パート1の岡倉家V
1991年4月〜6月放送分です。(現在休止中)

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第28回(1991年5月9日放送分)
ゴールデン・ウィークに5人の孫たちが集まった岡倉家。大吉は孫たちに好きなオモチャを買ってやったり料理を振舞ったりする。弥生の家では良の母・ハナが脳血栓で倒れたと連絡が入り、良が大阪へ。文子や望がいない高橋家では、亨が会社の部下・十波菜穂(田中雅子)と不倫をしており、朝帰り。そしてゴールデン・ウィーク最終日。各家庭に帰って行った孫たちだったが、愛や眞は大吉に買ってもらったオモチャを巡って、加奈や登とケンカ。この件で五月はキミに責められる。望も大吉に買ってもらった機関銃のオモチャを「教育上良くない」と年子に取り上げられる。帰省していた竹原洋次が田舎土産を持って葉子のマンションを訪れる。洋次を食事に誘う葉子。そして翌日。孫たちの世話の疲れが残っている大吉や節子を、突然太郎の母・政子が訪ねて来たのだった。

本当に混んでいた幸楽。
ゴールデン・ウィークも混んでいた「幸楽」。満席のため、外で待ってもらうほどの盛況ぶりだった。五月や勇、キミが忙しく動き回っているのに「夕飯まだ?」と食事の催促をする久子。勇が文句を言おうものなら「しなくていい遺産放棄をしてやった」「食事の催促くらいしたってバチは当たらない」と開き直る始末。久子の性格の悪さはともかく、10年前の「幸楽」は本当に混んでいたのだ。五月やキミは話はしても、料理を運んだり食器を洗う手は止めない。客の数も今の倍以上。10年前は客役のエキストラにも金をかけて人数を多くすることができたのかも。最近それができないのはなぜなのか?きっと主要な登場人物が増え過ぎて、エキストラにまで金をかけることができないのではないか。幸楽従業員リストラ作戦もうまくいってないみたいだし...。

不倫夫、亨。
文子がいないことをいいことに、会社の女性部下の部屋に泊まった亨。別にキスシーンやベッドシーンがある訳ではないが、亨が女性宅でネクタイを締め直しながら不倫相手と会話をするというシーンだけでも、渡鬼では変に生々しい。それにしても相手の女性。別に亨の家庭を壊すつもりはない、亨のことが純粋に好きだから構わないとか言いながら、文子がリーダーを務める研究開発部の新製品開発がうまくいってないなど、文子の悪口も言ったりして嫌味な女。しかも、亨からしっかり“お手当て”をもらったりして、かなり計算高そう。なんでまた亨はこんな女に手を出したのか。それにしても三田村邦彦は不倫する役を演じたら天下一品だねえ。この頃、実生活でも不倫をしていたかどうかは知らないけど。

ハナ、脳血栓で倒れる!
WEBドラマでは異常に元気なハナが脳血栓で倒れた。渡鬼パート1の野田家の後半戦は、半身不随になったハナを中心に物語は展開される。杉山とく子のリアルな“半身不随”演技にも注目。僕なんか“杉山とく子”の演技は、あの口を半開きにした喋り方しか知らないので、他のドラマで元気な杉山とく子を見ると違和感あり過ぎで...。

葉子と洋次、恋の予感。
父親と兄が営んでいる果樹園の土産・サクランボをわざわざ葉子のマンションまで届けに来た洋次。どうせ次の日、会社で会うのに自宅まで届けに来るかあ?葉子も洋次の訪問にまんざらでもない様子で、夕食に誘ったりする。これは恋の予感?橋田先生の脚本は分かりやす過ぎて、頭が下がります。

第27回(1991年5月2日放送分)
ゴールデン・ウィーク。長子は初めての給料で、竜一や文太とオーストラリア旅行へ。「幸楽」では久子が店を手伝いもせずに、加奈や登と伊豆旅行に出掛ける。連休中、どこへも行けない愛や眞を不憫に思った五月は、キミに嫌味を言われながらも、2人を岡倉の家へ。望の私立小学校の“お受験”を巡って姑・年子と衝突した文子が、望を連れて岡倉へやって来る。また、マンションに太郎が居座っていて仕事にならないと葉子も岡倉を訪れる。さらに、あかりや武志まで、良は家でゴロゴロ、弥生は外で仕事、と家にいてもつまらないと岡倉へやって来る。期せずして、5人の孫が全員顔を揃えた岡倉家のゴールデン・ウィーク。おもちゃ箱を引っくり返したような賑やかさに喜ぶ大吉と節子であった。

娘のボーイフレンドに怒る父親、娘を信じる母親。
と言っても勇と五月のことではない。初給料でオーストラリア旅行へ出掛けた長子。初給料を自分の遊びに使ってしまうことが、まず気に入らない大吉だったが、さらにその旅行の同行者が竜一と文太と聞いておカンムリ。竜一は長男だから長子の婿としては失格なのに、もし旅行中に間違いでも起こったらと気が気でない様子。これが勇だったら...。もし、愛が城代と海外旅行に出掛けるなんてことになったら、勇はどうなってしまうんだろう。髪の毛が全部抜けたりして。一方の節子は「私はね、母親として長子を信じてやれる娘に育ててきたつもりです」と余裕の態度。でもこのセリフ、最近五月もよく使います。橋田先生がセリフをリサイクルしていることが、よ〜く分かりますね。

久子の3段論法プラス涙作戦。
健治の蒸発により「幸楽」へ居候することになった久子たち。しかし、グ〜タラな久子は居候のクセに「幸楽」を手伝わない。怒った勇に対して久子は、@自分は五月や勇のために2億円の遺産相続を放棄した。→A親子3人の面倒を五月や勇が見るのは当たり前。→B店を手伝うどころか、毎日贅沢させてもらったってまだお釣りがくる。と、こんな3段論法で自分の正当性をアピールするのだった。さらに久子は、連休中は加奈や登と3人で伊豆に行くと言い出す。これに対しても勇が「同じ家に暮らしているのに、旅行にいけない愛や眞のことも考えろ」と文句を言うと、久子は@「亭主に逃げられた人間は、子供たちを遊びに連れて行く資格がないっていうの!」と涙。→A愛や眞には勇という父親がいるが、加奈や登には甘えられる父親がいなくて不憫、とまた涙。→Bせめて連休くらい子供たちを遊びに連れて行きたい、と最後に号泣(このとき、たっちゃんが“ウンザリ”というような顔を見せるのに注目)この3段論法プラス涙作戦で、キミが「あ〜行っといで!」と許したのは言うまでもない。

勘違い太郎。
政子から葉子との結婚を反対された太郎は、家出して葉子のマンションに転がり込んでいた。さらに会社でも閑職に左遷。それでもめげない太郎だった。葉子と太郎が結婚して岡倉家を継いで欲しいと考えている節子は、度々葉子のマンションに訪れては2人のために食事の用意や部屋の掃除をしていた。しかし、葉子の心は既に太郎から離れており、今は照明デザイナーという仕事で頭が一杯だった。そんな葉子の気持ちに気付かず、太郎は「(葉子が)仕事に打ち込んでいるのも僕とのことが辛いからだと思うんですよ。それが分かるだけに不憫で」と節子に説明する。あ〜何たる勘違い野郎なんだ、太郎は。“それが分かるだけに不憫で”って、全然分かってないじゃん。しかも“したり顔”で語っているから、なお始末が悪い。これでは葉子が「太郎なんて大嫌い!」と言ったって、「また僕の事を気遣って、そんなウソを」なんて言いかねない。10年経っても、未練たらしく葉子に会いに来ているのも納得できるというもの。もしかして今だに「本当に葉子が好きなのは俺」なんて思っているのかも。それにしても、葉子と太郎が恋人同士でいたのは、番組がスタートしてわずか半年の間だけだったのだ。その後の約9年半、太郎いや船越は何のために出演しているのだろうか...。

岡倉家の孫、勢揃い。
期せずして、岡倉家に集まった大吉・節子夫婦の孫たち。大吉は、あかり、武志、愛、眞、望と順番に並ばせて「俺たちの孫。一人一人違うけどさ、皆いい子じゃないか」と感慨ひとしおの様子。考えてみれば、5人の孫が顔を揃えるなんて滅多にないこと。結構感動的なシーンだった。最近は、その孫たちも色々悩みを抱えて、大吉に相談に来るようになった。子供にとっての10年と大人にとっての10年は、やはり違う。大人たちが相変わらず10年前と同じことをしているのに、子供たちは明らかに成長した。大人たちが変わるには、10年では短すぎるのだろうか。

特別企画・ナレーション今昔。
1991年5月2日放送と2001年5月3日放送のドラマ冒頭のナレーションの構造が何となく似ていたので、ここに採録します。

■2001年5月3日放送分のナレーション。
岡倉大吉の長女・弥生は、夫・良の同僚たち4組の夫婦で始めた“ごはんや”がひと月を迎え、なりふり構わず働いていましたが、まだ海のものとも山のものとも分からず、次女の五月のところでは、眞は無事都立高校へ入学してホッとしてはいたのですが、愛にボーイフレンドができたことで勇は神経を尖らせていて、五月は小さな爆弾を抱えているような気がしていました。三女の文子は、できるかどうか分かりもしない旅行代理店を立ち上げるのを夢見て苦労しているようでしたし、四女の葉子は、タキに反対されてもめげず、タキの長男・久光と婚約して大吉を困惑させ、五女の長子は、英作との夫婦の間がうまくいかないらしく、大吉を悩ませているのでした。

■1991年5月2日放送分のナレーション。
岡倉大吉・節子夫婦の娘たちにとって、色々事件のあった長い春休みも終わり、やがてそれぞれに爽やかな5月を迎えようとしていました。やっと子供たちに理解されて病院の職場へ復帰できた弥生。夫の健治に蒸発された義理の妹・久子が、2人の子供を連れて「幸楽」へ転がり込んできて、また重い荷を背負わされることになった次女の五月。姑・年子との同居に耐えながら、勤務先のチーフとしての重責を果たそうと焦っている三女の文子。結婚問題がこじれたまま、照明デザイナーの仕事に精を出している四女の葉子。4月に就職して、社会人としての第一歩を踏み出した五女の長子。そして、小料理屋「おたふく」の板前で、第二の人生を求めて歩き始めている父親の大吉。このドラマが始まって半年。岡倉家の家族には様々な変化がありました。が、やがて訪れる風薫る5月も、なかなか皆爽やかな気持ちで迎えられる訳ではありませんでした。

ゴールデン・ウィークになると橋田先生は、弥生五月文子葉子長子の現状を総括してみたくなるようです...。

第26回(1991年4月25日放送分)
社宅を追われた久子、加奈、登は、「幸楽」に住むことになった。久子は相変わらず、健治の蒸発の原因は遺産を放棄したせいだと言い、ことさら五月を責める。また、加奈や登は久子に似て性格が悪く、愛や眞とケンカを始める始末。春休み、五月や勇とディズニーランドへ行くことを楽しみにしていた愛と眞。しかし、加奈や登も一緒に行くと聞いて、行きたくないと言い出す。父親がいない加奈や登を不憫に思うキミは、代わりにディズニーランドへ連れて行く。一方、野田家では、弥生から入院患者である少女・恵美の話を聞いたあかりや武志が改心。2人で良を説得して、再び弥生は看護婦の仕事に復帰することに。再び「幸楽」。始業式の朝、お気に入りの服をキミの一言で加奈に貸すことになった愛は涙する。姉の涙に堪りかねた眞は、加奈に服を返せと迫るが、キミや久子に歯が立つはずもない。大泣きする愛や眞の姿を見て、心が締めつけられる五月だった。

性悪な姉弟−加奈と登。
眞が友人から借りたゲームを「貸せ!」と言って奪おうとする登。眞と登がケンカを始めるや否や「登!やっちまいな!」とばかりにケンカを煽る加奈。まさに“この親にしてこの子あり”といった感じの姉弟、加奈と登。「幸楽」に厄介になっているクセに、食べ物、着るものに文句の言い放題。キミは、父親が行方不明になった2人を不憫に思って甘やかしているから、なお始末が悪い。そのワガママぶりが、いささかステレオタイプに思えないこともないが、キミ、久子、邦子と続く小島家の“性悪”な部分の血筋を正統に受け継いでいるのが、加奈と登である。特に、登役の伊藤“チビノリダー&カロリーメイト”淳史の北京原人顔は、隆のしゃくれアゴに匹敵するほどのインパクト大。眞に意地悪するときの登の顔の憎らしいこと!

号泣する姉弟−愛と眞。
今までは五月だけがキミや久子のイビリに耐えていれば良かったが、加奈と登の登場により、愛や眞も理不尽な目に遭うことになる。橋田先生は五月だけでは物足りず、ついに愛や眞ら子供たちにも辛い思いをさせるつもりらしい。加奈に「ウチのお父さんのシュウマイ、日本一なんだよ」と自慢して、勇を誇りに思う愛。愛の服の件で、眞に代わってキミに謝った五月に「どうしてお母さんが謝らなくちゃいけないんだよ!」と泣きながら訴えた眞。この頃から“父親思いの愛”“姑のいいなりになっている五月を苛立たしく思う眞”という性格付けが完成されていたのだ。

反省する姉弟−あかりと武志。
弥生から入院患者・恵美の話を聞いたあかりと武志。恵美が弥生の誕生日に贈ったメッセージテープを聞いたあかりと武志は、いかに看護婦が患者にとって大切な仕事なのかを知り、自分たちの無理解を反省した。あかりや武志も本来は心の優しい子供たちであった。が、弥生の仕事を弥生のワガママとしか受け取れなかったため、反抗していただけであった。武志は率先して弥生の家事を手伝い、あかりも弥生の看護婦復職を認めるように良に迫った。あかりや武志が弥生の味方になった今、残る障壁は良である。良が弥生の仕事に理解を示すのは、いつの日なのか...。

新社会人・長子の憂鬱。
銀行に入行して初めての休日。昼過ぎまで寝ていた長子は「疲れた。本当に疲れた。人生は大学時代でおしまいだわ」と社会人としての新生活に愚痴をコボす。でもこの気持ち、分からないでもありません。僕なんか、今でも「あ〜大学時代に戻りたい」なんて思いますもん。長子は「あたし、お勤めなんて向いてない。時間に縛られて、人間関係に振り回されて...」とも。今から思うと長子は自分のことを分かっていたんだ。だって10年後の長子は、お勤めではなく“翻訳”という人間関係に振り回されず、通勤電車も関係ない仕事をしている訳だから。(でも“締切”という時間には縛られているとは思うけど。)もっとも仕事ではなく家庭の中での人間関係に振り回されっぱなしなのは誤算かも知れないけど。

(おまけ)今日の本当の「世間」の出来事
・与野党の税制問題等両院合同協議会は、消費税法改正案を今国会に提出、来月8日に成立させることで合意し、同改正案の要綱を決定した。

第25回(1991年4月18日放送分)
弥生から病院を辞めると聞いた大吉・節子夫婦は、弥生の家を訪ねる。あかりや武志に自立して欲しかった弥生だが、武志の事件ですっかり子供たちに裏切られた気持ちになっていた。一日中、暗い表情で過ごす弥生。良や子供たちとも必要最小限の会話しかしなくなった。「幸楽」では、健治が勝手に会社を辞めて退職金を持って蒸発したと、久子が飛び込んでくる。遺産放棄なんかするんじゃなかったと、五月たちを恨む久子。いよいよ社会人としての生活がスタートした長子。出勤初日、遠山が長子にお祝いの花束を持ってくる。面白くない大吉。大手銀行で外為部に配属になった長子だが、入行式で同じ新入社員・大木すみれ(横島江里子)に出会う。再び「幸楽」。久子が2人の子供たち・加奈(米沢由香)と登(伊藤淳史)と一緒に飛び込んでくる。健治が会社を辞めたことから、久子たちは社宅を追い出されることになったのだ。

怖すぎる弥生。
しばらくの間、看護婦を休職することにした弥生。一日中、家にいてはクラ〜い表情を良や子供たちに見せつけている。家事や食事の準備以外は部屋に閉じこもっているが、あかりが無断で外出しようとすると、ヌボ〜と部屋から現れて「どこへ行くの?何しに行くの?いつ帰ってくるの?」と無機質に問い質す。あかりが反論すると「あなたたちの世話をするために、母さんは一日中家にいることにしたのよ。」とまたまた無機質に答える。なんか、これって看護婦を無理矢理休職させられた弥生の仕返しのように見えて、あかりや武志に同情してしまった。それにしても長山藍子の病的な“イッチャッてる”演技、怖すぎます...。

コロコロ性格が変わるのは母親譲り。
夫・健治の蒸発は、再び久子を悪魔に変身させた。遺産放棄したことを後悔し、「幸楽」を手に入れた五月たちに嫌味のオンパレード。五月の入れたお茶が熱いと言っては「あたしに何か恨みでもあるの!」と怒鳴りつけ、愛や眞に「あんたたちのお父さんが一人でこの店もらっちゃってさ、一生食べるのに困らないだもんねえ」と同じ孫なのに加奈や登が可哀相と嫌味。そのクセ、健治の蒸発で食事もノドに通らないと言っておきながら、勇にフカヒレのスープを注文するなど、悪魔パワー全開。以前の反省など、どこ吹く風である。まあ、キミの娘だから、性格がコロコロ変わるのは仕方がないが、あまりにも極端。でも久子は嫌味を言ってナンボの人物である。嫌味を言わない久子は久子ではない。「渡鬼」を盛り上げるためには、必要悪なのが久子なのである。

「渡鬼」の公開オーディション。
大手銀行に就職した長子。入行式で隣の席で“居眠り”をしていたのが、大木すみれだった。銀行の窓口係配属のすみれは、函館出身で高卒。体格は聖子みたいに大柄。とても男にモテるような容姿ではないが、すみれの“体格”に油断した長子は、後にとんでもない目に遭うことになる。それはさておき、すみれを演じた横島江里子は、「渡鬼」の公開オーディションで選ばれて、当時テレビ雑誌等でも話題になった。役の条件は“大柄な体格”だったと思う。同じ新人である“21世紀の裕次郎”こと宮下君の容姿には敵わないが、演技は横島の方がまだマシ。しかし、彼女の姿を見たのは後にも先にも「渡鬼」だけ。どこへ行ってしまったのか。余談だが、聖子役の中島唱子は「ふぞろいの林檎たち」のオーディションで芸能界入りした。そのときも役の条件は“大柄な体格”だったはず。横島と違って、中島はしぶとく生き残ってますね。

いつの時代にも父親というものは...。
長子の出勤初日に突然訪れた遠山。大吉は面白くない。太郎にもいい顔をしない大吉。いつの時代にも男親というものは、娘に付きまとう男には不愉快な気持ちになるものなんですね。でも大吉は、勇のように酒を飲んで荒くれたりしません。せいぜい節子に男の悪口を言うくらい。もっとも大吉が酒を飲んで荒くれたら、振り乱すバーコード頭がない代わりに、魚をおろす出刃包丁を振りまわしそうで、そっちの方がよっぽど怖いけど。

大吉の野望。
弥生の家での大吉の発言。「調理師の免許を取ったらな、店を出してだね...」それを節子が「よして下さい!」と即座に否定。理由は“ちっぽけな小料理屋になんて、婿に来てくれる人はいない”ということ。節子の反対はともかく、大吉が“自分の店を持ちたい”という意志表示をした最初の瞬間であった。

(おまけ)今日の本当の「世間」の出来事
・日ソ首脳会議で、海部首相とソ連のゴルバチョフ大統領は日ソ共同声明を発表。「領土問題」四島を明記。しかし、返還については継続交渉に。

第24回(1991年4月11日放送分)
葉子との結婚が諦め切れない太郎は、葉子のマンションへ強引に引越して来る。太郎との結婚は諦めて、仕事に没頭しようとしていた葉子にとっては迷惑な話だった。葉子と太郎の同棲を知った政子が、岡倉家へ乗り込んでくる。再び両家が顔を揃えて話し合うことになった。話し合いの場で太郎は、たとえ勘当されても葉子と結婚すると宣言。節子は太郎を見直した、勘当されたら岡倉家へ婿に来てくれるかも知れないと、太郎を応援するが、大吉は面白くない。一方、3月27日の誕生日が迫った弥生。案の定、良、あかり、武志は弥生の誕生日を覚えてはいなかった。誕生日当日、入院患者である少女・恵美から誕生日プレゼントをもらった弥生。心のこもったプレゼントに感動したのも束の間、警察から武志が補導されたと連絡が入る。武志の件で、良から散々責められた弥生は、ついに看護婦を辞めることを決意する。大阪に住む姑・ハナから宅急便で弥生へのプレゼントが届く。最悪の誕生日となってしまった弥生は、ハナの心遣いに号泣するのだった。

少女患者・恵美からのプレゼント。
白血球の減少で学校へ復学できる見込みのない少女・恵美。弥生は人一倍、この少女に目をかけてきた。婦長から弥生の誕生日を知った恵美は、弥生にお祝いのメッセージを録音したカセットテープとハンドクリームを贈った。“ハッピーバースデー”を歌った後、「私は野田さんの手が好きです。顔や体を拭いてくれたり、ご飯を食べさせてくれたり、いろんなことをしてくれる野田さんの手をいつも見ています。とっても優しくて、とっても暖かい手。見てると胸が暖かくなって、心が休まるのです。けど、時々荒れててかわいそう。きっと病院でもお家でも、いつも水を使っているからでしょう。でも、いつも、いつまでもキレイな手でいて欲しいの。恵美の大好きな、大事な大事な手だもん。だからハンドクリームを贈ります。」とテープに録音された恵美の声。家族全員から誕生日を忘れられた弥生にとって、恵美からのプレゼントはどれほどの大きな喜びだったか。家で独りテープを聞いて涙を流す弥生の姿は感動ものだった。

いじめの報い。
しかし、そんな弥生の喜びをぶち壊したのは、バカ息子・武志だった。武志は、いじめグループに加わり、金をゆすり取ろうと同級生をケガさせたのだった。弥生や良と警察から帰って来た武志は、良から殴り飛ばされた。いじめをして相手をケガさせたのだ。警察に補導されるのも、親に叱られるのも当然。橋田先生は当たり前のことを書いていた。それなのに10年後、加津をいじめてケガをさせた同級生は全然お咎めナシ。腕を骨折するほどのケガをしたのに、だ。いじめの報いをしっかり描いていた橋田先生は、いつからオカシクなったのだろう。

心優しい姑・ハナ。
ハナは毎年、弥生の誕生日にはプレゼントを贈っているらしい。なんて優しい姑なんだろう。そんなハナを脳梗塞で半身不随にするなんて、橋田先生も鬼。キミや常子みたいな鬼姑はピンピンしてるのに。“渡る世間に鬼はなし”を勝手に“鬼ばかり”と改変した橋田先生。“憎まれっ子、世にはばかる”という諺は変えるつもりはないようだ。

政子への疑問いろいろ。
@葉子と太郎の同棲を知った政子は、岡倉家へ乗り込んでくる。大吉や節子に文句を言う前に、まず葉子と太郎のマンションへ行って、本人たちを説得すべきではないか。
A両家が顔を揃える場に、なぜ太郎の父親が姿を見せないのか。前回のときも来なかったし。山口商事にとって、次期社長である太郎の結婚問題は重要のはず。それならば、なおさら太郎の父親がいないのは腑におちないのだが。

(おまけ)今日の本当の「世間」の出来事
・パキスタンで早大生2人が誘拐された事件で、シンド州警察長官と強盗団「ダコイト」が人質解放で合意。身代金は払わない、一味を逮捕しないという条件。
・CX系22時より、ドラマ「もう誰も愛さない」スタート。個人的に好きだったドラマなので...。

1991年4月4日は「ホテルスペシャル’91春 姉さんピンチです」放映のため、休止。

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