信号符号化

マンチェスタ符号化処理



 デバイスドライバのソフトウェアは IP、IPX、NetBIOS やその他の上位プロトコルのフレームを受取ります。 このデータからデバイスはフレーム(適当なイーサネットヘッダ情報を付け、終わりの部分にはフレームチェックシーケンスを付けます)を組み立てます。 アダプタカード上の回路はフレームを取り込んで、それを電気信号に変えます。 送信ビットの流れの電圧はマンチェスタ符号化方式と呼ばれるものです。 マンチェスタ符号化方式は1とゼロの二進データを電気的に表現する仕方です。 この方式はすべての 10M ビットイーサネット( 10BASE5、10BASE2、10BASE-T )に使用されています。 さらに詳しい説明は別ページにあります。 100M ビットの方式も別ページで詳述しています。

 このページにある図は 16 進で「 OE 」、二進では「 00001110 」の信号の例です。 1ビットの中ほどの移り変わりが一貫しているのに注目してください。この例ではその中ほどの状態が、高から低へ移る状態と、低から高へ移る状態があります。 これはクロックの移り変わりです。 アダプタの受信回路がこの一貫した信号の移り変わりを自動的に追跡し、 そのことによってそれぞれのビットの始まりと終わりのタイミングを特定します。 1は1ビット間の前半が低い電圧で、後半は前半の反対の状態にあるものです。このようにしてクロックの移り変わりが作らます。 ゼロは前半が高い電圧の状態にあるものです。 上の図には描かれていませんが、ビットの始まりに移り変わりが付加されていることがあります。 この場合、次に来るビットの準備として、信号が高くあるいは低くなります。
(※補足)この一番下の説明は、「差動マンチェスタ符号化方式」と呼ばれるもので、実際にはこの方式が使われています。 どちらにせよ、この方式はビットの流れ(ビットストリーム)の中にクロック信号が埋め込まれていて、 アダプタはこれにタイミングを合わせて通信を行うということです。

 外部の電磁石がマンチェスタ符号化方式にどんな影響を与えるか考えてみましょう。 この外部要因が電気モータ、ラジオ通信、その他の結果であるとします。 クロック信号が破壊されると、マンチェスタ信号は混乱させられます。つまり、ビットが破壊されるのです。 電気的な干渉によって1がゼロに変わると考えるのは理屈に合わないでしょう。 それぞれのビットは左右対称(後半は必ず前半の反対)なのですから、 電気的ノイズの結果はビットの反転ではなく、ビットの破壊となるのです。