モータ保護回路 |
特長 モータ及びモータドライバを保護する回路です。必要に応じて保護回路をモータドライバに実装します。保護回路の設定値を超えて保護回路が働いているときに、モータが停止していても電圧が印加せれていたり、自動復帰する回路がありますので、装置の安全を考慮して保護回路を使用します。 1.電流制限回路(過電流保護回路) モータに定格電流を超える電流を流し続けると、モータの電機子巻線温度が絶縁物の限界温度を超えて、巻線がレアショートします。レアショートすると更に電流が増加するので、やがて巻線が焼損し、断線に至ります。モータの焼損を防ぐために電流制限回路を設置します。電流制限回路が働いている間はモータは停止しますが、電流は定電流動作で流れています。 電流制限はモータ起動時にも起動電流に対して働きますので、モータの起動時間に少し遅れが生じます。 ![]() 2.過電圧保護回路 電源回路やICなどに供給されている電圧が、外部からの影響で異常に高くなった時に、電源回路やICを保護する回路です。バリスタや定電圧ダイオード、回生吸収回路などがあります。 3.緊急停止回路(正転禁止、逆転禁止、インヒビット) 緊急停止回路は強制的にモータを停止させる回路で、インヒビット信号を入力してモータフリー状態にします。緊急停止ではサーボロックはかかりません。緊急停止中はモータ軸を自由に外力で回すことができます。但し、吊り上げ負荷ではモータフリーで落下しますので注意が必要です。 正転禁止回路は、モータが正転時に、リミットスイッチで信号を入力すると、モータは正転できなくなります。 逆転禁止回路では、モータが逆転時に、リミットスイッチで信号を入力すると、モータは逆転できなくなります。 正転禁止と逆転禁止を同時に働かせたのがインヒビットになります。 ![]() 4.温度保護回路 モータを過負荷で使用したときに、モータドライバのFETが過熱することを防ぐ回路と、モータが過熱することを防ぐ回路 があります。 モータドライバのFETは放熱器に取り付けられているので温度スイッチも放熱器に取り付けます。温度スイッチは設定温度を超えると動作し、冷えると自動復帰します。動作温度と復帰温度は、温度スイッチのヒステリシス特性に依存します。 モータの過熱を保護するには、モータ内部にサーマルプロテクタを内蔵します。 5.ノイズ対策回路 ノイズ対策は、ノイズを受ける側(モータドライバ)とノイズを発生する側(モータ)で実施します。 ノイズには電源線や信号線から入るラインノイズと、空中を電波で飛んでくる電波ノイズがあります。 ラインノイズは、ノイズフィルターやシールド線、ツイストペア線、フォトカプラ回路などで低減します。 電波ノイズには静電シールドや電磁シールドなどを施します。 DCモータからはブラシノイズが発生します。バリスタやコンデンサなどでインパルスノイズのピーク電圧を低減します。 モータドライバからはスイッチングノイズが発生します。抵抗とコンデンサを組み合わせたスナバ回路でスイッチングノイズを低減します。 |





