「DOG'S MESSAGE」

ハ チ か ら 一 言(Part36〜40)

2000年9月号掲載分(Part36)

ロク、がんばったね

 みなさん、こんにちは!ハチです。お元気ですか?

 ロクがお星様になったそうです。御主人様が泣きながら私に言いました。

 仕事をしている御主人様たちに気を使って、お休みまでがんばって待って土曜日の朝、みんなに看取られて亡くなりました。私、最初ロクは急に寝てしまったと思っていたの。すごく安らかな顔をして横たわっていたから。でも、御主人様たちが声をあげて泣き出して、「ロク、ロク」って叫んでいたから私にもわかったの。ナナもそばでずっと見てた。

 最近は息をするのも辛そうで苦しんでいたロク。食事がのどを通らなくなっても気丈にトイレだけはお庭でしてたロク。最期は朝のおしっこを庭でして、その直後に倒れて、そのまま息を引き取りました。悲しかった。でも悲しみに暮れる御主人様を見てるのがもっと悲しかった。

 お寺でお葬式を挙げてもらってロクはお星様になったそうです。

 夜の散歩のとき御主人様が言います。「お星様がきれいだね、ハチ。」って。悲しげに夜空を見上げる御主人様に私は誓ったの。ロクの分まで私が長生きして御主人様を幸せにするんだ。私の存在が御主人様の生きがいだって知っているから。いつもそばに寄り添っているよ。それだけで御主人様は安心するんだよね。

 さよならロク。ロクの分まで私が御主人様を守るから安心してね。今までありがとう。安らかに・・・。

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2000年10月号掲載分(Part37・38)

一番の幸せは・・・

 こんにちは!ハチです。みんな元気に散歩してる?
 ところでみんな、お散歩以外に御主人様と楽しんでる事あるかな?たとえば一緒にドライブ旅行へ行ったり、海や山へキャンプに行ったり・・・。一緒に楽しめる事ってまだまだたくさんあるよね。
 ん、私?私が大好きな事は"お散歩!"です。あたりまえ、それ以外はって?でも、それしか思いつかないの。御主人様も私が小さかった頃から犬雑誌とかを見ていろいろ試してくれたけど、私には、いまいち毎日の散歩を上回る楽しいものが見つからなかったの。そんな私を見て御主人様は、「ハチと一緒に旅行に行ったりするのは楽しそうだけど、ハチはそれを人間同様に楽しめるのかな?ハチもそれを楽しんでるって思うのは人間の自己満足だけじゃないのかな?」って疑問を感じたそうです。
 さすが御主人様!私の事よくわかってくれてる。私の場合はそう。私、人(犬?)付き合いもあまり上手じゃないし、長距離ドライブも苦手。見知らぬ場所だとトイレもできずに我慢しちゃう。もっと人(犬)に対してフレンドリーで長距離ドライブもOK、枕が変わっても眠れるタイプの子ならきっとどこへ行っても楽しめるよね。
 でも私はこの家が一番!御主人様と行く裏山の散歩が一番!それ以外は必要ないんです。"安上がりな犬"って言われるかもしれないけど、御主人様とナナ(猫)との変わらない日常が私には何よりの幸せなんです。

狂犬病予防注射の不思議

 こんにちは!ハチです。みんな元気に散歩してる?
 ところでみんな、今年の狂犬病予防接種はもう済んだかな?
 私はもう済みました。御主人様は仕事があって平日の集合注射には行けないから、私は毎年お知らせハガキを持って獣医さんで打ってもらってます。(大好きな先生に会えるからうれしいの。)
 そういえば御主人様が前に言ってたなあ。小型犬の飼い主さんは副作用が心配で予防接種を受けないって子が結構いるんだって。でも、そういえば確かに不思議な話なんだけど、私よりももっと大きな犬(セントバーナードとかグレーとピレニーズとか)は体重が50kg以上もある。でもチワワとかは2kgない子もいる。これって注射の量が同じでいいの?御主人様も私と同じように不思議がって私の注射のときに獣医さんに聞いてくれたの。そしたら、「狂犬病のワクチンは不活性ワクチンといって死んだ菌なので、安全性はものすごくいい。注射の量は法律で決まっていて、有効量が体重差に比例するものではないため変わりない。特に獣医で接種する場合はじっくり問診できるからね。」なんですって。それを聞いて御主人様も私も安心しちゃった。みんなも心配だったら獣医さんの言うとおり集合注射でなく、動物病院であらかじめ健康診断してから注射してもらえば安心だよね。
 狂犬病予防注射の接種率って5割から7割程度いってないかな?って獣医さん言ってた。その中にはきっと、私たち犬の体を心配して受けない子もいるんだよね。でも狂犬病予防接種は法律で決められた飼い主の義務なんですって。日本では昭和34年から狂犬病の発症例はないって獣医さんが言ってたから、みんなできるだけ予防接種を受けてこの記録をもっともっと伸ばそうよ。

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2000年11月号掲載分(Part39)

お母さん、泣かないで・・・

 みなさんこんにちは!お元気ですか?
 この前、お母さんがテレビを見ながら涙を流していて、私、びっくりしちゃった。急いでお母さんのところへ行って顔をペロペロなめて涙をぬぐってあげたら、「ハチ、ありがとう。」って言って私をぎゅっと抱きしめたの。後で御主人様に聞いたら、テレビドラマの中で愛犬が亡くなったシーンをやっていて、それでお母さんは突然泣き出してしまったんだって。お母さん、きっとロクの死んだときのことが思い出されて、余計に悲しかったんだろうな。
 私は知ってる。御主人様もお母さんも時々ロクのことを思い出しては話をしてるのを。私もそばで聞いていたけど、それは楽しかった思い出ばかり。だから私もきっと御主人様たち、悲しみから抜け出せたんだなって、このごろは安心してたの。でも、今日のお母さんの涙を見て、やっぱりいつまでたっても悲しいんだってことが分かったの。
 私にも、猫のナナにもロクと同じようにいつかは最期の日が訪れるけど、今のお母さんを見てると私何だか心配!ロクのようにいつまでも忘れないでいてほしいけど、最後の悲しみだけはかき消されるように、これからも御主人様たちと楽しいこといっぱいして遊ばなきゃ!
 御主人様の記憶の中が楽しい思い出ばっかりになるように。そして子犬の頃にしたいたずらも悲しみと一緒に忘れてくれるように…ね。

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2001年1・2月合併号掲載分(Part40)

3kmを自分で帰れたよ・・・

 みなさん、こんにちは!ハチです。
 私、この前ちょっとドキドキしちゃった!え、何がって?それはね・・・。
 ある日曜日、いつものように御主人様と散歩に出かけたの。でも、あれ?こんな所、来たことないよ。御主人様ったら散歩コースを間違えちゃったのかな?いったいここはどこだろう?って思ってたら御主人様が、「さあ、ハチ。ここからお家まで私たちを連れて帰ってちょうだい。でも今歩いて来た道はダメだよ。」って言うの。えー、うそお!いつもは「私たちより先に歩いちゃダメ、ちゃんと横について歩くんだよ。」って言って、いい匂いがするからって私の行きたい所へ行かせてくれないのに、今日はどうしちゃったのかしら…。私が困った顔をして御主人様を見上げると、御主人様はにっこり笑って、もう一度「ハチ、私たちをお家まで連れて行って。」って言ったの。う〜ん、訳分かんないけど、とにかくお家に帰ればいいのね。まかせといて!私にはおいしいものに敏感な自慢のお鼻があるんだから。
 私、警察犬のように(ちょっと大げさ?)地面の匂いをかいだり、お鼻を高く突き上げて風の匂いをかいだりして一所懸命お家を捜したの。途中、道端のお花の匂いをかいだり、猫を見つけて急に走り出したりして御主人様に迷惑かけたけど、「ハチ、がんばって!」って何度も励ましてくれたから、がんばれたわ。そして、ちょっと遠回りしたけど何とかお家にたどり着くことができたの。お家の門が見えたとき、本当うれしくてホッとしちゃった。御主人様、またいつでも言ってね。何だか私、自信がついちゃった。
(主人からも一言)
 犬(動物)には帰巣本能があることを思い出し、超甘えっ子のハチが、もしものときに一人で家へ帰れるかどうか心配になり、家から約3km離れた所(もちろん初めての場所)へ連れて行き、試してみました。
 途中、何度か脇道にそれたりはしましたが、ハチを信じてまかせてみました。だいぶ時間はかかったけど、ちゃんと帰れることが分かり、ハチも"犬"だったんだなあ、なんてあたりまえながら実感し、安心しました。

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