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2003年12月31日

大晦日は

6時に起きて

顔を洗って

一番で温泉に行って

散髪して

スーパーに行ってカニを仕入れて

タバコをワンカートン買って

テレビの前に座って

ビールを飲んで


・・・

・・・て考えてたのに

目が覚めたのが

午前11時


なんだかなあ



大晦日



2003年 12月30日



普通に目が覚めて

窓を開けると

陽の光が

普通に差し込んで

あくびをしながら

冷蔵庫を開けて

普通に

トマトジュースを取り出して

普通の顔をして

眠い目をこする



毎日繰り返される

ごくごく

普通な事だけど

だけど

それって

ほんとは

とっても幸せな

ことなんだよ



2003年 12月29日

今年も

あとふつか


新しい年が来る

嬉しさよりも

今年が終わってしまう

寂しさの方が

いまのところ

ずいぶん

強い


毎年のことだけど

・・・



2003年 12月25日

聖夜


届いた小包を開けてみれば

美味しいワインのプレゼント


遠くて近い友達の

優しい気持ちが

ワインに溶け込み

緩やかな

夜が

更けてゆく



2003年 12月24日

やっべ〜


サンタクロースの

格好をした

ミニスカートのお姉さんに

誘われて

クリスマスケーキを

ふたつも買っちまう

ところだったぜ



2003年 12月23日

階段があれば

登ってみる


橋があれば

渡ってみる


穴があれば

入ってみる


そんな性格



2003年 12月22日

星の綺麗な夜

商店街の小道で

暦を思い出し

柚子を買って帰る



2003年 12月20日

もしも死んだら

燃やしてほしくない


僕は

燃え尽きるまで

生きるから



2003年12月19日

人の忠告は

素直に

聞く事にしている


従うかどうかは

別にして



2003年12月17日

母が鼻高々になって

自慢気に言う


福引で

ハワイ旅行当たっちゃった♪


まじかよ〜



2003年12月14日

しんしんと冷え込む

冬の武尊小屋に響く

ほがらかな笑い声を聞いて

蒼いお月様も

やさしく

雪を照らしていた



2003年12月13日

友の

笑顔を見に

行ってきます



2003年 12月11日

明日できる事こそ

今日

気合を入れないと

明日もやらないはめになる

・・・



わかっちゃいるんだけど



2003年12月10日

夜中に

サラミソーセージをかじりながら

ドラマの再放送なんぞ見ながら

赤ワインをグビグビと

およそ

お洒落という単語とは

縁遠い飲み方で

呑む


このひとかじり

このひと口が

そのまま体脂肪に

...

と思いながら

もう

どうにも止まらない♪



2003年12月8日

うぇぇぇぇぇ

チーズにくっついてた

アルミ箔

噛んじまった



2003年 12月7日

紅葉の山に

乾ききった

蝉の抜け殻を見つけ

思わず足を止めて

今年の夏を

振り返る



2003年12月6日

中学時代


ハンカチ落としで

好きな女の子が

僕の後ろに

ハンカチを落としたのに気付いて

走りながら

勝手にときめく



2003年12月5日

女の子の出来ない事を

補うのがやさしさだって

ずっと思ってきた


だから

たとえば彼女とレストランに行って

彼女が僕に

椅子を引いて欲しいそうな顔をしても

椅子ぐらい自分で引けるだろって言って

さっさと先に座ってた


だって僕が先に死んでしまったら

彼女は自分で椅子を

引かなければならないわけだから


そんなわけで

僕は今まで

そんな生き方をずっとしてきた


間違っているのかもしれないが

僕はこれからも

そんな生き方を

ずっとしていくんだろうな



残り少なくなった煙草に

100円ライターで

火をつけながら思う



2003年12月3日

外科医になりたいと

思った時期があった

でもしょせん

それは無理なことだった


いまだに

自分の腕に

注射針が刺さる瞬間を

見ることが出来ないのだから



2003年12月2日

12月の昼下がり

人の行き交う

アスファルトの上に

陽炎が立つのを見て

思わず空を見上げ

訝しげに

額の汗を拭う



2003年12月1日

AV機器を売る店を

エッチな店だとずっと信じて

近寄らなかった後輩は

来春

モデルのような彼女と

式を挙げる



2003年11月30日

会社の忘年会で

屋形船に乗る


そういえば

海から

マリンタワーを見るのは

初めてだ



2003年11月27日

何故だかわからないが

朝からずっと

こきりこ節を

口ずさんでいる


そして

何故だか

調子いい



2003年 11月26日

ここは青山3丁目

国道246号を行き交う

エンジン音とクラクション

交差する人々の喧騒の中

淀んだ都会の風が

僕に重たく圧し掛かる


ランチの後に

ビルの脇から細い路地に入り

喧騒から離れて

小さな公園のベンチに座る


燻らす煙草の煙の先

買い物カゴを下げた

エプロン姿のおばあちゃんが通った後に

少しだけ

柔らかい風の歌を聴いた



2003年11月24日

みかん

一粒に感じる

せつなさよ



2003年 11月23日

駅の連絡口に出来た

ワンコインの自動靴磨き機が楽しくて

通勤ラッシュの波から離れ

1日おきに遊んでいる


そんなわけで

最近僕は

1日おきに遅刻している



2003年 11月22日

情けない顔をした

河童の皿を

瞬間接着剤で

治してやっている夢を見た


今日はいったい

どんな一日になるんだろう



2003年 11月20日

ビルの免振装置を

設計している友人は

酒を飲むたびに

「地震が来なければいいなあ」と

本気でつぶやく



2003年 11月19日

病院に見舞いに行き

独特の匂いを鼻にして

懐かしさを感じる自分に対して

慌てて首を振り


すれ違った

優香に似た看護婦を振り返って見た

自分に

慌ててもう一度首を振り

差し入れの

ハムカツを持ち直して

病室に向かう



2003年 11月17日

横浜駅のバスターミナルで

やけに体格の良い

バスガイドが呟いている

「こういう仕事をやってると
足が太くなるのが悩みの種よね」


いやそのまえに・・・



2003年11月16日

永谷園の

あさげひるげゆうげ

朝 昼 晩

きっちり飲み分ける

几帳面なやつ



2003年11月15日

「この歩道橋は僕のおとうさんが作ったんだ!」

おかあさんに手を引かれ

駅前の歩道橋を渡りながら

男の子が元気に叫ぶ



ぼうず

おまえの父ちゃん凄いな



2003年 11月14日

夜空の中

やけにくっきりと浮かぶ

まだら雲の隙間に見える

紫紺の空は

なんだかとても遠くに見えて

僕は首が痛くなるまで

その果てを

ずっと探し続けた



2003年11月13日

一週間で

ザックがみっつ増え

それを見た

かーちゃんの額のしわも

3本増えた



2003年11月8日

30年振りに

自分の自転車を手に入れた


ふらり

ふらふら

どんな風の中で

ペダルを漕いでいこうかな



2003年 11月6日

少しづつ温めて

少しづつ育ててきた

4年間


これからも

少しづつ


僕の大切な

ページ



2003年 11月5日

まるで

全てを

包み込んでしまいそうな

まんまるの

夕日



2003年11月2日

虹の中では

グリーンが

一番

好き



2003年11月1日


蓑虫や

風鐸の空

一期とし



道南の旅にて

父詠む



2003年 10月28日

病院帰りの曇り空

わずかにそよいだ

風ひとつ

車が途絶えた並木道

銀杏の葉が散る

音を見た



2003年10月27日

陰と陽


日本人が

忘れてしまった

表裏一体の

美学

・・・


2003年10月26日


山紅葉


凪がるる雲は


走馬灯





2003年10月23日

不思議な夢を見た


今は亡き祖母の家を

僕は双眼鏡で覗いている

双眼鏡の先には

今は亡き祖母の家の

2階の物干し台が映っていて

そこには幼き日の僕が

祖母に肩を抱かれて

笑っていた


今度の休みに

祖母のお墓に

話をしに行こうと思う



2003年 10月21日

10年後の

今があるならば

今と同じ気持ちで

迎えたい



2003年 10月20日

小さい頃

鳥篭から逃げて

飛び立った文鳥が

2日後に舞い戻ってきたのを見て

可哀そうな鳥と思った僕は

はたして

変わり者の

少年だったのだろうか



2003年 10月19日

握った手の平を

広げてみる

広げた手の平を

握ってみる


指先の

ひとつひとつに感じる

生命感



2003年10月18日

雨上がりの夕暮れ


信号機の赤さえも

霞んで見える

オレンジ色の空



2003年 10月17日

公園のベンチに座って

空を見上げると

雲がゆっくりと

流れていくのがわかる


通勤電車の窓から

空を見上げると

雲よりも自分が早く

流れていくのがわかる


そんなわけで僕は今日

会社を休んで

公園のベンチに座った



2003年10月15日



誕生日って

好きだ




2003年 10月14日

まったく

役に立たないのに

毎日見てしまう

情報番組


あしたまにあ〜な





2003年 10月13日

零れ落ちるギンナンの実を

踏まないようによけながら

銀杏並木を避けて

路地裏に入る


金木犀の香りが

かぎたくなったから




2003年 10月12日

饒舌な母と

無口な父


行動する母と

熟考する父


僕はどっちに似たのかな



2003年10月11日

秋の夕暮れ

夕焼け小焼けを

口づさむ度に思う


カラスにも

愛されていた

時代があったんだなあと



2003年 10月9日

机の中に

無造作に放り込んでいた

宝くじの束を売り場に持って行き

まとめて調べてもらったら

9600円も当たっていた。

大喜びでザックを買いに出掛けたが

宝くじの束はどうみても

150枚以上あったので

よく考えたら大赤字だ



2003年 10月8日

雨戸の戸袋に

鳥が巣を作ってしまったので

ここ数日

僕は枕元に差し込む朝日で

目を覚ましている



2003年10月5日

ガサゴソ

バタバタ

屋根の上で大騒ぎする

やんちゃ坊主の

カラスの足音に目を覚まし

「朝っぱらからうるせえなー」

と布団を蹴飛ばして

かんしゃくを起しながら

何時の間にか

その足音に

元気をもらっている

自分に気付く



2003年 10月3日

口の中に

体温計を入れたまま

2度寝してしまい

「戸隠の蕎麦は何時からこんなに硬くなったんだ」

と寝言を言うあなたは

幸せな人





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