
「中にはとても安い工具を使っている方がいますが、お勧めしません。よい工具は使い手と共に成長するものですが、安い工具にはそれを望めないからです」
確かにそう思います。使い手の癖を呑み込んで、対応してくれる許容範囲は、やはりある程度のランクの工具に認められる特質だと思うのです。

私もいろいろと工具を集めて使い比べてみましたが、やはり自分にぴったりくる工具はそうそうありません。
高ければいいというものでもなく、安いから良くないというものでもなく、個人の癖によるのです。ほとんど同じで、見比べても差が判らないような工具でも、使ってみると使い勝手が違うことがあり、驚かされます。
おそらく、ビーズショップやビーズ教室には、こだわりの工具が揃っていると思いますので、可能ならば使わせて頂いて、自分に合いそうな工具を選ぶといいと思います。私みたいに手当たり次第に購入してしまうと、値段もそうですが、結局使わないものがお蔵入りになってしまうので……。

丸ペンチ、丸めヤットコなど、何通りか呼び方があります、先の丸い(円錐形)ペンチがあります。ピンやワイヤーを曲げたり、丸めて輪を作ったりする時に使うのですが、これもいろいろな種類があります。
私が愛用しているのは、3.peaksのRNP−115です。
先端がかなり細く、様々なピンの太さに対応できるので、とても便利です。小さめで手になじむのも気に入っています。
新潟県の株式会社スリーピークス技研(リンクページにリンクがあります)の製品です。
その他に数本、先端の直径の異なる丸ペンチを、ピンの太さや強度によって使い分けています。太い径のワイヤーなどを曲げる場合、先端の部分があまりにも細いとワイヤーに負けてしまうことがあるので、使い分けが必要なのです。

テグスやワイヤーをカットするニッパは、二種類を使い分けています。
ワイヤーやピンなど、太めのものをカットする場合は、丸ペンチと同じ3.peaksシリーズのMMP−100を使用しています。
テグスなどをカットする場合は、IPS CraftのSN−115もしくはMN−115を使用しています。
こちらは、握りの部分が革製で、すべりにくく軽量で使いやすいです。
同じく新潟県の株式会社五十嵐プライヤー(リンクページにリンクがあります)の製品です。

平ペンチ、平ヤットコ(先端の内側に溝がなく、平らなもの)はIPS CraftシリーズのNP−115を主に使用しています。その他、ワイヤーワークなどには、このシリーズの工具を強度によって数種類使い分けています。







「貝印」の毛抜き。
ちょっと意外ですが、これがなかなかスグレモノです。
テグスが入りにくい場合、この毛抜きで先をつまんで差し込むと、驚くほどすんなりと入ってくれます。
もちろん、すでに何回も通していて、物理的にテグスのはいる余地がない場合はムリですが……。
なぜ「貝印」にこだわるかと言うと……先端の部分が薄く、テグスにあまり負担をかけずに挟め、かみ合わせがぴったりだからです。

100円ショップの目玉クリップ。
別に100円ショップでなくてもいいのですが、いちばん安く手に入るので、つい。
テグスで編んでいる途中で、手を休める時にちょっと留めておくのに便利です。
以前はセロテープで留めていたのですが、取るときに接着剤がテグスに残ってしまい、あとの作業がやりにくくなったりしました。
別の用途で買った目玉クリップが、思わぬところでお役立ち。