教室だより 吉田 和子(平成11年度同窓会担当教諭)
昨年度は三年生を担当しました。明るく元気な二十五人といっしょに、この一年間たくさんのことを学びました。
三年生になると一・二年の生活科が理科・社会科に移ります。その社会科の学習の中に
「区の人々のくらしとうつりかわり」という単元があります。
明治・大正・昭和の生活に目を向け、昔のくらしの移り変わりに対して興味・関心を高めることがねらいです。
まず、「むかしさがし」をしました。家にある古い物を貸していただいて触れてみました。
大きな釜、五玉そろばん、鰹節削り器、くけ台、古銭等々。学校に残っている物もありました。
てんびんばかりや古い電話。そして古めかしい鐘。持って鳴らしてみました。
「すごく重い!」「びっくりする程大きな音だね。」チャイムのかわりに、
これを主事さんが鳴らしている様子を、古い校舎の写 真と見くらべながら想像しました。
シーンとして、昔を思い起こしている様な表情になりました。
見るだけではなく実際に七輪で火をおこし食べ物を焼いて食べてみることにしました。
どうやって火をおこすか、どんな道具がいるか、何を焼いたらいいか等を話し合いました。
「なかなか火がつかないよ。」「けむいよー。」大さわぎでしたが、それでもようやく炭がまっ赤になって、
おもち・するめ・みりん干し・ソーセージ・バナナ・マシュマロ等を金網にのせました。
「おいしいよ!」「もっと食べたい。」「あったかいね。」最後には、火おこしの苦労も忘れて、
「昔の人っていいね。だってこんな楽しいことが毎日できたんだもの。」……
家のおじいさん・おばあさんにも九品仏あたりの様子についてインタビューしました。
学校の周りには竹やぶや麦畑があったこと。お寺の裏には池があって藤の花が咲き乱れ魚つりやボート遊びができたこと。
環八ができる前は桜並木があり春はすばらしいお花見ができたことなどがわかりました。
また、香野君のおじいちゃんに来校していただき戦前・戦中・戦後の学校生活のお話をうかがいました。
子供達からたくさんの質問が出され充実した一時でした。昔の良さにふれることが少なくなった今、
先輩の方々が積みかさねてこられた月日の重みをじかに学ぶことができました。
色々な学習を日々進めていく中で、まず課題をもち、自ら調べ、実際に体験してみることを大切にしながら
取り組んでいますが、地域の方々のご協力によって、学習がより深められることを、大変ありがたく思っています。