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患者番号:876
患者名:ハチ(ラブラドール・リトリーバーの女の子)

病名:脂肪腫

経過

2001.10.13 右わき腹に小さなしこり(親指の先くらいのもの)を発見。特に痛がる様子もなく、本人も気にしていない。
2001.11.28 夜のブラッシングのとき急に吐き戻し。水っぽくまっ黄色。下腹部にもわき腹と同じようなしこりを発見。
2001.11.29 夜中にも急に起きて寝床でまっ黄色の水を吐く。
   【獣医】吐いたものは胆汁。しこりも怪しい。胃薬(胃酸の抑制、胃壁保護)を処方。腫瘍切除手術の予約。
2001.11.30 フードの食べが悪く、軟便気味。
2001.12. 1 朝、獣医に出かける前に大量の胆汁を吐き、元気がない。
   【獣医】腫瘍切除手術(2カ所)。血液検査。便・尿検査。病理組織検査(ヒストベット社に外注)。
   重度の肝機能障害あり。血中のALT値(GPT)が4月のドック時78だったのが309になっている。(正常範囲10〜88)黄疸症状はなく、安静を第一にしばらく食事を肝臓用の療方食(ヒルズl/d)にする。
   帰宅後、疲れて眠いのに傷口が痛くてなかなか伏せることができず立ったままでうとうとしながらふらふらと倒れそうで、両方から支えていた。
2001.12. 2 食事は取れる。よく寝る。昨日よりはいいが、伏せるのに時間がかかる。痛々しい。
2001.12. 3 わき腹の傷を後ろ足で掻こうとした。回復の兆し?ランニングシャツを着せた。
2001.12. 4 ご飯をせがむようになった。ずいぶん回復した。
2001.12. 5 普通に散歩できる。ハアハアして疲れやすい感じ。
2001.12. 7 わき腹の傷はかなりきれいになったが中においなりさんくらいの大きさで液体(リンパ液?)がたまってたぷたぷしている、下腹は風に当たらないせいか赤っぽくてジクジクしている。
2001.12. 8 元気いい。
   【獣医】抜糸。リンパ液はしばらくすればなくなる。再血液検査の結果ALT値は101に下がった。一週間分の抗生物質(ラリキシン)。
2001.12.10 わき腹のふくらみがパンパンになってる。(おいなりさん一個分くらいのふくらみ)
2001.12.11 検査結果判明。
2001.12.16 手術から二週間、抜糸して一週間。ふくらみはだいぶへこんできた。ほぼ完治。

Materials

手術前 手術前2 切開中
手術直前の様子。不安げ。 麻酔が効いて、まさにまな板の上の・・・ 下腹部分切開中。
切開中2 縫合後 縫合後2
わき腹部分切開中。 下腹傷跡。 わき腹傷跡。
傷口 抜糸直前 レントゲン写真
リンパ液でパンパンに膨れた傷口。 抜糸直前。 レントゲン写真1。
レントゲン写真2 検査結果

病理診断の結果:皮膚腫瘤(脂肪腫)

顕微鏡検査所見:皮膚(両腫瘤とも)真皮内に輪郭の不明瞭な被膜のない腫瘤が観察される。腫瘤内には、形状のほぼ均一な脂肪細胞がシート状に配列している。これらの配列は、しばしば小量の線維組織により区切られている。

判定:良性

コメント:良性の脂肪腫です。今回の切除手術で輪郭が明瞭に分かるような腫瘤でありすべて切除できた場合には、この部位での再発はないものと思われます。
レントゲン写真2。

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