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研究活動松崎としよ墨表現の可能性を探る


松崎 としよ/Toshiyo Matsuzaki
 墨表現の可能性を探る 〜ワークショップ「墨と和紙のシンフォニー」に関連して〜
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4.「墨染めあそび」の指導案

「墨と和紙のシンフォニー」で提案した「墨染めあそび」をを授業に取り入れた指導案(略案)を以下に示す。

●指導目標・・・墨の不思議に触れ、墨に興味を持つ。
 ・墨の性質を生かして模様作りを楽しむ
 ・彩墨を知り、模様作りの楽しさを知る。
 ・彩液でマーブリングする楽しさを知る。

●材料・用具
 <児童>
  すずり・筆(大・小)・水入れ・下敷き・パレット
 <指導者>
  茶墨(茜雲)・彩墨・彩液(マーブリング用)・刷毛・深めのトレー

●指導計画(全2時間)
学習の流れと
指導者の役割
予想される
児童の活動と意識
評価の観点
1.学習の目当てをつかむ
○墨の歴史を知る。
○墨の性質を知り、それを生かして様々な模様作りができることを知る。

2.薄墨・濃墨・水を使って
  模様を作る。
○墨の性質を知り、模様作りに生かす
○模様作りを楽しむ。

3.彩墨も墨も同じ性質を
  持っていることを知り、
  同じように模様作りを楽しむ

4.墨・彩液を使ってできた
  作品をマーブリングする。

5.友達の作品を鑑賞する。
●墨の歴史を知ろう。
・中国の殷の時代に作られて日本に伝えられたのだな。
・墨の性質はすごいな。
・それを使って模様を作ろう。

●模様作りを楽しむ
・膠(にかわ)は不思議だな。
・はじめの線がずっと残るんだな。
・にじみってきれいだな。
・濃淡で表現してみよう。

●彩墨での模様作りを楽しむ
・彩墨も墨と同じ性質を持っているんだな。

●彩液でのマーブリングを楽しむ。
・最後にマーブリングしたのに背景のように染まるのは不思議だね。
・色を使うと、もっと楽しい模様ができそうだ。

●友達の工夫を知り、その良さに触れる。
・墨の歴史に関心がもてたか?

・膠の性質を知り、模様作りに関心が持てたか?

・墨の性質を生かして模様作りが楽しめたか?

・彩墨の性質を知り、模様作りに生かせたか?

・マーブリングをし、その性質を知ることができたか?

・友達の工夫を知れたか?

・墨染めあそびの工夫や今後の課題に気づく。

以下に墨遊びの模様のごく一部を紹介する。
木目模様
刷毛1本で描ける。
水玉模様


かさ模様
最初に置く墨の量や濃さによって、
模様も違ってくることが体験できる。
まさに、
「墨と紙と水が作り上げるハーモニー」。
立体交差


彩墨で彩色したもの。
彩墨で個性的で豊かな模様を楽しむことができる。
マーブリング(例)
マーブリングによって、個性的で豊かな模様を楽しむことができる。

浸透性のよい和紙の中に、墨を載せた水が広がってゆくことで、にじみやぼかしなどの墨模様が生まれる。

また、水の量や筆運びのスピードで、濃淡やかすれも表現できる。

さらに、先に水を落とすと、墨の膠が水をはじく為、
ぬれている部分は白抜きの状態で残る作用を生かして模様もできる。

しかもこれらの模様は偶然性を伴う為、どきどきする楽しさを体感できる。
子どもたちは感覚でその変化を楽しみ、
どんどん模様を生み出してゆく。

描いた模様の紙は、
団扇に貼り付けたり、
ラミネートしてランプシェードやランチョンマットにしたり、
ブックカバーやラッピング用の包装紙に活用したり、
生活を飾るものへの発展の可能性も大きい。



5.成果および今後の課題として
墨と和紙と水を生かした模様は、今後の研究でさらに多様になると考えられる。
また、この模様を生かして絵画表現の応用もできると考えられる
(たとえば、しぶきや雪の表現、枯れ草、木の実の表現など)。

しかし、
現状は、墨や和紙を教育実践に取り入れるにはまだまだ教育現場の抵抗が大きい。
その原因を探り、墨表現に対する新たな可能性の提案を願って更なる研究を重ねたいと考えている。

※本ページは、論文「墨表現の可能性を知る」を、Web用に再編集したものです。









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