母校の近況
一年間を振り返って
平成十二年度 同窓会担当教諭 (H8〜H13)小倉 礼子
卒業式を締めくくりとして、平成十二年度が修了しました。連合音楽会や学芸会のある年は特に力の入る年でもあり、感慨深い一年でもありました。
四・五年生以外は単学級で、二年生は41名にもなり、音楽室の机が足りなくなってしまいました。机と机の間は通 る隙間もない程でしたが、子ども達は活気にあふれていました。音楽室に来てもなかなかおしゃべりがやめられない二年生でしたが、ピアノを弾き始めると、待ってましたとばかりに元気よく歌い出し、子どもらしい、自然でのびのびした声は、心が満たされるような幸わせな気持ちになりました。
三年生は紙楽器作りをしました。コーティングした工作用紙を切り抜いて、塩ビ管を使って筒にし、一方の口に、ポリ袋をカットしたものをかぶせて作るカズーと、筒にストローを短かく切った歌口をつけ、筒の長さを加えて、和音笛を作りました。はじめは、カッターでうまく切れなかったり、切り抜く寸法を間違えたり、筒状に丸められなかったりして、「先生、やってェー!」と持ってくる子が多く、2時間続きもあっという間に過ぎていきました。自分の歌う声がブーブーと面 白い響きになるカズーは、出来上がると、「きいて!きいて!」と、得意になって吹いて楽しんでいました。家でも作ったり、友達の分までじょうずに作ってくる子もいて、4種類のコードの和音笛も出来上がり、音楽集会では、全校児童の前で紙楽器の楽しいハーモニーを響かせました。
四年生は連合音楽会に出演し、世田谷区民ホールの舞台で、ミュージックベルを取り入れた合奏と手話の歌を演奏しました。 ―― 『ベルの響きがホールの中に広がって、とても心地良い合奏でした。手話の歌は、一所懸命伝えようとしている子ども達の姿がかわいかったです。』(他校の音楽の先生との感想より)――
五年生は学芸会で各々が持ち味を発揮し、難しい音やリズムを覚えて、活気のある演奏ができました。また、卒業式では、入・退場曲を立派に演奏し、御列席の方々からたくさんの拍手をいただく事ができました。みんなの音と心を合わせ、音楽に集中し、緊張感を持って演奏した後の達成感を味わい、一回り成長する事ができたと思っています。
二年生の時から五年間教えて六年生は、屈託のない、明るく素直な子ども達で、合奏も合唱も、いつも前向きに取り組んでくれました。卒業式では、涙をこらえながら、「すてきな友達」、「巣立ちの歌」、そして大好きだった「飛行船」の歌を、心をこめて歌い、巣立っていきました。