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地上デジタル放送の概要


・地上波デジタル放送
・各国の地上デジタルテレビ 放送方式と
 サービス開始時期

・ノイズの無い鮮明な画質
・VHFとUHFの周波数資源の違い
・周波数帯によるチャンネル割り当て
・インターネット放送との違い

地上デジタル放送の役割は、アナログ放送のデジタル化です。
通常のテレビにチャンネルを増やす衛星放送やCS放送とは
異なり、日本でテレビを視聴されている全国民が、デジタル放送に移行する
必要があります。また、1953年に開始されたアナログ放送は、2011年7月に
放送を終了しました。(一部地域を除く)

もちろん、地上デジタル放送には高品質な映像などの特長があるのですが、
現在のテレビに不満の無い方もいらっしゃるので、テレビの買い替えという
負担を全国民に背負わすことに賛否両論があります。
 

地上波デジタル放送


アナログのテレビ放送は「地上波テレビジョン放送」と呼ばれていましたが、
デジタルの地上波放送では「波」が省略されて「地上デジタル放送」と名づ
けられました。
正式名称は、以下のとおり「地上デジタルテレビジョン放送」です。

名 称: 地上デジタルテレビジョン放送 (地上デジタル放送)
方式名: ISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)
規格名: ARIB STD-B31「地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式」

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日本だけではない地上デジタル放送


地上デジタル放送は世界各国で開始されています。日本独自のISDB-T方式の
他にも、欧州中心のDVB-T、北米中心のATSC、中国方式があります。
日本方式は、ブラジルが日本方式をベースした方式を採用したことがきっか
けとなり、南米を中心に広まっています。

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各国の地上デジタルテレビ 放送方式とサービス開始時期


日本: 日本方式ISDB-T 2003年12月 2011年 7月
ブラジル: 日本方式SBTVD-T 2007年12月 2016年
ペルー: 日本方式SBTVD-T 2010年 3月 2020年
アルゼンチン: 日本方式SBTVD-T 2010年 4月 未定
フィリピン: 日本方式 未定 未定
北:北米方式ATSC 1998年11月 2009年 6月
イギリ: 欧州方式DVB-T 1998年 9月 2009~2010年

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ノイズの無い鮮明な画質


アナログテレビ放送では、受信強度が60dBuVを下回るとノイズが発生し始め、
視聴に耐えれるのは40dBuV程度まででした。しかし、地上デジタル放送では
40dBuVを下回る35dBuVでも鮮明に受信することが出来ますが
35dBuVを下回ると、突然、受信できなくなる場合があります。

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VHFとUHFの周波数資源の違い


アナログのテレビ放送では、VHFとUHF周波数帯を使用してきましたが、
主に使用してきたのは、VHF帯でした。UHFは県域放送として使用
(当地ではサンテレビ・テレビ大阪・京都テレビ等になります)
地上デジタル放送ではUHFのみを使用するようになります。

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周波数帯によるチャンネル割り当て


VHF放送 VHF-L 90MHz~108MHz (1ch~3ch)
      VHF-H 170MHz~222MHz (4ch~12ch)
UHF放送 470MHz~770MHz (13ch~62ch)

VHFも、UHFも、1つのチャンネルで使用する周波数の帯域幅は
約6MHzで同じです。しかし、周波数資源を表す比帯域は約3倍も違います。

比帯域(周波数資源)= 帯域幅 / 周波数

周波数をVHFからUHFに移行するだけで、約3倍(2~5倍)
の周波数資源の有効化が出来ることになります。地上デジタルでは、UHF
を使用することで周波数資源の有効化を図っています。

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周波数間隔の違い


チャンネル帯域幅はアナログもデジタルも6MHz、アナログ放送では、例
えば、4チャンネルの次は6チャンネルと、2チャンネル毎に割り付けられ
ています。(地区によっては、3chと4chは隣接していますが、3chと4chだけは
周波数が離れています)
これは、もし、5チャンネルで別の放送を行うと、テレビ側の4チャンネルと
6チャンネルに映像が映りこんでくるためです。
したがって、アナログ放送では、実質6MHzの2倍の12MHz毎にしか
使用できませんでした。
一方、デジタル放送では、隣接していても、受信が出来るため、これで2倍
の効率化ができることになります。

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デジタル符号化による効率可


周波数の違いと周波数間隔の違いで、合計6倍の効率化が出来るのですが、
さらに、これに加えて、一つのチャンネルで、3チャンネル分の放送を行う
ことも出来るようになります。したがって、合計で18倍も有効利用が出来
る計算になります。ただし、1つのチャンネルに3チャンネル分の映像を入
れてしまうと、従来のテレビ放送の画質になっていまいます。つまり、あく
まで「同じ品質の放送であれば」、18倍の効率化いうことになります。
(実際の放送は、ハイビジョン放送が主流になりますので6倍。)

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効率化で合計128MHzの帯域を開放


地上波テレビ用に使用してきたVHFとUHFの周波数は、合計368MHzもありました。
地上デジタル放送へ移行後は、VHF帯の合計68MHzとUHF帯のうち60MHzの
合計128MHzが開放される予定です。これにより、地上波テレビ放送が使用し
てきた帯域の約35%にも相当する広大な周波数が他の用途に使えるように
なり、これまで周波数資源の不足で導入が難しかった、災害時の被災を低減
する通信システムや、交通事故防止システム、さらには携帯電話向けのデジ
タル放送や緊急放送など安全で豊かな暮らし支える用途に使われる予定です。
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インターネット放送との違い


インターネット放送とは、従来の放送の意味とは少し違っています。本来の
放送とは、一つの放送局が同じ情報を全受信機に送る(ブロードキャストの)
ことですが、インターネット放送ではデーターが幾重にも複製して送信され、
しかも、幾度にも中継されて送られて送られます。つまり、情報に「輻輳」
が発生してしまうのです。
また、輻輳を避けるために、全ての受信機に同じ情報(ブロードキャスト)を
送ろうとすると、全ての放送局からの映像データーを通信回線に流す必要が
あるので、現在の回線速度では大幅に不足してしまいます。
このように輻輳が発生しないで、かつ、必要な受信機にだけ同じ情報を送信
(マルチキャスト)する技術が課題になり、普及には、まだ時間がかかりそうです。
CM収入が資金の民放や、全国民に受信料を徴収するようなNHKは、当面は、
現在の電波による放送形態を中心に並行してゆくことでしょう。

一方、「放送」ではなく「通信」と考えたオンデマンドテレビでは、従来の
放送では真似の出来ない双方向性通信が利用できるようになります。そこで、
当面は現在のスカパーのような有料放送がインターネット放送に移行してゆ
くと考えられます。
CM収入を期待しているインターネット放送もありますが、従来のテレビ放送
と対等の広告収入を得なければ、番組の質は向上しません。つまり、番組の
多様化(量)で勝負しなければならず、一つの番組にかけれる経費は、ますます
少なくなってきます。このように、いつまで経っても従来テレビとの一線を
超えることはむづかしい為、インターネット放送が普及したとしても、地上
デジタル放送のような従来のテレビの形態も、しばらくは続くでしょう。

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大阪広域 生駒山頂 全局3KW TVOのみ1KWで放送。
近隣県域 サンテレビ1KW 京都1KW。 






 

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