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先生・職員の方々
からの
メッセージ 敬称略
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六か年あっという間
第十二代校長 箕輪 文江
第5010号の卒業証書授与と共に、私も九品仏小学校を満期完了、退職となりました。
思い起こすこと六年前の始業式・入学式の小じんまりとした子ども達の集団が、大変印象に残っています。始業式における二年生から六年生迄の子どもたち全員・一人一人の顔がきちんと見届けられることは、何とよいことかと思いました。また、そのあとの入学式も半円形に座した可愛らしい一年生の小さなかたまり、保護者の皆様方の満面な笑みが直接、近くでお見受けでき、校長として歓喜が倍加されました。それ迄は八百から九百名と大きな規模の学校が多かっただけに、子ども達の目の輝きや歓びの息つかいまでも感じ取れるこの九品仏小で、教育の集大成をいたそうと心決めしたのも、九品仏小の子どもと出合った第一日目でした。
私にとってこの佳き思い決めをさらに確実にしたのは、やはり、学校と共に歩んでこられた同窓会の篤い志を受け止められたからでしょう。
六か年の在任期間にあって、大きな事業でもあり、大切な行事でもあった『九品仏小学校開校五十周年記念式典並びに祝賀会』は、同窓会長をはじめ、同窓の皆々様の『自校を愛し、我が母校の発展を願う変わらぬ想い』により、大願成就できました。本当にありがたく改めて感謝申し上げます。
又、この六か年は変化に富んだ教育変革の期間でもありました。主体的な学び方を追究する総合的な学習、ゆとりの中で心身共に豊かにと学校週五日制導入、公立学校の水準向上をめざす業績評価、地域の教育力を得て協力協働・参画を願う地域に開く学校経営等々学校の前進を大きく求められた時期でした。
在任中、『地域と共に歩む学校』をと努めて参りました基盤に、同窓の皆様方の活動や情報の共有、協力支援活動がありましたからこそ、尽力できた次第です。あっという間の六か年でした。これからも九品仏小の発展と本会のさらなる充実を祈念致します。
同窓会員五千名の佳節
吉田 孔一 現職(17代教頭)
校庭の早咲きの桜花に見送られ、本年三月の卒業式では、開校から数えて五千名を越える卒業生が、母校九品仏小を巣立っていきました。私も卒業式の司会をしながら、卒業生が涙をこらえながら校歌を歌う姿に感動させられるとともに、改めて創立五十一年の重みを痛感しました。
同窓会員が五千名を越えるということは本当に素晴らしいことであり、大きな節目だと思います。私が日頃お会いするPTAや地域の方々からも、「私も卒業生です。」「主人が同窓会なんです。」「うちの子どもがお世話になったんです。」等、本当に嬉しく、心強い言葉を聞かせていただいております。また、同窓会の皆様方が社会、地域に在って、なくてはならない存在として活躍されていらっしゃるということ、母校九品仏小への温かい気持ちを持ち続けて下さっているということを実感させられる日々です。
開校以来、数多くの方々のご尽力、ご支援の中、本校が五十一年の歴史を刻み、発展してきました。また、同窓会設立から今日の発展に向け、粘り強く取り組んで下さった方々にも本当に頭の下がる思いです。改めて御礼申し上げるとともに、同窓会員五千名の佳節をお祝い申し上げます。
お世話になりました
福島 照子 H10〜16(養護教諭)
新緑が目にしみる今日この頃、私達の節目は異動時期にあり、今九品仏小学校の思い出をじっくりかみしめています。私には新しい地域であり、「ひよっこ時代」の気持ちを抱いて赴任したのは、六年前のことです。
通勤途中には、緑の樹々や色とりどりの花々がいっぱいで、ペタルをこぎながら深呼吸をし、はずむ気持ちの朝夕でした。
素直で伸びやかな子ども達、十分な愛情に包まれて育っている子ども達、保護者の方々や地域の温かい眼差しと励ましが注がれる心地よい九品仏小学校でした。そんな中に浸かっていた私は「アリとキリギリス」の教訓で『よい思いをした後には……』という心配が募る三月でした。今は、九品仏小学校の皆々様に支えられ、守られてきた財産があるからこそと心より感謝申し上げます。
健康教育に携わる者として、小規模校のよさを生かし、子ども達とゆっくり丁寧に接する喜びを味わいました。たった15分間の発育測定前の保健指導のために手作り教材作りを楽しみ、「お針仕事」が好きな自分を発見しました。また、授業をする体験のなかった私が、「心と体の学習」では教室に行き、先生方、校医先生、保健師方のお力をかりて、小規模校ならではの学習も進められました。そして、歯科の高見澤先生の熱意に感銘し、「歯の学習」も積み上げられ、私の財産となりました。
毎日保健室に来る子ども達とのドラマを通して、教えられ、学ばされ、元気をもらい「九品仏小学校の花々」として胸にたっぷり収められています。
現在は、年令を重ねても毎日が「新しい体験」で新鮮な気持ちと驚きの中で、勤務先でも子ども達からパワーをもらって、楽しんで仕事をしております。本当に長い間、お世話になり有難うございました。
高野 智治 現職(51期1組卒業担任)
出会いの日からの2年間本当に子どもたちに感謝しています。
子ども達と過ごした時間は長いようで、あっという間でした。振り返ってみるとたくさんのドラマがあり、子どもたちから教えられたことがたくさんありました。一所懸命に努力すること・仲間を思いやる心・人を信頼することなど数えればきりがありません。そんな思いを胸に迎えた第五一回卒業式。一人一人の顔がいつも以上に輝き希望に胸をふくらませている姿を見て本当にこの子達の担任でよかったと感じました。この日は、朝教室へ行くと子ども達からのメッセージの入ったノートを贈られ思わず涙しました。また、式でも「さくら」の歌を聴きながらまた涙。退場の時にもまたまた涙。涙を見せずに送り出そうと決めていましたが、自分の素直な気持ちをそのまま出すことが一番と思い、気持ちのよい涙を流させてもらいました。
これからの中学校生活で悩み苦しむこともたくさんあると思いますが、大人になるための試練ととらえて、自分の信念をしっかりと持って、自分の手で、自分の努力で宝石のような大切な思い出をいくつも残してほしいと思います。
最後に「一生といっても現在の一瞬の積み重ねである。今日を充実させられない人に明日の開花はない。今、自分のなすべきことに情熱を燃やし、全力を注いでこそ次の大きな飛躍がある。」という言葉を卒業生に贈ります。