【参考】 保温方法いろいろ
温度計で適正温度(20数℃〜30℃)になるか、自分で十分確認してから実施しましょう! |
簡単なヒナの保温方法
方法 | 人間用のアンカなどを、プラスチックケース(昆虫飼育などで使用するもの、以下プラケースと略す)・フゴ・マスカゴの下に敷く。ただし、熱くなっても逃げられるように、必ず半分程度は加熱部分に乗せないようにする。 |
長所 短所 |
安価で容易に保温が出来る。 安いものほど温度調節がいい加減なので、過剰に温度が上がりやすい。 |
費用 など |
アンカは1000円以下で売られていることも多い。表面温度が明らかにされているナショナルの平形アンカ(3500円程)の性能表を見ると、弱で32、中で45、強で62℃となっている。弱なら完全に乗せても大丈夫そうだ。 |
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表面温度約41℃のアンカの上にフゴを設置。上に衣類をかける。 フゴの床面(敷き材のワラの上)の温度は約36℃で、過剰となった。 |
表面温度約41℃のアンカの半分にフゴを設置。上に衣類をかける。 下にアンカがない床面の温度は、約30℃でやや高めのレベルだった。 |
方法 | プラケースの中に、ハムスターなど用として市販されている小型のヒーターを入れる。 |
長所 短所 |
比較的安価で容易に保温が出来る。 表面温度が高いものでは低温火傷の恐れがあり、低いものでは空間の気温を上げることが出来ない。 |
費用 など |
形状も価格もさまざまに存在するので、表面温度などを、買う前によく箱書きを確認する必要がある。 |
※≪安値目安≫は、2006年7月現在の『楽天市場』での最安値(商品画像をクリックすると商品ページに移動します)。
『文鳥屋』で取り扱う商品は、『コチラ』から該当商品ページへリンクしています。
簡単で安全なヒナの保温方法
方法 | 表面温度が低いシートタイプの保温器を、小さめのプラスチックケース・フゴ・マスカゴの下に敷く。その上から小さなダンボールをかぶせるか、衣類や毛布をかぶせる。 | |||
長所 短所 |
暑くなりすぎる心配がなく安全。 床暖房なので空間の気温を上げることが出来ない。 |
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費用 など |
『ピタリ適温』で十分用が足りているが、温度調整が可能で通電状況もランプで確認できる点で、『マルチパネルヒーター』の方が使い勝手が良さそうだ。 |
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みどり商会『ピタリ適温』1号 室温20℃ 表面温度29.5℃ |
上にフゴを乗せる |
中には牧草が敷いてある |
上着をかぶせる 内部床面温度26℃ |
保温電球(ひよこ電球)を用いる方法
方法 | 大き目のプラケースなど一定の空間の中に20Wのカバー付保温電球を設置し、その中にフゴ・マスカゴなどヒナの入る容器を置く。ケースの通気や上に衣類などを覆うことで温度を調節する。 | ||
長所 短所 |
ヒナの周囲全体を暖房することが出来、このタイプの保温器は成鳥になっても使えるので無駄にならない。 過剰暖房になる恐れがある。特に室温の変化が激しいとうまく調節できず、サーモスタットが別に必要となってしまう。 |
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費用 など |
性能的にはあまり変わらないが小売価格に開きがある。保温電球の安定性は歴史のある旭光電機製の方が一枚上手であろうか? |
※私は20W以下でしかない製品では、サーモスタット(自動温度調節器)を使用するまでもないと考えている。密閉空間でもプラス6℃程度でしかないもので30℃を超えてしまうような環境なら、そもそも保温するまでも無いと思うのだ。
逆に寒い場合、20Wであっても空気穴以外を密閉し厚手の毛布をかけてしまえば、室温10℃を30℃に上げることも出来る(『文鳥問題』参照)。室温20℃ならふたを閉めず、室温10℃なら熱が外に出ないように工夫するといった、いろいろ環境に合わせて調節すれば良いものと思う。
もし、より発熱量の大きなもので高い暖房効果を望むのであれば、温度が上がり過ぎないようにサーモスタット(温度調節器)を用意すると安心できる。これを設置しておけば、設定温度以上になると暖房機の電源を切り、低くなりすぎると電源を入れてくれる。
私は必要性を感じないが(ヒナ飼育では暖房の容積をせまくすれば床暖房程度で間に合い、成鳥飼育で100W以上で鳥カゴの周囲まで暖房するのなら、人間用の暖房機を利用した方が簡単と考える)、参考までに一般的なサーモスタットを挙げておく。
※商品画像をクリックすると商品ページに移動します。
旭光電機『ニューサーモ』 |
ピカコーポレイション『FHA-PS30』 |
カミハタ『テラリウム』 |
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バイメタル式(非電子式)サーモスタット。値段が安い(3480円)が電子式と比べ精度は劣る。 しかし、誤差は3℃の範囲内なので、寒すぎ、暑すぎを防ぐ程度であればちょうど良いかもしれない。ただ、本体で温度を感知するので、せまい所には設置しづらい。 |
電子式サーモスタット。値段は中間(5830円)で精度も中間か? 誤差の程度は不明だが、温度感知部分はコードの先にあるため、せまい所でも設置しやすい。 温室での植物栽培や昆虫飼育で用いられている。 |
電子式サーモスタット。値段は高い(6800円)が精度には定評がある。 ≪文鳥屋価格≫6480円→コチラ 誤差は1℃の範囲で、温度感知部分は長いコードの先にあるため、せまい所でも設置しやすい。 水槽でのは虫類飼育でよく用いられている。 |
廃番商品となり、電子サーモ式に切り替わった。 |
保温電球使用レポート1 ―簡易温室への暖房効果― | ||
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古いキッチンケース(最大幅約29cm、奥行き約25cm、高さ約24cm)に空気穴を開けるなどの改良を施し、マルカンの20W電球を設置、その中にフゴを置いた(フゴの下のシート保温器は通電せず)。 | ふたを閉めてフゴ内部の温度を測定。 結果は+6℃(20℃→26℃)であった。 |
左の状態でダンボール(幅約40cm、奥行き約28cm、高さ約25cm)をかぶせ測定すると、+11℃(20℃→31℃)であった。 |
保温電球使用レポート2 ―メーカー比較― |
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実績があり頑丈なつくりの旭光電機の製品(写真左)に比較すると、マルカンの製品(写真右)は、カバーの穴が大きく先端部にも穴が開いており、水浴びの水滴などが進入しやすいと考えられる。しかし、マルカン製は先端部が工具不要で着脱出来るため電球の入れ替えが断然楽だ。 上の写真のように、ガラスの小型水槽(約31×19×24cm)に設置(逆さにして陶器製エサ入れで固定)、コルクボードでフタをしその上に重しを乗せた状態で約1時間点灯し、暖房効果を測定したところ(温度計測点は底から7〜8cm)、次のように能力的には誤差範囲で同等の結果を得た。 旭光電機製 18.2℃ → 24.5℃(+6.3℃) マルカン製 18.4℃ → 24.3℃(+5.9℃) 大きさもほぼ同じ(わずかにマルカン製のほうが長い)なので、、実績で信頼するか使い勝手を優先するか、といったところだろう。 |
20Wのカバー付保温電球の電球表面は100℃以上になるが、金属カバー部分は約30℃にしかならず、手で触っても熱くない(カバーの周囲を塞いでしまうと熱くなる)。従って、文鳥がカバーに寄り添うことがあっても低温火傷の危険はまずないと言える。また、プラケースに入れてもプラスチック類に変形などの影響も与えないと考えられる。
シーズンの使い始めにソケットにはさまったゴミなどを取り除き、ゆるみの無いように電球を設置し、当然水が掛からないように(成鳥で使用する場合は上の実験のように逆さにしない)、普通のことを普通に実行していれば、きわめて安全な保温器と言える。
保温電球に代わるもの
送料込みで5200円(購入先へは左図でリンク)で購入し実験してみた。 ≪文鳥屋価格≫5240円 → コチラ |
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上部ヒーター使用レポート |
![]() 『暖突』を上部のコルクボードに貼り付け、保温電球の実験と同じ条件で暖房効果を測定した。 18.3℃ → 24.7℃(+6.4℃) 箱書きに、13Wながら「保温球40Wとほぼ同じ熱効率」とあるが、少なくとも保温電球20Wの暖房能力は確実に認められる結果となった。
ヒナ飼育よりも、むしろ成鳥の日常的保温に使用するのに適していると思うのだが、たんに鳥カゴの上に乗せてしまうと、100℃に達するという加熱表面に接する鳥カゴの金属格子が非常に高温となってしまうので少々危険だ(鳥カゴ内部への設置はやめたほうが良い)。
このトレーは深さが6cmあるため、少々カゴとの間隔が開いてしまい、右図のようにカゴ上面の温度を計測すると、約30℃にしかならなかった。しかし、カゴの中に手を入れると、遠赤外線の効果で温度計の数字以上に温まる。通常の保温としては、十分と言えそうだ。 通電状況の視認が出来ないのは不便で、耐久性も未知ではあるが、目立たぬ外見で電力消費量の低く、安全性にも優れているので、保温電球に代わる選択肢と言えると思う。 ※この設置方法だと放鳥中の文鳥が、ヒーターとカゴ上面の間にもぐって遊ばないようにしないと注意したい。 |