「地域・学校・子供のよさを生かして」
平成八年度 同窓会担当教諭
九品仏は、浄真寺を中心とした、情緒あふれた緑の多い静かな地域であり、都会としては地域の絆が強いことを実感しています。この恵まれた環境の中で、子供たちは素直に伸びやかに成長しているように思います。少子化、都市化が進んでいる今日、生活経験を通して人間関係の基本的な知識や技能を学ぶ機会が減っていることが、問題とされてきています。九品仏小では、地域の協力を得ながら、異年齢活動を多く取り入れ、子供たち同士の関わりを大切にする事に力を注いでいます。その一つとして、「みんな仲よく」という時間があります。地域ごとに全学年が含まれる班を構成し、上級生を中心に主体的に遊びを工夫し活動しています。一年生から六年生というと発達段階にも差があり、遊びの中では様々な問題が生じてきます。その問題を自分たちで解決していく中で、上級生が下級生を思いやる気持ちが自然に育っていくように感じます。それを下級生が受け継いでいくという、かつてはどこの地域にも見られた光景が、これらの経験を通して、深く根づいているように思います。このように、地域・学校・子供のよさを生かし、今後も互いの連携を図りつつ、子供たちのよりよい成長のために実践を続けていきたいと考えています。最後に、母校、そして十年目を迎えられた同窓会のますますの御発展をお祈りし、筆を置きます。