パート1の岡倉家T
バブル全盛期の1990年10月。TBS創立40周年記念ドラマとして「渡る世間は鬼ばかり」第一部がスタートしました。ここでは、パート1の岡倉家を振り返ってみたいと思います。

第1回  第2回  第3回  第4回  第5回  第6回  第7回  第8回  第9回  第10回  第11回  第12回

1991年1月〜3月放送分へ   1991年4月〜6月放送分へ

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第12回(1990年12月27日放送)
急に出張しなければならなくなった文子は亨も出張中のため、望を岡倉の家に預ける。亨は「どんなに大変でもお互いの実家には頼らない約束だったはず」と文子を責める。大吉が孫たちを呼んでクリスマスパーティーを開くことに。しかし孫たちはそれぞれ友人たちとの約束があり欠席。望だけ文子が急に仕事で外出している間に、一人で岡倉の家へやって来る。望が行方不明になったと思った亨や年子は文子に、仕事を辞めるか、年子と同居するか、離婚するかを迫るのだった。

橋田先生はアンチ・クリスマス派。
大吉が孫たちを呼んでクリスマスパーティーを開くと知った弥生は(大吉が)キリスト教でもない日本人がそんなことやるのは絶対おかしい、あれはモノを売りたい奴らにノせられているだけだって絶対認めなかった」と驚いた様子。10年後、同じ考えの一人の少女が現れる。そう、加津が大吉と全く同じ考えなのだ。(「今週の岡倉家」参照)これは橋田先生のクリスマスに対する考えを大吉や加津を通して視聴者に訴えているのかも。

望、初めての一人旅。
仕事からなかなか戻らない文子に業を煮やして、一人で岡倉の家にやって来た望。保育園児でありながら雪の降る中、唯一憶えていた駅名を頼りに、何度も降りる駅を間違えながら岡倉の家までやって来たという。この頃から望は何でも自分で考えて行動する子供だったのだ。10年後、文子がいくらギターはダメ、勉強しろと干渉しても無駄なのはもっとも。

仲が良かった二人。
照明デザイナーとして建築設計事務所に就職が決まった葉子。太郎とも葉子のマンションで半同棲するなど順風満帆。愛しあう二人だったのにねえ...。

もう飽きたよ、キミの上機嫌。(4週目)
なかなか問題の起こらない「幸楽」。今週もキミは愛や眞にクリスマスパーティーに着ていく洋服を買ってあげたり、優しいおばあちゃんぶりを披露。

(おまけ)今日の本当の「世間」の出来事
・日本人初の宇宙飛行士となったTBS記者・秋山豊寛さんが帰国。
・元環境庁長官の稲村利幸代議士を脱税で起訴。株売却益隠し17億円。

第11回(1990年12月20日放送)
良の母・ハナ(杉山とく子)が女学校の同窓会に出席するため、大阪から上京。良は弥生に「お袋が東京にいる間は仕事を休め」と命令。本勤務にシフトしたばかりの弥生は休むことができず、節子に自分がいない間、ハナの相手をしてくれるように頼む。それを知った良は大激怒。しかしハナは弥生が仕事を始めた気持ちを理解して、家事をやろうとしない良を戒める。そして翌日からハナは、あかりや武志に家事の特訓を始めるのだった。

しっかりやりなはれ!元気良く歩き回るハナ。
生粋の大阪人であるハナ。口も達者だが動きも機敏。弥生に文句を言う良を叱り飛ばし、あかりや武志に家事の大特訓と、とにかく元気。しかしこんな元気なハナを見られるのは、これが最後になろうとは弥生や良は知る由もなかった...。(右写真は子供たちに家事の特訓をするハナ。)

当然激突ならず。節子vsハナ。
「渡鬼」史上、最も良い姑であるハナ。五月の姑・キミ、文子の姑・年子と娘たちの姑と火花を散らしてきた節子だったが、今回ばかりは勝手が違う様子。弥生の家でハナをもてなすつもりが、逆にハナにもてなされてしまい恐縮するばかり。案外、これが節子を押さえ込む最良の方法だったりして。

どこまで続くのか。優しいキミ。(3週目)
今週も五月に優しいキミ。ついにキミは五月のために銀行に「五月」名義の口座を開き、五月に給料を支払うと宣言。う〜ん、キミ悪い。

(おまけ)今日の本当の「世間」の出来事
・エドアルド・シェワルナゼ・ソ連外相が、ソ連代表員大会で突如辞意表明。保守派台頭に抗議。

第10回(1990年12月13日放送)
突然家を出ると言い出した葉子。大吉が猛反対する中、勝手に引越し業者を呼んで家を出てしまう。大吉は「母親の育て方が悪い」と節子に当たる始末。一人暮しとなった葉子のマンションに恋人・山口太郎(船越英一郎)が訪ねて来る。葉子の突然のハワイからの帰国や家出も太郎が原因だった。ハワイで恋人同士になった葉子と太郎だったが、太郎が社長である父親から本社勤務を命じられ帰国。葉子も太郎を追いかけて帰国したのだった。

「渡鬼」名物、説明セリフ。
今まで「渡鬼」を見たことが無い人やストーリーを忘れた人のために、親切な橋田先生はセリフの中にさりげなく「説明」を入れてくれます。今回は葉子と太郎の会話によって「2人がハワイから帰国した理由」を説明してます。
葉子「太郎の会社は、太郎の叔父様が社長だったから次期社長は当然叔父様のご長男がなると思って、お父様は太郎をハワイへお出しになったんでしょ。でも叔父様が急に亡くなって、太郎のお父様が社長になられたんだもの。父親なら息子を本社に呼び戻してそばへ置きたいとお思いになるのは、当然の愛情なのよ。」
太郎「けどさ、君はハワイの珠子叔母さんの養女になって、ハワイで何不自由なく暮らせたんだよ。俺だってハワイの支店長だったら君と結婚できたんだよ。それが何もかもおかしくなっちゃって。」
葉子「あたしのことなら気にしないで。あたしはハワイで太郎と知り合って、太郎がハワイにいるからハワイで一生暮らす決心をして、珠子叔母さんの養女になるつもりにもなったの。太郎のいないハワイなんて何の未練もない。東京へ帰って来たことも後悔してない。」
...なるほど。よく分かりました。

僕は怒ってるんだぞ!岡倉家のドメスティック・バイオレンス?
葉子の家出で腹の虫が治まらない大吉。「トイレの電球が切れてる!」「枕元に水置いといてくれって言ったてさ、この何十年間、3度に1度は忘れてるじゃないか!」「ハイハイ?人を馬鹿にした返事するな!ハイは一度でいいんだ!」と事あるごとに節子や長子に怒鳴り散らす始末。遂には怒鳴るだけでは治まらず、ミカン籠やゴミ箱、座布団を蹴り始めた。しかしその姿は暴力を振るう亭主というより、駄駄をこねている子供にしか見えないのが大吉らしいが。

何を考えてるんだ!君は!野田家の家庭内いじめ。
相変わらず弥生の仕事に理解を示さない良やあかり、武志。良は「こんなもの食えるか!」とあかりが焦がした魚を弥生の目の前でぶちまけたり、弥生が作る弁当についてあかりや武志は「手抜きでさ、お弁当開けるの恥ずかしいよ。」「鮭とタラコだけでさ、ご飯一杯詰めればいいってもんじゃないだろう!」と文句の言いたい放題。とどめの一言は「自分が母親だってことを忘れちまったんだ、この人は!」という武志の言葉。半泣きで食器を洗っている弥生の姿は哀れ過ぎました。

五月に優しいキミ。(2週目)
先週から五月に優しくなったキミ。今週も岡倉の家から帰りの遅くなった五月に「久しぶりの里帰りなんだから、慌てて帰って来ることなんかないのよ♪」と優しい言葉。2週目も上機嫌なキミでした。

(おまけ)今日の本当の「世間」の出来事
・多摩川水害訴訟の上告審で、最高裁は国側全面勝訴の二審判決を破棄。差し戻し判決を言い渡した。

第9回(1990年12月6日放送)
「幸楽」を訪れた健治と邦子の夫・浩介(別府康男)は、幸吉の遺言状が無い以上、正当な権利だとして久子や邦子の遺産相続権を主張。「幸楽」は勇が跡取りとなり、久子と邦子には相続権がないことは娘たちも承知のはず、とキミは二人を追い返す。しかし今度は久子と邦子がやって来て、再び相続権を主張。娘二人に裏切られたキミは号泣。翌日、借金しても店を残そうと言うキミに五月が賛同。キミは五月の心遣いに感謝するのだった。一方、岡倉家ではハワイから帰国したばかりの葉子が突然家を出ると言い出す。

ついに勃発!遺産相続戦争!
ついに始まった小島家の遺産相続を巡る骨肉の争い。何とかキミに「幸楽」を処分させて遺産の分け前を貰おうとする健治たち。健治は「お兄さんお一人に相続させるという公的に通用するお父さんの遺言状でもおありですか。」と法律を逆手にとってキミたちに詰め寄っていく。しかし味方が浩介だけというのは心細い。健治に同意を求められても「お兄さんの仰る通りです。」と言うだけ。通夜の時、久子と見事な連携プレーを見せた健治だったが、浩介では思うようにいかず、結局キミに追い返されてしまった。

女心は変わりやすい。
健治たちが帰った後、五月は「お父さんが残してくださったんだもの。しっかり守っていかなきゃ。」と弱気になった勇を励ます。ところがその日の夕方、相続権を主張した久子たちが帰った後は「幸楽、処分しよう。それでみんなが良くなるんだったら。」と態度一変。勇も五月がいいならと同意する。その翌朝、店を続けると言うキミに「借金返すために働くようなもの」という勇の発言に「それだっていいじゃない。それで幸楽が残るんだったら。」とまたまた意見が変わった。コロコロ言う事が変わる五月も五月だが、それに何の疑問も抱かず賛同する勇も勇である。

つかの間の平穏...いつまで続くか、上機嫌なキミ。
上の五月の発言にキミは大喜び。「五月には相続権がないのかねえ。」「五月さえ居てくれたら結構!」と手の平を返したように五月を可愛がる。しかし、このキミの五月への優しさも長くは続かないことを全国の「渡鬼」ファンは知っている...。

「幸楽」5人体制に。
幸吉亡き後、「幸楽」はキミ、勇、五月、出前のバイトから一人前のラーメン屋を目指すことになった達夫の他に、”元さん”こと元造(山岡八高)が加わって5人体制になった。元造は道楽から父親の店を潰した男。10年後、達ちゃんは「幸楽」に残ってるが、元造の姿はない。いつ消えたのか...。

(おまけ)今日の本当の「世間」の出来事
・サダム・フセイン・イラク大統領は、イラク・クウェート国内に拘束・滞在している2000人以上の外国人全員の解放を発表。
・第41回NHK「紅白歌合戦」出場歌手が発表。ドリカム、B・Bクィーンズ、マルシア、宮沢りえ、たま、長渕剛、忍者、吉田栄作らが初登場。

第8回(1990年11月29日放送)
「幸楽」では幸吉の通夜が営まれた。五月や節子が忙しく弔問客の対応に追われる中、久子や邦子の家族はお客さん気取りで食べたり飲んだりする始末。その夜、突然葉子がハワイから帰国。珠子に申し訳ないと思う大吉は激怒。「日本でやりたい仕事がある」という帰国の理由に腑に落ちないものを感じながらも大喜びする節子。幸吉の葬儀が終わって数日後、「幸楽」に久子の夫・健治(岸田敏志)が「この土地を買いたいという人を見つけてきた」と訪ねて来る。

久子と邦子の子供たち。
通夜の席で走り回る久子や邦子の子供たち。よく見ると男の子が3人。確か久子の子供は加奈と登、邦子の子供は隆とミカで、男の子は2人のはず。あと1人は眞ではない。いったい誰?

久子と健治の連携プレー見事な連携プレー、久子・健治夫婦。
通夜に集まった久子と邦子の家族。健治は久子に負けず劣らずの強欲男。キミとの会話で「裸一貫からこの一等地にこれだけの店残して。」と幸吉の功績を称え、「30坪あるでしょう。この辺りだと坪4千万くらいするだろうから...」と土地の値踏み。そこへ久子が「土地の価格に見合った相続税を払わなきゃならないの。」と遺産相続の話へ方向転換。健治が「お母さんの為だったら、ここを処分してその金でのんびり暮らすのもいいんじゃないか。」と言えば、「母ちゃんだって年なんだから。年中あっちこっち痛いってコボしてるじゃない。」と久子。久子・健治夫婦の見事な連携プレーで、いつの間にか「キミの為に幸楽は処分すべき」という結論になってしまった。

通夜の席で「男の家事」論争。
仕事で参列できない弥生や文子に代わって通夜に訪れた良と亨。お経の流れる中、またまた「男の家事」論争を始めた二人。家事も子育ても苦にならないという亨に「とうとう日本もそういう男の時代になっちゃったのかねえ。それで世の中上手くいくのかねえ。」と良。対する亨は「今はいろんな価値観が多様化してきて、幸せの感じ方も人それぞれ。」と反論。きっと橋田先生は「男の家事」についての話題を盛り込みたかったのだろうが、通夜のシーンには不似合いな会話。

(おまけ)今日の本当の「世間」の出来事
・大卒男子初任給17万円台に。過去10年間で最高の対前年比伸び率。大卒女子も初の16万円台。労働省発表。
・「今年のヒット商品の代表はファジー家電に一番搾りで、キーワードは心地よい選択。」電通がリポート。

第7回(1990年11月22日放送)
弥生の勤める聖十字病院へ運ばれた幸吉。脳出血で助かる見込みがないと診断された。そのことを知っているのは弥生、五月、勇の3人だけ。キミにはショックが大き過ぎるということで、病名は知らされなかった。弥生の家では、あかりがついに夕食の支度を。初めての娘の料理に喜ぶ弥生。集中治療室から特別病棟に移った幸吉は一時的に意識を取り戻し、勇に「遺言を書くから弁護士を呼べ」と。しかし、遺言を作る間もなく幸吉は死んでしまう。

幸吉の看病をして欲しいとキミに頼まれて...悪魔シスターズ、久子&邦子。
体中にチューブを通された幸吉の姿を見て、五月の小姑・久子と邦子は「かわいそうだよ、お父ちゃ〜ん!」と号泣。久子も邦子も人の子、実の親が倒れたら悲しむのかと思いきや、やはり悪魔シスターズ。キミに昼間だけ2人交替で幸吉の看病を頼まれると「わたしダメよ。うちには小学生が2人もいるんだもの、日中家空けられないわよ。」と拒否。さらに「わたしはもうよそへ嫁に出た女よ。父親、父親って言われても困っちゃうんだよね。」と自分を正当化。とどめは「付添いの家政婦を頼めば済むこと!」と。さっきまで泣いていたのは一体何だったのか。(ちなみに「悪魔シスターズ」というのは久子と邦子を演じる沢田雅美と東てる美が「渡鬼」人気に乗じて歌手デビューしたときのコンビ名。曲名は「あなたってパヤパヤ」で既に廃盤。)

大往生幸吉、最期の言葉。
青森の小学校を卒業後、東京へ奉公。屋台のラーメン屋から今の「幸楽」を立ち上げた男、幸吉最期の言葉。
「勇は立派に俺の跡を継いでくれた。いい嫁にあたって孫もできた。キミだって五月なら大事にしてもらえる。言うこたあねえよ。言うこたあねえ...。」

(おまけ)今日の本当の「世間」の出来事
・イギリスのサッチャー首相が辞任。保守党混乱で引責。
・即位の礼と並ぶ天皇の皇位継承儀式「大嘗祭」が行われた。首相ら733人が参列。

第6回(1990年11月15日放送)
仕事で外出しなければならない文子夫婦は、節子を自宅に呼んで高熱を出した望の世話を任せた。そこへ文子夫婦と別居している姑・年子(河内桃子)が現れて「実家の母親を頼るなんて」と文子たちに同居を提案。文子夫婦はこれを拒否する。一方「幸楽」の近くにある聖十字病院に勤め出した弥生。初出勤の夜、五月に心配をかけたと弥生は「幸楽」へ寄った。その直後、突然幸吉が倒れてしまう。

あなたの声が一番大きい。
高熱を出して寝ている望の枕元で、共働きについてのお互いの不満をぶつけ合う文子と亨。節子は「いい加減にしなさい、望の枕元で!」と。眠っている望には「今夜はおばあちゃんがそばに付いていてあげるから安心してお休み。」と子守唄を歌い出した。しかしよく通る節子の声に、望はおちおち眠れなかったのでは。

節子vs年子今回は節子劣勢?節子vs年子!
文子夫婦の留守宅で鉢合わせした節子と年子。第三回のキミとの対決に続き、再び娘の姑とバトルを繰り広げることになった節子。ところが年子は良家の出で、女子大も出ているインテリ。慇懃無礼に節子を追い返してしまった。何の反論もできなかった節子は自宅に帰るなり、「くやしい〜!あたしは誰が何て言ったって、文子を亨さんと別れさせますからね!」と悔し涙。いくら娘の姑に腹の虫が治まらないからといって、離婚させるというのはいかがなものか。

(おまけ)今日の本当の「世間」の出来事
・ミラノ発チューリヒ行きのアリタリア航空DC9型機404便が墜落。邦人男性2人を含む46人全員死亡。
・91年4月から放映されるNHKの連続テレビ小説「君の名は」の主役・後宮春樹役に倉田てつを(22)、氏家真知子役に鈴木京香(22)が決まった。倉田は東映俳優センターに所属。昭和62年「仮面ライダーブラック」(TBS系)でデビュー。鈴木は89年、映画「愛と平成の色男」でデビュー、現在東北学院大学の4年生。

第5回(1990年11月8日放送)
弥生の看護婦復職を良は許した。主婦が働くことがどんなに大変か、一度懲りなきゃ分からないというのが良の考えだった。申し訳ないと感じた大吉は良を飲みに誘う。酔った二人は高橋家へ。家事を分担する文子(中田喜子)・亨(三田村邦彦)夫婦に散々毒づく良だったが、逆に二人から「共働きは助け合うことが大切」と諭されてしまう。その夜、文子の長男・望(冨田真之介)が高熱を出して...。

専業主婦の米の研ぎ方
働きに出ることになった弥生。家族で助け合うことの大切さを知ってもらおうと、あかりと武志に家事を教える事に。まずは米の研ぎ方から。しかし教え方が雑。「そんな教え方でいいの?」と思う間もなく、炊飯器の使い方へ。これは演じる長山藍子が料理が苦手、というよりも橋田先生の長セリフに神経が集中して、それ以外の部分が適当になった結果だと思われる。

小料理店「おたふく」の女将。
大吉と良が飲みに行った店が「おたふく」。後に大吉が板前修業をすることになる小料理店である。これが初登場。しかし女将が咲枝(三崎千恵子)ではなく若い女。「おたふく」は最初若い女性が女将をしていたのだ。でも女将の代が変わって若返るというのはあっても、年寄りに変わるというのはあるのだろうか。いつ咲枝に変わるのか注目していきたい。ちなみに女将を演じているのは「渡辺陽子」という女優で、役名も「おたふくの女将」とそのまんまだった。

五月の深夜外出。
大吉と良が文子夫婦の家へ押し掛けている頃、弥生の家には五月がいた。夜もかなり遅い時間だ。弥生を心配して様子を見に来たようだが、深夜の外出にキミの許しはもらっているのか。キミの目を気にして滅多に外出をしない五月。いつもなら弥生に電話をかけて様子を聞く位で終わるのに。今回「幸楽」のシーンはなく、まるで泉ピン子を出演させるために無理矢理作ったシーンのように見えた。

(おまけ)今日の本当の「世間」の出来事
・イラク国内に拘束されていた邦人人質や在留邦人74人が、イラクのクウェート侵攻から98日ぶり、人質となって2ヶ月半ぶりに帰国。

第4回(1990年11月1日放送)
弥生はこのまま専業主婦で一生を終えることに疑問を感じ、正看護婦の資格を活かしてナースバンクに登録、看護婦復職を目指す。それを聞いた夫・良は大激怒。長女・あかりや長男・武志も大反対。家族の反対に一旦は諦めた弥生だったが、偶然病院で急患の子供を助けたことで、看護婦復職を決めてしまう。

何を考えているんだ、君は!

良の怒りセリフいろいろ。
「何を考えているんだ、君は!」(「自分のことは自分でやりなさい。」という弥生の発言に対して。)
「いい加減にしてもらいたいよ!」(食卓に塩とコショウが出ていないことに対して。)
「何バカなことを言ってるんだよ!」「バカも休み休み言うんだな!」(弥生の看護婦復職発言に対して。)
今日の良さんは怒りっぱなしの一時間でした。

わがままで出来の悪い姉弟、あかりと武志。
それぞれ希望の高校、中学を落ちてしまったあかり・武志姉弟。勉強だけでなく、家事の手伝いもしない。朝食の席で「お母さん、牛乳出てないよ。」とあかりが言えば、武志も「パンがトースターに入ってないよ。」と、自分でやろうとしない。10年後、あかりは農家の嫁として懸命に働き、武志は自動車修理工として妻と子供を養うようになると、誰が予想できようか。きっと橋田先生も予想できなかっただろう。

時代を感じさせるセリフ Part3
弥生の看護婦復職発言に対する良のセリフ。「マドンナの時代だなんて、マスコミがはやしたてて...。

(おまけ)今日の本当の「世間」の出来事
・新宿署独身寮で爆弾ゲリラ。警官1人死亡、5人が重軽傷。11月12日に行われる即位の礼に反対する過激派によるゲリラ事件と断定。
・来年のお年玉付き年賀はがき発売。東京・丸の内の東京中央郵便局では、タレントの荻野目洋子出演の記念イベント目当てに約700人が列。

第3回(1990年10月25日放送)
五月の代わりに「幸楽」へ愛(吉村涼)と眞(えなりかずき)を引き取りに行った節子だが、キミと大衝突。その「幸楽」は五月の代わりに久子と邦子に手伝いを頼んだが、半日で出て行かれ臨時休業。幸吉のすすめで勇は五月を迎えに。眞から「帰ってきて。」と言われていた五月は勇の迎えを受け入れて、「幸楽」へ帰っていった。

ゴジラvsモスラ

史上最強の対決!節子vsキミ!
「幸楽」へねじ込んだ節子。予想通りキミと大衝突。「たかがそれ(遺産相続)くらいで離婚をするような分からず屋と話し合ったって無駄ですから。離婚結構!」と節子が吠えれば、「分からず屋とはどういうことですか!呆れてものが言えないわよ!」とキミも応酬。愛と眞についても「愛と眞はね、小島の家の子ですよ。小島の家を出た五月には関係ないでしょ!」とキミが引渡しを拒否すれば、「呆れた!そんなに(店が)お忙しいんじゃ、愛と眞の面倒もロクに見てやれないでしょう!」と節子も一歩も引かず。結局この対決は幸吉の取りなしによって治まったが、現在の「渡鬼」では見られない迫力の対決であった。

特上寿司の出前に弥生大激怒!!
弥生を3食昼寝つきのお手伝いさんとしかみない夫・良(前田吟)、長女・あかり(山辺有紀)、長男・武志(岩渕健)。五月の件で節子に呼ばれていた弥生は夕食の支度が出きず、3人から散々文句を言われた。家族のわがまま発言にもじっと耐えていた弥生だが、良が特上寿司の出前を提案すると、いきなり「冗談じゃないわ!特上のお寿司3人前、いくらすると思ってるの!3人前で7500円!我が家の家計ではね、とってもそんな無駄使いはできないの!」とブチキレた。さすが専業主婦、家計に関わる発言には敏感である。

これが最初で最後?達ちゃんの反乱
今では「幸楽」で調理場を任されている達夫(榎本たつお)。10年前は配達のバイトだったが、五月が家出したため、配達の他に皿洗いや店の掃除までやることに。慣れない皿洗いにキミが「さっさとやってよ。」と急かすと、達夫は皿を放りだし「オレ辞めます!オレは配達のバイトに来てるんです!他の事させられるんじゃ約束が違うから。若奥さんの分まで働くんじゃタマんないよ!」と逆ギレ。達夫が感情をあらわにした貴重なシーンと言えるでしょう。

(おまけ)今日の本当の「世間」の出来事
・ワイド(利子一括払い型利付金融債)など金利引下げ前に、購入・書き換え等の手続きを済ませようと銀行に長蛇の列。

第2回(1990年10月18日放送)
葉子は珠子と共にハワイへ。「幸楽」では勇の妹・久子(沢田雅美)がキミに350万円を無心。夫・健治が株に手を出して大損、その借金の工面だった。それを知った五月は「幸楽」の先行きを案じ、久子や邦子(東てる美)に舅・幸吉(佐藤英夫)の遺産相続放棄の書類を書いてもらうように勇に提案。これがキミの逆鱗に触れ、五月は「幸楽」を追い出されてしまう。

説得の達人、久子久子の説得術。
キミに350万円貸して欲しいと申し出た久子。キミは「健治さんの尻ぬぐいは一度や二度じゃない。」と拒否。これに対して、下手に出ていた久子は「嫁に行くとき、この家から何にもしてもらわなかったんだ。」とキミを責め、「私だってここの家の娘よ。困っているときに400万や500万貰ったって悪くはないと思ってるけどね。」と開き直り。とどめは「いいわ。いよいよとなったら一家心中すればケリのつくことだ。」と脅迫まがいの発言。キミはまんまと久子の術数にはまり、350万円貸してしまうのだった。(右写真は説得の達人、久子)

節子の初怒り。
葉子を岡倉家の跡取りに、と考えていた節子。葉子の再度のハワイ行きに怒りが治まらない。生意気な発言をする葉子にビンタを食らわせ、葉子のハワイ行きを許した大吉を「いくらお姉さんに頭が上がらないからって、葉子は本当に今度こそ帰ってきやしませんよ!」「葉子を取られた私の気持ちが分かりますか!!」と大激怒。節子はシリーズ早々、怒れる母親だった。

今から思うと...。
@姉たちの姑の苦労を見て長子(藤田朋子)が一言。「アタシは絶対にお袋さんのいる男の人とは結婚しないぞ!」
後に常子(京唄子)との争いが始まるとも知らずに...。
A弥生(長山藍子)が大阪に住む姑について一言。「まあ、結構わがままなお母さんだし...」
でも姑・ハナ(杉山とく子)は「渡鬼」の中では一番「鬼」じゃないと思うのだが...。

時代を感じさせるセリフ Part2
五月が出戻って来たことに対する長子のセリフ。ついに離婚する娘が現れたってことは、岡倉家も結構ナウいじゃな〜い♪」

(おまけ)今日の本当の「世間」の出来事
・小林綾子が立命館大の文化・芸術活動特別選抜入試に合格。来春、文学部に入学。「将来は国際交流の仕事がしたい」と抱負。
・営団地下鉄初乗り20円アップの140円に。運輸審議会が答申。

第1回(1990年10月11日放送)
ハワイから大吉(藤岡琢也)の姉・珠子(森光子)とハワイの大学を卒業した四女・葉子(野村真美)が帰国。2人の帰国のお祝いに、岡倉家には大吉・節子(山岡久乃)夫婦の娘たちとその夫、子供たちが集まった。子供のいない珠子は大吉・節子夫婦に「葉子チャンを私の養女に欲しい。」と頼むのだった。

ファーストシーンキミの嫌味からドラマはスタート。
記念すべきファーストシーンは日曜日の午後、客で賑わう中華料理店「幸楽」。ハワイから帰国した珠子と葉子のお祝いパーティーに、忙しくてなかなか店を抜けられない五月(泉ピン子)。母・節子から催促の電話がかかると、早速姑・キミ(赤木春恵)の嫌味が。「わざわざ催促してくるなんて、どういうんだろうね。」と。夫・勇(角野卓造)が五月をかばうと「ほらこれだ。今の嫁は幸せだね。」とまたまた嫌味。でもキミは五月が休めるように代わりのバイトを見つけたり、岡倉家へお土産を買っていくように現金を渡したり、単なる鬼姑ではなかったみたい。(右写真は本当のファーストシーン、「幸楽」の入口前。)

大吉の命名の仕方。
石坂浩二のナレーションによると、大吉は男の子が生まれたら、大きな志を持つようにと「大志」という名前を考えていたらしい。ところが生まれたのは女の子ばかり。だからなのか名前の付け方も簡単。3月生まれの長女は弥生、5月生まれの次女は五月、7月・文月生まれの三女は文子、8月・葉月生まれの四女は葉子、9月・長月生まれの五女は長子。三女以降は「月」を「子」に変えただけ。せめて「文恵」とか「若葉」とか工夫すれば良かったのに。いくら男の子を待望していたからといって、名前の付け方に差があり過ぎるのでは。

時代を感じさせるセリフ Part1
照明の勉強をしている葉子のセリフ。(照明が)今一番ナウい仕事なのよ♪」

(おまけ)今日の本当の「世間」の出来事
・北朝鮮に抑留されていた第18富士山丸の船長らが7年ぶりに帰国。
・劇団・前進座の代表で女形の河原崎国太郎氏逝去。享年80歳。
・サラリーマンの年間給与400万円突破。国税庁「平成元年分民間給与の実態調査」より。

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