パート6の岡倉家U

今クールのポイントは、キミのシアトル旅行、勇の浮気騒動、由紀のできちゃった妊娠など。

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第14回(2002年7月4日放送)
遊ぶ金欲しさに警察ざたを起こした加奈。キミは加奈を立ち直らせるため、一緒にアメリカの久子のところへ行くと言い出す。「幸楽」で稼いだ貯金2000万円を使って、久子にアメリカで店を持たせ、親子で生活できるようにしてやりたいというキミに、勇は猛反対。しかし、娘と孫を思うキミの気持ちを理解した五月は快く承諾する。キミの思いを知り、本当はアメリカの久子のところへ帰りたかったと涙を見せ、初めて素直な気持ちを語る加奈。一方「おかくら」では、タキが大吉たちに黙って調理師の国家試験を受けていた。大吉の役に立ちたいと、この一年ばかり受験勉強をしていたというタキに、大吉や長子、勉、壮太は感心する。「おかくら」を訪ねた葉子は長子と英作に、婚約パーティーへ出席するように大吉を説得してほしいと頼む。婚約を解消して、宗方のヤル気を失わせたくないという葉子に、長子や英作は協力するという。しかし、葉子の帰り際、ケジメをつけるまで家の敷居は跨ぐなという大吉に、涙を見せる葉子。そして「幸楽」では、光子が加奈のためにと200万もの金をキミに渡す。光子が、その金をどうやって工面したのか、誰も知らなかった...。

■爆弾娘の改心。
トンデモナイ爆弾娘として登場した加奈。「幸楽」をメチャメチャに破壊してしまうようなトンデモナイことをしでかしてくれるかと思いきや、“金の無心”というありきたりなトラブルを起こす程度。しかも、キミから2000万円で久子に店を持たせるという話を聞いた途端、あっさり改心してしまった。これだったら、500万円持ち逃げしたり、詐欺に引っ掛かって自殺未遂を起こしたりしても、全く反省しない聖子の方が、よっぽど爆弾娘、いや爆弾ブタではないか。健治がいなくなって約7年。久子との荒れた生活で、すっかりすさんでしまった加奈の心が、たった5分間のキミの話で癒されてしまうなんて、加奈はトンデモナイ不発弾娘だったようだ。

■キミの2000万円。
キミは、今まで愛や眞の将来、五月や勇の老後のことを考えてコツコツ貯めた金2000万円を、久子のために使うという。前シリーズで聖子に持ち逃げされた500万円といい、いったいキミはいくら貯め込んでいるのか。愛が英会話の学校へ行きたいと言ったとき、「そんな金、どこにあるんだいっ!」と猛反対したキミ。...あるじゃん(笑)。そんな金があるんだったら、愛に英会話くらい習わせてやれよ。愛は小学生並みの英会話力しかないんだよ。高い授業料払ってでも、スパルタな英会話学校へ行かせなきゃ、アナウンサーなんてとても無理。孫より実の娘の方が可愛いということか。それにしても、かつての健治の借金の尻拭いから始まって、まるで打出の小槌のように次から次へと金が沸いてくるキミの財布&金庫。キミ自身も知らない間に、長者番付に載るほどの大金持ちになっているかも知れない。五月や勇はキミの資産をちゃんと把握しておいた方がいいのでは。いや、しっかりキミの資産を把握すべきは、スガコ先生の方か...。

■久子の商才。
久子に自分の店を持たせてやれば、久子と加奈の母子関係もうまくいくと信じ込んでいるキミ。でも何度も書いていることだが、久子は日本にいたとき、ニセ宝石のセールスで多額の借金を抱えた。加奈の話によると、久子はアメリカに渡ってからも、いくつも店出しては失敗しているらしい。そんな久子に店を与えたからといって、うまくいく道理はないはず。キミは「久子と加奈が親子で助け合ってね、商売をやっていけるってことを見届けたらね、それまではおばあちゃんね、アメリカにいるつもりなんだから」という。キミはアメリカに骨を埋める覚悟なのか。だいたいキミはアメリカの商習慣もよく分からないのに、商売に関して久子の相談相手なんかになれるのか。アメリカで久子にアドバイスするキミの姿が目に浮かぶ。「母ちゃんね、商売を成功させる秘策を教えてやるよ。それはね、出前だよ、出前!幸楽だって、250円ラーメンっていうライバル店が現れたとき、出前で乗り切ったんだから!」...はぁ、やはりキミの帰国は永遠にないな。

■久子の独りごと。(久子の日記より)
 今日、加奈から手紙が届いたわよ〜!母ちゃんが2000万円持って、コッチへ来るって。ヤッタ〜!加奈も、なかなかヤルじゃない。でかした!さすがアタシの娘よ。アタシに似て相当なワルだわ♪母ちゃんを散々困らせて、金持って加奈を連れて帰るっていう作戦、大成功よ!だけどねぇ〜、母ちゃんも2000万円も貯め込んでたなんてねぇ、アタシに似て相当なワルだわ(笑)。さてと、母ちゃんが来る前に、いろいろ準備しなきゃね。まずは「同情を誘うような哀れな久子」を演じるために、目の下にクマを引いて、髪の毛を少し白くして...。家の中も荒れ放題にした方がいいわね。登が帰ってきたら、ひと暴れしてもらおうかしら?
 言っとくけど、アタシは2000万円なんて金じゃ満足しないからね。プラス1000万円くらい上積みしてもらうつもりよ。母ちゃんなら、それくらい貯め込んでるでしょう。「母ちゃ〜ん、アタシくやし〜い!店の契約金、1000万円足りないって〜!あの店さえあれば、アタシと加奈、立ち直れるのにね〜(泣)」とか言ったら、母ちゃんのこと、いくらだって用立ててくれるわよ。あっ、そうそう、母ちゃんに連帯保証人になってもらうこと、忘れないようにしなきゃね。でなきゃ、真面目に店やんなきゃいけなくなっちゃう(笑)。
 それでも金がなくなったら、今度は登の番ね。アイツは、加奈以上にワル。この間なんか、ガールフレンドと無人島に流れ着いて、唯一の食料だったカロリーメイト、その娘が気を失っていることをいいことに、ガツガツ食べちゃったんだから。加奈以上に幸楽から金を毟り取ってくること、間違いなしよ!ああ、やっぱ持つべきは性悪な娘と息子ねぇ!

■無口なおしゃべり。
キミが加奈と一緒にアメリカへ行くという話を、大吉は「ごはんや」の配達に来た良から聞いた。以前にも良は、葉子の婚約話を「幸楽」の加津に話した。良は「おかくら」と「幸楽」の間を行き交う伝書バトなのか。両家で起きた出来事を、あっちでピーチク、こっちでパーチク。もちろん、弥生やあかりの様子など自分の家のこともベラベラと話して、まるでおしゃべり好きのオバサンではないか。前田吟も自分が登場しない間に、おしゃべりババァにされていい迷惑だろう。いや、待てよ。これはもしかしたら、スガコ先生の前田吟に対する叱咤激励なのかも。「ホラ!良だって、こんなにおしゃべりなんだよ!アンタも良に負けないで、『スーパーモーニング』でもっとしゃべりなさいよっ!!」っていう...。

■タキの調理師試験。
タキは、大吉たちに黙って調理師の国家試験を受けていた。しかし、一年やそこらの受験勉強で調理師の資格なんて取れるのだろうか。しかも一日の勉強量は、わずかである。大吉が調理師の試験を受けたときは、受験勉強で家族を巻き込んで大騒ぎした挙句、一度失敗した。頭の回転が弱ってきて、話す言葉に「、」や「。」をまともに付けられないタキが、一回の受験で合格するとは思えない。それでも受験したのは、やはり、タキも大吉の尋常ならざる手の震えを見て、「おかくら」の先行きに不安を感じたのだろう。大吉が亡くなっても、店の営業は続けられるように、調理師の国家試験を受けたのだ。いや、不安を感じたのはタキではなく、スガコ先生か。それならば、タキが早く確実に合格するように、大吉や勉からアドバイスを受けなかったのも納得。「だって、こんなに早く大吉の老衰が進むとは思ってなかったんだもん。『タキ、大吉から受験のアドバイスをもらう』なんて前振り、書いてる暇なかったのよ!だから、大吉たちに内緒で受験したっていう設定にしたのよ!」というスガコ先生の声が聞こえてくるようだ。

■葉子、ムチャクチャな理屈。
婚約パーティーに出席しないという大吉を説得して欲しいと、長子や英作に頼む葉子。この期に及んで、まだ婚約を解消しないのか、葉子は!葉子が婚約を解消しない理由は...葉子が婚約を解消する→宗方が仕事のヤル気を失う→銀行から融資を受けられなくなる→下田の女性向けマンションの建築がストップする→よって、岡倉葉子の名前が残らない。なんて、勝手な理屈なんだ!しかも、それを聞いた長子や英作は、葉子に協力するという。いったい葉子の話のどこに共感したんだ、長子と英作は!渡鬼の視聴者の大半が「おいおい、葉子それはないだろう」とツッコんでいるというのに、この夫婦ときたら脳天気に結婚詐欺の片棒を担ぐなんて。最後の頼みの綱は、大吉である。大吉さえ婚約パーティーに出席しなければ...。いや、待てよ。葉子には恐るべき味方がもう一人いた。...タキである。婚約パーティー当日、キレイに装ったタキが登場。そして、決めセリフを吐くのである。「本日は誠におめでとうございます。アタクシ、旦那の名代で参りましたの、ホホホ...。」

■今週の気になったこと、いろいろ。
@ビデオ録画された方、注目!ドラマが開始して38分55秒後、五月と電話で会話する大吉の手が、大胆に震えます。まさに受話器を落としかねないくらいに...。

Aタキを調理師の試験会場で見かけたという男の名前は、マツバヤシトシオ。駅前に住んでいるらしい。スガコ先生ったら、浩次にも加奈にも名字を付けないのに、こんなどうでもいい人物に名字を付けるなんて...。

【今週の視聴率】
関東22.3% 関西22.3%(ビデオ・リサーチ社調べ)

第15回(2002年7月11日放送)
キミが加奈を連れて、久子のいるシアトルへ旅立つ前日。加奈は、自分のために200万円を用立ててくれた光子に感謝し、今までの無礼を詫びる。健治とも和解し、別れを惜しむ加奈。しかし、加奈から聞いた光子の200万円の話は、健治にとって初耳だった。キミと加奈がいなくなった「幸楽」では、キミに頼まれた聖子がレジを預かろうとしていた。幸楽の主人ヅラをしている聖子が気に入らない眞は、自分が調理場に入るから、五月がレジを預かれという。ケジメをはっきりさせるという眞の発言に不貞腐れる聖子。むすびの移動販売の初日、あかりは「おかくら」を訪れる。手締めであかりを応援する大吉たち。葉子と宗方の婚約パーティーの日、出席を断固拒否する大吉に代わって、長子と英作が出席することに。そして「幸楽」。光子が「幸楽弁当」を辞めて、病院の入院患者を担当する栄養士に転職すると言い出す。光子が加奈に渡した200万円はローン会社から借りた金で、注文が芳しくない「幸楽弁当」で働いていては、返済がおぼつかないという理由だった。そこへ、アメリカのキミから電話が入る。現地の銀行に口座を開いたから、2000万円振り込めという催促の電話だった。久子の商売の見通しが立ってから金を振り込もうと考えていた勇は、キミの一方的な電話に大激怒。金は振り込まないと怒りまくるのだった。

■さようなら!不発弾娘!
晴れて健治や光子と和解し、思いっきり良い子になってアメリカへ帰って行った加奈。久子との荒んだ生活で捻じ曲がった加奈の心が、たった一ヶ月の「幸楽」での生活で改心してしまうなんて、「幸楽」は日本一の更正施設といえるのではないか。もっとも、なかなか更正しない聖子みたいなブタもいるが...。でも、よ〜く考えてみると、加奈が改心したきっかけは、キミが「幸楽」の金2000万円で久子と加奈のために、アメリカで店を持たせてやるということなんだよね。もし、2000万円がなかったら、加奈は改心しなかったかも。まさに、渡る世間はカネ次第。爆弾娘の心の信管を抜いて不発弾娘にしてしまうには、やっぱりお金の力が一番ということなのか、スガコ先生!

■キミ、無事シアトルに到着?
懸案されていた飛行機事故もなく、キミはシアトルに到着した模様。但しキミと久子の再会シーンなんて当然あるはずもなく、確認できたのはキミからの電話のみ。電話の内容は、銀行の口座を開いたから、2000万円振り込めというもの。シアトルに着いた早々、銀行口座を開いて金を催促するなんて、早過ぎないか。...本当にキミは無事シアトルに着いたのか?も、もしかして、キミは現地のマフィアに誘拐されたのでは?!自分の身代金を要求されたキミは、すぐに勇に電話して2000万円振り込めと催促したのではないか!それなら、キミの一方的な電話も理解できる。ああ、それなのに、金は振り込まん!と強硬な態度に出た勇。やっぱりキミと久子の涙の対面をテレビ画面でしっかり見届けなければ、キミの安否は油断できない。

■聖子ちゃんのお悩み相談室。
Q1.アタシ、中華料理店に勤める3?歳の人妻です。最近、お店の女将さんがアメリカへ行くことになって、お店のレジを任されたんですが、そこのクソ生意気な孫ガキに「店のレジは母さんがやる。それがイヤなら店手伝ってもらわなくたっていい」なんて言われて、腹の虫が治まりません。女将さんは、以前お店のお金500万円を持ち逃げしたアタシを、性懲りもなく信用してくれて、レジを任してくれたんです。アタシにとっては、二度とないチャンスなんです!こんなチャンスを逃す手はありません。いったいどうしたらいいでしょうか?

A1.あなたは大変恵まれた職場にお勤めのようですね。普通、500万円ものお金を持ち逃げした人に、レジなんて任せません。それだけに、これを“チャンス”というあなたの気持ち、痛いほどよく分かります。でも、モノは考えようです。少額の金なら、レジからこっそり抜き取っても、バレはしないでしょう。チリも積もれば山となるです。たとえ抜き取ったことがバレても、500万円の持ち逃げを許してくれた女将さんが、また学習能力もなく許してくれるでしょうし、その孫ガキの母親のレジの管理能力も問われることになるのですから。

Q2.数ヶ月前に、若い女が同じ職場にやってきたんですが、これがまたイヤな女なんです。アタシより、ちょっとだけ美人で、ちょっとだけ頭が良くて、ちょっとだけ性格がいいからって、図に乗ってるんです。先日、その女が200万円もの借金をしたんです。ローン会社から借りたらしいんですが、それを返すためにお店辞めて、もっと給料のいい職場へ転職するなんて言い出したんです。勝手過ぎると思いません?しかもその女、金を借りたことも転職することも、自分の亭主には一言の相談もなく勝手に決めてしまったらしいんです。夫婦のことはともかく、ただでさえ人手が足りない職場に迷惑をかけるなんて、最悪な女です。いったいどうしたらいいでしょうか?

A2.ヒドイ女も、世の中にはいるもんですね。あなたのお怒り、ごもっともです。しかし、これも視点を変えてみたら、いかがでしょうか?そんな最悪な女がいなくなって、逆に良かったではないですか。いい厄介払いができたと考えるんです。あなたより“ちょっとだけ”いい女がいなくなれば、あなたも目の上のタンコブが取れて、清々するではないですか。その女に好意を持っていた同じ職場の皆さんも、またあなたに振り返るでしょう。もっとも、その女があなたより“ちょっとだけ”でなく、“かなり”いい女だったら、話は別ですが...。

Q3.最近、歳のせいでしょうか、体が重くて。亭主は「歳のせいじゃない。体がブタだから重いんだ!」とか言って冷たいんです。アタシ、着太りするタイプだから、そう見えるんでしょうけど...。この疲れ、いったいどうしたらいいでしょうか?

A3.養命酒でもお飲みなさい...。

■光子の企み。
なぜ、光子は自分に反抗的だった加奈のために、200万円もの借金をしたのか?そこまでして光子が、加奈のいい母親になれなかったと思い詰める必要はないはず。もしかして、光子は手切れ金のつもりで、加奈に金を渡したのでは?!あるいは、先の見えない「幸楽弁当」を辞めるきっかけ作りに、加奈の件を利用して借金をしたのかも?!考えてみたら、光子は「幸楽」に来た早々、「だし巻きタマゴ、こしらえましたの」と渡鬼語を使いこなしていた。普通の人間が、すぐに渡鬼語を使いこなせる道理がない!段々、光子が怪しく思えてきた...。

■そんな光子のセリフより。
光子は自分が「幸楽弁当」を辞めるという話について、「大事な仕事の話ですから、周平さん、聖子さん、そして健治さん3人がお揃いのところで」話すつもりだったらしい。...たっちゃんには話さなくていいの?それとも、この話、たっちゃんは既に知っているのか。も、もしかして、光子とたっちゃん、2人して何かを企んでいるのでは...。

■あかり、新商売もインターネット頼み。
ついに、あかりの新商売「むすびの移動販売」がスタートした。当初、コンビニなど店まで買いに行けない人のために出前をすると言っていたはずが、移動販売になっているのは橋田マジックとして置いておくとして、やはり出たか、インターネット。あかりは、インターネットで「むすびの移動販売をどう思うか」というリサーチを取った結果、反応は良かったという。しかし、インターネットは全国の人がアクセスしてるんだよ。移動販売に対する考えなんて、住む地域・環境によってバラバラだろう。あかりが商売可能な地域でのリサーチでなければ、意味がない。っていうか、どうやってリサーチするサイトに人々をアクセスさせたんだ?しかも、移動販売の告知もインターネット。販売する場所が決まってるなら、その地区に配られる新聞に、手書きのチラシでも挟んだ方がよっぽど効果的。何でもかんでもインターネットがいいというのは、スガコ先生の幻想なのでは?!

■大吉、あかりのむすびを食せず。
大吉は、あかりが持ってきたむすびに手を付けなかった。以前、むすびを手にしたとき、大吉の手は大胆に震えた。もう二度と手の震えを、人には見せたくないのだろう。頑張れ!大吉!手の震えがなんだ!聖子なんて、歩くたびに体中の脂肪が“タップ、タップ”と震えてる(予想)んだぞ!

■笑うことを知らない赤子、勇気。
久々の登場となった勇気。それにしても勇気は全然笑わないね。母親の強引な理屈で、託児所に預けられることもなく、これから毎日、炎天下の車中で過ごさなければならないという己の運命を呪っているのか。誰か勇気を笑わせてやってくれ!勇気がもう少し大きければ、前田吟という勇気の祖父ソックリな俳優が、わずか3ヶ月でワイドショーの司会降板が決定した、というネタで大笑いできるのだが...。

■今ごろ気付いたのか、英作!
葉子と宗方の婚約パーティーに、大吉に代わって出席することになった長子と英作。英作は「下田のマンションを自分の手で完成させたいばっかりに、宗方さんのプロポーズ断れずに、婚約パーティーにまでなっちゃうなんて、やっぱりオカシイよ」という。おいおい、英作。アンタ、それを承知で先週、大吉を婚約パーティーへ出席するように説得して欲しいという葉子の頼み、引き受けたんじゃなかったのか?(っていうか、英作が大吉を説得するシーン、見た記憶がございません。)今ごろになって、葉子の犯罪行為に気付くなんて、英作もドンクサイにもほどがある。

■今週の気になったこと、いろいろ。
@「これがパスポートか。初めて見たなぁ。」(キミのパスポートを見た勇のセリフより。)ホントか?キミは12年前の誕生日にグアムへ行った。五月は母・節子が亡くなったとき、遺骸を受け取るためにニューヨークへ行った。身近に2人も海外へ行った人間がいるのに、パスポートを見たことないなんて。いや、見たことはあっても、それがパスポートとは思わなかったのかも。だって、表紙の「JAPAN PASSPORT」という文字だけでは、英語の読めない勇には、それがパスポートだって分からないもの。

Aキミと加奈に手渡された紙袋の弁当。いったいどこで食べるんだろう...。

B勘定を取りに来た肉屋に現金を渡そうとした五月に、聖子が一言。「肉屋は小切手なんですっ!」...なんか笑ってしまいました。巨大肉が肉屋の話をしているかと思うと...。

【今週の視聴率】
関東23.6% 関西23.6%(ビデオ・リサーチ社調べ)

第16回(2002年7月18日放送)
サンフランシスコ郊外に手頃な喫茶店を見つけたキミから、2000万円の振込先を書いたファクスが届く。が、勇は「金は振り込まない」と破り捨ててしまう。すっかり機嫌の悪くなった勇に意見する愛や眞だったが、逆に五月から窘められる。勇が送金するのを見届けるようにとキミから電話をもらった邦子が「幸楽」へ。しかし、邦子は久子なんかに送金せず、ブティックをやりたいから自分に半分貸せという。勇の顔を見る度に、送金したかを訊ねる聖子。しかし、勇は頑として送金を拒否する。「おかくら」では、またも常子が、なかなか再就職先を決めない英作に苛立ちをぶつけていた。英作は、老人医療を専門とするグループを作って活動したいというが、常子は猛反対。が、長子は英作の夢を応援しようと心に決める。むすびの移動販売が好調なあかりの元へ、和夫が訪ねてくる。勇気を連れて商売するあかりの姿を見た和夫は、そんなキツイ商売止めてくれというが、あかりは聞く耳を持たない。再び「幸楽」。五月は、頑なにキミへの送金を拒否する勇に黙って、2000万円を振り込んでしまう。五月の勝手な行動にキレた勇は、調理場をボイコットしてしまうのだった。

■健治、あ〜ノンキだねぇ。
再び健治、周平、たっちゃんの3人体制になった「幸楽弁当」。3人は口々に、数で勝負なんて商売したら目が届かなくなる、食べていけるだけの金が稼げたらそれでいいという。そりゃあ、住むところに困らない周平や、独り身のたっちゃんはそれでいいだろう。でも、健治は違う。健治の妻・光子は、何の関係もない健治の元妻・久子や加奈のために、200万円という借金を抱えたのだ。光子に代わって、その借金返すくらいの意気込みで商売しなければ、光子が可哀想ではないか。食べていけるだけの金なんて、そんなノンキなことを言ってる場合ではないだろう、健治!

■勇、送金拒否の狙い。
送金先を書いたキミからのファクスを破り捨てた勇。散々、久子に煮え湯を飲まされたことを考えれば、勇の気持ちも分からないではない。しかし、キミがアメリカへ行った後に、送金しないなんて言い出すのは、いかがなものか。薄情な久子のこと、2000万円の送金がないと分かったら、たちまちキミを家から追い出すだろう。英語も分からない、空港さえも辿り着けないキミ。数年後、シアトルの寂びれた裏路地で、ホームレスとなって「ねぇ、五月はどこいったんだい...」と独り言を繰り返す呆けたキミが発見されたら、勇はどうするつもりなのか!いや、待てよ。日頃、酒に酔うと「諸悪の根源はお袋なんだよな〜」と必ずグチる勇。も、もしかして、送金しないのは、これが狙いだったのかも...。

■勇、2000万円の使い道。
久子に2000万円送金するくらいなら、自分が全部使うという勇。何に使うのか?「蒸し暑い調理場でもムレないカツラ」でも、こしらえるつもりか?でも、それは止めてほしい。バーコード頭じゃないと、勇の泥酔度の確認ができなくなるから...。

■五月の大誤算。
勇に黙って、2000万円振り込んでしまった五月。キレた勇は、職場放棄してしまう。「幸楽の調理場ぐらい、アタシ一人でできるわ。その覚悟がなかったら、勇に黙ってあんな大金、アタシの勝手にはできなかった。」と、勇の職場放棄を見越していたかのような五月の発言。しかし、五月が調理場に入ったら、誰が店のレジを預かるのだ。聖子がシャシャリ出てくるに決まっているではないか。その後、聖子が「五月さんがどんなツライ思いしてるか...」などと殊勝なことを言ったのも、再びレジという聖域に自分を踏み込ませてくれた五月に対する感謝の気持ちの表れなのだろう。先週、せっかく眞が幸楽のレジを、性悪ブタから守ってくれたというのに、五月も大誤算である。

■聖子ちゃんのお悩み相談室 Part2。
Q1.アタシの亭主ったら、ホントに甲斐性なしで困ってます。弁当屋をやってるんですが、店を大きくしようなんて気持ち、これっぽっちもないんです。そこの従業員仲間というのが、またダメ男ばかりで。一人は、実の娘の面倒もロクに見れないで、別れた女房の実家に預けたりする無責任男。もう一人は...あれ?誰だったかしら?顔も名前も思い出せないわ。確か、た、た...まっ、どうでもいいわ、そんなこと。とにかく、もっと亭主に大金稼げるような男になってほしいんです。どうしたらいいでしょうか?

A1.妻であれば、誰でも夫には立身出世してほしいと思うもの。あなたのお気持ち、お察しします。思うに、あなたのご亭主は食べていけるだけの金があれば、それでいいと思っているのではないでしょうか?それならば、大金が必要な状況を、あなた自身が作って差し上げるのが、妻としての勤めではないでしょうか?例えば、あなたが店のお金500万円ほど持ち逃げするとか。いくらボンクラな亭主でも、妻の尻拭いをしない訳にはいかないでしょう。きっと一所懸命働くようになると思いますよ。...えっ?やったことがある?よく離婚されませんでしたね、アナタ...。

Q2.アタシ、とんでもないことをしてしまいました。先日アメリカへ行かれた女将さんから、2000万円送金しろというファクスが届きました。そのファクスには、送金先の銀行名と口座番号が書かれていたんですが、つい出来心でアタシの銀行名と口座番号を書いた紙に差し替えちゃったんです。後から、いくらなんでもこのやり方は強引過ぎると思って、元の紙に差し替えようと考えていたら、あの五月のバカ...失礼、店の若いブス女将が勝手に振り込んじゃったらしいんです。普通、思いっきり日本の銀行名が書かれていたら、気付くと思うのですが、そのブス女将、銀行の振り込みに慣れてないせいか、そのまま振り込んだみたいで。アタシの口座に振り込まれた2000万円、返すべきでしょうか?

A2.すぐに2000万円下ろして、トンズラしなさい。えっ?もし見つかったら、どうするかって?大丈夫。アナタの職場の方々は、500万円持ち逃げを許してくれたのですよ。2000万円だって、きっと大目に見てくれるでしょう...。

Q3.歳のせいでしょうか、最近寝起きが悪くて。今週なんか、3回も遅刻してしまいました。亭主は「大きい女将さんがいないからって、遅刻していいって法はないだろう!」と怒鳴るばかり。いったいどうしたらいいでしょうか?

A3.だから、養命酒をお飲みなさいって...。

■あかりのむすび、絶好調?!
むすびの移動販売を始めたあかり。わずか10日間で、お馴染みの客ができ、むすび3種類300包みが夕方には完売しているらしい。何でも客の多くは、勇気会いたさにむすびを注文しているとか。自分の息子を商売の道具に使うなんて、さすがはあかり。道理で勇気の託児所入りを頑なに拒むはずである。それにしても、朝こしらえたむすびを、夏の炎天下にさらして、夕方までかけて売るというのは、衛生管理上、問題はないのか?しかも、「ごはんや」のポリシーは、「どこへでも2時間以内に、炊きたてのご飯を届ける」だったはず。できたて握りたてのむすびを売らなかったら、「ごはんや」の看板で商売をする資格はないのではないか?とにかく、気をつけるべきは食中毒。前にも書いたが、もしあかりのむすびで食中毒騒ぎが起きたら、「ごはんや」の名前で商売をしている以上、弥生や良たちの「ごはんや」本体の営業停止も必至なのだ。「ごはんや」を生活の糧にしている元リストラサラリーマンたちの家庭に、迷惑をかけることがないように、あかりは肝に銘じるべき!

■今週の気になったセリフ、いろいろ。
「いい料理を作るようになるには、少しでも多くいいお料理を食べることが、一番の勉強になるんじゃないでしょうか?」
料理人を目指す壮太のために、毎日お昼休みの2時間、一流料理を食べさせたいというタキ。大吉や勇は、一流料理なんて、滅多に食べなかったけどねぇ。それに、お昼休みの2時間って、何時のこと?「おかくら」の昼の営業が14時過ぎに終わるとして、それから出かけたら15時はまわっているだろう。そんな時間に開店している一流レストランなんて、あるのだろうか?仮に食べて帰ってきたとしても、壮太は夜の仕込みに間に合うのか?さらに、このセリフで気になる点。なぜタキは「いい料理をこしらえるようになるには」っていう渡鬼語を使わなかったのだろう?

「ウンて言わない亭主を、説得してその気にさせるのが、女房の腕じゃないですかっ!」
勇が2000万円送金しないと愚痴をこぼす五月に対して、なんと聖子は女房のあるべき姿を説く。おいおい、お前は周ちゃんに「幸楽弁当」を大きくするって話、説得してその気にさせたのか?というツッコミの声が多数あり(予想)。

「五月さん、アンタここにはいられなくなるわよ。アタシはその方がいいけどね。」
なかなか2000万円を送金しないことに、業を煮やした聖子のセリフ。もう何をか言わんやである...。

「何が買い物よ。大きい女将さんがいらっしゃらないと、たちまち勝手なことするんだからっ!」
五月が銀行へ振り込みに行ったことも知らず、五月の不在を罵る聖子。しかし、キミがいなくなった途端、3回も遅刻するという勝手な振る舞いをしているのは聖子の方である。

「加奈なんて、どうなったって、知ったこっちゃないんだから。」
金の無心に「幸楽」を訪ねてきた邦子のセリフ。さすが、アクマシスターズ。週刊誌にヌード写真を晒しただけあって、もう怖いものはないということか。

「アメリカからも送れるんだ、ファクス。何て時代だろうね。」
キミからのファクスに驚く周平のセリフ。周平はインターネットも海外と繋がっているって、知っているのだろうか。その内「アメリカからも『幸楽弁当』の注文ができるんだ、インターネットって。何て時代だろうね」とか言って脳天気に驚くのだろうか?もし本当に注文がきたら、驚いている場合じゃないと思うが...。

「君の生きる場所は、幸楽や弁当屋だけじゃないんだからなっ!」
幸楽弁当の経営に、何かと余計な口を挟む聖子に対する周平のセリフ。これは暗に聖子に対する決別宣言なのか。

「勇気も何か言ってるぞ。ママーマー...。」
何か喋っている勇気を見て、大吉が一言。恐らくこれは、突然言葉を発し始めた勇気役の山内秀馬に対する藤岡琢也のアドリブなのだろう。さすが、渡鬼のゴッドファーザー!こんなアドリブは朝飯前なのであろう。いや、待てよ。あのスガコ先生がアドリブを認めるだろうか?も、もしかして、勇気の意味不明の言葉、これも台本にあったのかも?!そう考えると、スゴイのは藤岡ではなく、赤子のクセにセリフを話す山内の方か...。

【今週の視聴率】
関東23.6% 関西24.5%(ビデオ・リサーチ社調べ)

第17回(2002年7月25日放送)
勇のいない「幸楽」の調理場を、何とか乗り切った五月たち。夜食に、長太が持ってきてくれた鰻の蒲焼を食べていると、勇が姿を現わした。不貞腐れて、一日中酒を呷っていた勇だったが、店で働いていた方が精神的にも肉体的にもラク、と翌日から再び店に出るという。勇は、五月が2000万円振り込んでくれたお陰で、キミを裏切っている自分を責める気持ちから解放されたという。「おかくら」では、常子が英作に大病院の内科医長の再就職話を持ってくるが、老人医療に携わりたい英作はこれを拒否。長子もまた、英作の考えに従うと常子に宣言する。葉子が、下田のマンション建築に銀行の融資が決まり、完成のメドがたったと大吉に報告。偽りの婚約パーティーのお陰と悪びれない葉子に、またもキレる大吉。加津が長太と一緒に「おかくら」へ訪れる。森山の様子を伺うためだったが、一人前の料理人を目指して頑張る森山の姿に、加津は安心する。同じ頃、勇がキミの代わりに商店街の組合に出席していた。ご機嫌な様子で、バー「くるみ」のママ・里美(大沢さやか)とカラオケに興じる勇。五月は勇の帰りを待っていたが、勇は明け方になっても帰ってこなかった...。

■たった一日で復帰・小島勇。
先週のラスト、五月が勝手に2000万円振り込んだことに腹を立てて、調理場をボイコットした勇。ストレートでウィスキーを呷ったりして、いったい勇の調理場ボイコットはいつまで続くのかと思いきや、たった一日で終了。いや、ボイコットを始めたのは、昼に五月が銀行から帰ってきてからだったから、半日か。はやっ!

■更年期障害高校生・小島眞。
今週の眞は、冒頭からイライラしっぱなし。勇が調理場を放棄したことに「店放りだしたオヤジが悪いんだよっ!人に迷惑かけるなんて、許せないよっ!」とか「最低だよ、オヤジ!」と言いたい放題。他にも、インターネットに興じる加津に、我が身を振り返ることもなく「お前、少しは外へ出て遊べよっ!」と小言をいい、城代との交際をわずらわしいと言う愛を「城代さんその気にさせて、裏切るっていう法はないぞっ!」と完璧な渡鬼語で戒め、アメリカへ行ったキミについては「クソばばぁがいなくなって、清々してんだっ!一生アメリカにいればいいんだ。帰って来ることなんてないよっ!」と親不孝ならぬ祖母不幸発言。極めつけは、長太と一緒に外出した加津のことを「そんなに父親がいいんだったら、何も無理してウチにいなくたって、父親と一緒に暮らせばいいんだっ!幸楽が好きだなんて、カッコいいこと言うんじゃないよっ!」と大暴言。長太と加津は実の親子である。しかも、2人が一緒に外出するなんて、滅多にないのだ。そこまで言うほどのことじゃないはず。まるで更年期障害を患っているかのように、苛立つ眞。以前から年齢詐称疑惑が絶えなかったが、ホントに眞は17歳なのか?あっ、年齢詐称疑惑があるのは眞じゃなくて、演じるえなりか...。

■蜘蛛女・小島愛。
再び、城代との付き合いに不満を漏らし始めた愛。手料理の夕食付きで、愛に英会話のレッスンをしてくれる城代について「城代さんが好意で来てくださるっていうから、断れなくてお願いしてるけど、結構煩わしいのよね。ずっともう来てもらわなくていい!」なんて言う始末。今まで5万円のフランス料理やヨットでクルージングと散々城代にタカってきたクセに、今ごろ何を言ってるのか、愛は!城代みたいなボンクラでなければ、小学生並みの英語力しかない愛に、英会話を教えようなんて奇特な人間、いるはずないのだ。男をその気にさせて、利用するだけ利用して、後はポイするなんて、まるで愛は蜘蛛女。同じ大吉の孫でも、まだあかりの方が和夫に対して、自分の考えを主張している分だけ潔い。本当に愛が城代を煩わしく思うならば、きっぱりレッスンを断るべきなのだ、「あなたの、そのパーフェクトな棒読みが煩わしいのよっ!」って。

■就職斡旋業者(但し医療専門)・神林清明。
また、常子が英作に再就職話をもってきた。今度は、有名人やお金持ちが通院する大病院の内科医長のポストらしい。おいおい、英作は内科の研修中なんだよ。いきなり医長ってのは無理だろう。しかもこの話、またも神林の紹介によるもの。神林は就職斡旋業者なのか!顔が広いにも、ほどがある。リクルート社で、医療分野専門の就職・転職雑誌でもこしらえた方がいいのではないか。しかも、神林の紹介は必ず「前任者が急にいなくなって、ポストが空いた」というものばかり。都合良過ぎだっつうの!しかし、神林の再就職話は、ことごとく英作から断られている。その度に、病院に英作を推薦した神林の信用は、ガタ落ちになっているのではないか?それでも再就職先を見つけることができる神林って、あんなショボイ顔して医学界では結構大物なのかも?!

■売れっ子ベストセラー翻訳家(但しミステリー専門)・本間長子。
この春、英作が救急救命センターから戻ったのを機に、翻訳の仕事を止めた長子。やりかけの仕事を他人に振るなど、翻訳家としての長子の信用は落ちたはず。それなのに、長子曰く「今だってね、アメリカでベストセラーになっているミステリーの翻訳、頼まれてるの。それが当たったら、アタシ売れっ子になっちゃうかも知れないんだから♪」と簡単に翻訳の仕事を再開できるような口ぶり。翻訳業界って、そんなに人手不足なのか?それとも、長子の翻訳が上手いのか?前にも書いたが、長子の翻訳って渡鬼語のオンパレードのような気がして、すごく不安。しかも、またミステリー。去年、長子が翻訳してベストセラーになった本も、ミステリーだった。スガコ先生の頭の中は、外国小説というとミステリーなのか?その内、ミステリーばかり翻訳している長子が影響を受けて、自分でミステリー小説を発表するかも?題名は「鬼姑は巨大顔殺人事件〜『ワ・テ・ダ・ス』は死の言葉」で決まり!

■婚約偽装劇共犯者?・宗方直之。
盛大に開かれた葉子と宗方の偽りの婚約パーティー。経済界の大物が出席したお陰で、宗方の信用度はグンとアップ。結果、下田のマンション建築に関して、銀行の融資を受けられることになった。長子は「やっぱり宗方さん、お姉ちゃんとの婚約、利用したんだ。」という。んっ?宗方も、最初から葉子と結婚するつもりはなく、仕事のために打算で葉子と婚約したということなのか?太郎の「宗方の会社は火の車」発言以降、話が微妙にズレてません?宗方は葉子の企みも知らずに婚約したのか?それとも、宗方自身も仕事がうまくいったら、葉子との婚約を解消するつもりだったのか?この点をハッキリさせなければ、宗方役の井上順も役作りが大変だろう。「女に利用される哀れな男」なのか、「利用されてるようで、実は利用していたシタタカな男」なのかで、井上の演技プランも変わってくるはず。えっ?渡鬼にそんな演技プランは必要ないし、そもそもそんな演技が披露できるほど、井上順は出番が多くないって?失礼しました...。いずれにせよ、葉子の結婚詐欺罪が成立して、岡倉家初の犯罪人が誕生するというドラマチックな展開も微妙である。

■鰻の蒲焼が届くゲームソフト会社勤務・野々下長太。
「幸楽」に鰻の蒲焼を持って訪れた長太。勤務するゲームソフト会社に、土用の丑の日だからと鰻の蒲焼がたくさん届いたらしいのだ。ゲームソフト会社に鰻の蒲焼?なんか違和感ありません?ご近所さんへのおすそ分けじゃないんだから。ゲームソフトのクリエイター集団に鰻の蒲焼を付け届けるなんて、いったいどんな関係先なのか?蒲焼の匂いが気になって、ゲームソフトの製作に支障をきたしたりしないのか?っていうか、長太はホントにゲームクリエイターなのか?スーツにネクタイ姿で、バーとかカラオケとかに興味がなく、五月たちに「私もつまらない男ですね。」と自ら認めてしまった長太。そんなつまらない男がこしらえているゲームソフトって、いったいどんなゲームなのか?これは、勉ちゃんのむすびの具に続く新たな謎である...。

■主婦の心を持った高校生・高橋望。
仕事中心の文子に代わって、家事全般を受け持っている望。今週はアイロンがけを披露した。しかし、女性の経営者グループの南米視察旅行に、コーディネーターとして付いて行くの、行かないのなんて、どーでもいい話を文子としている間、望がアイロンがけしたのは、たった一枚のハンカチのみ。ハンカチが終わって、次の衣類へ移るのかなと思ったら、また同じハンカチを何度も何度もアイロンがけする望。丁寧過ぎるっつうの!「すてきな奥さん」でも読んで、簡単アイロン術でも習得しろ!終いには、南米行きを迷っている文子に「行ってらっしゃいよ!」とオバサン的口調で発破をかける望って、いったい...。望の将来は「主婦の心を持ったギタリスト」とみた。

■絶対音感男?・小島勇。
商店街の組合の集まりで、バー「くるみ」のママ・里美とカラオケに興じる勇。「白いブランコ」を歌ったが、かなり酔っている様子なのに音程は外さない。以前、望のギターで「スーダラ節」を歌ったときも、かなり酔っていたが音程は外さなかった。もともと勇は、歌が上手いのだろう。いや、待てよ。もしかしたら、勇は酔ったフリをしていたのかも知れない。だって、音程を外さなかったこともさる事ながら、バーコード頭の前髪が眉間辺りまで垂れていなかったもの!では、何のために?そりゃあ、店が終わった後、里美ちゃんと...(以下省略)。それにしても、勇役の角野卓造は酔っ払い演技がピカイチだね。角野も酔っ払うと、あんな感じになるのだろうか?「ったく、スガコの奴、しょうもないセリフばかり長々と言わせやがって!やってられるかっ!」ってグチってたりして...。

■今週の気になったセリフ、いろいろ。
五月「勇さんもアタシも(幸楽の)従業員なんです。従業員は社長(キミ)には絶対服従ですから。」
主役のピン子でさえ、スガコ&フクコという渡鬼ワールドの支配者には絶対服従という意味か?

「クヨクヨしたって怒ったって、送金しちゃったお金は返ってこないんだから。ホント未練がましい男よね。」
実の父親をつかまえて、“未練がましい男”なんて!しかも鰻の蒲焼を頬張りながら、笑顔で言うもんだから、余計タチが悪い。ああ、いつからこんな愛になってしまったのだろう...。

「正直言って、何も城代さんに来てもらわなくても、英会話の勉強なんて、ビデオでだってCDでだって、いくらでもできるの。」
確かに。愛には、以前ヒナが使っていた幼児用英会話ビデオから始めた方がいいかも知れない。

「バカバカしい。バーや飲み屋で高い金使って酒飲むんだったら、ウチで飲んだ方がマシだよ。」
五月「アンタみたいな人の女房って幸せね。浮気の心配なんてないし。」
あまりに分かりやすい伏線セリフ...。

「何を呑気なこと言ってんだよ。お前、就職試験なんだぞ。今年の夏休み、正念場だろ。店どころじゃないよ。」
夏休みに店を手伝うという愛に対して。あれっ?勇って、愛には就職より城代との結婚っていう考えだったはず。いつの間に変わったんだ?

加津「邦子とだけは行きたくないの。」
夏休みに邦子、隆、ミカたちと一緒に海外へ行こうという長太に対して。“邦子”って呼び捨てにするのは、いかがなものか?なぜ、加津はそこまで邦子を毛嫌いするのか?邦子と和解したら、愛しの人・森山と同じ境遇でなくなるとでも思っているのだろうか?

タキ「壮ちゃん、まだ高校2年生なのよ。これから何だってできる。おばさん、応援するから。」
森山は高校を中退したんだから、“高校2年生”ではない。“まだ17歳なのよ”って言わなきゃ。タキの失言に、森山も高校中退の苦い記憶が蘇ったのではないか。

森山「いつか君(加津)に、俺のこしらえた料理、食べてもらえるようになる。きっとなるから。」
ジャニーズ事務所は、自社のタレントに“こしらえる”なんて、イメージを壊すようなセリフを言わせていいのか。長谷川純は、一生「こしらえるタレント」として生きていかなければならないだろう(って、なんのこっちゃ!)

【今週の視聴率】
関東20.6% 関西18.5%(ビデオ・リサーチ社調べ)

第18回(2002年8月1日放送)
明け方、酔っ払った勇が里美に連れられて帰ってきた。酔った勇は、自分の酒に明け方まで付き合ってくれた里美をベタ褒めする一方、五月や愛、眞に「俺のことをバカにして!」と不満をいう。情けない父親の姿に幻滅する愛や眞だったが、五月は「お酒のせい」と勇を庇う。酔いが覚めて調理場にやってきた勇は、里美のことを全然憶えていないとトボけるが、浩次に里美へシュウマイを届けさせたり、里美からの電話でいそいそとバーへ出かけたりする。「おかくら」では、トイレの修理に北原社長と隆が訪れていた。隆と森山は、お互いの夢にエールを送る。そこへ亨、文子、望がやってくる。望、隆、森山と自分の夢に向かって頑張る若者たちに、暖かい眼差しを向ける大吉。一方、タキが調理師の試験に合格。大吉、長子、英作、勉、森山で、タキの祝宴が開かれているところへ、ヒナを連れた常子がやってくる。由紀が妊娠してつわりがヒドイと伸彦から聞いた常子は、大阪へ帰るという。また、常子は由紀夫婦に子供が生まれたら、無理してヒナを医者にさせることもないという。そして「幸楽」。城代が、駅前の花屋で胸いっぱいのユリの花を買う勇の姿を見たという。その夜、ユリの花の件で、里美にウツツを抜かしていると勇を責める五月だったが、逆に勇は「俺の甲斐性でやっている」と開き直るのであった。

■勇の前髪の秘密。
バー「くるみ」のママ・里美と朝帰りをした勇。ベロンベロンに酔っ払った勇に、愛や眞は呆れ顔。眞が「悪いお酒だね、オヤジ」というと「▲○※!×◎?■♪(採録不能)、コラ〜!」と怒鳴り散らす有様。しかし、キッチンの床でひと眠りして風呂に入っただけで、二日酔いもなくすっかり元に戻った様子。「床の上でもしっかり寝たんだなぁ。風呂入って汗かいたら二日酔いなんか飛んじゃったよ。ハハハ!」なんて言い訳がましいことを言っていたが、明け方まで飲んでいたのに、そんなに簡単に二日酔いがなくなるものだろうか?(僕の経験では、明け方まで飲んだ次の日は、間違いなく地面が揺れてます...。)こんなに簡単にアルコールが抜ける勇には、何か秘密があるのではないか。そう!あのバーコード頭の前髪!勇が酔ったとき、必ず額に垂れてくるあの前髪、あれが勇を二日酔いから守っているに違いない!洗濯機や電子レンジには、必ず電気を放出するためのアースがある。勇の前髪は、まさにアースと同じで、あそこからアルコールを放出していたのだ!そして、体の中から全てのアルコール分が放出されると、自然に前髪は元に戻る...。今まで単に「勇が酔っ払ったという記号」でしかないように思えた勇の前髪。まさか、こんな役割があったなんて、シアトルにいるキミもさぞかし驚くことであろう。

■愛がアナウンサーになれる可能性。
日本語は渡鬼語しか話せない、英語は小学生並みと、愛がアナウンサーになれる可能性は極めて低い。さらに今週、愛にはアナウンサー稼業は絶対無理だと思われるシーンがあった。城代が、駅前でユリの花束を抱えた勇を見たという目撃談を語ったシーンである。ユリは里美に贈ったに違いないという聖子の発言に激怒する愛。さらに「アナタが余計なこと言うからっ!アナタみたいな無神経な男、大嫌いっ!帰ってくださいっ!」となぜか城代にまで当たる始末。おいおい、勇が里美にハマっているなんて話、城代は全然知らないんだよ。一時の感情で暴走する愛。これでは、常に冷静さが求められるアナウンサーになれる道理はない。愛が外国の要人にインタビューするのに「ア、アイ・アム・ア・アイ...えっ?アタシの英語、ヘタ過ぎですって!初対面の女性に向かって、そんな失礼なこと言うって法はないだろうっ!アナタみたいな無神経な人、大嫌いっ!帰ってくださいっ!」などと言いかねない。言葉使いは矯正できても、性格まではムリ。そろそろ愛は違う道を考えた方がいいのでは...。

■愛、聖子にビンタ!
勇の花束について余計な勘ぐりをした聖子に、怒り心頭の愛はビンタを食らわす。しかし、巨漢の聖子が華奢な愛からビンタを食らっても、巨象が蚊に刺されるようなもの。ビンタされた後、「あら?今の何だったのかしら?何か顔に当たったみたいだけど...」といったような表情をしていた聖子。この巨象をやっちまうには、戦争中の動物園の象・ハナコの例にならって、毒入りのエサでも食らわすしかないようだ。

■城代、放置...。
勇の花束の件で、愛から悪者にされてしまった城代。しかも、愛に責められた城代を、誰もフォローせず放置したまま。まるで城代なんかいないかのように、五月、愛、眞の会話が進んでいく。いたたまれなくなった城代は「やっぱり僕、言っちゃいけないことを言っちゃったみたいだ。ゴメンなさい!」と自ら頭を下げた。が、五月たちはこれも放置。何かのプレーなのか、これは...。

■五月の矛盾。
勇の花束に感情的になる愛。勇から花束以上のものを貰っていると余裕をカマす五月は「お父さんが帰ってきても、ユリの花束のことは言っちゃダメよ。」と愛や聖子に念を押す。が、その夜、五月は「ユリの花、くるみのママに届けたんですか?あんな人にウツツ抜かしている場合じゃないでしょう!」と勇を責めた。昼間、ユリの花の話は勇の耳に入れるなと言っておきながら、自らその禁を破った五月。やはり、実の娘や従業員の前では「亭主の愚行にも余裕で構えている女房」を演じたかったのか...。

■隆や壮太が修行を続けられる理由。
「おかくら」に顔を揃えた望、隆、壮太の素敵な男の子(by長子)3人組。相変わらず、高校へ行かなくて良かった、自分のしたいことが見つけられたと、語り合う隆と壮太。シツコイっちゅうねん!お前たちの夢は聞き飽きたさかい、そんなセリフで貴重なドラマの時間を割かんといてくれるかっ(勉ちゃん風)!もしかしたら隆や壮太は、心のどこかで自分の生き方に疑問を感じているのではないか?だから、毎回その疑問を打ち消すために、自分の生き方は間違ってない!と言葉に出して確認しているのではないか?さらに毎回気になるのは、周りの大人たちが、まだ隆や壮太が根を上げずに修行を続けていることに感心していること。でも、隆や壮太を見る限り、修行を投げ出す理由がない。隆は何かというと北原社長に「おかくら」へ連れてきてもらって、好きなもの食べさせてもらってるし、壮太に至っては料理人の修行と称して、タキに一流料理店でお昼を奢ってもらっているのだ。こんな恵まれた修行、やめる道理がないっちゅうねん!(と再び勉ちゃん風に締めさせて頂きました...。)

■タキ、調理師試験合格!
しかも、一発で合格。なんか、リアリティーがないんだよね...。大吉のときなんか、家族巻き込んで懸命に受験勉強している姿が描かれていて、合格したときはそれなりの感慨があったけど、今回はまるでナシ。多分「タキが調理師の受験勉強をしていた」という設定が唐突に出てきたからではないか。タキが寝る間を惜しんで、受験勉強しているシーンがあって、初めて視聴者はタキの合格に感情移入できるというもの。それを「アタクシ、この一年、少しずつ受験勉強してました」なんて説明セリフで片付けられても...。タキの合格を聞いて、一人素っ頓狂な声で「バンザ〜イ!」と叫んだ壮太、なぜか指輪を見つめて「節ちゃん、ありがとう」と涙ぐむタキ、そのタキが鯛に包丁を入れた途端、力なく拍手する大吉、勉、壮太の3人、極めつけは「タキさん、ウチの看板娘だから」と視聴者を唖然とさせる発言をした大吉と、このタキの調理師試験合格劇、何から何までユル〜いシーンのオンパレードだった。

■新たなる謎の料理、登場か?!
タキの調理師合格を受けて、大吉は「おかくら」のメニューに「タキさんの一品」を加えるという。あ〜あ、また謎の料理が出てくるのか。料理の中身は明らかにせず、「いや〜、タキさんの一品料理、評判が良くって!」なんてセリフで済ます訳ではあるまいな、スガコ先生!その内、全ページ野村昭子のカラー写真満載「青山タキの一品料理レシピ集」なんて本を出したりして。本の帯の宣伝文句は「差出がましいようですがアタクシ、レシピ集なんてもの、出版してしまいました。」といったところか。

■今週の気になったセリフ、いろいろ。
五月「顔だって歳とっちゃって、里美ちゃんみたいな訳、いきませんけどね!」
里美みたいにビールの酌くらいしろという勇に対して。五月の場合、顔は歳だけの問題ではないと思うのだが...。

五月アンタに余計なこと、言われたくないわねっ!大きなお世話よっ!」
里美にシュウマイを贈った勇の行動に、またも余計な発言をした聖子に対して。五月も、普段からこれくらい聖子に厳しく言っていたら、聖子だってここまで突け上がることもなかっただろうに...。

「チクワがイカしてる!」
加津がこしらえたまぜ寿司を味見した眞の発言。イカしてるって、そんな味覚の表現、あるんかいな...。

大吉「タキさん、ウチの看板娘だから。」
英作「タキさんには、これからも『おかくら』の元気印でいてもらわないと。」
看板娘に元気印...なんか、ひと昔かふた昔前に聞いたようなフレーズですね...。

タキアーッハッハッハッハッ....。」
大吉や長子から「タキさんの一品」の提案を聞いて。このデカ笑いに驚いたのか、ビールを飲んでいた大吉がむせて咳き込んだ。英作役の植草は大吉の異変に慌てるし、長子役の藤田に至ってはマジウケ。野村昭子のデカ笑い声が、藤岡琢也の寿命を縮めないことを切に願う...。

【今週の視聴率】
関東21.1% 関西21.1%(ビデオ・リサーチ社調べ)

第19回(2002年8月8日放送)
大阪の本間病院へ戻った常子は、妊娠した由紀の世話と由紀に代わって外来の患者を診ると、由紀や伸彦に告げる。一方、すっかり医者になる気のヒナは、一日でも塾を休むことに抵抗して、長子に塾へ連れていけとせがむ。「幸楽」に、邦子、長太、ミカ(小此木麻里)が訪れる。邦子とミカは、夏休みのヨーロッパ旅行へ出発する前に「幸楽」に寄ったのだったが、邦子は長太が加津や隆を心配して、一緒にヨーロッパへ行かないことに不満を漏らす。邦子たちが帰った後、勇が突然、お盆に店を休んでそれぞれ自分たちの好きなことをしようと言い出す。一人で温泉に行きたいという勇だったが、家族には内緒で里美と温泉に行く計画を立てていた。「おかくら」に現れた常子は、自分は再び本間病院に戻ると長子や英作に告げる。ヒナにも、もうお受験をする必要はないと言いきかす常子。大吉から壮太に初めての給料が手渡される。修行中の身なのにと戸惑いながらも嬉しさを隠し切れない壮太だったが、そこへ壮太の父・正造(堀内正美)が訪れる。正造は無断で学校をやめていた壮太にいきなり殴りかかるが、板前になるという壮太の固い決意を聞いて泣くしかなかった。そして翌朝、長子はヒナの姿が消えてしまったことに慌てるのだった。

■由紀、なんで妊娠したの?
前シリーズで、「今の時代、子供産むなんてバカげてる」と産婦人科医にあるまじき暴言を吐いた由紀・伸彦夫婦。ところが、ナニがナンだか分からない内に由紀は妊娠。伸彦も喜んでいる様子。はぁ〜?子供はつくらない宣言は、いったいどうなったの?由紀や伸彦の「妊娠に驚いた」という言葉から想像するに、避妊に失敗したような感じ。おいおい、お前たち産婦人科が専門だろうが。失敗してどうする!っていうか、由紀たちは自分たちの食事の仕度も、病院の栄養士に任せているくらい仕事が忙しい様子。いったい、由紀と伸彦はいつチョメチョメしていたのか?!...スミマセン、話が少し下品になりました。

■常子の策略。
由紀の妊娠を聞いた途端、手の平を返したようにヒナのお受験から手を引いた常子。しかし、由紀に子供が生まれたからといって、その子が医者を目指すとは限らない。それならば、本間病院を確実に残す手段として、やる気になっているヒナのお受験を続けさせた方がいいのではないか?後継者候補を一人でも多くつくっておいて、後から選抜する方が賢いと思うのだが。ヒナの11月のお受験まで、たった3ヶ月である。そのくらいの期間、ヒナのお受験に付き合ってあげても良さそうなものなのに。いや、きっと常子は妊娠中の由紀の側にいなければならない理由があるのだろう。ズバリ、胎教である。由紀のお腹に向かって「ええか、出かけるときは『行って参ります』でっせ!正しい日本語を使わな、あきまへんでっ!」と語りかける常子。...由紀の子供が生まれながらにして、ベタベタの大阪弁を使うこと必至である。

■ミカ、元気ないね。
久々の登場となったミカ。でも、なんか表情が暗い。セリフが一言もなかったからか?それとも、「幸楽」のシーンではいつも何かを食べていたのに、今回は何も食べれなかったからか?今度、出演するのはいつだろうか、ミカは。きっと高校受験を止めて、「アタシ、大食い女優目指してガンバル!」とかミカ独特の夢を語り出したら、出番も多くなるだろう。大吉が目を細めて「いや〜、素晴らしい夢だねぇ。今の女の子も捨てたもんじゃないよ」とか変な感心をしたりして...。

■ちなみに、現実のヨーロッパは大洪水。
夏休みに、ヨーロッパへ旅行することになった邦子とミカ。ヨーロッパ旅行なんて贅沢だという愛に、邦子は「国内旅行とね、大して費用は変わらないのよ。もう、何だって外国は安いの!」と反論。しかし、韓国や香港ならいざ知らず、ヨーロッパである。しかも、時期はお盆シーズン。いくらパックツアーといったって、やっぱり高いだろう、ヨーロッパは。はっ!やっと、ミカの表情が暗い理由が分かった!きっとミカは、ヨーロッパへ行って、こじゃれたコース料理なんか食べるよりも、韓国や香港などの安いツアーで旅費を浮かせて、その分食費に当てて、ボリュームのある焼肉や北京ダックなんかを食べたかったに違いない!...スミマセン、韓国旅行の影響が出てしまいました。

■勇の企み。
いきなりお盆に店を休むと言い出した勇。理由は、キミが久子のために2000万円持ち出して勝手なことしてるのに、自分たちだけマジメに働くのはバカらしいということだったが、実はバー「くるみ」のママ・里美と密かに温泉旅行をするつもりだったのだ。キミの2000万円を口実にするなんて、勇も大胆。まさか、シアトルにいるキミも、自分の行為が勇の浮気に利用されているとは夢にも思わないだろう。

■福島県人って、いったい。
突然「おかくら」に現れた壮太の父・正造。壮太から手紙を貰うまでは、壮太が福島の実家を出て「おかくら」で板前修業をしていることを知らなかったらしい。福島の実家は、正造の弟の代になっており、壮太がいなくなっても手紙のひとつも正造に送らないでいた。しかし、正造は壮太の養育費として、弟に毎月送金していたのだ。いくら忙しいからって、壮太がいなくなって電話の一本、手紙の一通も寄こさないっていう法はないだろう。ところで、渡鬼には過去、何人かの福島県人が登場している。あかりの元夫・和夫や元姑・満枝はいわき在住だし、長子を元夫・遠山昌之の遺産相続争いや一人娘・遊の養育権騒動に巻き込んだ昌之の腹違いの兄も福島在住だったはず。なぜ、渡鬼に登場する福島県人はロクな人間がいないのか?スガコ先生は、福島出身者に何か悪い思い出でもあるのだろうか?

【今週の視聴率】
関東24.2% 関西21.9%(ビデオ・リサーチ社調べ)

第20回(2002年8月15日放送)
一晩、壮太と語り合った正造は壮太の覚悟を聞いて納得し、自分もまた人生に再挑戦する決心をする。ヒナが突然いなくなったことに慌てる長子と英作。塾や神林など、ヒナが行きそうなところへ手当たり次第連絡する長子と英作だったが、行方が分からない。心配して「おかくら」へやって来た神林は、ヒナを医者になる気にさせておきながら、手の平を返したように大阪へ帰っていった常子が悪いと怒る。そこへヒナが新宿駅で見つかったという連絡が入る。一人で塾へ行こうとしたヒナだったが、乗る電車を間違えてしまい新宿駅で保護されたのだった。長子は、ヒナに塾は諦めるように言いきかす。が、ヒナを不憫に思った英作は、ヒナが医者になるための学費を稼ぐため、老人医療のボランティアという夢を断念し、神林の紹介で再び勤務医になる決心をする。長子もまた英作やヒナに根負けして、ついにヒナの塾の送り迎えをすることに。一方、大阪に戻った常子だったが、由紀と伸彦は密かに本間病院へ現役の産婦人科医である伸彦の姉を迎え入れようとしていた。「幸楽」では、勇が店を休みにして一人で温泉旅行に出かけてしまう。が、勇の行動に不審を抱いて後をつけた聖子は、勇が里美と一緒にタクシーに乗り込むところを目撃する。聖子から勇は女と一緒に温泉にいると聞いた五月は、心配した愛や眞を安心させるためにも、勇の宿泊先へ向かう決心をするのだった。

■利用されて捨てられて。
ヒナが行方不明になったのは、ヒナを洗脳しまくった挙句、由紀の妊娠を聞くや手の平を返したように大阪へ帰っていった常子の責任とご立腹の神林。さすが、神林!一から十まで正しい意見だと思いきや、次のセリフで?に。「本間先生はね、日向子ちゃんや私にとっては、なくてはならない人になっちまってるんですよ!」と。「私にとっては」とは、これいかに?結局、神林は常子に捨てられた恨みから、常子に対して怒っているだけなのだ。まあ、神林が怒る気持ちも分からないではない。常子をホテル代わりに自宅に住まわせ、常子のために食事の世話をし、毎日ヒナの塾の送り迎えのために車の運転をし、ついにはヒナのピアノまで買ってしまった神林。それもこれも愛する常子のためだったのだ。しかし、神林にひとつ問いたい。いったい、あの常子のどこに惚れたのか?まあ、蓼食う虫も好き好きといいますが...。

■悠長過ぎる大人たち。
突然いなくなったヒナ。幼児に対する卑劣極まりない犯罪が頻発している昨今、まだ6歳児のヒナがいなくなれば、周りの大人たちは慌てふためくだろう。ところが、大吉やタキは口では心配しているようなことを言いながら、妙に落ち着き払っているのである。タキなんて、英作の仕事を心配して、携帯で連絡を取るように勧めたりして。自分の娘が行方不明なのに、仕事どころではないだろうが!大吉だって、父親も子育てに参加しろなんていう今の風潮はオカシイと、何も今しなくてもいい子育て論をぶつ始末。さらに、ヒナを探しに行ったものの見つけられずに戻ってきた英作は、大吉たちに「今、幼稚園も夏休みだからでしょうか。涼しそうな木陰で、お母さんたちが子供さんを遊ばせていました。子供にはああいう幸せもあるのに...」なんて報告したりして。そんなどうでもいいこと、ウダウダ語る前にすることがあるだろうが!しかし、極めつけは常子である。ヒナの行方不明の張本人のクセに、のんびり素麺をすすったりして。...本当に神林は、常子のどこに惚れたのだろうか???

■ヒナ、心変わりせず。
一人で目白にある塾へ行こうとしたヒナ。しかし、新宿から山手線へ乗り換えて目白へ向かうはずが、間違えて中央線に乗って青梅まで行ってしまう。無事保護されて「おかくら」に戻ったヒナは、「塾へは行けなかったけど、電車の車掌さんたち、みんな優しかったよ」とJR職員の仕事ぶりを褒め称えた。ま、まさか?!これをきっかけにヒナは「ヒナ、お医者さんになるのをやめて、電車の車掌さんになる!」なんてことを言い出しはしないだろうか?隆の水道工事人の例もある。壮太だって、たまたま眞に紹介されたのが「おかくら」だっただけなのに、今ではすっかり料理人になる気でいるのだ。渡鬼の子供たちは、何がきっかけで将来の職業を決めてしまうか分からないのである。もっとも、今のところヒナの心変わりはないようだが...。

■タキのリアクション。
無事「おかくら」に戻ってきたヒナ。タキは「ヒナちゃ〜ん!お帰りなさ〜い!」と頭と手を振りながら小走りして玄関まで出迎えた。この「頭と手を振りながら」というリアクションが、なんか変。安物のからくり人形かと思った。

■長子と常子は同じ穴のムジナ。
常子が大阪へ帰ったのを機会に、ヒナにお受験を止めさせたい長子。何とかしてヒナに塾通いを続けさせたいという神林に、長子は「アタシたち夫婦はアタシたち夫婦なりに、思うようにヒナを育てます!」と宣言する。しかし、本間病院を継がせるためにヒナに塾通いをさせたのが常子の勝手なら、塾へ行きたいというヒナに塾通いを強引に止めさせるのも長子の勝手。今まで、ヒナの教育なんてほったらかしにしていたクセに(それもヒナを常子に任せたことで、常子はご機嫌だと喜んでいたクセに)、常子がいなくなった途端、手の平を返したようにヒナの教育を主張し出した長子。ヒナの気持ちなど無視して、自分たちの都合でヒナの教育をしようとしている点では、長子と常子は同じ穴のムジナである。

■長子の蓄えって...。
長子は、ヒナを塾へ通わせたり、医大に進学させるためのお金がないという。しかし、以前英作が救急救命センターを辞めて収入がなくなったとき、自分には翻訳の収入で稼いだ金がある、大吉と同居しているから家賃も生活費もかからないから、ほとんど貯金してあると言っていたはず。一時は大吉と別居して、マンションまで買おうとしていたのだ。それなのに、ヒナを塾へ通わせる金がないなんて、長子の蓄えってどうなってるのか?っていうか、前述したように、家賃も生活費もかからない生活をしている長子。少しヤリクリすれば、ヒナを塾へ通わせるくらいのことはできるだろう。お金を口実にしているが、結局長子はヒナを塾に通わせたくないだけなのだ。

■キッツイ女・由紀。
密かに、伸彦の姉を本間病院へ迎え入れようとしていた由紀・伸彦夫婦。伸彦の姉は、大病院に勤務している現役バリバリの産婦人科医らしい。しかも独身だから、身軽だという。しかし、常子が戻ってきたことで、伸彦は自分の姉の本間病院入りを躊躇する。常子に遠慮する伸彦に対して、由紀は常子のことを「もう、あの人は医者として通りゃしない。家の事してもらうったって、掃除も料理も役には立たないの。もう、戦力にはならないのよ!」という。自分の母親を戦力外呼ばわりするなんて、さすがは常子の娘。性格のキツさは母親譲りである。それにしても、由紀も伸彦もそんな大事な話、なんで病院のオープンな待合ロビーでするかなぁ?側には看護婦が行き来しているというのに。自宅か誰もいない診察室ですればいいのに。いつ常子の息のかかった看護婦に聞かれるとも限らないのだから...。

■聖子、勇を尾行!
あんなデブが尾行するなんてムリ。しかも、人通りの多い商店街ならいざ知らず、人っ子一人通らない住宅街で尾行するなんて、さらにムリ。勇は後ろから聞こえてくるドスン!ドスン!というデカイ足音に気付かなかったのか?勇は近所の連中に気付かれないように、周りに気を配っていただろうに。恐らく、勇がオシャレのつもりで被った帽子が命取りになったのだろう。帽子のつばで、周りの状況がしっかり把握できなかったに違いない。それにしても、尾行に成功した聖子。以前、家政婦をクビになったが、大沢家政婦協会なら間違いなく採用されたであろう。

■今週の最大の疑問。
先々週、城代に対してアナタみたいな無神経な男、大嫌いっ!」と絶交宣言をした愛。ところが今週のラスト、温泉旅行へ出かけた勇を除いた五月、愛、眞、加津、聖子、浩次、そして城代の7人でしゃぶしゃぶを食べるというシーンで、愛と城代は仲良く食事をしていた。いったいどうなってんの、愛は?っていうか、なぜこのシーンに城代がいるの?しかも、勇は女と温泉旅館にいるという聖子の発言にキレる愛や眞に「私はお父さん、信じますけどね」とまたまた余計で的外れな発言をする城代。お前が勇を信じたからって、何の解決にもならないっつうのっ!いったい、渡鬼における彼の役割って何なんだろう...?

【今週の視聴率】
関東21.8% 関西20.8%(ビデオ・リサーチ社調べ)

第21回(2002年8月22日放送)
勇が里美と一緒にいるという温泉旅館に出かけた五月。しかし、そこには里美はおらず、勇が一人で泊まっている様子。里美は親戚に不幸があり、遅れて旅館にやって来ることになっていた。が、五月が突然やって来たため、勇は「里美が来ても、俺は帰ったと伝えてほしい」と旅館の仲居に頼む。一緒に泊まっていくと決めた五月は、勇にキミがいない間ぐらいは好きなことをしろ、浮気も愛や眞にバレないようにやってくれれば、見て見ぬフリをするという。五月の余裕な態度に、どうせモテない男だから浮気なんてできるはずがないとバカにされたと思った勇は逆ギレ。酔った勇は、これからは好きなことをやると宣言する。一方、五月から勇は一人だったと電話を受けた愛、眞、加津は安心して、祖母・節子のお盆参りも兼ねて「おかくら」へ。城代も加わり「おかくら」を訪ねた愛たちだったが、亨や望、隆たちも来ていた。目指す夢がそれぞれ違う子供たちを、優しい眼差しで見つめる大吉。さらに、長子や英作、神林も加わり、楽しい宴が催される。翌日、「幸楽」へ帰ってきた五月と勇。家庭崩壊は免れたと安堵する愛や眞だったが、しかし、勇は組合の会合といって、またバー「くるみ」へ入り浸るのだった...。

■聖子、白ブタに!
五月が、勇のいる温泉旅館へ出かけていくのを見て、大喜びの聖子。修羅場だ、離婚だとハシャいだ挙句、五月がいなくなれば、風通しも良くなると暴言を吐く聖子に、キレたのが浩次だった。浩次は、持っていた白ペンキを聖子にぶっかけたのだ。哀れ白ブタとなった聖子。しかし、浩次は優しい人柄で出前先の評判もすこぶるいい好青年。いくら聖子が性悪女だからって、同じ職場の先輩にペンキをかけるとは。案外、浩次はキレやすい直情的な人間なのかも知れない。こういう“普段はマジメ”なのに、何かのきっかけで感情が抑えられず大胆な行動をしてしまう人間が、恐ろしい犯罪を犯してしまうものなんですよね...。浩次もキレてトンデモない事件を起こさなきゃいいけど。

■どこの温泉なんだっ!
勇が泊まる温泉旅館へ乗り込んだ五月。当然、温泉旅館のロケはなく、旅館内のセット撮影のみ。勇の“花屋へユリの花を買うシーン”や“電話ボックスで里美に電話をかけるシーン”など、どうでもいいシーンはロケするクセに、本来ロケすべきシーンはセット撮影なんて、さすが渡鬼!どこの温泉なのかも明確にせず、客室の庭から聞こえてくる小鳥のさえずりだけで、都会から離れた温泉旅館を表現するなんて、涙が出てきます。ところで、勇が宿泊している部屋。和室のはずなのに、なぜか部屋の奥にはベッドが二つある洋室が。旅館の和室だったら、普通は布団を敷いて寝ると思うのだが。きっと、二つのベッドを見た五月が、暗に勇と里美の仲を疑うという演出なんだろうけど、なんか不自然。

■でも、ロケじゃなくて良かったかも...。
だって、温泉旅館のロケだったら、当然温泉の入浴シーンもあるわけで...。五月の入浴シーンを見たい人、手を上げてっ!あっ、でも、旅館に乗り込んだ五月の声は鼻声だったから、風邪をひいてたのかも?そしたら、入浴シーンもありませんね...。

■聖女房・五月?
五月は、勇の浮気を許すという。今まで、ただ働きづめに働いていた勇に、好きなことをさせてあげたいという五月。世の中に、五月みたいな亭主の浮気を許す、というか浮気を焚き付ける女房っているのだろうか?働きづめに働いてきて、好きなこと何ひとつできなかったのは、五月も同じこと。いや、姑や小姑のイビリを受けた分だけ、五月の方がツライ人生だったはず。なぜ、五月は勇の行動に寛大になれるのだろうか?長年、勇と連れ添ってきた女房の自信?でも、亭主の方は、女房から物分かりよく浮気を許されちゃうと、やりづらくなっちゃったりしないのだろうか。それが五月の作戦だったりして。

■天然ボケなのか、城代は?
お盆休みに「幸楽」を訪れた城代。偶然、「おかくら」へ行こうとしていた愛、眞、加津と出くわした。一緒に「おかくら」へ行こうという眞の提案に、眞の靴を踏んだりして、あからさまに拒否反応を示した愛。ああ、それなのに城代ときたら「父がいないと、休みの日は間がもたなくてね。良かった〜、誘ってもらって!」と大喜び。場の空気を読めよ〜、城代〜。愛の顔は、明らかに嫌がってるじゃないか。それより父親がいないと、休みの日は間がもたないって、どういうこと?今まで、そんなにベタベタしていたのか、城代親子は。それだったら、お盆休みにニューヨークへ飛んで、思う存分、父親の世話をすればいいのに。もちろん、ニューヨークへ行くからには、渡鬼からのリストラも覚悟してもらわなきゃならないけど!

■またも「嗚呼、青春の日々(byゆず)」。
「おかくら」に集まった大吉の孫や友人たち。望のギターで、眞、隆、そして壮太は「嗚呼、青春の日々」を大合唱する。「嗚呼、青春の日々」と言えば、去年、眞、望、隆が文子のマンションで共同生活をしたときにも、歌っていた歌。望はギターで弾ける曲のレパートリーが増えてないのかな。それより気になったのは、眞。壮太と肩を組んで歌う眞の姿は、まるで夜の街を酔っ払って大声で歌うサラリーマンのオヤジの姿そのもの。一瞬、「眞は酒を飲んでいるのか?」と思ってしまった。

■英作、大病院の内科医長に。
神林の紹介で、正式に大病院の勤務医に就職が決まった英作。ポストはなんと内科医長!脳外科医だった英作は内科に転向するため、この4ヶ月間、内科の研修を受けていたはず。脳外科医としては優秀かも知れないが、内科医としては何の実績もない英作を、いきなり内科医長にしてしまっていいのか?今まで働いてきた他の内科医との軋轢は起こらないのだろうか?それにしても、不況で働き口も見つからない人が大勢いる今の日本で、こんなに簡単に再就職先が見つけられるなんて、英作も幸運の持ち主である。もっとも、その分、家庭にはのべつ幕なしにトラブルは起きるけど...。

■今週の気になったセリフ、いろいろ。
「そりゃあ、親父は顔だって、とても美男子とはいえない。腹も出てる。ブザマな中年のオジンだ。けど、心は優しくて純粋な男だ。」
勇を語る眞のセリフ。...髪の毛は?

「五月おばちゃんより、いい女なんているはずないのにさ。」
五月を語る加津のセリフ。...ひ、ひぇ〜〜〜

【今週の視聴率】
関東24.7% 関西23.6%(ビデオ・リサーチ社調べ)

第22回(2002年8月29日放送)
毎晩、バー「くるみ」へ通い続ける勇。午前様状態が続く勇だったが、五月や愛はキミがいないときくらい、羽目を外したらいいと大目に見る。「おかくら」では英作が初出勤を迎え、南米へ出かけた文子の家では、亨と望が父子水入らずで暮らしていた。高校地代、音大へ進みたかったと語る亨は、夢を諦めるな、文子に負けるなと、望を励ます。野田家では、勇気が急に高熱を出してしまう。むすびの移動販売を休めないあかりは、弥生に勇気を病院へ連れていくことを頼むが、母親の責任と断られてしまう。途方に暮れたあかりは、幼い頃からのかかりつけの医師・竜村(中原ひとみ)に勇気を頼み、むすびの移動販売へ。あかりの販売先に現れた和夫は、いわきを捨てて東京へ出る、また一緒に暮らそうと言うが、あかりは東京で自立して家族を養えるようになってからにしろと、和夫の提案を断る。「おかくら」では、壮太が初給料でタキに半襟をプレゼント。そして「幸楽」。いつものようにバー「くるみ」へ行った勇だったが、しかし、血だらけになって帰ってきたのだった。

■素朴な疑問。
女社長のグループと南米へ行った文子。2週間の旅行らしい。しかし、望によると、普段の文子は朝から夜中まで、仕事で食事の準備もできないほどの忙しさ。そんな文子が、2週間も自宅(事務所?)を空けて大丈夫なのだろうか?文子が不在の間、他の仕事の依頼が来たら、どう対処するつもりなのだろうか?もちろん、電話やインターネットでの仕事なら、海外にいてできないこともない。しかし、何十人もの女社長のアテンドをしながら、他の仕事ができるのだろうか?そもそも、文子一人で旅行代理店を運営すること自体、無理なのでは?!

■何十年ぶりのピアノ。
橋田マジックによって、いきなり「かつてピアノを習っていて音大を目指したが、親に反対されて諦めた」という過去を背負わされた亨。同じ夢を持つ望に、初めて昔の自分の夢を話し、何十年ぶりにピアノを弾いた。これが、何十年ぶりとは思えないほどの上手さ。ピアノって、一日練習を休んだだけでも、上達しなくなるもの。それが、何十年も弾いてなければ、指が滑らかに動くことなんてあり得ないのだ。でも、亨が上手く弾けたのは当然。だって、ピアノを弾いていた指、明らかに別人なんだもん。(ちなみに、タイトルバックによると、ピアノを弾いていたのは、石坂慶彦という方。役名は「ピアノ」になってました。)

■ハナにできること。
勇気が高熱を出した。やはり毎日、無理矢理に母親の仕事に付き合わされた疲れが出たのだろう。勇気も可哀想に。しかし、幼い子供が高熱を出したというのに、野田家の面々は冷たい。あかりは仕事が休めないと言い、弥生はあかりに仕事を辞めさせるために、わざと勇気の世話を断る。さらに、ハナに至っては、例の「アテ〜、何の役にも立てへんし、もう、いてへん方がマシやわ。」という殺し文句で、勇気の世話を拒否する始末。しかし、そんな高い熱を出しているなら、なぜ救急車を呼ばないのだろう?右手が不自由なハナは、勇気を抱いて病院へ連れて行くことはできなくても、救急車に乗って一緒に付きそうくらいのことはできるだろう。それすらもできないのなら、本当にハナは「いてへん方がマシ」なのかも...。

■渡る野田家は鬼ばかり。
病院で「勇気、待合室へ置いておきますから!」と、まるで勇気を回覧板扱いしたあかり。前述した通り、あかりにむすびの移動販売を辞めさせるために、わざと勇気の世話を断った弥生。本当に野田家は、勇気に対して鬼のような人間の集まりである。特に弥生。いくら、あかりに仕事を辞めさせたいからって、孫の高熱をその良いチャンスと考えるなんて、本当に勇気の祖母なのか?今は、娘の生き方より、孫の命だろう。さらに弥生は、あかりが受けていた夏休みの子供会の150個のむすびの予約についても、「予約したお客様がいたら、一言電話で事情を話して、届けられないと謝ったら、どこでだって買えるんだから!」と商売人にあるまじき発言。確かにむすびはどこでも買えるけど、問題は数。150個ものむすびをどこでどうやって買うのか?しかも、あかりは「ごはんや」の名前で商売をしている。あかりが簡単に予約をキャンセルすれば、弥生たちの「ごはんや」が信用を失うことになるのだ。弥生は、勇気の祖母としても、商売人としても失格である。でも、一番情けないのは、そんな弥生に何も言わない良なのかも?!

■文子の南米旅行。
2週間の南米旅行から帰国した文子。土産話もあるだろうに、南米の話には一切触れず、いきなり亨に「ねえ、音大じゃなくて、普通の大学に入るように説得してくれた?」と言う始末。骨の髄まで教育ママと化した文子は、亨の返事も聞かず、疲れたから寝ると寝室に行ってしまった。いったい、文子の南米旅行はどのようなものだったのか?どうして、そんなに疲れているのか?しかし、そこは橋田ドラマ。文子の南米での様子は、南米に行ってもいない亨がしっかり説明してくれた。「スケジュールも厳しいし、高山病になるような観光地もある。それを何十人も連れて通訳も兼ねながら、病人や事故のないように、乗り物やホテルに手違いのないように、一日中神経張り詰めてガイドしてるんだ。」なるほど!よく分かりました、亨さん!本当に橋田ドラマって、視聴者に親切ですね!

■亨の本音。
南米から帰国した文子は、疲れ切って眠ってしまう。その翌朝、ハワイへ出発する亨だったが、まだ眠っている文子を起こそうとする望に、文子は疲れているから眠りたいだけ眠らせてやれという。文子を労わる亨。そして、望の夢を応援する亨。なんていい夫、いい父親なんだ!と思う人も多いだろう。しかし、なぜ亨は文子と望の進路について話し合おうとしないのだろう?望に夢を諦めるなと焚き付けておきながら、その一番の障害である文子と話し合わずにハワイへ行ってしまうなんて。再び文子と望が衝突するのは、火を見るより明らか。眠りたいだけ眠らせてやれなどと、文子の体を労わっているようなフリをしながら、亨の本音は「文子が疲れ切って眠ってくれて、ラッキーだったよ。これで、望の事でガミガミ言われずに、ハワイへ帰れる。望にも、夢を応援するいい父親像を演じられたしな!」といったところか。

■勇のバー通い防止策。
相変わらず、毎晩バー「くるみ」へ通う勇。聖子じゃないが、遊びを知らない男ほど、泥沼にハマるという典型例みたい。いったい、勇のバー通いを止めさせるには、どうしたらよいのか?ひとつだけ方法がある。それは、英作である。英作に毎晩「幸楽」に来てもらって、「マスタ〜、一緒に飲みましょうよ〜」と勇を無理矢理酒に誘ってもらって、自宅から外へ出さないしか方法はないだろう。但し、そのためには、英作がヤケ酒を飲みたくなるような長子と常子のトラブルが必要だけど?!

■全視聴者の謎。
一日に500個から700個も売れるというあかりのむすび。これについて、良は大吉に「どこでどうやって売ってくるのか、よく分からないんですが...」という。良だけじゃない、全視聴者もよく分からないだろう。いや、一番分かってないのは、スガコ先生本人だったりして?!

【今週の視聴率】
関東22.3% 関西23.5%(ビデオ・リサーチ社調べ)

第23回(2002年9月5日放送)
深夜、血だらけになって帰ってきた勇が救急車で病院に運ばれる。幸い脳には異常がなく、診察後帰宅した勇だったが、ケガの原因は酔っ払って車にぶつかったという。翌日、「幸楽」に現れた里美は、勇に美人局を働こうとしたと告白する。勇のケガは里美の男によるものだった。しかし、里美は心の優しい勇を騙すことができず、殴られる勇を必死にかばい逃がしたのだった。自分も男に殴られ店を追い出された里美は、田舎へ帰るという。五月は勇を守ってくれたお礼と、里美に10万円の餞別を渡す。毎晩の夜遊びを反省した勇は五月に詫び、愛や眞にも店の手伝いは止めて学業に専念しろという。経営不振の「幸楽弁当」を辞めた周平は、人手が足りない「幸楽」に戻る。その周平に光子が「幸楽弁当」の新しい商売として、自宅療養中の病人のための特別食やその食材を配達するというアイデアを提案する。この新しい商売には周平が必要で、「幸楽弁当」に戻ってきてほしいと頼む光子だったが、「幸楽」を恩義に感じる周平はこれを拒否する。「おかくら」では、長子が常子への意地からすっかり教育ママと化し、毎日ヒナを塾へ送り迎えしていた。そして、忙しい「幸楽」に1本の電話がかかる。それは、週末に日本に帰国するというキミからの電話だった...。

■周平、弁当辞める?!
ケガをした勇が店に出れなくなったらどうしようと心配する愛たち。そんな愛に周平は、その時は自分が手伝うと言う。「幸楽弁当」について、周平は「弁当の注文も減ってるんです。いつ辞めたっていいと思ってるんですから。」と言う。えっ?「幸楽弁当」を辞める?!ついこの間、周平は健治、たっちゃんの3人で、儲からなくたっていい、自分たちが食えるだけ稼げればいいと言っていたではないか。なんで急に辞めるなんて話になるのか?これには裏があるのだろう。「幸楽弁当」より「幸楽」のシーンの方が多い。当然「幸楽」で働けば、周平の出番も多くなるのだ。いったい周平役の岡本信人は、スガコ先生にどんなスゴイお中元を贈ったのだろうか?周平のセリフを聞いた健治役の岸田敏志の表情が曇ったのは、言うまでもない。

■豪快過ぎる勇の夜遊び。
夜な夜なバー「くるみ」に通い続けて、金を使い続けた勇。いったいどれほどの金を使ったのか、それがようやく判明した。勇が使った金、それは...なんと約200万円!キミが貯め込んでいた金は、アメリカに2000万円送った後もまだ200万円ほど残っていたらしいが、勇はそれをほとんど使ってしまったという。ドラマでは、遊びを知らない勇が五月以外の女にハマってしまったことばかりクローズアップされていたが、見境なく200万もの金を使ったことの方が、僕には恐ろしい。それにしても200万円なんて、ホストクラブにハマった若い女性じゃないんだから。あっ!もしかしたら、スガコ先生自身がホストクラブにハマったことがあって、「ああいうお店って、これくらいのお金使っちゃうもんなのよね〜」とか思って台本書いてたりして。

■勇は心の優しい人?!
「幸楽」へやって来た里美は、自分が美人局を働こうとしたことを告白し、五月と勇に詫びる。里美は、勇が心の優しい良い人だったから、騙せなかったと言う。勇が“心の優しい良い人”?ホントかぁ〜?バーで酒を飲めば、当然酔っ払う。皆さん、酔っ払ったときの勇を思い出してみて下さい。勇は酔っ払うと、バーコード頭の前髪を額に垂らし、ロレツの回らなくなった口調で「諸悪の根源はオフクロなんだよなぁ〜!」とか「ウルサイのに限って元気なんだよ〜!」とか散々キミの愚痴を言っているではないか。いや、勇がバーに通うようになってから、愛や眞との関係も悪くなっていたから、2人の悪口なんかも言っていたかも知れない。家族の愚痴を散々並べ立てる男のどこが“心の優しい良い人”なのか?もっとも、里美にとっては、酒の払いに200万円も使ってくれれば、どんな男でも“バカ”がつく程の“心の優しい良い人”なのかも知れないけど。

■勇に下心はなかったのか?
里美の男に因縁をつけられた勇は、自分にやましいことなんかないと、男に殴りかかったという。勇は「俺は里美ちゃんとこへ通ってはいた。けど、里美ちゃんとは何でもなかった。」と言う。まるで、最初から里美とは“男と女の関係”になるつもりはなかったような口ぶりである。しかし、勇が里美と温泉旅館へ行ったことは事実。勇に下心があったことは明白である。むしろ里美の方が自制して、親戚に不幸があったとウソをついて、旅館を去ったのである。もしそのまま里美が旅館に残り、五月が来なかったら、勇はどうしていたのだろうか?結果として“里美とは何にもなかった”勇は、「ああ、あの時、里美が旅館から消えてくれて助かったよ〜」とか胸を撫で下ろしているかも知れない。

■バー「くるみ」の評判は?
里美によると、里美と里美の男は美人局を繰り返してきたらしい。新宿なんかの都会にある店ならいざ知らず、町の商店街にあるようなバーで、そんなことを繰り返してきたら、悪評が立つのではないか?よく今まで経営してこれたものだと思う。それとも評判が悪くなる前に、ママと店の名前を変えて経営しているのか。里美が去った後、里美の元男は新たなママを迎えて、バーの名前も「みるく」とかに変えて、また美人局を繰り返すのかも知れない。二度と美人局の犠牲者を出さないように、ここはひとつ勇にひと肌脱いでもらって、「このバーは危ないですよ〜!」とバーの前で叫んでほしい。今度こそ、本当に男に殺されるかも知れないけど...。

■幸楽弁当、不振!
何だか知らない内に、経営不振になっている「幸楽弁当」。やっぱり、インターネットの宣伝にも限界があったのか?っていうか、「幸楽弁当」のホームページの更新って、誰がやっているのだろうか?ホームページを立ち上げたのは加津だが、確かインターネットに詳しいという光子に代わって、その光子が「幸楽弁当」を辞めて...たっちゃんが引き継いたんだ。たっちゃんは、ちゃんとホームページを更新しているのか。更新をしっかりしないと...いや、今の僕にはそんなことを言える資格はございません(^^;)

■サチの本心。
なぜ、眞が東大を目指す決意をしたのか?その理由が判明した。サチである。サチは「大学へいくっていうのなら、東大しかない。他の大学なら、ラーメン屋になる方がマシだって、私ずっと言い続けてきたんです。」と五月に自分が眞をけしかけたことを白状した。職業については、企業に依存するサラリーマンより腕一本で商売できる職人の方がいいという渡鬼なのに、なぜ大学は東大だけしか認めないようなことになるのか?東大生になったって、“東大”というネームバリューに依存する情けない大学生になる可能性は充分ある。逆に三流大学に入ったって、大学名に頼れないから、結果努力して大物になる可能性だってあるのだ。しかし、サチが眞を東大だけ目指すようにけしかけたのは、理由があるのだろう。以前からサチは、眞に対して「立派なラーメン屋があるのに、それを継がないなんてオカシイ」と言っていた。サチの本心は「眞クンが東大に合格するなんて、絶対無理。だから、幸楽を継ぐより他ないのよ♪」といったところか。

■今週の気になったこと、いろいろ。
@ついにでた!タキのアイデア料理!
その名は「おむすび定食」。勉ちゃんのアイデア料理「三色丼」のお持ち帰りバージョンらしい。だから具は、天ぷらや鰻など。ホントに渡鬼ワールドでは、おむすびが大ブームだなぁ。

A里美のセリフより。
「相手は誰でも良かったの。奥さん以外の女と愛し合ってみたいっていう夢を見ていただけなんです。だから、許してあげてください。」
普通、亭主がそういう夢を見たら、女房は許さないだろうが。“だから”の使い方が間違ってるのでは?!

Bおせんべつ?
五月が里美に渡したお餞別。五月はご祝儀袋に「お銭別」と書いていた。確かに“銭”には違いないけど...。

【今週の視聴率】
関東22.7% 関西24.1%(ビデオ・リサーチ社調べ)

第24回(2002年9月12日放送)
神林宅から荷物をすっかり引き上げて、大阪の本間病院へ戻った常子。しかし由紀から、同じ産婦人科医である伸彦の姉を本間病院へ招き入れて、仕事を任せるつもりだと告げられる。産科を止めた本間病院は、婦人科の先端医療を行う病院として知られるようになり、常子の出る幕はないということだ。さらに、由紀は伸彦の姉のために、常子の部屋を明け渡せという。由紀の考えに、常子は激怒するが、結局、部屋は伸彦の姉に近所のマンションに住んでもらうことで決着。が、常子は大阪に戻ったことを後悔し始めていた。「おかくら」に神林が訪ねてくる。神林は常子と縁が切れても、「おかくら」とは今まで通りお付き合いしたい、ヒナにもピアノのレッスンに来てほしいという。喜ぶ長子やヒナ。そして「幸楽」では、キミがアメリカから帰ってくる。キミは、すっかり人が変ったように優しくなり、周りの人間に感謝の言葉を口にする。そんなキミに、五月と勇はキミが貯め込んでいた金200万円を使ってしまったことを告げる。里美の件には触れず酒とバクチで使ってしまったとウソの言い訳をする勇に、キミはもう少しマシな使い方をして欲しかったといいながらも、2人を許す。が、翌日。聖子から里美の話を聞いたキミは、開店準備に忙しい五月を呼びつけるのだった。

■由紀、ムチャクチャ!
ついに由紀は、本間病院に伸彦の姉を招き入れることを常子に話す。しかも、伸彦の姉のために常子の部屋を明け渡せという。伸彦の姉がやってくるのは、「今度の日曜」というから、少なくとも一週間以内に退去せよ、という訳だ。仕事の件は、確かに常子より伸彦の姉の方が役に立つのかも知れない。しかし、住まいについて、東京から帰ってきたばかりの常子に出て行けというのは、惨過ぎないか。いや、別に常子に対して“惨過ぎる”という訳ではない。もし、常子がマンションで一人暮らしを始めたらどうなるのか。人をド突くことを生きがいにしている常子のこと、きっと他のマンションの住人に対しても、「ちょっと!今日は燃えないゴミの日とちゃいまっせっ!」などとド突きまわすこと必至である。大阪にあるマンションの住人たちにとって、常子が街中に放たれるのは“惨過ぎる”話なのだ。常子みたいな暴走ババァは、神林宅か本間病院に隔離しておくより他ないのである。

■神林の決別宣言?!
神林宅に手拭い一本残さずに出ていった常子。神林は、常子の言われるままに、ヒナの塾の送り迎えをしたり、英作の再就職を世話したり、さらにヒナのピアノを買ったりした。それも全て、愛する常子のためだったのに、裏切られてしまったのだ。常子に散々利用されて捨てられた神林の恨みは大きい。常子について神林は、「私もね、もう二度とね、(常子と)お会いしたくないんです」という。しかし、「おかくら」とは今まで通りお付き合いしたいという神林。ああ、またか。今まで何人の登場人物が、この「○○とは縁が切れても、こちらとは今まで通りお付き合いしたい」というセリフを吐いてきたことか。例えば、政子。葉子と太郎が破局したとき、このセリフを吐いた。以来、政子はとっくに用済みの役であるにもかかわらず、登場し続けている。神林は第二の政子になる可能性大である。

■キミ、帰国!
キミが2ヶ月ぶりに「幸楽」に帰ってきた。帰国したキミは、周りの人間が“キミ”悪がるほど、優しいバアサンになっていた。しかし、勇が語っていたように、油断は禁物である。いつ、以前のキミに戻るか知れやしない。いや、帰国したその日、すでにキミはその片鱗を見せている。店が終わり、五月と勇がお夜食をとろうとしていると、旅の疲れで眠っていたキミが起きてきた。五月が、キミにお夜食にお茶漬けをというと、キミは「アタシ、お素麺の方が有難いんだけど」と遠慮がちに、しかし図々しくのたまわったのだ。店で疲れている五月には、素麺茹でるより、お茶漬けの用意の方がラクなのに。キミが優しく見えるのは錯覚である。言葉使いが優しくなっているだけ。2ヶ月間のアメリカ生活で「五月!アタシのお夜食、茶漬けで簡単に済まそうたって、そうはいかないよっ!アタシは素麺を食べるの、食べたいのっ!」というイビリ用語を忘れているだけなのだ。そして、また2ヶ月も経てば、イビリ用語を思い出して...。

■久子、改心?!
キミはアメリカへ出発するとき、久子が立派に商売をやっていけることを見届けてから帰るといっていた。しかし、たった2ヶ月で本当に久子は商売をやっていけるくらいの“マトモな人間”に変わったのか?キミの情報によると、最初久子は和食の店をやりたい、中華料理店を開きたいなどとホザいてたが、結局コーヒーやサンドウィッチを出す喫茶店に落ち着いたらしい。それでも久子は、夜はお酒を出す店にしたいとか言い出して、キミが説得して諦めさせたという。しかし、久子が改心するなんて、有り得ない話だ。キミがいなくなった途端、元の久子に戻ることは想像に難くない。何しろ、しっかりしているように見えた「幸楽」だって、キミがいなくなった途端、トラブルが頻発したのだ。久子の場合だって...あっ、「幸楽」はキミがいてもいなくても、トラブルは頻発しているか...。

■またもインターネット...。
光子が「幸楽弁当」の新しい商売として提案した病人食の出前。光子自身がホームページを開いてPRしたところ、問い合わせがスゴイらしい。はぁ、またインターネットか。だから、ホームページを開いたくらいで、そんなに問い合わせが殺到する訳ないっちゅうの!問題は、どうやってホームページにアクセスさせるかということなのに。それに前にも書いたが、「幸楽弁当」の配達エリアは限られているはず。インターネットは全世界に発信されるメディアだが、「幸楽弁当」の配達エリアに住む人たちがどれだけ「幸楽弁当」のホームページにアクセスするかは疑問である。さらに、病人食を食べなきゃいけない人って、高齢の方が多いのではないか。インターネットをやる高齢者って、まだまだ少ない。チラシでも配った方がよっぽど効率的だし、パソコンをやらない高齢者にも親切ではないか。それとも、パソコンもできない高齢者は切り捨てるということなのか、光子は。

■お寿司屋城ちゃん!
キミが帰国する日、たまたま愛の英会話レッスン&夕飯作りにやってきた城代。キミが帰国するなんて知らなかったクセに、キミのために夕飯をこしらえたといって、キミの点数を稼いだ。スパゲティー、ブイヤベースと数々の料理を披露してきた城代だが、今回はついに寿司を握るという荒業に出た。手巻き寿司かと思いきや、父親仕込みの握り寿司らしい。城代のエピソードって、何でも父親が絡んでくるんだよね。「お前、いくら何でもそんなことできないだろう」っていうようなことでも、「父から教わりました」で済ませちゃう。でも城代の父親が、料理が得意というのは納得。だって全国飛び回って、炊き出しに行ってるんだもん。得意にならない方がオカシイ。それにしても、ネジリ鉢巻までして寿司屋になり切ろうとした城代。演技力の無さをネジリ鉢巻で補おうとするのは、少々無理があるのではないか。かえって痛々しかったです...。

【今週の視聴率】
関東22.1% 関西24.9%(ビデオ・リサーチ社調べ)

第25回(2002年9月19日放送)
聖子から里美の件を聞いたキミは、五月を呼びつける。が、キミは「勇の浮気をよく許してくれた」と礼を言う。さらに、キミは眞にも「塾に行く費用を出してやる」と言い出す。加津は、優しくなったキミに、敬老の日のプレゼントを贈ることを、愛や眞に提案する。最初は乗り気ではなかった愛や眞だったが、キミの優しさが本物だと感じると、加津の提案に乗ることに。そして、敬老の日。「おかくら」では、壮太が大吉にプレゼントを贈る。感激した大吉は、勉や壮太を本当の息子のように思い、いずれ2人に「おかくら」を渡したいと言う。さらに、大吉にはガールフレンドができたらしい望や、敬老の日もむすびの移動販売を頑張るあかりから、プレゼントが贈られる。他にもヒナは郵送で常子に、あかりはハナにプレゼントを贈る。文子のマンションに、娘が望からストーカー行為を受けているという母親・金田利子(山下容莉枝)が乗り込んでくる。利子の話をにわかに信じられない文子だったが、望に確かめると約束する。そして「幸楽」。愛、眞、加津からレイン・コートを、そして隆からも隆自身が稼いだ金で買ったプレゼントを貰ったキミは、上機嫌だった。しかし、喜びも束の間、五月や勇たちの目の前で、突然キミは頭を押さえて倒れ込んでしまうのだった。

■「おかくら」の後継者決定!
敬老の日のプレゼントとして、壮太から2束の紺足袋を贈られた大吉。感激した大吉は、何を血迷ったのか、「『おかくら』を大事にしてね、もっともっとできたら良い店にして、勉ちゃんや壮ちゃんに渡したい」と、勉ちゃんと壮太が「おかくら」の正当な後継者であると公言した。もともと、自分の代で「おかくら」を終えようと思っていた大吉は、紺足袋2束で勉ちゃんと壮太に継がせる気になってしまったのだ、紺足袋2束で...。しかし、自宅兼用の店を血の繋がらない他人に残すには、いろいろ障害があるだろう。まずは長子である。大吉が亡くなった途端、ワガママな長子のこと、さっさと店を畳んで「1階はアタシの翻訳事務所にするの、しなきゃならないのっ!」とか言い出しかねない。いや、英作だって油断できない。1階を「英作病院」にして、開業医になるなんて言うかも知れない。「おかくら」の後継者が決まった今、大吉のなすべきこと、それは“遺言書”を書くことである。かつて「幸楽」では、遺言書がなかったばかりに、骨肉の争いが起きた。後継者が勇という身内であるにもかかわらず、である。他人の勉ちゃんや壮太の場合、それ以上の争いが起きるであろう。大吉!手の震えがヒドくなって字が書けなくなる前に、遺言書を!

■キミ、倒れる!
帰国してから、周りの全ての人に優しく微笑み、感謝の言葉を口にしてきたキミ。五月には勇の浮気を黙認していたことを感謝し、眞には塾へ通う費用を出してやるという。しかし、運命とは皮肉なもの。せっかく人が変わったキミは、しかし、倒れてしまった。やはり、無理がたたったのだ。いや、アメリカから帰国して早々、「幸楽」に復帰したのが無理だった訳ではない。“人に優しくする”という行為が、キミには「幸楽」の仕事以上にキツかったのである。そもそも、“人に優しくする”なんて情報、キミのDNAにはインプットされていないのである。無理に人に優しくした結果、キミの体の中で拒否反応が起きて、倒れてしまったのだろう。所詮、鬼は仏になれないのである。

■レイン・コート???
加津の提案により、愛、眞、加津の連名で、キミに敬老の日のプレゼントを贈ることになった。長太と一緒に買物に行った加津が決めたプレゼント、それはレイン・コートだった。理由は加津曰く「お婆ちゃん、持ってないみたいなの。着てるの見たことないもの」だって。そりゃそうだろう。一日中「幸楽」にいるキミに、レイン・コートなんて必要ないのだから。しかし、プレゼントを貰ったキミは「一番これ欲しかったんだぁ〜♪」と感激する。ウソつけ!一体いつ着るんだよ!ところで、このプレゼント代は長太持ち。加津はともかく愛や眞は図々し過ぎる。自分の稼いだ金でプレゼントを贈った隆の方が、よっぽど立派。しかも、愛なんてキミから「愛はね、お婆ちゃんがレイン・コート持ってないのね、分かっててくれたんだよね。ありがとよ〜♪」なんて言われてニッコリ微笑んだりして。愛は心が痛まないのだろうか。それにしても、なぜレイン・コートなのか?よっぽど、真新しい白衣を贈った方が、「いつまでも元気でお仕事頑張ってね♪」というメッセージが込められていいのではないか。もっとも、「幸楽」の人たちの白衣は、中華料理店の厨房で働く人とは思えないほど、いつも油のシミひとつないキレ〜な白衣だけど。

■壮太は無口?!
壮太からプレゼント贈られた大吉は「壮ちゃん、口数の少ない子だからさぁ〜、本当にウチにいて、この仕事続ける気があるのかどうか、結構気にしてたんだよ」と言う。このセリフの瞬間、全国のテレビの前にいた視聴者は「んな、アホなっ!」とツッこんだことだろう。壮太はいつもバカのひとつ覚えみたいに、「仕事を続けていく覚悟ができた」とか「俺、もう迷わない!」などと、“一人前の板前になるの、ならなきゃならないの宣言”を繰り返してきているではないか。大吉は、何度も何度も板前になるという壮太の覚悟を聞いているはずなのに。やっぱり、ボケて記憶力がなくなったのか。しかも、壮太は口数が少ないだって?!最近では、ギタリストになりたいという望と文子の争いにシャシャリでて、文子から「他人は黙ってて!」と言われていたではないか、壮太は。壮太が無口なら、勉ちゃんはお地蔵さんか。っていうか、長セリフの橋田ドラマの登場人物で無口なキャラなんて設定、有り得ないのである。(と書きながら、渡鬼の歴史の中で、たった一人だけ無口な登場人物がいたことを思い出しました。それは、五月の亡き舅・幸吉。彼はホントに無口でした。)

■望はストーカー?!
女子高に通う娘が望からストーカー行為を受けていると、その母親・利子にねじ込まれた文子。文子のことだから、「ウチの望がストーカーって法はないでしょう!」とヒステリックに叫んで追い返すのかと思いきや、戸惑いながらも望に確かめると言う。きっと、文子は望の性格を考えて、有り得ない話ではないと思ったのだろう。文子が再三止めろといっても、望はギターの練習を止めなかった。望は好きなことに対して、一途な少年である。それは、女性に対してもそうなのであろう。相手がいくら嫌がっても、「ボクは君が好きなんだよ!諦めたら、一生後悔する!だから諦めない、諦められない!」と言って、ずっと追いかけ回すのではないか。“ギタリスト”“家事好き”という望を語るキーワードに、新たに“ストーカー”が加わった。しかし...こんな高校1年生、いるかよ...。

■勇気、危機一髪?!
「おかくら」へやって来た望は、外にガールフレンド(?)を待たせていた。その後やって来たあかりも、移動販売車の中に勇気を待たせていた。望はともかく、あかりは車に勇気一人置いて、「おかくら」で長話しするとはどういうことか。幼い子供はちょっと目を離した隙に何が起こるか、分からないのである。子供を狙った犯罪だって、多発しているのに。大吉たちも大吉たちだ。車の中に勇気がいることを知らされても、保育所がどうのこうのと何も今しなくてもいい話を続けていたのだから。しかも、あかりの知り合いには、勇気を狙う恐るべき人物がいるではないか。真性ストーカー・和夫である。あかりが「おかくら」で話し込んでいる間、外の茂みの影から、そっと姿を現わした蒼白い顔の和夫。そして、車の窓の外から、勇気の寝顔を見た和夫は、「勇気は俺の子だ。俺が貰って何が悪い!」と、そっと車のドアに手をかけて...。

■常子はお婆ちゃんで、大吉は?!
敬老の日、ヒナは大阪の常子にプレゼントを郵送した。ヒナは大吉にもプレゼントをと言うが、大吉を年寄りと認めたくない長子が拒否してしまう。ヒナにとっては、大吉も常子も同じお爺ちゃん、お婆ちゃんである。それが、常子にはプレゼントを上げてよくて、大吉はダメというのは、ヒナが混乱するだろう。さらに、長子の「ウチのお爺ちゃんは、まだ若いから上げなくていいの」という発言も、ヒナに“若い”という言葉を誤解させる可能性がある。かたや大阪弁を捲くし立て、別名・暴走機関車の名を欲しいままにしているデカ顔女、かたや手の震えでまな板拭きしかできず、最近では喋りもタドタドしくなっているゴマ塩頭男。どっちが若いか、一目瞭然ではないか。ヒナが“若い”という言葉を誤解したら、それは長子の責任である。

■ちなみに9月26日は2時間スペシャル!
ドラマのラスト、いきなり倒れたキミ。五月、勇は「かあ〜ちゃんっ!」と叫び、聖子は慌てふためき、周ちゃんは救急車を呼ぶ。BGMも流れず、緊迫したシーンで終わった後、石坂の「次回のお話は?」の予告編。いったい、キミはどうなるのか?死んでしまうのか?ドキドキして見ていると、いきなり勇と城代パパが酒飲んで大笑いしているシーンが...。親が死んだら、酒飲んで大笑いはしないわなぁ〜。もう少し予告編、上手くこしらえたら?

■これって、NGじゃないの???
ドラマが開始して、39分2秒後の「おかくら」のシーン。あかりに、勇気は保育所に預けた方がいいと話している大吉の後ろで、勉役の山田雅人が口をブツブツ動かしていた。かつらむきをする手を止めて、まるで独りごとを言っているみたいに。その後の「しっかりしてはりますねぇ、あかりさん。同じもの売るんでも、アイデアひとつで違うてくる時代なんですねぇ」というセリフの練習なのか。...そんな短いセリフの練習、撮影中にやるなよ。

【今週の視聴率】
関東21.2% 関西22.0%(ビデオ・リサーチ社調べ)

第26回・秋の2時間スペシャル(2002年9月26日放送)
今週は半年に一度の2時間スペシャル。いつもなら、無理矢理5人姉妹の家族を登場させるのに、今回は弥生の一家は登場せず。幸楽のシーンに時間を取られたのか?!

小島家の秋
突然倒れたキミは、救急車で病院に運ばれる。幸い大事には至らなかったが、これを機会にしばらく検査入院することに。再びキミのいなくなった「幸楽」だったが、愛や眞はキミのために、「幸楽」のために、自分たちの就職や大学受験を犠牲にしても、店を手伝うことにする。キミの病院に駆けつけた邦子は、キミが無事と知るや心配するどころか、自分は小島の家を出た人間だから、キミの看病はしないといい、さらに遺産相続の話までして長太を呆れさせる。「幸楽弁当」が、新商売である病人食配達の準備のため、一時休業に入る。そして「幸楽」に、ニューヨークから一時帰国した城代正則の父・忠信がやって来る。忠信は、正則が止めるのも聞かず、五月や勇に愛を正則の嫁にほしいと頼む。喜んで了解する勇。久しぶりに酒を酌み交わして悪酔いした勇と忠信は、愛や正則の気持ちも確かめず、勝手に2人の結婚を決め、さらには忠信が定年した後、勇と2人で「幸楽」より規模の大きい中華料理店を開こうと盛り上がるのだった。

■聖子の本音。
突然倒れて、救急車で運ばれていったキミ。聖子は「アタシも大きい女将さんに付いていきたいっ!このまま会えなくなったら、どうすんのよっ!」と絶叫する。聖子は、やっぱりキミのことを大事に思っているんだなぁ...などと思ったら、大きな間違い。聖子の本音は「このまま死んじゃったら、どうすんのよっ!まだ、大きい女将さんには『幸楽は聖子に譲る』っていう遺言書、書いてもらってないのよっ!今まで何のために、したくもないマッサージしてきたと思ってんのよっ!息がある内に遺言残してもらうの、もらわなきゃならないのっ!」ってなところだろう。救急車が去った後、一足遅れで店に戻った聖子が持っていた紙袋。あの中には、遺言を書くための紙と筆が入っていたに違いない。

■病気の功名。
キミの病気にすっかり意気消沈の愛、眞、加津の3人。眞は「家族が一人でも病気すると、一人だけじゃない。いくつもボコボコ穴が開いちゃって、家族が壊れちまうんだ。」と言う。なるほど、眞の言うことも理解できる。が、それは一般的な家庭の場合のこと。「幸楽」は普通の家庭と違うのだ。「幸楽」って、たとえ家族全員が元気でも、トラブルが頻繁に起こり、いつでも家庭崩壊寸前ではないか。むしろ、キミが病気になったことが、「幸楽」にとって良い結果を生んでいるのでは?!だって、眞ったら、ついこの間までキミのことを“クソババァ”呼ばわりしていたのに、キミが病気になった途端、「俺、大学受験諦めたって、店手伝う。お婆ちゃんのためなら、何だってする。」なんて言い出してるんだもん。「幸楽」にとって、家族の病気は家族を再生させるという良い結果をもたらすのだ。

■鬼娘、邦子。
キミの病室に駆けつけた邦子、長太、ミカ。しかし、邦子はキミの意識がしっかりしていると分かるや、ミカのピアノのレッスンを休ませてまで来ることはなかったなどとホザく。呆れる長太に邦子は「いくらホントの母親だからって言ったってよ、アタシはもうとっくに結婚して小島の家は出た人間なのよっ!小島とは他人。アタシには関係ないわよっ!」と言い放つ。さすが、邦子。ついこの間、キミに2千万円の貯金があると分かるや、店を出したいから久子には渡さず、自分に半分貸せなどと、“小島とは他人”である人間とは思えない発言をしていたことなど、すっかり忘れての鬼発言である。“結婚して小島の家は出た人間”とか“小島とは他人”などと、親子の情より役所の戸籍を重視する邦子の発言。ならば、戸籍上の娘である加津も、小島の家には任せず、しっかり自分で面倒みろっつうの!たとえ、加津と“親子の情”がなくてもね!

■鬼孫娘、ミカ。
さらにミカ。ヨーロッパ旅行前に「幸楽」へ寄ったとき、なぜ暗い顔をしていたのかの理由も分からないまま、再登場。しかも、以前に比べて、だいぶスリムな体型になっての再登場である。ヨーロッパ旅行とは、ツアー会社が企画した「ヨーロッパでダイエットツアー」だったのか。それはともかく、キミの無事にミカは「お婆ちゃん、元気じゃない。慌てて来ることなかったよね。」などと、ピアノのレッスンを休んで来たことを後悔している口ぶり。以前のミカなら、キミの無事にホッと胸を撫で下ろしていたことだろう。やはり、女性はダイエットに成功して外見に自信をもつと、横柄な態度になってしまうのだろうか。でもミカちゃん、気をつけようね。ダイエットには、必ずリバウンドというものがあるんだから...。

■「幸楽」の遺産相続。
キミの病室で邦子は、キミが死んだ後の「幸楽」の遺産相続の話を持ち出す。まだ病床にいるキミに、遺産相続の件はしっかりしろと言う。邦子が心配しているのは、久子のことである。「久子姉ちゃんだって、自分の相続分は頑張っちゃうんじゃないの。せめて、久子姉ちゃんには遺産がいかないように手を打っとかないと!」と言う邦子。しかし、この発言はビミョーである。なぜなら、邦子自身が「幸楽」の遺産について、どうするつもりかが全然触れられていないからだ。邦子が遺産相続を放棄すれば、「幸楽」は今まで通り営業を続けられる。しかし、遺産相続を主張すれば、また幸吉のときのように「幸楽」を止めるの止めないのという騒ぎが起こること必至である。いったい、邦子はどうするつもりなのか?「幸楽」はどうなるのか?っていうか、そんな心配は無用である。なぜって、渡鬼の中心人物であるキミが死ぬワケないもん。キミが、というより赤木春恵が生きている限り、そして赤木がスガコ先生に粗相をして渡鬼をリストラされない限り、「幸楽」が遺産相続のトラブルに見舞われることは有り得ないのである。

■神田正輝、再登場!
ニューヨークから一時帰国した城代パパ・忠信は、正則とともに「幸楽」を訪れる。そして、正則が止めるのも聞かず、五月と勇に愛と正則を結婚させてほしいと頼むのだった。息子のために、父親がシャシャリ出て相手の親に結婚を頼むなんて、過保護にも程があると思ってはいけない。親子と思うからいけないのだ。これが「石原事務所」という芸能プロの先輩と後輩という立場でみたら、納得できるだろう。セリフは棒読み、動きもギコチない不肖の後輩。もし渡鬼のレギュラーを切られたら、他に行くところなどないのである。渡鬼のレギュラーを守る方法は、たったひとつ。それは、正則が愛と結婚して、小島家と姻戚関係を結ぶこと。できれば、英作が結婚しても「おかくら」に同居しているように、正則も「幸楽」に同居できれば、毎週出演は絶対である。前シリーズに出演したとき、公式HPで「もう、俺はいいよ」と渡鬼への再出演はないようなことを言っていた神田。しかし、21世紀の裕次郎の演技を見て、不安になったのだろう。後輩を助けるために、再登場したのだ。ドラマ中、忠信は正則のことを「コイツはダメな奴です!」と言っていたが、あれこそ神田の本音なのだろう。

■そして、怒る城代!
正則は、そんな父親の行為に怒るのだった。ドラマの中で、初めて怒りを爆発させた正則。...が、やっぱりちょっとギコチない。だって先輩が必死になって、自分のレギュラーの座を守ってくれようとしているんだもの。怒りの演技も弱くなっちゃうよね。決して棒読みのせいじゃないよね、21世紀の裕次郎クン!

高橋家の秋
娘が望からストーカー行為を受けていると、その母親からねじ込まれた文子。帰宅した望を問い詰める文子だったが、望は何もやましいことはないという。望の相手である金田は、望よりひとつ年上で有名進学女子高の2年生。ピアノの先生が一緒で、望と同じく音大を目指していることから、付き合いが始まったという。文子は今は勉強が第一と、望が金田と付き合うことに反対するが、望は聞く耳をもたない。そして、文子はこれからも付き合いを続けるという望の頬を引っぱたいてしまうのだった。

■マギー?!
文子と望のどうでもいい諍いより、文子がハワイの亨に電話したとき、「マギー?!」と電話に出た相手の名前を叫んだことの方が気になった。スガコ先生は、どうやって“マギー”って名前を思いついたのだろうか?誰かの名前を参考にしたのか?マギー・スミスから?それとも、マギー司郎?

葉子の秋
宗方に呼び出されて「おかくら」へやって来た葉子。宗方は、大吉と葉子に下田のマンションが完売したことを告げる。そして、改めて葉子にプロポーズするため、大吉の許しをもらう。後は、葉子の気持ちひとつであった。決して宗方のことが嫌いではない葉子だったが、結婚すると宗方の良い妻になろうと努力して、仕事ができなくなるのではと不安になっていた。長子に相談した葉子は、その夜、下田に戻りディナーの席で、政子と宗方に自分の素直な気持ちを伝え、宗方のプロポーズを断った。葉子の気持ちを理解した宗方は、これからもいい友達としてお付き合いしていくことを了解するのだった。

■宗方はいったい...。
下田のマンションが完売して、改めて葉子にプロポーズした宗方は「葉子さんは自分の理想の女性向けのマンションを建てたいばっかりに、私との婚約を受けて下さったことくらい承知してます。完成したら、婚約破棄ってことになるんじゃないかってことも、覚悟しております。」と言う。えっ?!宗方って、最初から葉子の企みを知ってたの?それじゃあ、我々視聴者が願っていた、もとい!心配していた葉子の結婚詐欺なんて犯罪、成り立たなくなるではないか。さらに、宗方は葉子との婚約パーティーが、世間へのデモンストレーションであったことも認める始末。どこの世界に、世間から信用を得るために、相手の女性が結婚する意志がないのを分かってて、婚約するなんて男がいるだろうか?っていうか、葉子の企みを知った宗方がどういう態度に出るかが、葉子関係のエピソードのクライマックスになるはずだったのに、あっさり「僕は葉子さんの企み、知ってました」みたいな展開になるなんて。肩透かしもいいとこである。

■ボケかと思いきや...。
改めての宗方からのプロポーズに、葉子は返事をするのに時間がほしいと言う。それに対して、宗方は「何時間くらい?」と問う。普通に考えたら、プロポーズの返事に時間がほしいと言ったら、何時間?ではなく、何日?だろう。葉子も「何日か(ほしい)と答えた。宗方はボケをカマしたのかと思いきやそうではなかった。だって、葉子はその夜、下田のレストランで政子と宗方を前に、プロポーズの返事をしているんだもの。確かに“何時間”後かの返事であった。

■出た!決まりセリフ!
宗方のプロポーズを断った葉子。それをあっさりと受け入れた宗方。何の修羅場もなく、和気あいあいと繰り広げられる婚約破棄話に、何だかナァ〜と思っていたら、さらに脱力するような葉子のセリフが。「勝手言わせて頂けるのなら、今まで通り、いいお友達としてお付き合いさせて頂きたいです。」...はぁ〜、出たよ。先々週の神林のセリフに続いて、「いいお付き合いしていきたい」発言が。このセリフが大義名分となって、政子が用済みの役であるにもかかわらず、登場し続けているのは周知の事実。宗方も登場し続けるんだろうなぁ。ところで、葉子はこれで何回婚約破棄したことになるのか?太郎と2回、久光と1回婚約破棄したから、これで4回目か。(ちなみに竹原洋次との離婚歴もあり...。)しかも、電話で葉子が宗方のプロポーズを断ったことを聞いた大吉は、喜んだりして。父親だったら、娘が4回も婚約破棄したら、喜ぶ前に心配しろ!

■下田のマンション完売!
このご時世に景気のいい話である。よっぽど、モデル・ルームが良かったのか。しかし、スガコ先生も“マンション建築”なんて、いい題材を選んだものである。宗方との婚約を解消した葉子の次なるトラブル、それは「下田のマンションが欠陥マンションだった!」というものであろう。まさに、タイムリーな題材である。マンション住民から責められ、罵られる葉子。しかし、それにも屈せず、葉子はこう言うのだろう。「確かに、マンションには欠陥がありました。だけど、皆さんとは今まで通り、いいお付き合いをさせて頂きたいです...。」

本間家の秋
本間病院に伸彦の姉・春日静子(大寶智子)がやって来る。静子の本間病院入りを快く思わない常子は、由紀や伸彦から夕食を誘われても断る始末。内心、大阪へ帰ってきたことを後悔していた常子だったが、長子からの電話にも今さら東京へ戻りたいとも言えず、大阪で機嫌良くやっていると強がってしまう。夜、独りで酒を飲んで悔し涙を流す常子。一方、長子や英作は、そんな常子の様子など知るはずもなく、常子がいなくなったことで夫婦の絆が強まったと、ビールで乾杯するのだった。

■伸彦の姉・静子登場!
今週、ついに伸彦の姉・静子が登場した。いかにも、知的な女性といった感じの静子だが、今のところ“鬼”なのか、“仏”なのか、それとも“タダの人”なのか、判断できず。それより伸彦が、常子にとって初対面の人のように、静子を紹介しているのが気になった。確か、由紀と伸彦は見合い結婚だったはず。相手の家柄を重んじる常子のこと、当然、伸彦の家族関係だって把握しているはずではないか。静子のことだって、由紀と伸彦の結婚式で会っていただろうに。あっ!今、「何言ってるのよ!伸彦は常子に静子を紹介したんじゃないわよ!視聴者に紹介したのよ!」っていうスガコ先生の声が聞こえたような気がしました...。

■デカ過ぎるぞ!常子の独りごと!
大阪の本間病院では、誰も常子の相手をしてくれない。だからなのか、今週の常子はやたらと独りごとが多かった。電話一本よこさない長子への不満、由紀たちに対する愚痴、さらに、英作と由紀に裏切られたという泣きごと。これら常子の心情が全て、常子の独りごととして語られていくのだ。しかも、普通独りごとといったら、“ブツブツ言う”という表現が適切なのに、常子の場合、“キンキン叫ぶ”といった感じなのだ。あたかも誰かに話しているかのように...。あっ!今、「何言ってるのよ!常子は独りごとを話しているんじゃないわよ!視聴者に話しかけてんのよ!」っていうスガコ先生の声が聞こえたような気がしました...。しかし、自分の母親が、部屋であんなデカイ声で独りごとを話していたら、誰でも不安に思うだろう。由紀が、早く常子を本間病院から引退させたいという気持ちも、よ〜く分かる。

■最後に、英作のセリフから。
「お袋は自分で車を運転してましたけど、私はまだ車買う甲斐性がないので、せめて父親として、それぐらいのことしてやらないと。」
毎朝、ヒナと一緒に電車で通勤する英作のセリフ。しかし、常子は事故を起こしてから、車の運転は神林に任せていたのではないか?それと“車を買う甲斐性”って、いったい何?今の時代、車を持ってない人を探す方が難しいのではないか。しかも、英作は医者である。車を買うくらいの貯金はあるだろう。...ドラマの本筋とは、あまり関係ないネタでしたね(^^;)

【今週の視聴率】
関東25.8% 関西26.0%(ビデオ・リサーチ社調べ)

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