Interview



木曽の鼓動 は とまらない。



〜フェスをつくるということ

      と 企画をするということ〜




4 ) チームを組むときのコツ(その1) 

                〜分業をする〜




――さて、ここで「企画」を運営するときに、もっとも大事なコトかなって思うのですが……。「スタッフの集め方、チームの組み方」について お話を伺っていいですか?




ええ、どうぞ。



――まず、あの会場のスタッフは、みんなボランティアの方なのでしょうか?



そうですね。
まず、木曽鼓動の運営スタッフとして集めたボランティアが50人ほどいます。これに加えて、キャンプ場のスタッフが50人ほどおられますね。



――とてもアットホームな方ばかりでした。お客さんとスタッフが気さくに話しているシーンが多かったです。



ボランティアと知っているからこそ、やさしく接してくれている面はあると思います。こうしてお客さんにも好意的に協力していただく事で、一緒にいいフェスを作れてるのではないかなと。



――なるほど。それは、ボランティアスタッフのいい一面ですね。

その一方で、ボランティアということは当然“お金での見返り”がないわけなんですが。そういう方々に「役割をわたしていく」ことって、すごく難しくなかったですか?




そうですね、たしかに難しいトコロはあります。ただ、役割分担をしておくことはとても大事ですよ。しっかり各人で分担しておかないと、運営をすすめる上での案件が、すべて本部に来てしまいますから。



――ええ、わかります。
ぼくも山下公園の企画時には、「はやく分業しなくては!」と思いつつも、どうも自分でアレコレやってしまって……。そこは反省しているんです。




そうなんですか。



――お願いすべきところを、ちゃんとお願いできてなかったんですね。「こんなことを押し付けちゃっていいのかな?」みたいな遠慮があったんだと思います。

だって、役を引き受けた時点で責任も発生するじゃないですか。
となると、多くの方は諸手を上げては受け取ってくれないと思うんです。上村さんは、どのようにしてスタッフに役割を渡していったんですか?




そうですね……。
まず「すべての責任は上村と若旦那
(※1)の二人でかぶる」って言いましたね。そう言うことで こちらの本気度も伝わったし、安心感も生まれたんじゃないかな。

(※1)若旦那=上村さん とともに、木曽鼓動の立ち上げをおこなう。現在も木曽鼓動の制作にかかわり、フェス開催の直前にはブログの執筆やラジオ出演をしたりと、広報的な役割も担う。



――なるほど……。それですんなりいきましたか?




いえ、そうはなかなか。あとはもう、引き受けてくれるまで人をさがしつづけましたね(笑)。



――それは新しいですね(笑)。“どのようにその人を説得するか”ではなく、“引き受けてくれるまで人を探し続ける”。



“数打ちゃ当たる”、ではないんですけどね。
人によって向き不向きは必ずありますから。気持ちがこちらに向いてない人にアタックし続けるよりも、向いている人を見つけるほうが早い場合もあると思います。



――なるほど。『北風と太陽』じゃないですけど、かたくなに拒んでいる人に風を吹きつけても、ガードを強くしてしまうだけですもんね。



ええ。あとは役割と一緒に、権限も渡すことが大事かなって思います。そうすることでヤリガイをプラスする、といいますか。



――なるほど。ほかにも ありますか?



根本的な話になりますが、普段からいろんな人と仲良くしておくことは大切ですね。そのときだけ、急におねがいしてもダメですから。仮に一回引き受けてくれたとしても、関係ができていないかったら次につながらない。



――人間関係をつくっておくと動きやすいというのは、仕事をする上でもおなじコトがままありますよね。
つね日頃から人と繋がっておくというのは、ホント大事だと思います。



ええ。



――バーベキューをするときの炭火と同じで、いちど火が消えてしまうと再び熱を持たせるのって大変なんだと思います。

逆に、うっすらとでも火が残ってさえいれば、うちわでパタパターっとあおぐだけで再び熱を発することが出来る。
人間関係も似たようなトコロがある気がしますね。





――つづきます!



← 前へ              トップへ              次へ →