教育について思う

自分の靴を脱がなければ、相手の靴ははけない

会員父兄の水泳認識

水泳指導者の任務と責任

インストラクターの1日

サブの仕事

あるスイミングスクールのインストラクター

専任コーチ1日マニアル

コーチ心得

水泳指導員の日常の心構え

教育について思う
 学校であれ塾であれスイミングスクールであれ、教育を考える上で最も重要で、その賛
否を左右するのは、指導者の質に他ならない。子供達を指導し、教育する指導者には、
専門知識だけでは不充分である。情熱と指導力、そして人間的魅力を兼ね備えていなく
てはならない。教育免許状があれば教師が勤まるわけではありません。知識だけでな
く、子供達を引き付ける人間的魅力、子供達の能力や心の痛みに敏感に、それを理解
してやる優しさ。そして教育への情熱に即した指導力。これらの要素を備えていなけれ
ば、指導者として子供達を導いてやることはできはしません。これは、教育に携わるもの
全般に共通することで、指導者の質こそが生命線であり、それが優劣を決定するといっ
ても過言ではないでしょう。勿論施設や指導カリキュラムも教育の要素ではあるが、実際
に子供達に接する指導者の重要さの比ではありません。生徒は教材から学ぶわけでは
ありません。指導者という人間から、その言葉を通じて多くのことを学ぶのです。そこに
は血の通った温かい教育があると、信じています。今日、教育問題が色々取り出されて
います。社会状況や学校の姿勢、家庭環境などにそれぞれ問題があるのでしょうが、そ
の悪環境を断ち切ることのできるのは、十分な指導力を備えた指導者の存在でしかない
のではないか。

自分の靴を脱がなければ、相手の靴ははけない
 相手の「立場に立つ」から「undersand」。「客商売」という言葉は、普通飲食店などの接
客サービスをする業務に対して使われます。しかし、相手を満足を満たすことを第一と考
えるという点だけを見れば、すべての企業に対してこの言葉は意義を持つということもで
きます。そこに求められるのは、お客様である相手の立場に立ったサービスの提供にほ
かなりません。では日頃簡単に口にしているこの「相手の立場に立つ」とは、本当はどう
いう意味なのでしょうか。
 誰でも知っている英単語に「understand=理解する」というものがあります。この単語
を分解してみると「理解する」ことは、相手の「立っている=stand」ところの「下=under」
にいってはじめてできるものだということが判ります。[つまり、日本語で言う「立場に立
つ」と同義語であることは言うまでもないでしょう]又、「相手の靴を履く」という言葉があり
ます。相手の靴を履く為にはまず自分の靴を脱がなければなりませんし、サイズやデザ
イン、色など自分の好みとは違ったものに合わせなくてはなりません。それらのことをお
こなった上で、相手の立場になることができるわけです。
 目の高さを同じにすることから始める
 幼稚園、保育園を選ぶとき、良い見分け方があります。それは教室に張ってある「仲良
くしよう」や「遊んだら、後片付け」などの貼り紙の位置を見ることです。これらが壁の中
央付近より上に貼ってあるのは、外部者向けのいわば「化粧」のようなもの。本当に園児
の注意を促すのが目的なら、子供達の目線と同じ高さになる靴箱や本棚、掃除道具入
れのところに貼るべきだからです。
 お客様の「高いなぁ」という言葉に「いえ、高くありません」と無遠慮に応対したり、「遠い
ねぁ」といわれて「いや、遠くありません」と一方的に応えるのは、まだ自分の靴を履いた
ままだということです。こちらの言い分があるのは有るとして、相手の言葉もそれだけの
基準や根拠から生まれてくるものだということを、考える必要があるからです。まず相手
の目線にあわせて、状況を見てみる、それができるよう意識すれば、お客様からの評価
もずっと高くなるはずです

       スクール会員の父兄の水泳意識

*子供が、どのようなことができたら「泳げる」と判断しますか。

  5歳 6歳 7歳 8歳 9歳 10歳 11歳
25M完泳する 7名 13名 23名 19名 8名 5名
顔付け、息継ぎ 5名 7名 3名 3名 1名
補助具を外す 8名 7名 2名
正しい泳ぎをする 5名 12名 10名 6名 3名
安全な泳ぎをする 2名 3名 2名 1名 1名 1名
浮く、進む 12名 18名 5名 4名
その他 2名 3名 1名 1名
TOTAL 25名 41名 33名 47名 31名 17名 9名
*プールを通じて、子供に何を学んでほしいですか。

  1.泳ぎ 145名   2.楽しさ  128名   3.忍耐   53名   4.協調性  42
名  5.努力  38名   6.達成感  21名  7.水の怖さ  13名   8.その他  
25名   (重複回答)
*理想の水泳指導員は、どのようなものですか。

1.子供のことを考え、注意してくれる  51名  2.水泳技術や指導力が高い  42名 
 3.優しく、厳しく  36名  4.楽しく元気  23名  5.教え方が上手で工夫が有る 
 18名  6.安全指導ができる  12名  7.現状に満足している  7名  8.その他
  14名

        水泳指導者の任務と責任  
1)水泳指導者の任務
 泳者の生命を預かり、水泳に関する正しい知識や、技能を向上させ、その健康や体力
を増進させ、水における生命の安全を確保し得る力を養成する重要な任務を有する。さ
らに、水泳の指導を通じて広くスポーツにおけるマナーやエチケットを身に付けさせると
共に、忍耐、勇気、協同の精神を養成し、人生を正しく強く生きぬく人間性を育てなくて
はならない。
2)指導者の資格と人間性
 生徒に広い意味での教養を身に付けさせるためには、指導者自身の人間性が重要で
ある。  
 生徒の心身の特性を知り、親しみ愛情を持って指導し、信頼されなければならない。
 水泳では、ちょっとした油断やいたずら、規則違反が、生命の危険につながる。指導
者は時として、断固たる対処しなくてはならない。
 上手に泳げるコーチが、優れた指導ができるか、その点が問題ではなく、指導者自身
が、水泳に対して創意工夫を有し、高度な知識や技術を目指し、研究する態度である。
 指導においては、厳しい練習が必要であり、指導者の指示に従ったある程度強制的な
指導が必要になる。しかし、指導のねらいは泳者の自主的な行動であり、指導者の手を
離れてからも、自分で積極的に技術を向上していく態度を身につけさせることが、根本で
あることを忘れてはいけない。
3)水泳事故と指導者の責任
 指導者には、法的責任と道徳的責任が課せられる。指導者は、万が一事故の発生し
た場合、臨機応変の処置能力を養っておかなくてはならない。
 #事故防止の万全の対策を講じていたか。
 #事故発生時に、沈着冷静で、最も適切な緊急処置をとったか。
 #被害者に対して、誠意を持ってあらゆる手段を尽くして善処したか。

          インストラクターの1日
*指導前 出勤したら、まず「挨拶」をしっかりやろう。礼節は、スポーツマンシップとし
て、最低限のルールです。大きな声ではっきりと。コーチルームの黒板を見、本日のロ
ーテーションなどの、変更がないか確認し、その日のポイントや、連絡事項などに目を通
す。本日のカリキュラムの検討し、コーチ間での打ち合わせをする。  *指導後 本日
の反省をする。反省無き者、今より成長はない。皆で掃除を分担し、速やかに帰宅す
る。

           サブコーチの仕事
*指導前
  セッティング  カリキュラムの流れをメインと相談する。  担当人数の把握  子供
の健康状態のチェック  いっしょに体操する。  元気よく挨拶。  シャワー管理
*指導中
  子供の人数の把握  メインの言葉の復唱  フロアーの移動  ヘルパーに気をつ
ける。  メインに注目させる。  トイレに引率  子供の入水退水チェック
*指導後
  整列させて挨拶  人数把握  目を洗わせる  シャワー管理  反省会  次の授
業のセッティング

    あるスイミングスクールのインストラクター
*採用  基本的に、3ケ月は、入水指導はさせない。この時期に、LG(ライフガード)
  LG−他のコーチの指導を見て、方法とかやり方や流れを把握する。
  学習ー指導参考書などで、知識技術などの勉強をする。
  3−6ケ月  サブ研修    6ケ月以降 メインの道が開かれる。
*昇給  ペーパー試験と、主任の承認
*欠勤  ローテーション(担当クラス)が決定してからの場合は、自分と同等レベルのコ
ーチを代理に立て、主任の許可をもらう。
*遅刻  指導15分前には出勤する。送れた場合は指導はするが賃金はカットされる。
*把握  生徒が進級した場合は、担当者が手書きで認定証を作成する。
      LG、授業中、常に、会員の人数を把握する。

      専任コーチ一日マニュアル

*出社 
 カギをあける。館内チェック(通気、水温、室温、残留塩素、)、光熱数量チ
ェック  プールカバー  掃除  各業務開始
*退社  館内チェック  日報提出  退社報告

*作業分担
 #水質管理=水温、室温、残留塩素の管理。塩素発注。
 #機械管理=ボイラー、ろ過機の管理。重油発注。
 #受付業務=主として接客。
 #備品管理=備品、用品の申請。

*指導クラス責任者
   ベビー、幼児クラス  T先生
   初級、育成クラス   I先生
   成人、女性クラス   T先生
   選手クラス       K先生

          水泳指導員の心得
 1.コーチは、常に、ボランティアの精神と、プロの精神の両面を持ち合わせよ。
 2.指導技術の前に安全を考えよ。
 3.笑顔を絶やすな。しかし、水泳については厳しく真剣に自信を持って。
 4.水泳技術のまずさは叱るな。
 5.生徒が気づく前に気づけ。
 6.喜びを共にし、練習に希望を与え、やる気にさせよ。
 7.単なる技術の指導者でなく、生徒にとって人間形勢の重要な指導者であれ。
 8.生徒の健康状態を常に把握せよ。
 9.生徒の行動を予知せよ。
10.生徒を動かすのではなく、コーチはエネルギーを惜しまず動け。
11.上手なときは必ず誉めよ。
12.ゼッスチャー、声は明確に。
13.好かれようとするな。
14.生徒との、約束は必ず守れ。しかし生徒には必ず理解させよ。
15.時間厳守。
16.説明は簡単明瞭に、ひとつのポイントに絞って。
17.目的を理解させよ。
18.常々全体の流れに注意せよ。
19.コーチは常にコースロープを背にし、自分の視野の中に生徒全員を把握せよ。
20.5秒に一度は自分の後ろを確認しろ。背中に目をつけよ。
21.怪我をさせるな。
22.あらゆる状況に対処できる判断力をつけよ。
23.生徒の為に、教材研究をするのではなく、自分の為にせよ。
24.真の愛情を持って、見せ掛けの甘やかしをしてはならない。
25.コーチの服装、態度、判断力、言動が生徒に与える影響を考えろ。

         指導員の日常の心構え

 1.今を最善に生きる。
   他に良い生き方が、あるだろうか。
 2.この世の中のことは、すべて変わるということだけが変わらない。
   変わることを変わりたくないと思う心が迷いである。
 3.どんなに苦しくても、明日に希望があれば耐えられる。反対に、現在どんなに   
   恵まれていても、明日に希望がなければ、勇気は湧いてこない。
 4.人間は、駄目だと思った瞬間から駄目になる。
 5.忍耐は、人を育てる。
 6.人間は願った以上のことは実現しない。人生は思った通りになる。ならないの   
   は、思い方が足らないからだ。
 7.一つのことについて、五年以上やらなければ、何かやったという履歴にはなら   
   ない。
 8.悩むことより、まず身体を動かせ。
 9.何でもその場で覚えよ。
   後で、もう一度やってみればいいと思うな。
10.何事も、拒否反応の強い人間は成長しない。
11.メモ魔になれ。メモは忘れるためにある。
12.謝意(感謝、謝罪)の心は、素直に態度と言葉で表せ。
13.身銭を切ること。
   それによって得たものは、永遠に増えつづける財産になる。
14.受信性能を良くせよ。
   発信機能だけになるのは、老化現象。
15.最大の健康法は、今の仕事が楽しいことである。
   好きなことをやっているときは、疲れないものだ。

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