IP プロトコル群

DARPA : 米国国防総省高等研究計画局

 1968 年、米国国防総省( Department of Defense → 略称は DoD で、TCP/IP ファミリのことを DoD と表現することもあります)は、高等研究計画局( ARPA )でネットワークの構築を始めました。 ARPANET を呼ばれるこのネットワークは、明確な目標を持っていました。

巨大コンピュータリソースの共有( 1968 年?に)
信頼性の高いデジタル通信基盤の開発

 1975 年には、ネットワークは約 60 のノードで構成されており、3ヶ月に一ノードの割合で増加していました。 ARPTNET は成長・拡大し、コンピュータが次々とネットワークに加わり、今日では Internet と呼ばれるようになりました。 インターネットは、指数的に成長しており、ノードの正確な数はわかりません。1 憶にもなるでしょうか。

 ネットワーク制御センターが、カリフォルニアのパロアルトにあるスタンフォードの研究センターに追加される形で、 Bolt、Beranek、Newman によって設立されました。そこでは ARPANET の中央制御装置として、DEC の PDP-10 という一台のコンピュータが使われました。

 ARPANET の目的を達成するために、通信プロトコル群が開発されました。 当初の目的はこのプロトコルによって達成され、今や TCP/IP として、または単に IP プロトコル群として知られています。 目的とは以下のようなものです。

論理的にデバイスを特定し、ネットワークをグループ化するアドレスの仕組みです
インターネットプロトコル( IP )
IP アドレスがわかっているときに、物理アドレスを決めます
アドレス解決プロトコル( ARP )
ネットワークアドレス情報のための冗長情報蓄積システムです
ドメインネームサービス( DNS )
現在の通信経路が使えなくなったときに他の経路を使えるようにします
ルータの設定を通じて。後に経路情報プロトコル( RIP )
ネットワークのエラー状態を通知します
インターネット制御情報プロトコル( ICMP )
データ交換をするための簡易メカニズムです
ユーザデータグラムプロトコル( UDP )
信頼性のあるデータ送信です
送信制御プロトコル( TCP )
ファイル転送です
ファイル転送プロトコル( FTP )
(簡単版)ファイル転送プロトコル( TFTP )
メール伝送システムです
簡単メール転送プロトコル( SMTP )
端末装置をホストコンピュータのようにします
Telnet

 時が経つにつれて、もともとのプロトコルに多くが付加され、機能が拡張されてきました。 以下は、いくつかの新しいプロトコルです。

ルーティング機能を拡張します
最も短い経路を優先します( OSPF )
シスコインターネット経路ルーティングプロトコル( IGRP )
拡張インターネット経路ルーティングプロトコル( EIGRP )
アドレス以外のネットワーク情報を蓄えるための拡張機能です
ネットワーク情報サービス( NIS )
遠隔地よりのルータ管理です
簡易ネットワーク管理プロトコル( SNMP )
遠隔のファイルをあたかも自分のところにあるかのように見せます
ネットワークファイルシステムプロトコル( NFS )
ネットワークプログラミングを容易にするインターフェイスです
リモートプロシージャコールプロトコル( RPC )
ネットワーククライアントのために起動プログラムを提供します
起動プロトコル( BOOTP )
動的ホスト設定プロトコル( DHCP )
ネットワークのパフォーマンスデータを獲得します
遠隔モニタ MIB( RMON )

 この章では IP 傘下のプロトコルの様々な面について説明します。 説明は完全ではありません。新しい情報が付加されて行くと考えてください。


この項目で説明すること

インターネットプロトコル IP
アドレス解決プロトコル ARP
インターネット制御情報プロトコル ICMP