先生・職員の方々からのメッセージ

 

平成十七年度を終えて  竹 中 浩 H13〜H17(53期1組卒業担任)

 三月、九品仏小学校を、三四名が卒業していきました。不器用ですが、一生懸命な巣立ちに見えました。

 卒業式では、卒業証書をもらう時にひとり一言、希望や夢、決意などを言います。今年の卒業生は、自分の保護者への感謝を口にする子が多かったようです。将来に向かっての力強さが足りないかな、とも感じましたが、きちんと感謝の気持ちを持てることは、土台のしっかりした生き方につながるかなと思ったりしました。

 三四名は五三期生として同窓会の仲間に入れていただきます。どうぞ、先輩方のあたたかい支援をお願いします。きびしく優しく見守っていただきますよう、お願いいたします。

 

温かい地域・保護者の皆様、そしてよい子の学校 九品仏

吉 田 孔 一 H15〜H17(前副校長)

 九品仏小の爛漫の桜花に迎えられてから3年。また爛漫の桜花に見送られ九品仏小を離れました。今、改めて九品仏小の子どもたち、地域、保護者の皆様の温かさ、素晴らしさを実感しています。

 特に富田前会長、河田会長を始め同窓会の皆様にはいつも力強く母校を支えていただきました。また私自身も皆様のお陰で、職務を全うすることができました。感謝の思いで一杯です。

 同窓会総会や地域の諸行事で皆様とご一緒させていただいたことが、今でもはっきり思い出されます。商店会、自治会にも同窓会の方々がたくさんおられ、盆踊り、地域祭礼、餅つき大会、バスハイク、避難所運営等、いつも皆様にお世話になりました。奥沢神社の祭礼で河田会長や他の皆様と御神輿を担いだことも懐かしく思い出されます。

 また、保護者の皆様にも同窓会員が多く、PTA活動でも同窓会の方が中心で活躍してくださっていたのも、本当に有り難く感じられました。

 九品仏浄真寺、商店街、住宅街を含む穏やかな九品仏の地域がこれからも発展し、また九品仏小学校が地域の学校として充実、発展を続け、皆様に末永く親しまれていくことを強く願っております。最後に九品仏小学校同窓会の益々のご発展をお祈り申し上げます。

 

お世話になりました  高 野 智 治 H8〜H17

 気がつくと10年という長い間、九品仏でお世話になりました。新しい学校へ異動して実感しているのが、この地域の良さです。素直で明るく笑顔がいっぱいの子供たち、その子供たちを大切に思う保護者のみなさんの愛情、そして、地域の方々の温かい眼差し。九小の中にいてもそれは実感としてありましたが、異動してみると改めて地域全体のすばらしさを感じています。先日も、最初に卒業させた子たちと話をする機会がありましたが、それぞれが、自分の目標をしっかり持ってがんばっている様子をみて、その成長を嬉しく思いました。20歳になったらお酒でも飲みに行こうなどという楽しい話もできました。また、昨年、一昨年担任していた子供たちも上級生としていろいろなことに一生懸命に取り組んでいると聞いています。これからの活躍を期待し陰ながら応援していきたいと思っています。自分自身は、力足りずでご迷惑をたくさんかけましたが、多くのみなさんに支えていただき何とかやってこれました。本当に感謝しています。

 これからは、笹原小学校でも力一杯がんばっていきたいと思っています。また、遊びに行きます。

 

お世話になりました  浅 野 千 津 子 H15〜H17

 短い間でしたが、お世話様になり、本当にありがとうございました。

 九品仏小学校は、桜の美しい学校でした。桜の木を見ると、心やさしい子供たちや、親切にしていただき、ご協力いただいた保護者の皆様のことを思い出します。

 お別れすることをとても寂しく思います。どうか皆様お元気でお過ごしくださいませ。

 九品仏小学校のますますの発展をお祈り申し上げます。

 

大吉の3年間  日 野 原 輝 H15-H17

 3年前の春、赴任直前に九品仏小学校を訪れた際、浄真寺へお参りに行き、九品仏小学校の子どもたちとのこれからの出会いをお祈りした後、おみくじを引きました。するとなんと第1番の大吉! 期待に胸を膨らませ、臨んだ始業式での子どもたちとの出会いと、それからの3年間は、まさに大吉そのものでした。素晴らしい子どもたちと、素晴らしい時を過ごすことができたことは、私にとって大変貴重な経験となりました。

 特に昨年度は、少人数担当として、数多くのステキな子どもたちと接する機会に恵まれ、その中でとても多くのことを勉強させていただきました。これからはこの九品仏小学校での体験を十分に生かして、砧南小学校でも頑張っていきたいと思います。

 最後になりましたが、九品仏小学校と同窓会、地域の皆様のますますのご発展をお祈り致します。

 

子どもたちから学んだこと  中 村 理 明 H15〜H17

 九品仏小学校では、初任者として3年間大変お世話になりました。学校の先輩方や保護者・地域の皆様から、あたたかく見守られ、未熟な私でしたが、とても良い思い出を残すことが出来ました。

 九品仏小学校では、何よりも、子どもたちと過ごした図工の時間が心に残っています。のびのびと活動する子どもたちは、出来上がった作品を私に見せに来ては、「先生。見て!すごいでしょ!」と生き生きした表情をしていました。

 私が驚いたのは、一人一人が自分の作品を大切にするだけでなく、周りの子どもたちも一緒になって、「わあーっ、すごい!」と、友だちの作品を見て素直に感動できることでした。

 絵や工作が得意な子は、クラスに何人かはいるもので、それを見て「上手だね」と感心することは、私や子どもたちにも出来ることでしょう。しかし、図工の時間に出来上がる一人一人の作品には、どれを一つとっても、それぞれ必ず光るものがあるものです。それを発見し伸ばしていくことが、私たち教員の仕事なのですが、九品仏小学校では、子どもたちが私より先にその輝くものを発見し、子どもたち同士が互いにその良さを認め合う雰囲気がありました。そのことが、私を何より驚かせ、感動させました。

 一人一人の良さを、見つめる感性と、互いをあたたかく見守るやさしさは、九品仏の子どもたちの一番のすばらしさだと思います。きっと、保護者・地域の皆様や学校の先生方が、子どもたちをしっかりと見つめ、あたたかく見守り、一人一人の声にじっくりと耳を傾けるているからなのでしょう。

 九品仏の子どもたちから学んだことを、今後の自分に生かせるようにがんばっていきたいと思います。本当にお世話になりました。そして子どもたちへ、「ありがとう!」を言いたいと思います。

 

我が「慕校・九品仏」  第10代校長 碓 井 恒 夫 H3〜H6

 平成三年四月一日は忘れることのできない日です。校長として初めて着任した学校が九品仏小学校でした。都の辞令を頂いて区役所に戻り、区長さんや教育長さんのお言葉を頂き、いよいよ九品仏小に向かう時間がきました。丸山延子教頭先生が役所まで車で迎えに来て下さっていました。朝早くから堅苦しい時間を過ごしたせいか、タフで明るいはずの私もカチンカチンに緊張していました。そんな私の様子を見て、教頭先生は「九品仏小は家族的であったかい人ばかりですよ」と、優しい言葉で緊張をほぐしてくれました。学校に着くと職員やPTA役員の方々が笑顔で迎えてくださいました。私は「あったかい学校だなあ。」と、安心しました。

 夕方になって富田さん、宮本さん、佐原さんという三人の「おとうさん」が見えました。同窓会の会長・副会長さん達でした。九品仏小の同窓会が出来て五年。富田会長を中心に何期にもわたる同窓生がボランティアとして協力しあって、「名簿作り」と年に一度の「同窓会開催」「同窓会だより発行」を主な活動としているとのことでした。特に、当時卒業生の七十%以上の住所がはっきりしていると聞き、素晴らしい同窓会だと思いました。

 富田会長がニコニコしながら「九品仏小学校は我が母校ですから。」と言ってから「母校は『慕校』です」とおっしゃったことが、いまだに鮮明に耳に残っています。こう言う想いで同窓会が運営されている学校なら、私にとっても「慕校」なんだと、強く心に刻みこまれてしまったのは言うまでもありません。

 やがて一週間が経ち一ヶ月、一年と過ぎていけばいくほど「慕校、九品仏」の良さが体中にしみ込んでしまいました。小規模の学校で、子どもたちはとても落ち着いていて静かな学校でしたが、集会などで話をするとき原稿なしで堂々と話す子ども達の姿が瞼に残っています。「子どもが主役!未来にはばたけ九品仏!」のスローガンのもと四十周年の記念式典でも子どもが進行を進める等素晴らしい力を発揮しました。

 地域の方々の「地域みんなで子ども達を育てよう」と言う想いも強いものを感じました。   

 新春もちつき大会で「子ども達にもつかせて」との願いを、地域の方々はすぐに受けとめ、子どもがつくコーナーをつくり子どもたちにつかせてくれるようになりました。奥沢の「蛇踊り」が商店街を練り歩くのを全校で見学させてもらったときも、地域の方から子どもたちの幸せのためにと「藁で作った蛇」が届けられました。

 あの頃感じていた「子ども達を愛し、学校を『慕校』と思って支えてくれる地域と同窓会」が、未だに支え続けてくれている九品仏小学校はまさにみんなの「慕校」です。

 

 

心のふるさと 九品仏小  第12代校長 箕 輪 文 江 H10〜H15

 実家に戻るような思いで、同窓の方々が九品仏小同窓会に参加されたり、会報を楽しみに待ったりなさる。また、老若男女を問わず多くの卒業生が幼き日の九品仏小時代を話題に、スーッとタイムスリップできる。こうした懐かしい思いに浸ることができるのは、本会のゆるぎない積み重ねのお陰と思っています。それには、歴代の同窓会長をはじめ、事務局の皆様の組織的な運営の継承があるからこそです。

 九品仏小学校のまちの風情は、こぢんまりとした駅、ずっしりとしたお寺、メイン通りの家庭的な商店街、そして緑多い静かなたたずまいが思い起こされます。また、それらに加味して、環状八号線沿いや自由が丘、二子玉川あたりの素敵な街並も浮かびます。

 「ふるさと観」は多様でありましょう。そうした中で、九品仏小学校に戻った折に、幼少の頃、あんなことがあった、こんなこともあったと懐かしく思い起こされることが沢山あって欲しいと私は思っています。数年前に五十周年を終え、卒業生の皆様は多方面で活躍中です。そして何よりも誇れることは、九品仏小を巣立ち行く卒業生一人ひとりが、みな希望と自信をもって上級の学校へと進学していくことです。それがまた「夢と誇り」のある生き方に繋がっているので、卒業生に寄せる希望と期待がさらに大きいです。

 平成になって十八年。その間、学校を取り巻く環境が目まぐるしく変化してきました。知識重視から心豊かな育成に。学校完全五日制度実施によるゆとりある教育を。そして、生涯にわたり、より豊かな生き方を求めるために、子ども達が自ら学ぶ意欲を持ち、主体的に学ぶ学び方を修得する教育を。さらには学校の経営方針を保護者や地域の方々に、明確に説明することが、学校の責務となりました。また、授業において地域の人材を活用させて頂き、子どもの学習がより充実するように図っていく。なお、地域の目で九品仏小学校の教育活動を、具体的且つ客観的に評価して頂き、学校運営に忌憚のない意見を述べることが出来る時代となりました。

 九品仏小学校では、同窓の皆様が「地域の学校九品仏」として、時にはやさしく、時には厳しく、本音で教育を語り合うことが出来る校風を作って頂きました。私にとりましては、そのことが最大の宝となりました。転勤転居と止むなくされる同窓の方々もおられましょう。しかし、いつの時も、いつ迄も、九品仏小学校が、私たち同窓の心のふるさとであって欲しいと願っています。

 終わりになりましたが、本会と九品仏小学校の益々の発展を祈念申し上げます。

 

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