自閉症児(障がい児)をお子さんにもつ、お父さんお母さんへ

 『あなた方のお子さんは、小児自閉症です。精神遅滞を伴っております。』・・・この言葉を医師の口から直接聞き、目の前が真っ暗になった事を私も妻も生涯忘れないでしょう。恐れていたその事実を現実として受けとめなければならない瞬間でした。その日が、私達のそして周りの人達にとっても、一つのスタートラインでした。

 ここでは、同じ様な境遇にある方々に、少しでも精神的な面でお役に立てればと思いホームページを開いた次第です。障がい児を持つということは家族ならずとも周りの人々に大きな精神的・肉体的負担を強いられることは間違いありません。でも、(私の持論ですが)私達は選ばれたのだと思います。理由が何なのかは誰も知ることはできませんが、きっと私達だからこそこの子達を投げ出さずに頑張れるのです。

 障がい児(者)の周りの人達の表情には、何か計り知れないパワーを感じます。ノーベル文学賞受賞者の大江健三郎さん。ソニーの元会長の故井深大さん。(故ゆっぴーの母親である)女優の石井めぐみさん。両手両足に不自由を持ちながら信念を持ち明るく生きる乙武さん。そして、私達がお会いしてきた障がい児をお持ちの父母の皆さん。みな何かしらパワーを感じます。

 そこには、子供を食事の為にロッカーに入れるような、パチンコ屋の駐車場の車の中に炎天下ほったらかしにするような、そんな自己中心的な親は存在しません。そういう人からは生まれてこないのです。なぜでしょうか?それは、きっと選ばれた人達であるからと思うのです。

 障がい児を持つことは恥ずかしいことではありません。さあ、皆で外に出ましょう!子供たちが成長したときに、この社会が今よりもっと障がいそのものを偏見や差別なく受け入れてくれる様な体制をつくってあげるのが私達の使命であり、これからやらねばならないことであると思います。

 私は、世に言うバツイチの父親です。それも障がい児を持った。でも、この状況や自分自身に絶対負けたくありません。毎日暗い顔をしていたのでは何もなりません。

 笑顔で行きましょう。そして、子供達と人生を楽しみましょう。そこには必ず道が開けると信じています。

2001.7.1 りょうまの父