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2002年
10月28日
大渋滞の車の中
気がつくと
フロントガラスの前に
大きく
小さく
シャボン玉が飛んでいた。
ふと見ると
前のワゴン車の窓から
オカッパ頭の女の子が顔を出し
楽しそうに
シャボン玉を吹いていた。
キチキチしていた心が
少しだけ
ぷわぷわになった
2002年
10月27日
明るいうちに湯を張り
温泉の元を
サラサラと振り掛け
「やれやれ・・」
などと言いながら
肩まで湯に浸かる。
風呂から上がり
冷やした民芸調のグラスに
キンキンと音がするほど
冷えたビールを注ぎ
沼津産の生しらすを
摘む。
気分はすっかり
温泉宿
・・・
しかし
部屋がなあ
・・・
2002年
10月24日
定時で会社を飛び出し
東海道線を
家とは
逆方向に乗って
ふらりと
上野に向かう。
アメ横の兄ちゃんの
ダミ声が
何故だかとても
聞きたくなったから
・・・
2002年
10月22日
横浜駅にある
立ち食い讃岐うどん屋さんの
カウンターには
オロシ金とナマの生姜が
無造作に置いてあります。
自分でセッセとすった
生姜を放り込んだ讃岐うどんは
二日酔いに
バツグンの効果がありますが
セッセとすっているうちに
確実に
電車に乗り遅れます
2002年
10月21日
美味しく飲んでね
という
素敵なお酒
身体を大事にね
という
素敵な言葉
それぞれに酔って
秋の夜長は
かぎりなく
深けてゆく
・・・
2002年
10月20日
長袖にしようか
半袖にしようか迷い
けっきょく
半袖の上に
薄手のジャンバーを羽織る僕に
それよりまず
短パンをやめろ
の声
2002年
10月17日
栗ごはんを食べながら
床に落としてしまった
一粒の栗が
何時までも
気になる
2002年
10月15日
木々が作り出す
山の紅は
どんなに偉大な
芸術家にだって
創造できやしない
2002年
10月14日
快晴の山を下り
撮ってきた
写真を見て
思う
瞳に勝る
レンズなし
2002年
10月9日
ムンクの「叫び」が
叫んでいる男の絵ではなく
叫びを聞いてしまった
男の絵であるということは
意外と
知られていない
2002年
10月6日
ああ
山よ
真っ赤に色づく
おまえを見て
呼吸の
ひとつひとつが
深く
強く
なるのは
何故なのだ
2002年
10月4日
夕食後
タバコを挟んだ
指先に
秋刀魚の匂い
2002年
10月3日
絵葉書
一枚に
こめる
想い
2002年
10月2日
台風一過の空の下
昨日道端に見つけた
小さなアマガエルの
行く末を案ずる
2002年
10月1日
雨 雨 雨
ランドセル
長靴
水溜り
淡い想い
遠い日の思い出
2002年
9月29日
朝刊を取りに行ったついでに
大きく背伸びをしたら
少しだけ
もみじの匂いが
しました
2002年
9月27日
風の行方を
すすきの穂に聞く
銀色の朝
2002年
9月26日
バスのつり革に掴まっていた
よっぱいのオッサンが
カーブでよろめいて
降車ボタンに
おでこをぶつけました。
ピンポ〜ン
次のバス停で
そのオッサンは
何事もなかったように
「で〜じょ〜ぶだぁ〜」と言いながら
降りて行きました
2002年
9月23日
不思議だなあ
と
思うことが
多ければ多いほど
毎日が
楽しい
2002年
9月22日
畳の上で
ゴロゴロしながら
暇つぶしに
国語辞典を
端から読む。
学生みたいなことしてるなって
思った
2002年
9月21日
喫茶店で席に座り
オシボリで首の周りを拭いた僕に
「おまえ完全にオヤジだぞ」と
呆れた顔で言い放った友人は
呆れた顔のまま
「よっこらせ」
と言って
僕の前に腰を下ろした
2002年
9月20日
逢いたいなって
想った時が
一番
幸せな時
2002年
9月19日
午後5時30分
交差点で見あげた信号は
ひと月前より
ずいぶん
鮮やかな
赤色をしていた
2002年
9月18日
久しぶりに見上げた青空は
秋だというのに
ずいぶんと眩しくて
僕はコロッケパンをかじりながら
立て続けに3回ほど
瞬きをした。
2002年
9月17日
あまり
聞こえない振りは
しない方がよい
何時の間にか
聴きたいことまで
聞こえなくなってしまう
から
2002年
9月15日
敬老の日
父と母と
寿司を食う
ふたりの笑顔は
寿司を見ているのか
それとも
僕を見ているのか
2002年
9月14日
徒然なるままに
目を覚まし
徒然なるままに
珈琲を飲み
徒然なるままに
あくびをして
徒然なるままに
エンヤを聴く
そんな
徒然なる
朝
2002年
9月12日
夜中に
ワインを飲みながら
テレコンワールドを
観る
楽しみ
2002年
9月11日
せり なずな ごぎょう
はこべら ほとけのざ
すずな すずしろ
春の七草
それじゃ
秋の七草は
?
2002年
9月10日
酒で
胃薬を飲む
戯け者
2002年
9月8日
ベランダに出て
両手を伸ばし
思い切り
背伸びをする
背伸びの分だけ
空が
高くなった
気がする
2002年
9月7日
行く夏を
認めたくない僕は
クーラー全開の中
気合一発
でも
ふとんに包まり
丸くなって
寝ています
2002年
9月4日
きっと
ふたりにしか見えない
景色が
あるのだろう
2002年
9月3日
「やっぱり水戸黄門は
東野英治郎が一番だな」
平日の昼下がり
テレビの再放送を見ながら
ビーフジャーキーをツマミに
缶ビールを飲む
喜び
2002年
9月2日
山に遊び
街に遊び
そして
素敵な
夢に眠る
・・・
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