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THE HOBO KING SESSION
featuring
"THE PRESTONS"

ライブ・レポート 大報告!!〜10月10日はプレストンズの日〜


1997年10月10日に京都磔磔にて行われたライブ“THE HOBO KING SESSION featuring THE PRESTONS”のレポート日記です。 少しづつ追加更新しまして、その都度テキストの色を変えてます。 初めてご覧になる方は色は気になさらないでください。

●98/01/29第1回 ●98/01/31第2回 ●98/02/03第3回 ●98/02/04第4回

このように表示される部分につきましては補足ページにて解説をしております。 なお、文章はqawauchiの記憶だけに頼るものです。 あらかじめご了承ください。


10月9日(木)

大阪梅田のHEAT BEAT。今日がqawauchiにとって「アルマジロ日和」初体験であった。 前日、ついうっかりMOTOのオフィシャルHPで福岡のライブ・レポートをチェックしてしまったので、ある程度のネタは判っていた。 ところが!予想をはるかに上回る内容の濃いライブ!!
映画の上映40分と休憩10分で、ライブの正味はいつもより50分短いハズ。 でもでも、前半の映画が効いたのか?MOTO登場の際のオーディエンスの歓迎ぶりは、いつも以上に熱気があった。
「古い曲はヤラナイ。次に出るアルバムの曲、今日はそれを全部やります。」
とMOTOの宣言もあって知らない曲ばかりだった。 けれど、“ノリ”に関しては全く問題ナシ。 MOTOも良くしゃべって終始にこやかだったし、お客さんも1000人程度ということで、いつもとは違うとっても家族的な雰囲気のライブだった。

さてさて、宴もたけなわの頃、
「あっ、それから唐突なんだけど・・・」
とMOTO。
「みんな、プレストンズって知ってる?」
なんと!謎の覆面バンド“プレストンズ”について語り始めた。
「“プレストンズ”は、僕らH.K.B.の中のメンバーで構成された二人組で、しかもキーボードのデュオらしいんだ。 で、H.K.B.の中でキーボード奏者は二人しかいない・・・。 (二人を指し示しながら)Dr.KYON!そしてニシモト アキラ!」
さらに説明は続いて、
「僕はよく知らないんだけれど、彼らのバック・バンド“ラブ・シャンデリアス”もH.K.B.の中のメンバーがやってるらしい。 そしてどんな内容なのかは知らないけれど、明日“京都磔磔”で彼らのライブがある。 時間がある人はぜひ足を運んでほしい。」
とのこと(ほんとはもっとたくさん、メンバーとの掛け合いを交えながらいろいろ説明してくれた)。
まさか“プレストンズ”の正体がDr.KYONと西本明氏だったなんて! な〜んて言っても実は磔磔のチケットにメンバーの名前がしっかり印刷されとりましたので、9月14日の時点ですでにバレバレだったんスけど。
ところで、なんでMOTOは磔磔のライブを宣伝するの? なんかイヤな予感が・・・

さて、ライブのほうはアンコールとアンコール2もあって合計13曲! 結局、古い曲もちょっとヤッて無事終了。 やはり少々体力が余る感じだったけど、明日に備えて温存しとかねばということもあり満足満足で帰ることに。
帰り際、HEAT BEATの出口付近でノージさんを発見。 げげん!イヤな予感大的中!! “プレストンズ”のチケット売っとる!! ひぇ〜、完売できなかったのネ。 そんなことならqawauchiが微力ながら(ホントに微力っスが・・・)あちこち宣伝しましたのに〜。 うー、ぜひ名乗って先日頂いたeMailのお礼を言いたかったんだけど、会場閉鎖までのわずかな時間のオジャマになってはイカンと思いそのまま立ち去ることに。 きっと明日会えると思うし・・・。 ガンバッテくださいネ、ノージさん。

10月10日(金/祝)

京都磔磔には午後5時40分頃到着。 すでに例の扉前にはたくさんの人たちが集合済み。 少々ざわついてるのはいったいナニ? よーく耳をすませば小屋の中から聞こえるのはMOTOの歌声ダ! わーい!やっぱりこの記念すべき日に一肌脱ぎに来てくれたんスね!
おっと、チケ取り行列2番目の彼女、オオタさんとも再会の握手。 イェイ!イェイ!だんだん興奮してくるqawauchi!

わいわい、がやがや
▲磔磔の扉前

午後6時、開場前にノージさんが扉前でプレストンズ・グッズの販売を開始。 qawauchiもTシャツとカセット・アルバム(グッズはこの2種類のみ)を購入し、その際ノージさんと握手。 ヤタッ、感激っス!
ほどなく開場の時間となり、我ら4人組は先陣切っての入場。 qawauchiの同行者は十年来の親友、サイトーと、ホルモン教・・・もとい、モルモン教の敬虔なクリスチャンでありますシスター・シノハラさんとその彼氏。 qawauchiは真ん中のイチバン前へと思ってたら他の3人がベタベタと壁際の長椅子(縁台)に腰掛けてしまった。 今日は女の子が多いし(約8割)やっぱりド真ん中はマズイか!?と思いqawauchiも隅へ(一人じゃサビしーし)。 目の前にはDr.KYONのキーボードが! となりのオルガンも昨日ステージで見たのと同じ! うー、来てヨカッタ。

クネクネ
▲おなじみヘビ君

7時、二階の楽屋(たぶん)から、H.K.B.のメンバー登場! ステージの反対側にある階段を降りてきてオーディエンスをかきわけステージに。 お客さんたちも大興奮でお出迎え。
客席から見て右からDr.KYON、西本明氏、佐橋コロちゃん、小田原豊氏、井上富雄氏の位置順に。 小田原氏の目と目のまわりが赤いのは一杯ひっかけて来たかららしい。 西本氏も缶ビール持参だ。 西本氏と佐橋コロちゃんの服装は先日「THIS'97」のとき、開演3時間前に赤坂ブリッツの周辺を二人で歩いてたときのと一緒みたい。
Dr.KYONのTシャツのプリントはおそらくコウモリの顔のアップだと思うんだけど、これが非常にナゾだ。 このTシャツ、フィルム・アルマジロの中でトミーも着てたし、アルマジロ日和のステージ・スタッフも着てた。 なんなんだろう?

さてここでこの日の構成を先に説明しておくと、Dr.KYONは二部といってたけど、実質は
●THE HOBO KING BAND SESSION
●THE PRESTONS LIVE
●謎のアーティストが一曲
●THE HOBO KING BAND SESSION
の四部構成(飽くまでもqawauchiの私見)。

まず、第一部ではそれぞれのフェバリットでしょうか? 佐橋コロちゃんは“ラズベリーズ”の曲だったんだけど、曲のあとの一言
「杉真理でした。」
の意味は?(よーわからんけど雰囲気あった)
西本氏は他のメンバーがボーカル取る時はとっても滑らかに動く指が、いざ自分の弾き語りになると緊張のあまり小さく震えてしまうなんて! ヤーン、ウブいぜっ! 彼ほどのキャリアがあってもまだ固くなってしまうことがあるんですねぇ。
さて、各自オリジナル&コピーで1〜2曲のボーカル(小田原氏は歌なし)を取ったあと10分間のインターバル。 休憩中、扉の外からノージさんの大きな声が聞こえてきた。
「プレストンズのカセット・アルバムとTシャツはここでしか買えませーん!いずれ価値がでまース!!」
そう、qawauchiも絶対そー思うんだけど、その口上は売れ行きが鈍いのかな??
このあとはいよいよTHE PRESTONS LIVEに突入!

O

ふたたび楽屋から、まずラヴ・シャンデリアスのお三人が登場。 三人とも赤いシャツに着替えてるんだけどT.シャンデリア(ベース)はシルクの、Y.シャンデリア(ドラム)とK.シャンデリア(ギター)はベルベットな感じ。
「こんばんわ、ラヴ・シャンデリアスでーす・・・フィリピンから来ました。」
とはK.シャンデリア(ギター)の第一声。 うーん、ほんとフィリピン・バンドな雰囲気。 そーそー、自己紹介のときK.シャンデリア(ギター)は
「なんで俺は(イニシャルが)Kなの?」
と言ってました。

で、ラヴ・シャンデリアスだけで一曲やったあと、ステージにノージさんが登場で御礼のご挨拶。
「こっからは写真は勘弁してネ。とくにお一人すごく照れ屋さんがいるもので。」
と説明あり。 ムゥ、さてはあのお方が出るのだな!

つづいていよいよお待ちかねの“プレストンズ”のお二人、A.プレストンとK.プレストンの登場! あれれ?普通っすか!? てっきりアフロ・ヘアーで登場かと思ってたのに二人ともTシャツを着替えただけでチョット残念・・・
二人はステージに上がってそれぞれのキーボードを前にがっちり握手。 ついでに身をよじらせての激しい指相撲(なぜ?)。
「プレストンズのレパートリーは3曲あります!今日は3曲全部やります!!」
と、K.プレストン。 すかさずK.シャンデリア(ギター)が、
「ん!?どっかで聞いた台詞だナァ。」
「うん、古い曲はヤラナイ。」
Whey-Hey-Hey!ネタ繰ってたのか!?

一曲目の♪「あまりにもひぇ〜」はサビの部分を振りつきでみんな一緒に歌おーとの提案あり。
この曲はカセットでは聞き手の脱力感を誘うナイスな歌なんだけど、ここではオーディエンスも「ひぇ〜」&「シェー」を大合唱のスんごい盛り上がり!
「シェー」は超有名なあのポーズ。 「ひぇ〜」の説明はむずかしいのだけど「餅になった脳ミソを両手を使って左右に何度も引っ張る」と言えば判っていただけるだろうか? K.プレストンはお手製のメッセージ・ボード(画用紙にマジックで描いた絵、これでポーズを指示)で難なくオーディエンスを踊る変な集団にしてしまった。

二曲目はA.プレストンがボーカルを務める♪「おもにころがっていた」。 これはカセットと同じく、アンニュイでだるだるな感じ。 歌というより、インストゥルメンタルの合間合間にA.プレストンのセリフが挿入されているのだ。 A.プレストンはセリフを待つ間、トボトボ、あるいはフワフワといった感じでマイク片手にステージ中央あたりを小さく徘徊する。 それがなんとも言い難い良い味をだしていた。
この曲は噂どおり、A.プレストンの日常が想像できる貴重なナンバーだろう。 ところで、彼はホントーに日曜の朝、公園で菓子パンを食べてるのだろうかっ!?

三曲目はラヴ・シャンデリアスも歌に参加の♪「食べざるもの喰うべからず」。
またまたお客さんにシャウトの要請。 「大っ!」と叫ぶのは大盛りの意味。 “なんでんかんでん”や“ホープ軒”ってのは東京の有名なラーメン屋さんのこと。 むかし東京暮らしをしてたqawauchiには懐かしいフレーズっス。 さらに、この曲ではラヴ・シャンデリアスのメンバーの変わった好物(食い併せ)が暴露される。
じゃがバターに塩辛はK.プレストン。それはひとつの宇宙。
T.シャンデリア(ベース)はさしみにマヨネーズ。それはひとつの愛。

Y.シャンデリア(ドラム)はプリンに醤油をかけてウニの味。
もちにバターのK.シャンデリア(ギター)は「えっ、みんな違うの?」のセリフあり。
楽しー!!なんてブラボーなんでしょ! MOTOのコンサートでは全くMCのないH.K.B.のメンバーだけどこんなに面白い人たちだったのか! とくにトミーのMOTOのコンサートでは見れないにこやかな表情が印象的。

無事プレストンズの全3曲が終了後
「ここで特別ゲストです!アメリカから来た謎のミュージシャン、“ブラインド・ボーイM”!!」
と後ろの階段を指差すDr.KYON。 出た!ビッグM!! 赤と白の毛糸帽を目深にかむり、おおきなサングラス(フィルム・アルマジロ♪「風の手のひらの上」のビデオ・クリップの中でかけてたもの?)をかけての登場! そして彼のパフォーマンスはすでに始まっていた!

付き人に手をとられながらゆっくり階段を降りてくるB.B.M。 興奮の坩堝にありながらオーディエンスの海はモーゼの十戒のごとく割れ、彼のために道を作る。 やはり、この方に対してプロレスラーの背中をパシパシ叩くような真似はできません(いや、中にはしがみついてる女の子もいたようだけど・・・)。 ステージに上がってからも手探りでマイクを探したり、ギターを掛けてもらうときも、その掛けてくれる付き人の顔をなでまわしたりと奇妙なパフォーマンスはつづく。 そして何一つ言わぬまま彼の歌は始まった。
曲はボブ・ディランの♪「コリーナ・コリーナ」。 これは以前「HEY!HEY!HEY!」の収録でも演奏されながらON AIRはなかった幻の歌だ。 ぜひ一度聴いてみたいと思ってた曲がまさかここで聴けるとは!

やがて演奏は終わり、
「ども。」
の一言を残して、そしてたったこの一曲で彼はステージを去る。 ふたたび付き人に手をとられながら、そしてゆっくりと二階の楽屋へ消えていった。
「誰かに似てましたネェ。」
と、彼を見送ったあとのK.プレストン。
ほんまにええもん見せてもーた(感動)。

「じゃ、ここからはTHE HOBO KING BANDの楽屋SESSIONのつづきを・・・」
って、チョットチョットDr.KYON。 今、ステージにいるのはプレストンズとラヴ・シャンデリアスじゃなかったの? と、ツッコミそうになったけど・・・ま、固いことゆーたらいかんか。 セッション再開一発目はT.Rexの♪「Get It On」。 当代一流のアーティスト集団でこの曲をやれば、どんだけ盛り上がることか! うー、やっぱり来てよかった!!

「えー、次の曲は先輩(西本氏)が歌います。みんなで協力して英語を訳して、更にそれをトミーが博多弁に直したものです。」
と、Dr.KYON。 曲はトム・ロビンソン・バンドの♪「2-4-6-8Morterwey」。 ふむふむ、確かに西本氏は博多弁で歌っている。 さっきのプレストンズですっかりリラックスしたかな?と思いきや、またまた少し緊張気味の西本氏。 隣で見守るDr.KYONの眼差しが実に優しく感じられた。

この夜、プレストンズに負けず劣らず頑張ったのがトミーこと井上富雄氏。 オリジナル&コピー合わせて4〜5曲のボーカルを取ったのだからプレストンズより多かったのだ(オリジナル曲はどれもカッコ良かった!)。 トミーの前には彼のファンが固まってて、熱狂的というよりも、食い入るように彼をみつめる人たちが多いように感じた。

ある曲が始まる前、
「次の曲のセリフ部分は先輩(西本氏)に捧げる内容にアレンジしました。だから、僕は今日から先輩のことを“豚骨兄ぃ”って呼びます。」
と、トミー。 “トンコツあにぃ”とはあまりにピッタリ・・・もとい、変な愛称だけど、演奏後のトミーから、
「“豚骨兄ぃ”ってゆーのは、この曲のタイトル♪“ポーク・サラダ・アニー”に掛けてるんです、一応。」
と補足があった。 “ポーク・サラダ・アニー”と言えば確かエルヴィスが歌ってたような・・・ なるほど、そーゆー愛情あふれる(?)ニックネームだったのか。

そして、最後はDr.KYONの曲(いや、コロちゃんだったかも?)で本編が終了。 メンバーが楽屋に引き上げても、アンコールの拍手は鳴り止まない。 みんな後ろを向いて催促をするのは磔磔ならではの光景か。
期待に応えてステージに戻ってきてくれたのは今夜の主役“THE PRESTONS”のお二人。
「どうもアリガトウ。」
と、K.プレストンことDr.KYON。そしてA.プレストンこと西本明氏にそっとスコアを手渡す。
「これをやりますからネ、センパイ。」
「ふん、ふん、」
と、西本氏。 思うに、Dr.KYONの今日のホストぶりは素晴らしいものだった。 彼のおかげで場がしらけるなんてことは一瞬たりともなかった。 うわさ通りのライブの達人である。 H.K.B.のメンバー同士が、いかに気が合っているかもよくわかるライブだった。 プレストンズ&ラヴ・シャンデリアスが今夜だけのセッションなんてあまりにももったいない!!

そしてついにほんとにお別れの時。 qawauchiは楽屋に引き上げようとするDr.KYONを引き止め、
「ドクター、ドクター、これ頂戴!」
と目の前のスコア・ブックをねだった。
「えっ!?これはアカンがな!」
と、あっさり断られ、サイトー(前出の友人)にも
「ばかっ!」
と、怒られてしまった。 だけどレポートに書くネタができたと、かなりうれしいqawauchi。 二人が去ったあと、ステージにはノージさんが上がってお開き宣言。
「プレストンズの二人も、是非また、この磔磔でやりたいと申しております。 またいつか、みなさんに会えるのを私も楽しみにしてます。 どうもありがとうございました。」
うー、ほんとに名残惜しいけど仕方がないっス。

帰り際、磔磔の扉のとこでオオタさんがqawauchiを呼び止め、
「帰っちゃうの!?」
と、意外そうな顔をした。 彼女はつまり、磔磔は遅くとも11時には閉まるし、出入り口はひとつしかないのだから、ここで少し待っていればH.K.B.のメンバーやMOTOをお見送りできるヨ、と言いたかったのだろう。
「うん、東京へ帰る友達を送るから。また、会おうネ!」
待ちたい気持ちはやまやまだけど、友情は大切だ!ということで僕らは磔磔を後にした。 ほんとに、またここでプレストンズを見れる日が来ますようにと願いながら。

※演奏曲目など、補足はコチラ。


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