元気日記(第249号:行ったり戻ったりしながら)4/16(日) 翌早朝更新

 

「お客様にお知らせいたします。ただいま、王子駅の車両故障のため、当路線は上下線とも大きくダイヤが乱れております〜・・・」

 

通勤途中の横浜駅。駅や構内に流れるアナウンス。朝からの車両故障の影響で、駅もホームも、人・人・人。

振り替え輸送の改札口も長蛇の列です。

人々の目は鋭く、明らかに苛立ちの表情の人が多い中、ふと、いつも電車の中ですれ違う自閉症らしきの中学生を思い出していました。

彼は、いつも同じ時間に同じ場所を通り、ニコニコしながら同じ位置の同じ場所でホームを降り、電車に向かって言葉を投げかけています。

私(父)は、いつも彼の姿を見て、一人で通学する姿を微笑ましく見守っていました。

(彼は大丈夫だったのかな?この混乱に巻き込まれていなければ良いのだが・・・。)

こんな、状況になったとき、予定外の変化が苦手な自閉症の人たちは、どう対処をしているのでしょう。

多くの自閉症の人たちが、きっと、苦しい思いをしたことでしょう。

どうしようもないことですが、ダイヤの乱れが起こるたびに、何だかそんなことを考えてしまう私です。

 

           チューリップ.bmp (6530 バイト)                   チューリップ.bmp (6530 バイト)

さて、さて、学校では給食も始まり、いよいよりょうまの6年生の生活も本格的にスタートしました。

前号でお話したとおり、りょうまは担任の先生も、クラスメイトも、教室も、全く変更がありませんでした。

そんなことからか、例年の春の時期に起こる環境変化による気持ちの乱れも比較的少ないようで、順調な6年生のスタートを切れているようです。

 

調理の授業では、ピザトースト作りの際、「パン、食べよっかなぁ〜!」とニコニコ顔だったようです。

家でも、「パン、食べよっかなぁ〜♪」と独特の音階で言う、りょうまの姿を見ることがあります。

「(・・・・・)、食べよっかなぁ〜♪」は、(・・・・)の中に、(お菓子)であったり、(アイスクリーム)であったり、様々な言葉が入るので、しっかり理解して発している言葉です。

でも、りょうま!朝6時の寝起き直後に、冷蔵庫をゴソゴソあさって、

「プリン、食べよっかなぁ〜♪」とはどういうことやねん?プリン(゚-゚;)ヾ(-_-;) オイオイ... (アサカラプリンカ?)

 

           チューリップ.bmp (6530 バイト)                   チューリップ.bmp (6530 バイト)

週末、三浦半島の南端にある城ヶ島に行ってきました。(詳しくは明日のお出かけレポートでアップいたします)

海辺をハイキングしたり、遊覧船に乗ったり。

りょうまも楽しそうです。

りょうまと歩きながら、ん?何だかいつもと違うぞ・・・?と言う感覚に襲われました。

そうか!

りょうまと歩く際はいつも、りょうまの背中が父のおなかにベッタリの状態で歩くことがほとんど。

しかし、今日はりょうまの手が父とつながれています。(ただ、りょうまの手のひらは長袖シャツの袖の中にクルクル入っちゃっていますが・・・)

でも、手をつないでの、公園散策は久しぶりの感覚です。何だかうれしい。。。

そういえば、学校の連絡ノートにも、先生と手をつないで、買い物に行けたって書いてあったな・・・。

こうやって少しづつ、行ったり戻ったりしながら、わずかな変化を繰り返しながら、変わってゆくのかな。

 

今回も外出先で、りょうまとトイレに駆け込むことが何回かありました。

外出先で我々親子の場合、通常はりょうまが排便してしまった時など障害者トイレを利用させてもらいます。

ただ、障害者トイレが無かったりする時は、りょうまと2人で一般トイレの個室に入ります。

今回のスポットにも、残念なことに障害者トイレが無く、そのパターンになりました。

私の場合、父と自閉症の息子ですが、お母さんと息子さんやお父さんと娘さんの場合もあると思います。

週末に自閉症の息子さんがいるお母さんとお話しする機会があり、障害者トイレが無かった場合のご苦労をお聞きしました。

また、旅行先でのお風呂についても同じことです。

お母さんと息子さんやお父さんと娘さんのパターンの場合、我々が経験しないご苦労があることをあらためて知った気がします。

だからこそ言いたいですね。

障害者トイレが古くからの場所で無いことは仕方ないにしても、あるにもかかわらず鍵をかけているところをよく見かけます。

公園管理者はどういう感覚で鍵をかけているのでしょう?

何のための、誰が利用する、障害者トイレなのでしょう?今一度、考えてもらいたいですね。

今後は、その様な状態を見つけたときは、私は管理者に都度投げかけてみようと思います。

 

           チューリップ.bmp (6530 バイト)                   チューリップ.bmp (6530 バイト)

 

もう既に、当ホームページでもお知らせ済みですが、

自閉症の青年を主人公にした「ぼくはうみがみたくなりました」の映画制作に向け、東京・町田の「フリースペースつくしんぼ」を運営されている山下久仁明さんが、動き始めました。

「そよ風の手紙」では、微力ではありますがこの制作に向け、全力で応援しようと考えています。

TOPページの下にある

映画「ぼくはうみがみたくなりました」制作に、みなさんの力を是非貸してください!をクリックしていただけると嬉しいです。

この映画は、皆さんの力無しには、成り立ちません。是非皆さんのお力をお借りしたいです。

そして、この動きが全国に広がると嬉しいです。(きっとこれからなって行くと思います)

皆さん、宜しくお願いいたします。

 

 

 次回更新は、4/23(日)深夜の予定です。宜しければまたお会いしましょう。