統合

100M イーサネットを既存の 10M イーサネットへ統合

 100M イーサネットがここにあります。「どうすれば使い始められるのか?」という慰問が浮かび上がってきました。 100M イーサネットを既存のネットワークに統合するには、一度にすべてを行う必要はありません。 以下に考慮しなければならない点を挙げます。

スイッチの導入
ボトルネックの回避
外へ、下位へ向かっての技術の拡張


スイッチの導入

 ネットワーク中にトラフィックの集中によってボトルネックの生じている箇所にスイッチを導入します。 100M イーサネットは高いスループットを提供しますが、どのネットワークを改善するのが一番よいのか、ということを知ることは大切なことです。 どのセグメントが頻繁に大きなトラフィックを流そうとしているのでしょうか? ネットワークアナライザで調べてみて、 どのセグメントが一番高いトラフィックを示しているのでしょうか?

 スイッチを導入することによってどのネットワークセグメントが一番たくさんデータを運んでいるのかがわかるでしょう。 スイッチを入れることは、一般道路からハイウェイにするようなものです。ハイウェイでは特定の車しか走ることはできません。 この考え方は、一対一のネットワークのような、あるところからあるところへのトラフィックに関しては非常に上手く機能しますが、 さまざまなところから使用されているサーバや、ネットワークの内部にあるファイアウォールのような、ある特定の場所におけるトラフィックが遅いときにはあまり役に立りません。 その場合にはネットワークのボトルネックを分離する別の方法があります。スイッチを導入することは、 まず 100 M ビットイーサネットへ移行する準備として 10/100 M スイッチを入れるときに有効なのです。

 スイッチを導入することはコリジョンドメインの問題を解決するときにも意味があります。10 M イーサネットでは、 2つのステーションの間には4つまでの HUB またはリピータが許されています。100M イーサネットではその数は1または2になります。 リピータの代わりにスイッチを導入することによってネットワークを分割することができ、 長時間にわたって通信量を低く抑えることができるのです。


ボトルネックの回避

 ボトルネックが特定できたら、ネットワーク接続を 100 M ビットにするべきです。 まずすべきことは、現在使われているケーブルが 100M イーサネットでも使えるかどうかを調べることです。 UTP においてケーブルは、カテゴリ5か、あるいは4対使えるカテゴリ3である必要があります。 100BASE-TX を使用するつもりなら、より速い速度に対応していることが証明されたケーブルが必要になります。 ケーブルを調べる機器などがあれば、こういう作業は楽になります。

 10/100 M スイッチ、つまり従来のイーサネットと 100M イーサネットの両方に対応している機器を導入すれば 100M イーサネット接続の初期導入は簡単になります。 導入したスイッチが 10 M スイッチであれば、「お下がり」として使うことができます。より大きな帯域を必要としているユーザのセグメントの HUB をそれで置き換えてます。


外へ、下位へ向かっての技術の拡張

 100M イーサネットを徐々拡張していくためには、外側へ、下位レベルへ向かうのが望ましい方法です。 10/100 カードの値段は、10 M のものと比べてもそれほど高くありません。新しいマシンを導入するときに 10/100 カードを付けておくのはよい考えです。 将来そのマシンを 100 M で動かすときには、接続先を変えるだけで済むからです。 マシン側ではドライバなどの再設定が必要となります。わずかな経費で、後の手間と使えなくなる時間が節約できます。