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B225

REVOX CDプレーヤ B225 (CDM0メカ搭載)キーオペレーションを解剖

業務用機器STUDER A725りの多彩なキーをもつB225ですが、キー操作についての日本語での解説がなかなか見当たらないようですので、当方が調べた内容をざっとまとめておきます。

◎ポン載せで再生する場合

 トレイを開く[LOAD]→ CDを載せる → [PLAY/NEXT

 …これで先頭トラックから最終トラックまでを順番に再生し、最後にディスクの回転を止めます。

  1. 再生中に[REPEAT]を押すと、再生しているトラックの先頭に戻って、すぐに再生をはじめます。
  2. ▽△]を押すとLCDに〈PAUSE〉の文字があらわれます。もう一度押すと消えます。この文字が出ているあいだ一時停止状態を続けます。このポーズ状態から再生を続けるには[▽△]を押し、次のトラックへ進むには[PLAY/NEXT]を押します。
  3. 再生中に一つ前のトラックに移るための専用キーがないので面倒そうです。一旦[STOP]を押してテンキー指定で再開したくなりますが、LCDのトラック番号を見て一つ前の数字を入れて[PLAY/NEXT]ボタンを押せば一発で移動。これだと回転を止めずにすみます。イメージを掴んでもらう補足的な説明としてですが、ポーズさせてから[REPEAT]を押して今のトラック先頭にもどし、ちょっと[]ボタンを押して前のトラックに食い込んだら[REPEAT]を押す、そんなやり方もなくはないです。なお[]や[]のキーを押しつづけると、最初はちょろちょろと微妙な変化ですが、押しつづけるに従ってだんだんと加速して変化します。
  4. AUTOSTOP]を押すとLCDに〈AUTOSTOP〉の文字があらわれます。もう一度押すと消えます。この文字が出ている時は常に、再生するトラックの末尾で毎度ポーズ状態になり、次のトラックの頭出し状態になります。そのまま再生するには[▽△]を押してポーズを解除します。
  5. LOOP]を押すとLCDに〈LOOP〉の文字があらわれます。もう一度押すと消えます。この文字が出ている時は常に、最終トラックが終了すると、停止することなく引続き、先頭トラックまで戻って再生を延々と続けます。
  6. DISPLAY]を押すごとに、LCD表示の〈TIME〉がトラックごとの分秒か、先頭から足し上げた分秒かに切り替わります。
  7. CAL TONE]を押すときは最大限の注意が必要です。このボタンを押すと出力端子から規定の正弦波が出ます。後続アンプの入力が許容範囲内にあるかどうか、とか、〈VARIABLE〉端子に接続した機器との出力レベルを合わせるために使います。つまりこのボタンを押した瞬間、いついかなる時も、最大の信号が轟きます。ヘッドホンで聴いている場合も同じですから、、、危ないです。
  8. 気のせいかもしれませんが、プログラム入力のときはサクサク反応するテンキーも、回転停止時はすこしムギュッという、ネチネチした感じでしっかりじっくり押さないと、最初のキーを取りこぼす傾向があるように思えます。これはただ、、、前の初代オーナーが30年間ほとんど使わなかったから接触が渋っているとかでしょうかねぇ。

先頭でないトラックから順次再生する場合

 トレイを開く[LOAD]→ CDを載せる → 数字キーを押す → [PLAY/NEXT

 …これで指定したトラックから最終トラックまでを順番に再生し、最後にディスクの回転を止めます。

  1. テンキーを押した時点ではLCDにその数字が出ない仕様のようですが、それは当方が使っている個体だけかも知れません。B225は途中からCDM1メカに変わりましたので、そういうタイミングで動作が変わっているかも知れませんね。
  2. 再生中にテンキーを押して[PLAY/NEXT]を押すと、瞬時にそのトラックに移動できます。
  3. 間違ったキーを押したとか、なにを押したか分からなくなった場合は、全部忘れて、2桁のトラック番号を入れ直せばOKです。要するに電卓を使っているときと同じで、最後の二桁は最後に入れた2つのキーになる、そんなイメージでしょうか。1桁のトラック番号なら、間違えなければ1桁だけで十分ですが、とにかく最初に〈0〉を入れるようにすればオールマイティーの作法になります。
  4. ディスクを載せてからいったん[LOAD]ボタンを押し、そのあとテンキーを押したほうが作法として良さげですが、そこはお好みで。

指定したトラックだけ再生する場合

 PROGRAM]→ 〔数字キーを入れて[STORE]〕を繰返す → [PLAY/NEXT

 …これでプログラムどおりの順番でトラックを再生します。

  1. PROGRAM]を押すとLCDの〈STEP〉が点滅します。その下の番号がステップ数で、右側にはトラック番号・分秒・〈L〉か〈P〉か〈S〉か〈ー〉が出ます。もう一度[PROGRAM]を押すと通常の単純な順次再生モードに切り替わります。従って、順次再生なのかプログラム再生なのかをはっきり見分けるのは、この〈STEP〉部分が点滅しているかどうか、でしょうかね。
  2. プログラムの〈TRACK〉が〈00〉は無入力の意味ですね。
  3. テンキーを押したあと[STORE]を押してはじめて、そのステップの動作が確定します。ステップ番号も自動的に次のステップ数に切り替わりますので、次のプログラムを設定する、それを繰り返します。
  4. プログラムで指定できるのは、トラック番号以外にも、[LOOP]と[▽△]と[STOP]と[POWER]ボタンが押せます。表示欄の〈L〉がループ、〈P〉がポーズ、〈S〉が停止、〈〉は電源オフの意味です。もし〈C〉になっていたら要注意です。これは[CAL TONE]の意味ですからね、、、
  5. プログラムを確認するときには[PROGRAMSTEP]の横の「」か「」ボタンをどんどん押して、最後までの流れをみましょう。
  6. トラック番号ではなく分秒を指定することもできまして、その時には、[TRACK/TIME]ボタンで切り替えます。LCDの〈TRACK〉だったところが〈TIME〉二つに切り替わりますので、まず開始時間の分数のほうをテンキーで入力します。それが終わったら[CURSOR]を押します。するとテンキーが開始時間の秒数のところに入ります。更に押すと停止分数、次に停止秒数です。最後の秒数の時に[CURSOR]を押すと開始のほうの分数を入れるところへジャンプします。つまり[CURSOR]を押すごとに開始分、開始秒、停止分、停止秒とぐるぐる切り替わるわけですね。確定したら[STORE]しましょう。
  7. トラック番号でもなく、既知の分秒でもなく、音を聴きながら開始場所と停止場所を指定することもできます。まずディスクをセットして、通常の順次再生モードで再生します。[DISPLAY]は積算時間に切り替えます。頭の部分に来たら[▽△]を押してポーズさせます。そのあと[PROGRAM]を押し、入力したいプログラムのステップ番号を[][]で呼び出します。[MARK]ボタンを押すと、そのポーズした時点の分秒が左側の分秒フィールドにセットされ、分と秒の数字を区切っている〈〉の記号があらわれます。まだ入力していない右側が〈0 00〉のように〈:〉が出ていないことに注意します。[STORE]を押すと頭の位置だけ確定した状態になります(表示されるステップ番号が1増えることに注意)。さて次に、再び[PROGRAM]を押して順次再生モードへもどって、再生を続け、停止させたい部分に来たらまたポーズをかけます。[PROGRAM]を押し、同じステップ数の表示になおし、その状態で[MARK]を押すと[CURSOR]を押さなくても入力すべき右側に自動的に分秒が入ってくれます。もし入らなければやり直しなのですが、[MARK]をどんどん押していくと左か右の分秒フィールドの〈〉が消えます。なにが消えるかは、その挙動をみていればだんだん飲み込めてくると思います。左と右のフィールドの開始・停止すべき時間の表示がOKなら[STORE]を押してセット完了です。
  8. プログラムでの分秒の指定は、いつでも積算時間のほうの数字になります。何トラック目の何分何秒のほうが分りやすそうですが、できなさそうですので、実際に再生して確かめるか、足し算するしかないようです。トラックとトラックの間に無音の時間が入っていると、足し算した時間と機械の積算時間に微妙なずれが出るようですが、それについてははっきりしません。
  9. 間違えたプログラムがあれば[]か[]を押して、書き換えたいステップ数を呼び出し、やり直せばよいです。どこかのステップを書き直したら、その続きのプログラムまで勝手に消えてしまうわけではありません。ということは、途中に何かを割り込ませるという、単純な追加はできないということですので、後続する部分は全部やり直すことになります。
  10. プログラムの最大ステップ数は19のようです。モデルやバージョンによって違うかもしれませんが。
  11. 再生中に[PLAY/NEXT]を押すと、次のステップに進みます。
  12. PROGRAM]から通常の順次再生モードに切り替えても、プログラムは消えずに残り続けます。その一方で、通常モードの再生中に[PROGRAM]に切り替えると、[PLAY/NEXT]を押した瞬間からそのプログラムを実行してくれます。ところで、その再生中での〈STEP〉点滅中に[PLAY/NEXT]ボタンを押さない時間帯というのは、再生中の音楽を途切れさせることなくプログラムの中身を書き換えることができる時間でもあります。
  13. プログラムの内容は、電源が通電(なんらかのランプが点灯)している間は保存されます。ディスクを交換したら消えるわけではありませんし、ディスクを識別して複数のプログラムが実行できるわけでもないです。
  14. LOAD]を押してディスクを収納しても、その時点でディスク情報を前もって読み込むわけではないですね。一度でも再生すれば情報が読み込まれますので、存在するトラックの総数がLCDのいちばん下にバーグラフで表示されます。最大30どまりですけど。
  15. 変なプログラムになったとか、前のを全部きれいさっぱり忘れたいときのオールクリアのような操作はありませんが、電源をしばらく抜いたままにするとそうなるようです。ですが、ここで要注意なのは、電源が数秒とか数分だけ消失したときにデタラメなプログラムが入る事がよくあります。もしその中に〈C〉が入っていたりすると、ほんとうに心臓に悪いですよ。プログラムの内容は最後のステップまで確認するか、意図したステップの直後を〈P〉とか〈〉に書き換えるように習慣づけたほうが吉だと思います。〈00〉でもいいですけどね。[PROGRAM]を押して出た最初のステップ内容が〈E3〉とか〈;/〉といった見馴れないものは100%異常です。自分で電源コードを抜かないまでも、知らないうちにドンピシャのまずい時間だけ停電とかしていますと、危ないですよ。

その他のオペレーション

  1. VOLUME横の[][]を押すと、ヘッドホンと〈VARIABLE〉端子の出力変化します。資料によると変化の幅は上げるほうに11段、下がるほうに10段ということですが、イヤホンだと19段なのか21段なのかよく聴いていても分からないくらい微妙ですね。1dBステップに近いようにも感じられます。電源を入れ直すと±0になるようです。

トップにある写真は、auditeレーベルの「GÉZA ANDA The Telefunken Recordings』(型番audite 95.720、2015年ドイツプレス盤)を演奏中の写真。このディスクの総演奏時間は87分21秒で、最終トラック48の終わりごろにポーズをかけた状態ですが、、、、1985年発売のCDM0メカ搭載モデルでこの時間(ディスク外周部)まで安定的に再生できた喜びの、記念すべきディスクとして。2020年11月1日撮影。

※76分を超える長時間録音ディスクの再生については、別ページにて

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