1999年11月8日(月) 小
○パリ(パリ市内自由観光→シャルルドゴール空港→成田へ)

 とうとう最終日になってしまいました。
 シャルルドゴール空港17時55分発の飛行機に乗るので15時まで自由行動です。

 凱旋門は昨日移動中のバスから見ただけだし、エッフェル塔も眺めただけでは心残りだし、せっかくだから登ってみたいので、シャンゼリゼ通り、凱旋門、エッフェル塔の散策を二人だけでチャレンジすることにしました。

 オプションでルーブル美術館に連れて行ってもらえるというコースもあったのですが、せっかくだから二人だけの力でパリの街を観光してみようと思ったのです。(ルーブル美術館も行きたかったんですがね) 

ホテル出発時、フロントで「エッフェル塔は何時から上れるのか?」と聞きたかったのですが、言葉が出てきません。
 「あー、うー、タワーエッフェル、オープンタイム、ホワットタイム?」てな感じで身振り手振りで説明したらなんとか通じたみたいで、9時30分から上れるらしいことが判りました。

 9時過ぎにホテルを出発しました。

 自由観光する人でもルーブル美術館に行く人などバラバラですが、ホテル近くの駅からから地下鉄に乗ってオペラ座の近くの駅を降りるところまでは添乗員の原田さんが引率してくれました。
 地下鉄(フランスではメトロと呼ぶ)の車両は自動ドアではなく、開けるのはすべて手動です。
 閉まるのだけは自働なのですが、ホームに停車した電車に乗り込むときや下りるときは自分でドアを開けなければならないんです。
 車内放送も全くなく、日本のように「次は○○です」みたいな案内も一切無いので、ボーっとしていると乗り過ごしてしまいそうです。
 もっともフランス語では放送があったとしてもとーと&かーかには全く理解できないので関係ないのですが・・・・。

 地下鉄を降り、それぞれの目的地に向かって歩き始めました。

 途中マドレーヌ教会の前を通りシャンゼリゼ通りに向かって歩いていると、名前は判らなかったのですが、ダイアナ妃が泊まっていたかもしれないような高級ホテルの前を通りました。
 スリに気を付けるように言われていたとーとは散策中、バッグを脇に抱え込み怪しい目つきで歩いていたせいなのかもわからないのですが、なぜか警備中のおまわりさんにじろじろ見られてしまいました。(ゴルゴ13に間違えられたか?!)

 怪しいものじゃありませんよと、笑顔を振りまきながら歩いていくと、職務質問も受けることなく無事高級ホテルの前を通過できました。
 シャンゼリゼ大通に出ると、オープンカフェ有り、高級ブティックありと、これぞパリ!という感じです。


田舎者の観光客丸出しで、記念撮影。

 さらにシャンゼリゼ通りを歩いていくと凱旋門が見えてきました。
 韓国人観光客っぽいグループが中央分離帯で凱旋門をバックに写真を撮っています。
 どうやらこの方法が凱旋門をバックにうまく撮影できるらしいのです。

 とーと&かーかもまねして中央分離帯でパチリ。

 凱旋門の近くまで行くと、ポラロイドカメラを首からぶらさげたフランス人のおじさんがうろうろしています。
 どうやら記念写真を撮って売っているようです。
 とーと&かーかも声を掛けられましたが、持っているカメラを見せながら「ノーサンキュー」と断ると、そのカメラで撮ってあげると言っています。(言葉はよくわからないがそんなような気がした)

 観光客のカメラで撮影しても商売にならないのだから、どうせ変なアングルで撮影してあるのだろうと思っていたが、意外にもちゃんと撮れていました。

 凱旋門の屋上に登るには有料ですが、なんと屋上に登るエレベーターの故障しているらしいのです。
 階段を歩いて登らなくてはならないのですが、この後エッフェル塔まで行き、さらにホテルまで戻る時間のことが気になり、屋上に登るのを断念してしまいましたが、ちょっと心残りでした。

 地図を見ながら公園の中を歩いていると、遠くのほうにエッフェル塔が見えてきました。
 昨日はJ-55だった電光掲示が今日はJ-54に変わって、確実に21世紀に向かってカウントダウンがされています。

 エッフェル塔の姿を見て道は間違いないということを確信して安心しました。

 セーヌ川に架かる橋の上でツーショットで写真を撮ってもらおうと思い、シャッターを押してもらう為に日本人観光客を探しましたが、たまたま近くに見当たりません。
 仕方なくどこの国の人か分からなかったのですが、トラベル英会話の本を片手に「ウッジューテイクアピクチャー?」と頼んでみると、通じた!

 ツーショットで撮ってもらうことが出来ましたが、出来上がった写真を見ると、あまりセンスのあるアングルではなかったですねぇ。

さて、エッフェル塔に上るにはチケットを購入しなければなりません。
 チケットは第一展望台、第二展望台、最上展望台の三種類あるので窓口でどれかを伝えなければならないのです。
 しかし、残念ながら最上階は工事中?で登ることができず第二展望台までしか行けないらしいのです。
 ますますチケットの買い方が分からなく困ってしまいました。

 トラベル英会話の本には適当な項目が無く、「トップ、トップ」「ツー・パーソン」と適当な単語を並べたらなんとか通じ、第2展望台へ登るチケットを購入することができました。

 東京タワーと違いタワーの中心部分は空洞になっていて、エレベーターは4本の足の付け根から斜めに登っていきます。

 第一展望台から第二展望台には垂直に登っていく普通のエレベーターを利用します。

 第二展望台に上ると模型のようなパリの町並みが一望できました。

 夕べ、ディナークルーズで通ったセーヌ川の川筋も良く見えます。

 エッフェル塔を降りるとそろそろホテルへ戻らなければならない時間が近づいてきました。

 ホテルまではタクシーに乗ってみることにしました。
 エッフェル塔の周りにはタクシーがいっぱい停まっているのですが、どのタクシーに乗るかを運転手の顔を見ながら選びました。
 できるだけ人の良さそうな運転手を見つけて、そのタクシーに乗り込みます。
 ホテルの地図を見せながら「フォレスト・ヒルまでね!」(思いっきり日本語で)と言うと。
 「ノン、ノン、フォレスト・イル」
とフランス語の発音をレクチャーされてしまいました。
 フランス語では「H」を発音しないので「HILL」は”ヒル”ではなく”イル”となるのです。
 エルメスも綴りは「HERMES]なので英語読みするとヘルメスという間抜けな名前になってしまうんですよね。

 1時過ぎに無事ホテルに戻りましたが、昼食は自分たちだけで済ませなくてはならないのです。
 適当なレストランを探してホテル周辺を歩きましたが、どこも高級フランス料理店に見えてしまい入る勇気が出ません。
 そうこうしていると日本で言うと、サブウェイみたいなサンドイッチのファーストフード店がありました。
 見ると4、5人のフランス人が並んでいます。
 これなら金額も安いし、注文も楽だと思い列に並ぶことにしました。
 注文の仕方は前の客の様子を見て真似しすれば良いと思い、じーっと観察しておきます。

 自分たちの順番が来てトッピングを選ばなくてはならない段階になって、「タメイト(トマト)・・・・・・」と言ったきり、他の材料の言い方が分からずしばらく固まってしまいます。
 仕方なく、指を差して「イッツ、イッツ、イッツ」と言いながら注文が無事完了しました。
 やはりコミュニケーションは言葉だけでは無いことがここでも証明されましたねぇ。

 サンドイッチは近くの公園で二人で立ち食いしました。
 小さな公園でしたが、ゴミひとつ落ちていない綺麗な公園です。
 近くでブォーという大きな音がしていると思ったら、清掃係のお兄ちゃんがエンジンブロアーで木の葉を吹き飛ばして一箇所に集めていました。
 後で収集車が来てその枯葉の山を持っていってくれるというドイツ方式の清掃方法ですが、虫なども一緒に吹き飛ばしてしまい生態系を破壊するからという理由で自然保護団体から苦情が出ているらしいですね。

 サンドイッチを食べ終え、予定集合時間の少し前に無事ホテルに戻ってくることが出来ました。

全員が揃い、シャルルドゴール空港までバスで移動します。
 途中右側にワールドカップが行われたスタジアムが見えました。

 スタジアム参考写真

 シャルルドゴール空港はパリ市街から北東へ約25kmの場所に位置している巨大空港です。
 1974年に開港したという空港ですが、ターミナルビルのデザインも斬新でなおかつ内部も非常に綺麗でした。

 成田からフランクフルト空港までは12時間半かかりましたが、帰りは11時間半のフライトです。
 なぜ行き帰りで飛行時間が違うのか?
 理由は偏西風(ジェット気流)の影響ということですが、てっきり地球の自転の関係かと思っていました。 

 帰りの飛行機は17時55分発JL406便、往きと違い、もう帰らなければならないのかと思うと、ちょっと寂しいです。
 しかもまだこれからローマに行く羨ましい人達もいるのでなおさら名残惜しいのです。
 とーと達もあと幾らかの追加料金でローマ観光付きのコースも選択できたのですが、費用的にも日程的にもそこまで欲張ることが出来なかったのです。(;^_^A
 無理してでも行っておけば良かったかな?と思いましたよ。
 ヨーロッパなんてもう二度と来られないかもしれないし、日本からの距離を考えたらパリからローマなんて隣町みたいなものだから・・・・・。

 そんなことを考えながら帰国の途に着きました。

旅の疲れもあり、帰りの飛行機内では煙草を吸えない苦労も無関係にひたすら寝て過ごしました。