2001年12月30日
大掃除の途中
開いたアルバムに
手が止まる。
手にした山道具に
心が移ろう。
時計の針は進み
僕の時は
止まる
2001年12月29日
ふと
迷い込んだ路地裏に
何処まで続くかわからない
一本のロープが
天に向かって伸びていたら
あなたは
登りますか
???
2001年12月27日
出張先の駅のホーム
山から吹きおろす風が冷たくて
まぶしい目をして
山を見上げる
2001年12月26日
もういくつ寝ると
お正月
今年残した足跡が
いつまでも
消えませんように
2001年12月23日
何時もなら
すし詰め状態の通勤電車
誰もいない
4人掛けの座席を
ひとりで
悠々と占拠し
気兼ねなく
スポーツ新聞を広げる。
嬉しくて
やがて悲しき
休日出勤
2001年12月20日
吐く息が白いから
煙草を一本
我慢しよう
2001年12月17日
伊豆の山を下り
みかん畑の横を歩いていたら
籠を背負ったばあさんに
烏が突付いたみかんを勧められた。
困った顔をしたら
良さそうなみかんを探し出して皮を剥き
自分が一粒食べて
「ほら、大丈夫だよ」
と
クシャクシャな笑顔を見せた。
伊豆がますます
好きになった。
2001年12月13日
雨の日は
いつもの1.3倍
電車が混む。
すし詰め状態の東海道線
前と後ろを
ラクビー日本代表のような
男達に挟まれた。
横浜から川崎までの10分間
潤平サンドの出来上がり
2001年12月12日
「とりあえずビール下さい」
「かしこまりました」
「あれ?おでんなんか頼んでないよ?」
「当店の付出しでございます」
マジかよ〜
2001年12月11日
物心ついた頃から
熱を出すと
必ず見る夢がある。
萱葺きの古い民家の中
今にも崩れ落ちそうな階段
僕はギシギシと音を立てながら
二階に向かって登っている。
手を掛ければ
崩れてしまいそうな手すりの向こう
階下には囲炉裏があり
そこに
赤いちゃんちゃんこを着た
ひとりの女の子が
僕に背を向けて座っている。
もう何十年も
一度も振り向くことなく
ずっと
僕に背を向けて
座っているのだ。
そして僕は
熱を出すたびに
その階段を
ギシギシと音を立てながら
登っている。
あの子はいったい誰なのだろう。
二階にはいったい何があるのだろう。
あの子が振り返った時
僕はいったい
・・・
2001年12月8日
駅前で
サンタクロースが
ティッシュを配っていた。
「ママ。あのサンタさんが家に来ないといいな」
「どうして?」
「だってケチじゃん」
そりゃそうだ
2001年12月7日
ねえ
七十過ぎても
手をつないで
いい?
2001年12月4日
吉野家に行って
一度でいいから
汁ダクというのを食べてみたいのだが
なぜだかドキドキして
注文できない
小心者
・・・
2001年12月3日
ぽかぽか日和の昼下がり
ランチをたべたら
まぶたが重い。
ズルして
かえろ
2001年12月2日
電池切れ寸前の髭剃りで
強引に髭を剃っていたら
あごの髭を挟んだまま
力尽きた。
こいつは
きびしい
2001年12月1日
南の窓の
カーテンが優しく揺れる
それにあわせて
息を吸い
息を吐く
もういちど
・・・
土曜日の朝
2001年11月30日
「おひるね日和」が滞る。
それほどまでに
時の流れが
速過ぎる
2001年11月26日
「おまえは薬が主食だな」
と
言われた。
僕はそいつに
遺憾の意を
表明した
2001年11月22日
自由奔放
引け目を感じないうちは
まだまだ
大丈夫
2001年11月20日
「ごめん、待った?」
と言われたら
「うん、待った」
と言える
あいだがら
・・・
2001年11月19日
熱海の店で
カサゴの唐揚げを
骨一本残さず食べたら
隣の席にいた外人に
握手を
求められた
2001年11月18日
伊豆は河津
寝釈迦様の
ねはん堂
東屋で休んでいたら
柱に
小さな落書き
「ねはんで待つ」
おいおい
2001年11月15日
電車の広告
私立中学の入試問題が解けなくて
思わず
ふた駅
乗り越した。
2001年11月14日
仕事からの帰り道
お腹が痛くて
正露丸を買いに
スーパーに入ったはずなのに
店から出たら
うずらの串揚げを手にしていた。
どこでどう間違ったのか
・・・
2001年11月12日
日に日に
風が冷たくなる。
でも
大切な人との
空間は
それにともなって
日に日に
狭まってゆく
・・・
2001年11月11日
「このカニクリーム・コロッケさあ
カニが入ってないじゃん」
「全部クリームになっちゃたのよ」
うそつけ
2001年11月10日
公園の栗の木の下
ランドセルの
小学生達が
ほっぺたを赤くして
しゃべってる。
「僕、生まれ変わっても栗にはなりたくないな」
「なんで?」
「だってさわると痛いじゃん」
う〜ん
この坊主
なんだか
深いぞ
・・・
2001年11月9日
いくつもの
出会いと
別れの中で
思い出は少しずつ
美しく
磨かれていく
牛さんをクリックするとトップページに,
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