赤十字マーク カルテCARTEかるて 赤十字マーク  bQ

患者番号:876
患者名:ハチ(ラブラドール・リトリーバーの女の子)

病名:脂肪腫

経過

2003.11.10 左わき腹にしこりを発見。やはり痛がりもせず、本人も気にしていない。
2003.11.29 膀胱炎での診察時についでに腫瘍の具合を受診。もう少し様子を見ることに。
2004. 3. 3 ここ1ヶ月くらいでの肥大化を感じ、よくよく見ると、さらにその下にも小さなしこりを発見したため、手術を決意。
2004. 3. 8 散歩中に突然黄色い泡状のものを少し吐いた。
2004. 3.12 朝から私たちの雰囲気をさとってか、そわそわしている。
【獣医】腫瘍切除手術(2カ所)。大きい方は筋肉との癒着があり、筋膜を超えて筋肉も一部切除したため痛みが出る。血液検査、便・尿検査、レントゲン検査、心電図検査、歯石除去、耳洗浄、肛門腺洗浄、爪切り、病理組織検査(ヒストベット社に外注)。
血液検査の結果、肝機能障害を示す値が高い。鎮痛剤と肝臓用に抗生物質を処方された。
帰宅後、やはりお腹の傷が痛くて伏せられず、それでも疲れて眠いのでふらふらしていた。うつろな目をしている。今日は1日食事抜きだが、水をがぶがぶ飲む。夜、鎮痛剤を投与。
傷みのせいでじっとしておれず、結局2時間も寝ていない。
2004. 3.13 朝ごはんはいつもの半量で与えた。痛み止めが効いているのか、少し傷みに慣れたのか伏せて眠れるようになった。昼にも朝と同量のご飯と抗生剤を与えた。
トイレのため庭に出したら、水便だった。午後は、いびきをかいてよく寝た。夜も半量のご飯。夜、消炎鎮痛剤を投与。熱っぽい感じ。食欲がある。
2004. 3.14 夕べは寝床でちゃんと寝れたようだ。朝ごはんは少なめで、抗生剤を投与。コタツに寄り添ってよく寝る。少し散歩に出て、たくさんのおしっこと下痢便。ブルブルできるようになった。吠えたりもするし、多少動き回るようになった。夜、抗生剤を投与。
2004. 3.15 一日よく寝ていた。食欲もある。朝、抗生剤を投与。足をよくなめるのと、いつも涙が出ているのが心配。夕方の便がほぼ普通になってきた。目の下がはれぼったいようだ。元気がなく、心配。
2004. 3.16 明け方ゲホゲホと咳をした。食欲はある。朝、抗生剤と鎮痛剤を投与。すごくよく寝るが、痛みがあるのか時々向きを変えたりして、呼吸もやや荒め。あくびのときの口の開け方も、いつもより開かない。夜、ご飯と抗生剤を投与。
2004. 3.17 明け方、手をなめていた。朝、ご飯と抗生剤・鎮痛剤を投与。昨日より元気に過ごせた。まだ呼吸が荒いが、顔つきがよくなった。夜、ご飯と抗生剤を投与。元気がいいが、時々吐きそうにゴフッとなる。
2004. 3.20 散歩で外に出ると、走ろうとする。かなりよくなってきた。朝、ご飯と抗生剤・鎮痛剤を投与。夜、ご飯と抗生剤を投与。
2004. 3.21 家にいても寝てばかりではなくなった。後は抜糸を待つばかり。朝、ご飯と抗生剤を投与。今日はフル散歩したら、よほど疲れたのか午後はいびきをかいて熟睡した。夜、ご飯と抗生剤を投与。
2004. 3.22 朝、ご飯と抗生剤を投与。元気いい。夕方獣医から電話あり、検査結果判明。夜、ご飯と抗生剤を投与。
2004. 3.25  元気いい。
   【獣医】抜糸で大暴れ!

Materials

手術直前、悌毛状態 切開中 切開中。
切開状態。 腫瘍切除中。 腫瘍切除中。
腫瘍切除中。 腫瘍。 腫瘍。
腫瘍。 レントゲン写真。 レントゲン写真。
検査結果

病理診断の結果:皮膚腫瘤(脂肪腫)

顕微鏡検査所見:皮下組織内には、周囲を線維性皮膜に覆われず、境界不明瞭な腫瘤が観察される。腫瘤を構成する細胞は、少量のコラーゲン組織により区切られ、瀰漫性、シート状に配列している。これらの細胞は、個々の細胞境界は不明瞭、大型で、細胞質は空胞状、淡明であり、正常な脂肪細胞の形態を呈している。

判定:良性

コメント:良性の脂肪腫と診断しました。一般的に脂肪腫は外科的切除により再発は見られません。今回の標本からは、明らかな周囲組織への浸潤性は認められていません。しかし、一定期間の切除部分の観察は必要と考えられます。
レントゲン写真。

CARTE(カルテ)bRへ