常世田(とこよだ)税理士事務所
〒104-0032 東京都中央区八丁堀2-18-2中原ビル
201
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■特集記事/ メルマガ『経営の現場で活かす!実践管理会計』
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■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2003/7/29(第4号)━
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経営の現場で活かす!実践管理会計
〜社長や経営幹部のために〜会計データを経営の現場で実践活用します
http://www.cam.hi-ho.ne.jp/m-tokoyoda/
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こんにちは!「経営の現場で活かす!実践管理会計」の発行責任者の常世田
です。もう7月も終わりですが、関東地方はまだ梅雨が明けませんね。梅雨
明け直後が、一番体にこたえますので、うなぎでも食べて体力をつけましょう。
今週は、腕試しの例題特集号です。いつものチャレンジ問題に加えて、実力アッ
プのために、手応え十分の問題を満載しました。皆さん、全問正解を目指して、
頑張っていきましょう。
それでは今週もよろしくお付き合いください。
──◇ INDEX ◇──────────────────────────
【1】第1問(基本問題)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥まずは小手調べから
【2】第1問解答‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ポイントは、やはり費用分解です
【3】第2問(応用問題)‥‥‥‥‥‥‥‥‥これが解ければ、免許皆伝
【4】第2問解答‥‥‥‥‥‥‥‥‥ここでのポイントは、固定費の予測
【5】編集後記‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥発行者のつぶやき
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※このメールは転送自由です。ぜひ、たくさんの皆さんで読んでください。
転送の際には、必ず出典を明記して下さいね。
※本メールの退会方法は、末尾に記載してあります。ご参考ください。
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【1】第1問(基本問題)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥まずは小手調べから
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次の当社の損益計算書から、以下の問題に答えなさい。
(1)当社の損益分岐点売上高を求めなさい。
(2)当社の損益分岐点比率を求めなさい。
(3)当社の翌期の売上高が、販売部門による積上計算で252,000千円
と予測されました。翌期の経常利益はいくらになるであろうか。
(4)当社の主力商品(売上構成比40%)が業界での競争激化から、翌期は5
%の平均単価ダウンが見込まれる。この結果、経常利益はいくらになるで
あろうか。(翌期売上高は252,000千円から計算)
(単位:千円)
売上高 228,650
材料費 56,080
外注費 30,650
労務費 42,835
製造経費 29,110(注1)
――――――――――――――――
製造原価 158,675
――――――――――――――――――――
売上総利益 69,975
販売管理費 38,520(注2)
――――――――――――――――――――
営業利益 31,455
営業外収益 562
営業外費用 8,357
――――――――――――――――――――
経常利益 23,660
====================
(注1)製造経費の内訳
水道光熱費 5,682
修繕費 1,097
工場消耗品費 4,635
リース料・家賃 8,295
その他製造経費 10,201
(注2)販売管理費の内訳
販管人件費 26,509
発送配達費 2,836
接待交際費 1,156
備品・消耗品費 1,832
その他販売管理費 6,187
※前回、読者の皆さんから、数字の位置がずれているとご指摘をいただきました。
もし今回もずれているようでしたら、「MSPゴシック」などのプロポーショ
ナルのフォントではなく、「MSゴシック」などの等幅フォントを選んでみて
ください。
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【2】第1問解答‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ポイントは、やはり費用分解です
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ポイントはやはり費用分解です。変動費と固定費をしっかり区分してください。
●変動費は材料費、外注費、製造経費の工場消耗品費、販売管理費の発送配達費
と備品・消耗品費です。合計で96,033千円です。
●固定費は労務費、残りの製造経費と販売管理費、営業外費用−営業外収益です。
合計で108,957千円です。
●それから、変動費は労務費と外注費だけ、あとの製造経費や販売管理費は内訳
があろうが、なかろうが固定費だ、とした場合も正解です。前にもいましたが、
管理会計は、意思決定さえ間違わなければ、ザックリでもOKです。
●この場合、変動費は86,887千円、固定費は118,103千円となりま
す。しかし申し訳ありませんが、紙面の都合上、以下の解説は変動費96,0
33千円の第1法で行います。
それでは、一題ずつ解説していきます。
――――――― ◆ ◆ ◆ ―――――――
(1)当社の損益分岐点売上高を求めなさい。
●上記より変動費率は96,033千円/228,650千円=42%となりま
すので、限界利益率は1−42%=58%となります。
●損益分岐点売上高は固定費/限界利益率で求めますので、
108,957千円/58%=187,857千円となります。
――――――― ◆ ◆ ◆ ―――――――
(2)当社の損益分岐点比率を求めなさい。
●損益分岐点比率=損益分岐点売上高/実際の売上高×100%で求めます。
187,857千円/228,650千円=82.2%となります。
●損益分岐点比率は、低ければ低いほどよかったんですよね。優良企業の目安
の80%には少し届きませんが、まずまずです。ちなみに高ければ高いほど
よいのは、覚えていますか。そう、経営安全率ですね。
経営安全率=(1−損益分岐点売上高/実際の売上高)×100%
上記説例では1−82.2%=17.8%となります。
――――――― ◆ ◆ ◆ ―――――――
(3)当社の翌期の売上高が、販売部門による積上計算で252,000千円
と予測されました。翌期の経常利益はいくらになるであろうか。
●売上高が変動したときの経常利益を求める問題です。まさに変動損益計算の
得意とするところです。
売上高252,000千円×限界利益率58%=146,160千円
146,160千円−固定費108,957千円=37,203千円
――――――― ◆ ◆ ◆ ―――――――
(4)当社の主力商品(売上構成比40%)が業界での競争激化から、翌期は5
%の平均単価ダウンが見込まれる。この結果、経常利益はいくらになるで
あろうか。(翌期売上高は252,000千円から計算)
●売上高252,000千円のうち、構成比40%の主力商品が5%減るので、
252,000千円×40%×5%売上高が減ることになります。
つまり売上高は5,040千円減少し、246,960千円となります。
●いっぽう変動費は売上高252,000千円のときと変わりませんので、
252,000千円×変動費率42%=105,840千円になります。
●それでは固定費は、というと売上の変動や値引きには影響しませんので、
同額の108,957千円です。
246,960千円−105,840千円−108,957千円
=経常利益32,163千円となります。
●上記(3)の設問の答えと比較していただくと、わかりやすいですが、単価
が下がったことによる売上高5,040千円のダウンが、そのまま経常利益
を押し下げています。
37,203千円−32,163千円=5,040千円
このように、値引きや得意先からのコストダウン要求には、そのまま
利益が減少するということを覚えていてください。
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【3】第2問(応用問題)‥‥‥‥‥‥‥‥‥これが解ければ、免許皆伝
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当社の4月から12月までの損益計算書は以下の通りである。1月から3月まで
の売上高は132,900千円との見通しである。当期の最終経常利益はいくら
になるであろうか。当社は賞与を7月に1,200千円、12月に1,500千
円支給している。また営業外収益に年一回の配当金800千円がある。
(単位:千円)
売上高 379,200
材料費 38,540
外注費 98,720
労務費 133,900
製造経費 22,610
――――――――――――
製造原価 293,770
――――――――――――――――――――
売上総利益 85,470
販売管理費 67,290
――――――――――――――――――――
営業利益 18,180
営業外収益 3,150
営業外費用 9,950
――――――――――――――――――――
経常利益 11,380
====================
――――――― ◆ ◆ ◆ ―――――――
●プレゼント&ご意見募集のお知らせ
「経営の現場で活かす!実践管理会計」では、皆様からのご意見やご感想を、
大募集しています。メルマガに採用された方には、経営に役立つ小冊子「Q
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皆様からのメールをお待ちしております。
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【4】第2問解答‥‥‥‥‥‥‥‥‥ここでのポイントは、固定費の予測
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●第2問は固定費の予測が、大切です。
固定費は労務費、製造経費、販売管理費及び営業外費用−営業外収益ですね。
合計で230,600千円になります。月平均25,622千円ですね。
●しかし、賞与や配当金のように、固定費にも毎月均等に発生しない費用が
あります。これらを調整しないと、固定費の予測は出来ません。
230,600千円−(1,200千円+1,500千円−800千円)
=228,700千円を9ヶ月分の固定費とします。
●よって228,700千円/9月で25,411千円が月平均固定費です。
230,600千円+25,411千円×3月=306,833千円が累計の
固定費予想額になります。
●売上高は379,200千円+132,900千円で512,100千円、
変動費率は(38,540千円+98,720千円)/379,200千円で、
36.2%となります。限界利益率は1−36.2%で63.8%です。
●変動損益計算のうち、利益管理に必要な売上高、限界利益率及び固定費の
全ての要素が把握できましたので、利益予測が出来ます。
512,100千円×63.8%−306,833千円=19,887千円
となり、当期の経常利益の着地点は19,887千円と予測されました。
●このように、固定費として毎月均等に発生しない費用を、一旦抜き出してか
ら、平均月額を計算するのがポイントです。また正確な月次決算を行なうた
め、あえて賞与などを月数按分して計上することもあります。
●割と簡単でしたか?しかし、これが出来れば、皆さんもご自分の会社の決算
予側が出来ることになります。たとえ大掴みでも、予測があるのと、ないの
とでは、また自分で予測が出来るのと、出来ないのとでは大差があります。
ぜひ、経営の現場で活かしてみてください!
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【5】編集後記‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥発行者のつぶやき
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●日曜の巨人−ヤクルト戦に、子供2人とおい2人、子供の友人1人の計5人を
連れて行ってきました。もう両チームとも優勝はありえないこともあり、巨人
戦にしては、少し寂しい人の入りでした。
●上原が完投勝利、阿部の2ランで巨人が快勝したのですが、いちばん球場が沸
いたのは、清原がバッターボックスに立った瞬間でした。快音は聞かれません
でしたが、やはり千両役者、風格を感じました。
それではまた次回お会いしましょう。
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(第3号)損益分岐点 戻る
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2003/7/22(創刊第3号)━
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経営の現場で活かす!実践管理会計
〜社長や経営幹部のために〜会計データを経営の現場で実践活用
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こんにちは!「経営の現場で活かす!実践管理会計」の常世田(とこよだ)です。
なかなか梅雨があけませんね。夏の日差しが待ちどおしい今日この頃です。
梅雨バテにならないよう、うなぎでも食べて、体力をつけましょう。
先週のテーマの変動損益計算は、会社の業績管理の決め手です。この考え方が、
理解できていれば、今週の損益分岐点のお話も応用するコツを覚えるだけです。
それでは今週もよろしくお付き合いください。
──◇ INDEX ◇──────────────────────────
【1】今週のテーマ(損益分岐点)‥‥‥‥‥‥‥‥‥考え方は一緒です
【2】チャレンジ問題‥‥‥‥‥損益分岐点売上高と経営安全率を求めよ
【3】ワンナップ講座‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥損益分岐点比率と経営安全率
【4】ワンナップ問題‥‥‥‥‥‥‥それではチャレンジ問題に追加です
【5】チャレンジ&ワンナップ問題回答‥‥‥‥二問とも解けましたか?
【6】編集後記‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥発行者のつぶやき
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※このメールは転送自由です。ぜひ、たくさんの皆さんで読んでください。
転送の際には、必ず出典を明記して下さいね。
※本メールの退会方法は、末尾に記載してあります。ご参考ください。
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【1】今週のテーマ(損益分岐点)‥‥‥‥‥‥‥‥‥考え方は一緒です
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●まずは、先週のテーマ変動損益計算の復習です。変動損益計算書は費用を
変動費と固定費とに区分して、
売上高−変動費=限界利益 限界利益−固定費=経常利益
として、経常利益が算出される様式の損益計算書をいいます。
●変動損益計算書のメリットは、売上高の変化に伴う利益の変化を即時にとらえ
ることが出来ることです。また変動費は率で、固定費は金額でとらえることも
思い出してください。
●さて、今週のテーマは損益分岐点です。実は、読者の皆さんはすでに、損益
分岐点の考え方については、先週の創刊第2号で学習しています。
それは目標経常利益を達成するための必要売上高の考え方と同じです。
●目標経常利益を達成するための必要売上高は、限界利益から固定費を支払って、
なお目標経常利益が残る売上高をいいます。算式にすると
(目標経常利益+固定費)/限界利益率=必要売上高 です。
●それでは損益分岐点とは、経常利益がゼロになる売上高をいいますので、限界
利益から固定費を支払うと利益がまったく残らない売上高をいいます。
つまり
(経常利益0+固定費)/限界利益率=固定費/限界利益率=損益分岐点売上高
となります。
●どうです。考え方は同じですよね。また限界利益−固定費=経常利益ですから、
限界利益−固定費=0となるのであれば、限界利益=固定費となります。
つまり損益分岐点売上高は、売上の増加に伴って増えてきた限界利益がよう
やく固定費を回収できるところの売上高なのです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【2】チャレンジ問題‥‥‥‥‥損益分岐点売上高と経営安全率を求めよ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
次の損益計算書から、当社の損益分岐点売上高を求めなさい。
売上高 800,000
材料費 120,000
外注費 200,000
労務費 150,000
製造経費 30,000
製造原価 500,000
売上総利益 300,000
販売管理費 140,000
営業利益 160,000
営業外費用 60,000
経常利益 100,000
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【3】ワンナップ講座‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥損益分岐点比率と経営安全率
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●また仮に、当社の損益分岐点売上高が1億円として、当期の実際の売上高が
1億2千万円だったとすると、損益分岐点まで2千万円余裕がある。つまり
売上が2千万円下がっても損益トントンですよ、ということです。
●この余裕度を測る指標が損益分岐点比率です。損益分岐点比率は
損益分岐点比率=損益分岐点売上高/実際の売上高×100%
で求められます。
前の例で行くと1億円/1億2千万円×100%=83.3%です。
●損益分岐点比率は低いほどよいです。また経営安全率も以下の算式で求めら
れますが、こちらは高いほどよいです。
経営安全率=(1−損益分岐点売上高/実際の売上高)×100%
●それでは優良企業の損益分岐点はどうなっているのでしょうか?
ちなみにゲームキューブやゲームボーイの任天堂は売上高5620億円に対し、
損益分岐点売上高が580億円と、損益分岐点比率はなんと10.4%という
ことです。そうすると経営安全率は89.7%となります。このように、もの
すごい数字の会社もあります。
●もうひとつ、よく皆さんもご利用されるセブンイレブンは売上高1810億円
に対し、損益分岐点売上高は800億円、損益分岐点比率は44.4%です。
●これらの超優良企業は別にして、損益分岐点比率で80%以下、経営安全率で
20%以上あれば、優良企業といってよろしいと思います。あなたの会社の
損益分岐点比率を計算してみませんか。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【4】ワンナップ問題‥‥‥‥‥‥‥それではチャレンジ問題に追加です
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【4】のチャレンジ問題から、この会社の経営安全率を求めなさい。
経営安全率については、先のワンナップ講座をご参照ください。
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【5】チャレンジ&ワンナップ問題解答‥‥‥‥二問とも解けましたか?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●まずはチャレンジ問題の解答です。
基本は、しつこいようですが、変動費と固定費との費用分解から始めます。
変動費=材料費、外注費
固定費=労務費、製造経費、販売管理費、営業外費用
変動費=材料費120,000+外注費200,000=320,000
固定費=労務費150,000+製造経費30,000+販売管理費
140,000+営業外費用60,000=380,000
●限界利益率と変動費率を求めます。
変動費率=変動費320,000/売上高800、000=40%
限界利益率=1−40%=60%
●損益分岐点売上高は、損益トントン、つまり固定費と限界利益が等しくなる
売上高ですので、
限界利益×××−固定費380,000=0
限界利益×××=380,000
●そこで限界利益が、固定費380,000と等しくなる売上高を限界利益率
を用いて求めます。
限界利益380,000/限界利益率60%=633,333
損益分岐点売上高=633,333
となります。
●ここまで出来れば、ワンナップ問題は簡単すぎますね。
損益分岐点売上高=633,333
実際の売上高=800,000
経営安全率の公式は
経営安全率=(1−損益分岐点売上高/実際の売上高)×100%
●公式に当てはめると、
(1−633,333/800,000)×100%=20.8%
経営安全率が20%以上となり,なかなかの優良企業だといえますね。
間違えちゃった方は、もう一度読み直してくださいね。
――――――― ◆ ◆ ◆ ―――――――
読者の皆さんから、質問がありました。ありがとうございます。
「変動損益計算が、経営に有効なのは、よく分かった。それでは、実際に活用す
るために、また変動損益計算書を自動で作成できるソフトを紹介して欲しい。」
というものでした。私も税理士業務の中で、この質問は非常によくいただきます。
そんな時には、迷うことなくFX2(TKC戦略情報システム)をお勧めします。
FX2は、変動損益計算のコンセプトから設計された、経営者のための最強の統
合型業績管理ツールです。
詳しくは、私のHPで紹介しています。また会計ソフトの選び方も、そちらで
解説していますので、あわせてご覧ください。
FX2(TKC戦略情報システム)はこちらから
↓ ↓ ↓
http://www.cam.hi-ho.ne.jp/m-tokoyoda/newpage11.htm
「経営の現場で活かす!実践管理会計」では、このようなご質問やご意見、ご感
想をお待ちしています。よろしくお願いします。
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【6】編集後記‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥発行者のつぶやき
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●もう夏休みですね。夏の旅行などリフレッシュの予定は入っていますか。
私の夏休みは、8月の終わりごろになりそうです。こんな話をしていると、
社長や幹部の皆さんからは、「休んでなんかいられるか」というお叱りの声が
聞こえてきそうですが、ソニーの出井会長のように「ONとOFF」でいきた
いですね。
●ところで第3号の内容は、いかがでしたでしょうか?今回の損益分岐点は、
かなり経営実務に近いお話ですので、理解しやすかったのではないでしょうか。
いつも、こういうネタだったらいいですね。
●次回は例題を考える!問題特集号をお送りします。実際の問題に当たることで、
経営のヒントになること請け合いです。ぜひご期待ください。
それではまた次回お会いしましょう。
――――――― ◆ ◆ ◆ ―――――――
◎ 税理士がこっそり教える!税理士の選び方
初めて税理士とお付き合いする方や、いま顧問契約を結んでいる税理士の変更を
検討している方に、税理士がいったいどんな仕事をどこまでしてくれるのか?
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(先週号でリンクが間違っていました。ごめんなさい。)
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【発行元】常世田税理士事務所 mailto:m-tokoyoda@cam.hi-ho.ne.jp
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【ホームページ】http://www.cam.hi-ho.ne.jp/m-tokoyoda/
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(第2号)変動損益計算 戻る
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2003/7/15(創刊第2号)━
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こんにちは!「実践管理会計」発行者の常世田(とこよだ)です。
おかげさまで、発行数も500部を超えました。1000部を目標に頑張ります。
創刊号のテーマ、変動費と固定費については、ご理解いただけましたか?
今週のテーマの変動損益計算も、そこがわかれば考え方のコツをつかむだけです。
それでは今週もよろしくお付き合いください。
──◇ INDEX ◇──────────────────────────
【1】今週のテーマ(変動損益計算)‥‥今期の利益はいくらになるの?
【2】チャレンジ問題‥‥‥‥‥今期の利益目標達成に必要な売上高は?
【3】ワンナップ講座‥‥‥‥‥‥‥‥‥10%の値引きの意味するもの
【4】チャレンジ問題解答‥‥‥‥‥‥‥‥‥今週の問題いかがでした?
【5】編集後記‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥発行者のつぶやき
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※本メールの退会方法は、末尾に記載してあります。ご参考ください。
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【1】今週のテーマ(変動損益計算)‥‥今期の利益はいくらになるの?
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先週の変動費と固定費の費用分解から、今週は限界利益や変動損益計算を学習
します。聞きなれない言葉ですが、考え方は簡単です。しかも経営の現場で
バッチリ応用できますので、ぜひ覚えてください。
●まずは復習から。変動費とは、売上高や工場の操業度に応じて変動する費用を
いい、材料費や外注加工費、商品仕入高、消耗品費が代表です。
●固定費とは売上高や工場の操業度の変化にかかわらす発生する費用をいい、
労務費などの人件費や製造経費、管理費、設備費が代表です。
●さて今週の本題です。売上高から変動費を差引いた利益のことを限界利益と
いいます。限界利益から固定費を差引くと経常利益が求められます。
このように変動費と固定費を区分した損益計算のことを変動損益計算といい
ます。管理会計の基本です。
売上高−変動費=限界利益
限界利益−固定費=経常利益
【 変動損益計算書 】 【 普通の損益計算書 】
売上高 100 売上高 100
変動費 40 売上原価
70
限界利益 60 営業利益 30
固定費 50 販売管理費 20
経常利益 10 経常利益 10
●では変動損益計算書と普通の損益計算書とどこが違うのでしょうか?
売上が変動したときの、利益の予想をする場合を考えてみましょう。
それでは上記の例を使って、、売上高が90になった場合、変動損益計算書
と普通の損益計算書の双方で経常利益がいくらになるか考えてみましょう。
●まずは変動損益計算書です
売上が90になると、変動費は売上により変動しますので、売上比例と考え、
90×(40/100)で36になると計算できます。また売上高から変動
費を差引いた限界利益は90−36で54、限界利益から固定費を差引いて
経常利益を求め、4というのが正解です。
売上高90−売上高90×(変動費40/売上高100)=限界利益54
限界利益54−固定費50=経常利益4
または
売上高90×(限界利益60/売上高100)−固定費50=経常利益4
●これを普通の損益計算書で求めると、売上90×売上総利益率30%=27、
27から販売管理費20を差引いて7とか売上90×経常利益率10%=
9という答になってしまいます。これはなぜかというと、売上原価の中に
労務費や製造経費など売上が減っても減らない費用つまり固定費が含まれ
ているためです。
売上高90×(売上総利益30/売上高100)−販売管理費20=7
売上高90×(経常利益10/売上高100)=9
●つまり普通の損益計算書では利益予想には役に立たないことがわかります。
変動損益計算書こそ業績管理の決め手なのです。
●ここでのポイントは、変動費は、売上高や操業度に応じて変動するため、
率(割合)で捉えることです。限界利益にも同じことがいえます。
売上に対する変動費の割合を変動費率といい、売上に対する限界利益
(売上−変動費)の割合を限界利益率といいます。
変動費率=変動費/売上高
限界利益率=限界利益/売上高=(1−変動費)/売上高=1−変動費率
●これに対して、固定費は金額で捉えます。変動費は率で、固定費は額で、
これが業績管理のポイントです。次回のお話する損益分岐点分析や利益計画
でもよく使われますので、ここでしっかり覚えましょう。
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【2】チャレンジ問題‥‥‥‥‥翌期の利益目標達成に必要な売上高は?
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【1】の考え方が理解できたら、少し応用して次の問題にチャレンジしましょう。
次にある会社の当期の損益計算書があります。この会社、翌期の目標経常利益を
当期の2倍の600と設定しました。
さて翌期の目標利益達成に必要な売上高はいくらでですか?
売上高 5000
材料費 1100
外注費 900
労務費 1200
製造経費 700
売上原価 3900
売上総利益 1100
販売管理費 800
経常利益 300
【 参考 】
売上高−売上原価(材料費+外注費+労務費+製造経費)=売上総利益
売上総利益−販売管理費=経常利益
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【3】ワンナップ講座‥‥‥‥‥‥‥‥‥10%の値引きの意味するもの
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●変動損益計算書では、製品価格を10%値引きした場合の経常利益も、簡単に
試算することが出来ます。
●【2】の問題で、製品価格を10%値引きした場合を計算しますと、
売上高5000×90%=4500
限界利益=売上高4500×限界利益率60%=2700
限界利益2700−固定費2700=経常利益0
●というように、製品価格を10%値引きした場合の経常利益は、0になります。
「ちょっと、まってください。」
「本当にこれでよろしいですか。」
●売上高が減少すると、変動費も減少するということに頭をとられますと、この
ような誤りをおかします。製品価格を10%値引きするのであれば、製品数量
は変わりませんので、その製造にかかる変動費も変わりません。つまり、変動
費の金額は変わらす、変動費率が上昇する結果になります。
新変動費率=変動費2000/新売上高4500=44.4%
経常利益=新売上高4500−変動費2000−固定費2700=△200
経常利益=新売上高4500×新変動費率44.4%−固定費2700
=△200
●変動費率が変化することを、理解していないと、値引きしても損益トントン
と経営判断を誤ることになります。全製品10%値引きということは、あまり
考えられませんが、製品別などでは、こういったケースは多いと思いますので、
ご注意ください。
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【4】チャレンジ問題解答‥‥‥‥‥‥‥‥‥今週の問題いかがでした?
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今回の問題はいかがでした?なかなか手ごわかったですか?
何回も言うようですが、基本は費用分解です。どれが固定費で,どれが変動費か
わかれば、目標経常利益は、限界利益から固定 費を差引いた金額だから・・・
●変動費は
材料費1100+外注費900=2000ですね。
変動費率は
変動費2000/売上高5000=40%
●限界利益は
売上高5000−変動費2000=3000となります。
限界利益率は
限界利益3000/売上高5000=1−変動費率40%=60%になります。
●固定費は
労務費1200+製造経費700+販売管理費800=2700となります。
●目標経常利益は600ですので、考え方としては、限界利益−固定費=600
となる限界利益をまず求め、それを限界利益率で割戻し、必要売上高を求めます。
限界利益○○○−固定費2700=目標利益600
限界利益○○○=固定費2700+目標利益600=3300
必要売上高×××:限界利益3300=100%:限界利益率60%
必要売上高×××=限界利益3300/限界利益率60%
したがって必要売上高×××は5500となります。
●検証してみましょう。売上高が5500のときの経常利益は
売上高5500×変動費率40%=変動費2200
売上高5500−変動費2200−固定費2700=経常利益600となり、
計算結果が検証されました。
●整理します。
(目標経常利益+固定費)/限界利益率=必要売上高
になります。
つまり限界利益から固定費を支払って、なお目標経常利益が残る売上高が、
必要売上高と考えます。こう考えるとわかりやすいですよね。
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【5】編集後記‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥発行者のつぶやき
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●蒸し暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか?私は少し涼しかった
昨晩にTシャツ1枚で寝てしまい、少し風邪気味です。皆様も健康にご留意
ください。
●さて創刊第2号いかがでしたでしょうか。「現場の経営に活かせなければ、
会計の意味はない。」今後も、会計データを現場の経営に活用するための
例題や実際の事例をふんだんに取り入れるつもりです。ご期待ください。
●「会計って考えていたより易しいな。」「会計も結構、経営に役立ちそうだ。」
そう皆さんに言っていただけるようなメルマガを書きたいと考えています。
ぜひご意見、ご感想をお寄せください。お待ちしています。
●次回は損益分岐点についてお話したいと思います。知っていそうで知らない
応用ポイントも紹介しますので、ご期待ください。
それではまた次回お会いしましょう。
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経営の現場で活かす!実践管理会計
〜社長や経営幹部のために〜会計データを経営の現場で実践活用
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はじめまして!「実践管理会計」発行者の常世田(とこよだ)です。
これから長いお付き合いになります。どうぞよろしくお願いいたします。
経営の現場に会計を活かすぞ!という意気込みのもと、社長や経営幹部は
もちろん全ての経営管理者に役立つ、実務のための会計についてお話します。
まず、今週は管理会計の第一歩、変動費と固定費を理解しましょう。
──◇ INDEX ◇──────────────────────────
【1】今週のテーマ(変動費と固定費)‥‥‥‥固定費とは、変動費とは
【2】今週のチャレンジ問題‥‥‥‥次の費用は固定費、それとも変動費
【3】ワンナップ講座‥‥‥「全ての費用は、必ず費用分解できるの?」
【4】チャレンジ問題回答‥‥‥‥‥‥‥‥‥今週の問題いかがでした?
【5】編集後記‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥発行者のつぶやき
────────────────────────────────────
※本メールの退会方法は、末尾に記載してあります。ご参考ください。
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【1】本日のテーマ(変動費と固定費)‥‥‥‥固定費とは、変動費とは
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今週は管理会計の第一歩、会社にかかる諸々の費用を変動費と固定費に
分解します。この費用分解は損益分岐点や収益計画にもつながっていきます
ので、ここでしっかり理解しておきましょう。
●変動費と固定費とは、何に対して変動したり、固定であったりするので
しょうか?
皆さんご存知のように、売上高に対して変動したり,固定であったりします。
売上高に伴って増加及び減少する費用を変動費といい、売上高が変化しても
増減しない費用を固定費といいます。
●では、そこで問題です。製造業における製品製造原価(売上原価)は材料費、
外注費、労務費及び製造経費からなりますが、その中で売上に伴って変動
する費用すなわち変動費はどれとどれですか?
●答えは材料費と外注費です。材料費は生産数量が減少すれば、材料費も減少
します。また外注費は製造に当たり一部外注している加工費ですから、
生産数量が減少すれば、これまた減少します。このように売上高や工場の
操業度に応じて変動する費用が変動費なのです。
●それとは逆に売上高や工場の操業度の変化にかかわらす発生する費用を
固定費といいます。前の製造原価でいうと、労務費や製造経費が固定費に
あたります。
●変動費と固定費は、それぞれ勘定科目ごとに把握します。例えば、通信費が
固定費で、運賃が変動費といった具合です。それでは理解を深めるために、
チャレンジ問題に進んでください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【2】今週のチャレンジ問題‥‥‥‥次の費用は変動費、それとも固定費
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次の費用は変動費、それとも固定費でしょうか?
この費用分解が出来れば、売上予想や損益分岐点分析などに幅広く
応用できます。さあトライ!トライ!
(1)営業マンの残業代 ( 変動費 、固定費 )
(2)社長の役員報酬 ( 変動費 、固定費 )
(3)工場で使用する水道光熱費、電力費 ( 変動費 、固定費 )
(4)販売のための広告費、キャンペーン代 ( 変動費 、固定費 )
(5)ISDNから変更したADSLの通信費 ( 変動費 、固定費 )
(6)完全成果配分による決算賞与 ( 変動費 、固定費 )
(7)ギフトの包装紙代、梱包材料代 ( 変動費 、固定費 )
(8)従業員数が増加している時の事務所の家賃 ( 変動費 、固定費 )
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【3】ワンナップ講座‥‥‥‥‥‥「全ての費用は、必ず費用分解できるの?」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【2】の問題を解いて、次の疑問をもったあなた。あなたはするどいです。
「全ての費用が、必ず変動費か固定費に費用分解できるの?」
その通り、全ての費用が変動費と固定費に区分されるわけではありません。
●固定費のなかでも変動費的な要素をもつもの、または変動費のなかでも
固定費的な要素をもつものがあります。これらはそれぞれ準固定費または
準変動費と呼ばれています。
●一番わかりやすい例は営業マンの給与です。営業マンの給与で基本給の部分に
については固定費でいいですが、歩合給や残業代については変動費になります。
また水道光熱費や通信費のように定額の基本料金に従量制の料金が加算され
ますので、変動費と固定費、どちらともともいえませんよね。
●先の例のように、売上高や工場の操業度にかかわりなく定額で費用が発生し、
かつ同時に売上高や工場の操業度に伴って増減する費用を準変動費といいます。
●準変動費に対して準固定費とは売上高や工場の操業度が臨界点を超えると
急激に増加し、また次の臨界点までは固定的にかかる費用をいいます。
事務所の家賃を例にとれば、人員が5人のときは10坪で済むので10万円
しかし人員が6人になると机が置けないので20坪の事務所に引っ越しをして
20万円。また次は10人を超えると考えなくてはいけないでしょう。
そういった性格の費用です。
●このように厳密にいえば、純粋に変動費や固定費とに区分できる費用は、
少ないのです。しかし管理会計では、このようなどちらともいえない費用でも
会社の実態に合わせ、変動費や固定費に振り分けています。それは多少精度は
粗くても、迅速な意志決定に役立つための会計、それが管理会計だからです。
つまり管理会計は、判断にくるいが生じなければ、ざっくりでも構わないのです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【4】チャレンジ問題回答‥‥‥‥‥‥‥‥‥今週の問題いかがでした?
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さて、今週の問題いかがでした?え、やさしすぎました。
準変動費と準固定費については、問題を出した後で、解説しましたので、
わからなくてもOKです。考え方を理解してください。
(1)営業マンの残業代
答:基本給、固定給は固定費ですが、残業代は変動費です。
(2)社長の役員報酬
答:固定費です。
(3)工場で使用する水道光熱費、電力費
答:準変動費です。基本料金は固定費、従量部分は変動費。どちらが多いかで
変動費とするか、固定費とするかを判断してもらえばOKです。
(4)販売のための広告費、キャンペーン代
答:広告やキャンペーンにより売上高が増減すると考えますので変動費です。
(5)ISDNから変更したADSLの通信費
答:ISDNは従量部分もありますが、ADSLは固定料金ですね。
答えは固定費です。ISDNは厳密にいえば準変動費ですね。
(6)完全成果配分による決算賞与
答:決算賞与は利益の処分項目になりますので、変動費や固定費には分類せず、
費用分解の除外項目になります。ちょっと反則ですか。
(7)ギフトの包装紙代、梱包材料代
答:ギフトの売上が増えれば、包装紙や梱包材料も余計に使いますね。
変動費です。
(8)従業員数が増加している時の事務所の家賃
答:ワンナップ講座で解説した準固定費になります。どちらかに区分する
としたらやはり固定費でしょう。
判断に難しいものもありましたが、実務上は会社での判断におまかせします。
例えば(1)の残業代は確かに変動費ですが、給料手当という勘定科目で集計
されていれば、特にそれだけ抜き出さずに、給与手当として固定費に含めて
しまっても問題ありません。
もう一度言います。管理会計は、判断にくるいが生じなければ、ざっくりでも
構わないのです。
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【5】編集後記‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥発行者のつぶやき
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●創刊号いかがでしたでしょうか。「現場の経営に活かせなければ、会計の
意味はない。」とのコンセプトでメルマガを発刊しました。
今後も、会計データを現場の経営に活用するため、例題や実際の事例に
多くあたり、知識やノウハウを会得し、実践します。
●皆様方からのご意見やご質問をお待ちしております。取り上げていただきたい
テーマや「この前、うちの顧問税理士がこんなこと言ってたんだけど、
ちょっと納得がいかないな。」というお話など、なんでも結構です。
ぜひともよろしくお願いします。
●次回以降は、今日お話した変動費と固定費の話を応用して、変動損益計算や
損益分岐点など会社の業績管理に直接結びつく話をしたいと考えています。
もちろん基本は「変動費と固定費」です。
それではまた次回お会いしましょう。
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初めて税理士とお付き合いする方や、いま顧問契約を結んでいる税理士の変更を
検討している方に、税理士がいったいどんな仕事をどこまでしてくれるのか?
といった疑問に答え、いい税理士とはどんな税理士か?を税理士の立場で
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