書体への誘い 6 長録 <ちょうろく>
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東京・池之端の薬店「守田寶丹」の
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店内に飾ってある自筆の「寶丹」の額
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現在営業している薬店「守田寶丹」の表看板
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東京・上野池之端の薬店「守田寶丹」(もりたほうたん)の9代目(11代目)主人・守田治兵衛(下記写真)が、したためた独自の書がこの駒書体の元となっている。この書は、商家の看板に珍重されるなど、人々から縁起物とたたえられ喜ばれたともいう。その味わいは、上の写真の残された額や看板をご覧いただければ、十分にわかっていただけよう。また、守田治兵衛の寶丹流と称されたその書の号が、「長禄」なのである。
9代目の守田治兵衛が研究、改良した「寶丹」は、コレラの予防薬として重宝され、明治になって官許第1号の公認薬となっている。その治兵衛は、いったん隠居し10代目に家督を譲るが、10代が早世したため11代目ともなった。現在の「守田寶丹」は13代目が受け継いでいる。
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守田寶丹(長禄)
(1841〜1912年) |
■「長録」の由来
「長録」と「長禄」 上の写真は、守田寶丹のかつての薬袋である。その独自の書が、そこかしこに垣間見えると思い掲載した。実際の駒の書体と比べてみると、おもしろいかもしれない。
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