38: 重陽の節句

 9月9日は重陽の節句です。 菊の節句とも言われ、ほかの節句と同様古来中国から伝わったものです。 中国では、奇数は縁起のよい陽の数とされ、一番大きな陽の数である九が重なる9月9日を、「重陽」として節句のひとつとしてきました。 当然本来は旧暦の9月ですから、菊がたくさん咲いていたのでしょうね。
 中国ではこの日、茱萸(しゅゆ)を袋に入れて丘や山に登ったり、菊の香りを移した菊酒を飲んだりして、邪気を払い長命を願うという風習があったそうです。
 それが平安時代に日本に伝わり、宮中行事としては天皇以下が紫宸殿に集まり、詩を詠んだり菊花酒を飲んだりしてけがれを祓い、長寿を願ったといいます。 また、菊の被綿(きせわた)といって、重陽の節句の前夜にまだつぼみの菊の花に綿をかぶせて菊の香りと夜露をしみこませたもので、宮中の女官たちが身を清めたといいます。
 庶民の間ではちょうど田畑の収穫の時期ということもあり、「栗の節句」とも呼ばれ、栗ご飯などで祝ったということです。
 桃の節句や端午の節句が今も行われているのに対し、重陽は明治以降は急激に廃れてしまいました。 旧暦から新暦になり、日付と季節感がずれてしまったのが原因かもしれませんね。
 何はともあれ、菊酒を手に、家族の長寿と一家の繁栄を祈ろうではありませんか。














39: いまどきのお節考

 「おせち」というと日持ちするものがお重に詰まってるイメージの方もいらっしゃるかもしれませんね。 お正月と言ってもコンビにもあるし、スーパーもすぐ開くし・・・。
 でも「おせち」が無ければお正月らしくない! 
 お正月にちなんだめでたいものを、おいしいうちに食べきれるだけ詰める「おせち」が時代の流れでしょうか。 
 明月楼でも、おせちは承っております。 元日においしく食べれるように調理します。(日持ちすることを前提にするのではなく、おいしい状態でお届ける事を考えてます。 その中で少しでも日持ちするように火を入れるものはすべて前日に火を入れるようにしています。 防腐剤等はいっさい使わないので当然ですけど・・・。)
 明月楼では原則としてお重を事前に持参いただき、大晦日に詰めてお渡しすることにしています。 そのほうが、自前のお重もたまには活躍するし、第一、安物のプラスチックのお重をもらっても、処分にも困るでしょ。
 しかし、お重って大きさも形もいろいろあり、彩りよく詰めるのも結構難しいんですよ。 大晦日は調理するより盛り付けに時間がかかるくらいです。
 また、詰め替え用や好きなものを少しだけほしい人のために単品の販売も一昨年より始めました。 本当に自分の好みのオリジナル「osechi」もできますよ。

 お正月は料亭の味を気軽に楽しんでみてはいかがですか。  



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