パート6の岡倉家Final

今クールのポイントは、すべてがま〜るく治まる強引な展開!

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2002年4月〜6月放送分へ   2002年7月〜9月放送分へ   2002年10月〜12月放送分へ   2003年1月〜3月放送分

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第40回(2003年1月9日放送)
「おかくら」店始めの正月3日。常子が新年の挨拶に現れる。が、常子は、新年の挨拶にも来ず、寝正月の長子や英作に文句をいう。クリスマス・イヴの「大吉が倒れた」という文子のウソの電話は、「幸楽」で大問題になっていた。酒を飲んで朝帰りした五月に、キミは大激怒。勇は五月を許しているものの、キミの手前、五月に優しい顔は見せられないでいた。年賀の挨拶に来た眞から、そのことを聞いた大吉は、「幸楽」へ詫びに行く。キミに土下座する大吉を、泣きながら止める五月。大吉に余計な話をしたと眞の頬を叩く五月だったが、眞は今だに五月と口をきこうとしないキミや勇に不満を爆発させる。勇は、家の中を丸く治めるため、味方はできないと五月に詫びる。涙ながらに、勇の心情を理解する五月。一方、就職試験に神経を尖らせている愛は、城代が来ても相手にしようとはせず、小説出版でチヤホヤされてると加津にまで当たる始末。年賀の挨拶に「おかくら」へやって来た弥生は、家出した良を恨んでいない、夢を叶えてほしいという。そして、再び「おかくら」に現れた常子は、いきなり長子たちの部屋に入ってきて、またも文句をいう。ついに長子はブチ切れ、二度と「おかくら」に来るなと、常子に暴言を吐いてしまうのだった。

■常子の正論。
正月3日になっても、挨拶に来ない長子や英作に文句をいう常子。常子が帰った後、「もう、たくさんだっ!もう、ウンザリっ!」とキレる長子。しかし、常子の言うことはもっともである。常子が大阪にいるならともかく、目と鼻の先に住んでいるのである。新年の挨拶に行くのが普通だろ。どうせ、挨拶に行くときに用意するおせち料理だって、大吉にこしらえてもらうんだから。ちょっとした気遣いが、常子と上手く付き合っていく方法であることが、まだ分からないのかなぁ、長子は。ホント、学習能力ゼロである。

■大吉の土下座。
「幸楽」へ詫びに訪れた大吉は、キミに土下座する。もちろん「どうか、この白髪頭に免じまして!」という決めセリフは忘れない。それにしても、なんで勇は止めないの?自分の舅が、目の前で土下座しているのに、黙って見ているっていう法はないだろう!いくらキミの手前だからって、情けなさ過ぎる。大吉にとって、“土下座”という運動は、足腰に堪えるんだよっ!手の震えに続いて、足腰まで震えだしたら、どうするの?土下座の後、周平に後ろから抱えられて立ち上がった大吉は、まるで糸の切れたあやつり人形みたいだった。しかし、そんな大吉の命懸けの土下座も空しく、キミのご機嫌が直ることはなかった。そもそも今回の一件、土下座するようなことなのか?天国の節子が見ていたら、「お父さんっ!情けないったら、ありゃしないっ!早く五月を離婚させて、岡倉で引き取ればいいんですよっ!」って怒鳴っていることだろう。

■空気を読めっ!城代!
そんなクラ〜イ雰囲気に包まれた「幸楽」の店内。そこへ現れたのが、城代だった。五月は涙を流し、キミは眉間にシワを寄せ、眞は膨れっ面をし、大吉は土下座という運動の後で、しばし体の自由が効かない状態の中、城代はいつも以上の棒読みで「岡倉さん、お見えになってたんですか!鍋の材料、用意してきたんです。ご一緒にいかがですか?」とノーテンキ発言。空気を読め!城代!普通、「何かあったんですか?」って、気付くだろうが!しかも、その後、ノンキに小島家のキッチンで、鍋食っているし。つくづく変なキャラに落ちついてしまった城代を、まるで宇宙人でも見ているような大吉の表情が印象的でした...。

■愛の暴言(何度目?)。
小島家のキッチンで、のんびりと鍋を囲んでいる眞、加津、城代の3人。そんな和やかな雰囲気をブチ壊したのは、愛だった。3人のお喋りが気に入らないのか、部屋から出てきた愛は、いきなり「いつまで、くだらない話してるのっ!加津ちゃんも加津ちゃんよっ!本出したくらいで、大きな顔するんじゃないのっ!」と大暴言。「本出したくらいで」っていうけれど、本出すってスゴイことではないか?だから、テレビ局だって、取材に来たんだし。もし、本気で愛が「小学生が本を出版すること」がスゴイと感じないならば、その時点でアナウンサーなんかムリである。テレビ局の感覚とズレてるんだから。しかし、前から気になっていたが、愛は加津を見下しているのではないか?2年前、加津がドラマのオーディションに合格したときも「どう見たってテレビドラマに出る顔じゃないもんね♪」と暴言を吐いた。加津を見下して優越感に浸っているから、普段は優しくできるけど、自分に余裕のないときは冷たい態度を取る。愛って、そんな女だったんだね(寂)。

■物分かり良過ぎるぞ!弥生!
年賀の挨拶に訪れた弥生、あかり、勇気の3人。弥生は、家出した良のことを「アタシ、何も恨んでない。今は、良が夢を果たしてくれたらって思ってる。」という。ホントかぁ?良は、女こしらえて、自分が社長を勤める「ごはんや」を放り出して、家出したんだよ。そんなに簡単に許せるものか?っていうか、これって、やっぱり良演じる前田吟のリストラなのか?だって、弥生がこうもアッサリと引き下がっては、良の家出に関するドラマは一件落着して、展開のしようがないではないか?さらば!前田吟!いっそ、白メシに埋もれて死んだことにした方が、視聴者にインパクトを与える引き際になって、良かったのではないか?!

■長子&常子、大激突!
ついに、長子と常子が大激突した。長子は常子に向かって「出てってくださいっ!もう二度と、ここには来ないでくださいっ!お帰りくださいっ!」とこれ以上ないくらいの早口で絶縁宣言。対する常子は、テーブルをバン!と叩くと「そうでっかっ!分かりましたわっ!」と言って、出ていった。長子がキレた原因は何だったのか?それは、長子たちの部屋の温度が高過ぎることと、ヒナの厚着を、常子が指摘したからだった。エアコンの温度設定と子供の衣類の管理...たかが、それだけのことで2人は絶縁関係に。ホント、本間家にはどこに地雷が埋まっているか、分からないのである。

■新年早々、聖子ちゃんの大暴言集!
「へぇ〜、今朝はお店出てくるのが遅いから、とうとう家出てく気にもなったのかと思ったら、まだ居座るつもりなんですよ。自分が何をしたのか、分かってないんですよね〜。あんなウソをついてまでも、『おかくら』に行きたいんだったら、ずっと『おかくら』に帰ってもらったら、どうなんですか?」

「五月さんが決めることじゃありませんよねぇ。女将さんをナメてるんですよ。」

「マスターも人がいいって言うか。女将さんがお怒りになるのも、ムリありませんよねぇ。『おかくら』からはお年賀にも来ないのに、いくら五月さんに言われたからって、どうしてウチが行かなきゃならないんですか?だから、マスターも五月さんにナメられるんですよ。」

「五月さん!あんまり人聞きの悪いこと、言うもんじゃないわよっ!それじゃ、まるでマスターと女将さんが、アンタのこと、イビってるみたいじゃないのよっ!」

「母親の教育が悪いから、父親をバカにするようになるのよっ!母親のせいでしょっ!」

もう、いちいち注釈は付けません。これが雇い主に対する従業員の言葉でしょうか?やっぱり「幸楽」って、オカシイ...。

【今週の視聴率】
関東24.7% 関西22.8%(ビデオ・リサーチ社調べ)

第41回(2003年1月16日放送)
長子が常子に暴言を吐いた件で、長子と英作はケンカ。大吉が間に入ったものの、長子は嫁を辞めると宣言する。長子の心情を察した英作だったが、ヒナは両親のケンカに胸を痛める。加津の小説は評判を呼び、学校までテレビ局の取材が来たり、「幸楽」へも小説を読んだ人々が続々と来店。思わぬ“加津効果”に、小説出版に反対だったキミも上機嫌に。しかし、加津は小説出版を妬んだ同級生からイジメに遭う。イヤな思いをしてまで学校へ通うことに疑問を感じた加津は、五月たちに不登校宣言をする。一方、あかりは、同じ境遇の4人の子連れ主婦を雇って、むすびの移動販売を拡大させようとしていた。良の家出に心を痛めていたハナは、良の居場所を知りながら連れ戻そうとしない弥生に代わり、一人仙台へ。しかし、良を連れ戻すことができなかったハナは、弥生に詫びの置き手紙を残し、家出してしまうのだった。

■加津の思い、通じず...。
「おかくら」へ訪れたあかり・勇気親子。あかりは、加津の小説を読んだという。勇気を抱きながら、「この子だけは加津ちゃんみたいに、母親にまで見捨てられるような子にだけはしない。」というあかり。もしかして、あかりは加津を哀れんでるのか?それならば、小説に込めた加津の思いが、あかりには通じていないことになる。加津が小説の出版を決心したのは、両親に捨てられても、自分は逞しく生きている、全然可哀想な少女ではないことを知ってもらいたかったからのはず。加津が、あかりから小説の感想を聞いたら、さぞガッカリするのではないだろうか...。

■またしても、イジメ。
ま、またしても加津がイジメに遭った。2年前、加津がテレビドラマのオーディションに合格したときも、イジメに遭い骨折してドラマ出演が不可能になった。今回は、小説出版を妬んだ同級生からのイジメ。骨折はしなかったものの、帰宅した加津は足を引きずっていた。2年前のイジメでは、加津を骨折させた同級生は、お咎めナシ。(っていうか、加津が自分をイジメた奴の名前を言わなかったんだけど。)今回も、加津をイジメた同級生は、加津が口をつぐむことによって、罰せられることはないだろう。せめて、ドラマの中だけでも、「イジメは悪い!」ってことを知らしめるために、加津をイジメた同級生を罰してほしいけど。

■公園はイジメの温床?
ところで、加津が同級生からイジメられた場所、それは公園だった。2年前のイジメのときも公園。ついでに言えば、壮太が同級生からイジメられたのも公園。公園はイジメの温床なのか?公園って、思いっきりオープンな場所だよ。そんなところで大胆にイジメなんかしたら、普通周りの大人とか止めそうなものなのに。加津も公園に入る前に、集団で固まっている同級生に気づけよ。いかにも「これからイジメます」みたいな意地の悪そうな顔してんだから、同級生たちは。蛇足だが、加津がイジメられた公園はロケ撮影、壮太がイジメられた公園はセット撮影だった。やはり、ジャニーズでロケ撮影すると、ギャラリーが増えて撮影に支障をきたすということなのか...。

■加津の小説、大人気!
加津の小説は評判を呼び、「幸楽」は加津の小説の舞台ということで、新規の客がやって来たり、以前の常連が再び来店したりしていた。しかし、開店の1時間も前から、6人もの女子高生たちが「幸楽」の前で待っているというのは、いかがなものか。カメラ付きケータイを持った、いかにもミーハーな女子高生たちが「母恋い」なんて古臭いタイトルの“読書感想文推薦図書”みたいな本に興味なんか持つのだろうか?しかも、全員1人1冊ずつ本持ってるし。普通、友達が持っていたら、わざわざ同じ本なんか買わずに借りるだろう。ところで、なんで彼女たちは、小説の舞台が「幸楽」だって分かったのだろうか?確かにテレビ局の取材はあったが、キミが「幸楽」の店内で撮影することを反対したため、2階のリビングで撮影したはず。テレビを見ただけでは、小説の舞台が「幸楽」だなんて分からないだろう。まさか、これもインターネットから分かったなんて言うのではあるまいな、スガコ先生!

■気まぐれキミちゃん。
開店の1時間も前から、店前で待っている女子高生たちについて「いい迷惑だわねぇ、こんな時間に押しかけられちゃっ!」と不愉快な表情をしていたキミ。ところが、女子高生の1人から、小説の登場人物として握手を求められると態度一変。「加津ちゃんに足向けて寝られないわねぇ、ホッホッホッ...」と上機嫌に。まぁ、キミが気まぐれなのは、毎度のことですが...。

■えなりの思い。
学校へ通うことに疑問を感じた加津は、眞に「学校って、どうしても行かなきゃいけないの?」と問う。それに対して答える眞のセリフ。それは、眞を演じるえなりかずきの渡鬼に対する思いでもあるのだろう。ここでは眞のセリフから、えなりの思いを探ってみたいと思う。

「どんなイヤでも辛くても、そういうこと分かって行くのが、学校なんだ。いろんなことと戦いながら、学校へ行くのが、学校のいいとこなんだ。そういうことで人間、成長する。」
えなり「どんな長セリフがイヤでも辛くても、仕事だと割り切って行くのが、渡鬼の撮影なんだ。『こしらえる』なんて普段使わないようなセリフと戦いながら、撮影するのが、渡鬼のいいとこなんだ。そういうことで役者は成長する。」

「先生に叱られたり、友達にイジメられたりケンカしたり、仲良くしたり。1人でいたら経験できないことを、学校ではイヤでも経験できる。」
→えなり「スガコ先生に叱られたり、ピン子にイジメられたりシャネル売り付けられたり、ハセジュンと仲良くしてジャニーズ入りを狙ったり。普通の高校生では経験できないことを、渡鬼ではイヤというほど経験できる。」

■ハナの置き手紙。
「弥生さんみたいに割り切られへん、アテはっ!」と良を連れ戻すため、不自由な体を押して1人仙台へ向かったハナ。しかし、ハナは良を連れ戻すことはできなかった。弥生に申し訳ないと思うハナは、置き手紙を残し家出してしまう。「良にあいました。」から始まるキレイな文字で書かれた手紙。でも、ちょっと待って。ハナは右半身が麻痺しているはず。パート1のラストでは、半身が麻痺しているため、文字が書けなかったハナは、指一本でワープロのキーを押して、時間をかけて文章をこしらえていた。それが、こんなキレイな文字が書けるなんて、ハナの体は回復したのか?っていうか、1人で仙台に行っちゃうし、バリバリに回復してるじゃん!ハナの「アテなんか、こんな体では何の役にも立てへん。」というおなじみのセリフも、今後は空々しく聞こえるだろう。

■加津の不登校宣言。
「私が学校へ行かなくたって、誰が迷惑する訳でもないし、文句言われる訳でもないし。私の自由でしょ!」と不登校宣言をした加津。「誰が迷惑する訳でもないし」って、五月が迷惑するだろうがっ!加津が登校拒否したら、学校の担任がやって来て、親代わりの五月が注意されるんだから。いや、五月だけではない。加津の不登校は、小学生小説家の不登校ってことで、テレビや週刊誌の格好のネタになるだろう。持ち上げるだけ持ち上げた後、叩きのめすのがマスコミの常套手段なんだから。「加津ちゃんは家事を押し付けられて、学校を連日欠席」とかいって、「幸楽」が叩かれること必至である。学校へ行かないのは勝手だが、五月や「幸楽」に迷惑がかかることを知るべきである、加津は。

■今週の気になったセリフ。
「あの、あれは小説ですから。アタシ、そんないい人じゃありません。」
加津の小説を読んで、「幸楽」へやって来た女子高生から「いい人なんだよ、このオバさん!」と言われた五月。照れながら、言ったセリフがこれ。これを五月ではなく、ピン子のセリフとして理解しよう。つまり「渡鬼はドラマですから。アタシ、五月みたいにいい人じゃありません。」と。

【今週の視聴率】
関東23.9% 関西23.8%(ビデオ・リサーチ社調べ)

第42回(2003年1月23日放送)
加津の不登校から、一週間が経った。中国出張から帰国した長太が、加津を説得するため、「幸楽」を訪れる。しかし、加津の心情を理解した長太は、学校へ休学届を提出。さらに、長太は加津を引き取るという。加津が出て行くことに猛反対の眞は、五月やキミに抗議するが、加津は不登校の自分が「幸楽」にいる訳にはいかないと考え、長太と一緒に暮らすことを承知する。加津を引き取ることを知った邦子が、「幸楽」へ怒鳴り込んでくる。しかし、長太は邦子との離婚覚悟で、加津を引き取るつもりでいた。愛の就職試験が終わった。全てのアナウンサー試験に失敗した愛だったが、悔いのない就職活動だったと、久しぶりに笑顔を取り戻す。弥生は家出したハナを探すため、ハナが以前入居していた大阪の老人ホームを訪ねていた。数日後、ハナが老人ホームに現れる。再びホームで暮らそうと戻ってきたハナに、弥生は心の支えになってほしい、帰ってきてほしいと頼む。「おかくら」では、大吉が長子に黙って、毎日常子に料理を届けていた。それを知った長子は、常子に歯向かった自分を反省。常子もまた、大吉の思いやりに心が和んでいた。そして、長太のマンションにやって来た加津。が、邦子とミカはマンションを出て行く準備をしていた。アンタのせいで、幸せをメチャクチャにされた!と邦子に怒つかれた加津は、その場に泣き崩れるのだった。

■加津の休学届。
不登校の加津を説得するために、「幸楽」へやって来た長太。ところが、加津の小説出版→学校で“特別な子”になったため、イジメの対象に→よって、学校を辞めたい、という加津の勝手な三段論法で、長太は学校へ休学届を出すことになってしまった。ちょっと甘過ぎやしないか、長太は?確かにイジメはヒドイが、逃げているだけでは何も解決しないはず。っていうか、加津は後2ヶ月で小学校卒業である。中学校はどうするつもりなのか?中学校までは義務教育である。まさか、3年間休学扱いする訳にはいかないだろう。まっ、もっとも渡鬼は3月で終了。4月から加津が中学校へ進んだか否かの答は、次シリーズへ持ち越しになるのだろう...。

■愛の次なる夢。
その小学生並みの英語力と、東京キー局しか受験しないという無謀な就職活動で、案の定、愛は全てのアナウンサー試験に落ちた。(1局だけ4次面接まで残ったらしい。東京メトロポリタンテレビか?)しかし、力を出し切ったという充実感からか、愛の表情は明るい。そして、性懲りもなく愛は「アナウンサーがダメなら、テレビ局の一般職員の入社試験受けて、プロデューサーかディレクターになりたいの♪」と、これまた無謀な夢を語った。でも、ちょっと待って。もし、愛が本当にテレビ局のプロデューサーになったら、そして加津が小説家として成功したら...これって、まんま第2のフクコ&スガコではないか?その内、愛プロデューサーが加津の小説をテレビドラマ化したりして。でも、スガコ先生はそれでいいのか?だって、自分を投影した役は加津、フクコを投影した役は愛である。外見にこだわるスガコ先生が納得しているとは、とても思えないのだが。フクコへの配慮なのか?

■聖子VS周平。
加津に甘い長太を罵る聖子。使用人の分際で出過ぎた発言を繰り返す聖子を、夫の周平は「いい加減にしろ!」などと言いながら、強引に調理場の奥へ連れていく。この“暴言を吐く聖子を、周平が無理矢理調理場へ連れていく”というシーンが、最近よく見られる。今週は2回あった。いったい、何回やったら気が済むのか?「幸楽」のボブ・サップと呼ばれる聖子を調理場まで無理矢理引っ張っていくのは、貧弱な周平には堪える作業なのではないか?いっそのこと、聖子を出前にでもやったらどうか?そうすれば、店内も静かでいいのに。

■ハナの老人ホーム。
行方不明になったハナ。弥生は、以前ハナが住んでいた老人ホームを訪ねた。しかし、ハナが老人ホームを出てから、何年経っているというのか?まだ、部屋はそのままなのか?っていうか、世の中には老人ホームに入りたくても入れずに、部屋空きを待っている人たちだっているはず。いつか帰ってくるかも知れないからといって、部屋を空けたままキープしておくというのは、本当に老人ホームに入る必要がある人が可哀想ではないか?どうせ、弥生に説得されて、ハナは野田家に帰るのだろう。そうしたら、また何年間もハナの部屋は空室のままになる。は〜、ホントにムダだねぇ。

■ハナを知る人。
ところで、この老人ホームには、ハナの知り合いがいた。野原(大鹿次代)という女性である。しかし、ハナが老人ホームを出ていってから、何年も経つ。よく野原はハナのことを覚えていたねぇ。何年ぶりかに会うハナの顔を見て、いきなり「ハナさん!」とか言っちゃうし。まっ、渡鬼の本筋とは全然関係のないことなんですけど...。

■心優しいミカ。
加津との同居を嫌がった邦子は、ミカを連れて長太のマンションを出ることになった。ミカは、どうしてもピアノは持っていきたいという。「ここへ置いてったら、あの子が弾くんだよっ!そんなの死んだって、ヤダっ!だったら、売り飛ばしていった方がマシだよっ!」と邦子に懇願するミカ。ミカって、いつからこんなヒドイことを言う娘になったのか?などと思ってはいけない。ミカにはミカの考えがあるのだ。恐らくミカは、邦子と長太が離婚した後の生活のことを考えていたのだろう。ピアノがあれば、いよいよ生活費に困ったとき、売り飛ばせば金になる。加津にピアノを触ってほしくないのは、ヘタにピアノを扱われて傷でもつけられたら、売り飛ばすときの評価額が下がると思ったのだろう。ああ、なんて母親思いの心優しい娘なのか、ミカは。なにしろミカは、2年前に同じように邦子と同居して体を壊した加津を不憫に思い、眞と協力して加津を「幸楽」へ返してやったのだ。そんな娘が本心から上のような暴言を吐くはずがない。...こんな理解でよろしいでしょうか、スガコ先生?

■邦子の秘芸。
長太が加津を引き取ると聞いて、「幸楽」へ怒鳴り込んできた邦子。このシーンで、邦子の口の動きと声が合わない場面があった(ドラマ開始23分41秒後)。口パクなどと思ってはいけない。あれは、第2のいっこく堂を目指した邦子の秘芸なのだ。恐らく長太と離婚した後、生計を立てるため、“腹話術”という秘芸で食べていこうと考えているのだろう、邦子は...。

【今週の視聴率】
関東25.0% 関西23.3%(ビデオ・リサーチ社調べ)

第43回(2003年1月30日放送)
加津が、長太のマンションからいなくなった。加津は、「幸楽」にも、森山がいる「おかくら」にも姿を現わさなかった。自分が原因で加津が家出したと思った邦子は、泣きながら反省し、もし加津が戻ってきたら、今度は仲良く一緒に暮らすという。心配で夜も眠れない長太や眞だったが、加津は中村編集長を訪ねていた。中村に施設を紹介してほしいと頼む加津。しかし、中村は加津が本当にどうしたいのか、一晩ゆっくり考えることを提案する。翌朝、加津は長太や中村と一緒に「幸楽」へ戻ってくる。学校へ通うから「幸楽」へ置いてほしいという加津を、キミを含めて家族全員が温かく迎える。一方、ハナが弥生と一緒に帰ってくる。あかりや勇気は喜び、久々に笑顔が戻った野田家だった。そして、「おかくら」。不景気で仕事が思うようにいかなくなった葉子は、突然結婚すると言い出す。さらに、大吉へハワイに住む姉・珠子から、2月に帰国するという電話が入る。急な帰国の連絡に、言い知れぬ不安を感じる大吉だった。

■緊迫感ゼロ!加津の家出。
置き手紙を残し、加津が家出した。それなのに長太ときたら、眉間にシワを寄せたりしているが、実際は緊迫感ゼロである。なにしろ、加津を探しにきた「幸楽」の店内で、五月とのんびり「家中、邦子の段ボール箱でいっぱい」だとか、「加津の気持ちが読めなくて」など、今しなくてもいい会話を延々とする有様。さらに、五月が「おかくら」へ連絡しようとすると、騒ぎが大きくなるからと止める始末。「おかくら」には森山がいるのだ。加津が行きそうな場所としては、最有力候補である。そんなことも分からないなんて。それにしても、なんで娘が家出して、こんなにムダな会話ができるのか?「アタシはセリフのないシーンが嫌いなのっ!長太が街中を走り回って、加津を探すなんてシーンこしらえたら、『加津!加津!』くらいしか、セリフ書けないじゃないっ!」というスガコ先生の声が聞こえるようだ。

■ここにも緊迫感ゼロの男が...。
眞である。愛から加津の家出を聞いた眞。「加津は俺が守る!」など、ことあるごとに”加津のことを真剣に考えているのは、俺だけだ!”的発言をしてきた眞である。加津の家出を聞いたら、血相を変えて加津を探しに飛び出していくと思いきや...眞はおもむろに冷蔵庫に向かうと、ペットボトルの中国茶を取りだし、ご丁寧に愛の分までグラスを持ってきて、のんびり注ぎ始めたのだ。お、お前〜、ホントに加津のことを守る気、あるのかっ!さらに、「父親の責任を果たしてない!」と長太を罵る有様。だから、今さら長太を責めたって、問題は解決しないだろうがっ!つべこべ言わずに、探せってぇ〜のっ!挙句の果てに、思い詰めた表情で「帰って来いよな、加津!」と祈る眞。祈る前に、行動しなさい。

■施設を探す加津。
家出した加津が向かった先は、中村編集長が勤める出版社だった。加津は、中村から施設を紹介してもらうつもりだった。しかし、なぜ加津はわざわざ中村に施設の紹介を頼んだのか?実の父親がいる少女に、施設なんて紹介してくれるはずないではないか。それに何かを調べるのに、人を頼るなんて加津らしくない。なぜって?だって加津だったら、まずインターネットで施設を探すだろう。なんでもかんでもインターネットの少女なんだから、加津は。

■あかりの性根。
案の定、ハナが野田家に帰ってきた。そして、老人ホームのハナの部屋も、これからまた何年もの間、空室のまま放置されることになる。それはともかく、帰ってきたハナを見て、あかりは「帰って来てくれたんだ!良かった!父さんがいなくたって、お婆ちゃんは私たちのお婆ちゃんに変わりないの!」と涙を流しながら、ハナに抱きついた。ふ〜ん...。でも先週、ハナを探しに何日間も老人ホームへ通った弥生に、あかりは携帯電話でこんなことを言っていた。「まだ、そこに通って待ってるの?いい加減にしなさいよっ!いつまで待ったら、気が済むの?お婆ちゃんには、父さんや大阪の叔父さんっていう立派な息子がついてるのっ!お母さんが心配することじゃないのよっ!」弥生に、ハナなんて構わず、戻って来いなどと言っておきながら、いざハナが帰って来ると涙を流して出迎えるあかりって、いったい...。さては、ハナの遺産目当てか?!

■ああ、勇気。
久々に、弥生、ハナ、あかり、勇気が顔を揃えた野田家の食卓。あかりは「勇気もお婆ちゃんが帰って来てくれたの、分かるんだよねぇ。お婆ちゃん見て、すっかりはしゃいじゃって♪」という。でも勇気は、はしゃぐどころか、ハナの顔さえ見ようとせず、無表情。あかりは勇気の何を見て、はしゃいでいると思ったのだろうか?確かに、あかりが一所懸命セリフを話している間、勇気は我関せずとばかりに、口をパクパクさせて歌を歌っているように見えたが...。

■邦子の反省。(何回目?)
加津の家出に、邦子は涙を流して反省する。「あ〜、アタシがいけなかったのよね。アンタと加津ちゃんには、申し訳ないことしたと思ってる。」と長太に詫びる邦子。いったい、何回反省したら、気が済むのか、邦子は?しかし、邦子が反省するのも当然だろう。だって、渡鬼終了まで後2ヶ月なのだ。邦子には、そろそろ“いい人”になってもらっても、いい時期である。なにしろ、登場人物全員が“いい人”になってもらわないと、渡鬼は最終回を迎えることができないんだから。もっとも、次シリーズでは、振りだしに戻って、また“悪い人”になるんだけど。

■運だけで生きていく女。
加津が「幸楽」に戻ってきた。報告を兼ねて、「おかくら」を訪ねた愛、眞、加津、城代の4人。アナウンサー試験に落ちた愛は「アタシは合格した人に負けてるとは思ってないの。運がなかったの!」と大暴言。ひ、ひぇ〜!小学生並みの英語力を棚に上げて、言うに事を欠いて「運がなかった」だなんて。次なる挑戦を始める前に、まず「なぜ試験に失敗したか」を分析することが大切だろう。それを「運」の一言で片付けてしまうなんて。これでは、なんでもかんでも「運」のせいにして、全然進歩ナシである。もし、愛が「運」を口にするならば、アナウンサーの試験で、1局だけ4次試験まで残れたことを「運が良かったから」と言うべきであろう。

■いきなり結婚宣言かよっ!(三村風)
突然、大吉に「お父さん、アタシ疲れた。結婚する!決めた!」と宣言した葉子。下田のマンション完成以降、ほとんど大きな仕事の依頼がなくなり、たまにくる仕事も予算の関係上、思うような設計ができない。クサクサしてしまった葉子は、なぜか結婚する気になってしまったという訳だ。「アタシの恋人は仕事。この恋人は裏切らない!」といっていた葉子だが、どうやらその仕事にも裏切られてしまったようだ。しかし、結婚するのは勝手だが、自分の仕事に引き摺り込んだ太郎の妻・美智のことはどうするつもりなのか?葉子に唆されて、美智はすっかり空間デザイナーになる気でいるのだ。今さら「仕事辞めた!」で済む話ではないだろう。もっとも、ホントに仕事を辞めて、婚約したとしても「お父さん、アタシ仕事続ける!結婚辞めた!」などと、簡単に婚約破棄しちゃうんだろうけど。

■今週の気になったセリフ、いろいろ。
「僕もテレビ局に友達いますけど、現場なんて汚くて、重労働で、寝る時間もロクになくて。」
テレビ局への就職にこだわる愛に対する城代のセリフ。テレビ局の現場の苦労って、それだけではないだろう。大物女性脚本家への付け届け、大物女性プロデューサーへの付け届け、大物女優からのシャネルの押し売り...あっ、某高視聴率ドラマの現場だけか、この苦労って。

「アタシ、城代さんって子、気に入ってるんだもん♪」
無責任に愛と城代に結婚を薦めたことを長子から非難された葉子のセリフ。へぇ、葉子は城代を気に入ってたんだ。っていうか、気に入るほど会っていたのか、葉子と城代は。もしかしたら、葉子の結婚相手は城代になったりして?!お手伝いさんがいるほど、城代家は裕福である。金持ちの知り合いだって、たくさんいるだろう。もちろん、葉子に思った通りの設計をさせてくれるような金持ちの依頼人だって...。

【今週の視聴率】
関東25.6% 関西23.5%(ビデオ・リサーチ社調べ)

第44回(2003年2月6日放送)
姉・珠子(森光子)の突然の帰国の連絡に、大吉は不安を隠せない。珠子がガンになり、余命少なくなったのではないかと疑心暗鬼になる大吉。大吉は、珠子の歓迎会を開こうと、弥生、五月、文子たちに連絡するが、皆それぞれ仕事が忙しく、それどころではないと冷たい返事。弥生の家では、あかりがシングル・マザー4人を雇い、おむすびの移動販売の手を広げようとしていたし、文子は相変わらず利子に仕事を手伝ってもらいながら、望、恵理と4人で仲良くお付き合いしていた。「おかくら」に葉子と太郎がやってくる。葉子は、自分と宗方の結婚について、太郎の意見を求める。葉子が幸せならば、それでいいと答える太郎。ついに宗方と結婚する決心をした葉子だったが、気がかりなのは政子のことだった。これ以上、政子の世話にはなれないと考える葉子。しかし、政子は早く葉子と宗方が結婚して、3人で暮らすことを夢見ていた。珠子の帰国の日。無理矢理、葉子と一緒に成田へ珠子を迎えにいった政子は、「おかくら」へ向かう車の中で、珠子からも葉子と宗方が結婚するように助言してほしいという。政子のお節介に、ウンザリする珠子。その晩、「おかくら」では、葉子、長子、英作、ヒナらで、珠子を歓迎する宴が催される。その席で、珠子は葉子に「アタシが3億の資金を出して、好きな家建てて売る会社を作りなさいって言ったら、どうする?それでも結婚する?」と問う。そのとき、なぜ珠子が突然帰国したのか、やっと大吉は理解したのだった。

■加津のイジメ、あっさり解決。
再び「幸楽」に戻り、学校へ通い始めた加津。気になる同級生のイジメについて、加津は「先生もイジメっ子たちも、何にもなかったような顔してる。平和なもんよ。」という。イジメって、そんなにあっさり解決するものなのか?いったい、何がきっかけで加津に対するイジメがなくなったのか?教師も親たちも、今回のイジメについて、何の対応もしていないではないか。イジメの自然消滅なんて、あり得るのか?これでは、学校を辞める、辞めない、「幸楽」を出る、出ない、施設に入る、入らないで大騒ぎしていたのが、バカらしく思えてくる。もっとも、スガコ先生に言わせれば、「イジメなんて、加津が『幸楽』を出ていくためのネタに過ぎないのっ!アタシに今の教育問題なんて書けないし、興味もないのよっ!そんなの『金八先生』の小山内さんに任せたわよっ!」といったところだろうけど。

■大吉からの電話。
朝、大吉からの電話を受けた五月。「おはようございます。」と言った後、間髪入れず「えーっ?!2月1日に珠子叔母ちゃんがみえる。急にみえることになったの?」という。「おはようございます。」から「えーっ?!」まで、わずか1秒。この1秒の間に、大吉は五月に、@珠子が帰国する A帰国日は2月1日、という情報を伝えたことになる。最近、その口調がタドタドしくなってきた大吉が、そんなに早く話すことができるのか?さらに、大吉ならば「朝の忙しい時間に済まないねぇ。」と挨拶のひとつもしそうなものなのに。大吉は、電話では早口なのかも知れない。

■小島家、朝の食卓のスケッチ。
新しい朝がきた。希望の朝だ。(fromラジオ体操の歌) トラブル続きの小島家にも、希望の朝はやってくる。加津も元気に学校へ通うようになり、久々に笑顔が戻った小島家の食卓。そんな小島家の朝の食卓のスケッチ。

大吉から、ハワイの珠子が帰国するという電話を受けた五月。早速、五月をイビるネタができたキミは、
「親戚が多いと、ウルサイことも多いのよねぇ。」
と軽くジャブ。最初、このジャブに応戦するのは、もちろん勇である。
「五月が身内と付き合ったからって、文句言えた義理かよっ!」
と五月を庇う発言。しかし、キミを相手に勇だけでは役不足である。勇の発言に追い討ちをかけるのは、愛や眞である。今回は愛。
「お婆ちゃんはね、身内と仲良くしている母さんが羨ましくて、イジワルしているだけなのよっ!」
とストレートな発言。もちろん、このとき五月は「愛っ!」とキミの手前、愛を窘めるフリをすることを忘れない。息子、孫娘の強力タッグに、キミは、
「母親の躾が悪いからね、こういうこと平気で言うような子になるんだよっ!勇は女房の尻に敷かれっぱなしだしっ!」
とあくまでも“悪いのは五月”という基本姿勢は崩さない。さらに、キミは、
「何のために、子供や孫たちのために、できない苦労してきたのか、分かりゃしないわよっ!もう、たくさんだっ!」
とダメ出しをする。この「もう、たくさんだっ!」というのが、キミ退場のきっかけである。テーブルをバンっ!と叩くと自室へ戻っていった。そして、最後に勇は、
「たかが五月がハワイの叔母さんに会いに行くぐらいで、どうしてこういうことになっちゃうのかなぁ?やってられねえよっ!」
とこれら朝の出来事を、勇なりに総括するのである。

今まで、何回この会話が繰り返されてきたのだろう?まるで、死ぬまでこの会話を繰り返すことを運命づけられたような小島家の人々。とは言っても、本人たちは永遠に繰り返されるこの会話に、何の疑問も感じてないようだけど。

■良の夢、ふたたび。
おむすびの移動販売を拡張させるあかりのため、武志が移動販売用に改造した車2台を届けにやってきた。久々に弥生、ハナ、あかり、武志と顔を揃えた野田家の食卓。武志は、まだ戻ってこない良について、あの年齢になって夢を持つなんてと批判。それに対して、弥生は「あの年になったから、女の人も好きになれるし、夢も持てるの。」と良を庇う発言をする。良がいわきへ左遷された時も「じっと我慢してらした。アタシたち家族のことを思ったら、辞表叩きつけるなんてこと、できなかったのよ。」という弥生。しかし、いわきに単身赴任していた良は、夢を持っていた。脱サラして、いわきの梨園を運営するという夢を。その夢を、猛反対して打ち砕いたのは、弥生である。夫の夢を打ち砕いて、会社に辞表を出せない状況を作っておきながら、あたかも“良が自分の意志で、我慢して会社を辞めなかった”なんていう弥生って、いったい...。あっ!弥生が良の家出を許しているのは、かつて良の夢の実現を邪魔した罪ほろぼしなのかも?!

■あかりの勘違い発言 Part1
シングル・マザー4人を雇い入れて、おむすびの移動販売の拡張を目論むあかり。そんなあかりの勘違い発言3連発。まずは1発目!

姉弟という血の繋がりだけを武器に、武志に“ボランティア”という聞こえのいい名前で、タダで車を改造させたあかり。取りあえず、2台の車をゲットしたあかりは、「回るルートは調査しつくしてあるから、売上げは3倍になるはずだし、あと頼んである2名の分(車)ができたら、5倍の売上げになるの♪」という。おいおい、車の数に比例して売上げが伸びるなんて、本気で思っているのか、あかりは?!だったら、5倍とは言わず、シングル・マザー9名雇って、売上げ10倍にすればいいじゃん!いや、99名雇って、100倍にすればいいじゃん!いや、999名雇って...キリがないので、やめます...。

■あかりの勘違い発言 Part2
シングル・マザー4人について、あかりは「アタシと同じように3歳までの子供がいて、保育園には預けないで、自分の側に子供を置いて働きたいって言っている母親ばっかりなの。わざとそういう母親を選んだの。」という。これが、おむすびの移動販売の雇用条件なのか?ということは、子連れ勤務がツラくなって保育園に預けたりしたら、クビになるのか?さらに、子供が成長して4歳になったら、3歳までという子供の年齢制限に引っ掛かって、クビになるのか?っていうか、それまでおむすびの移動販売なんて商売、続かないか...。

■あかりの勘違い発言 Part3
子供を連れ回しての商売に、もし子供が病気になったらどうするのか?という当然の疑問をもつ武志。あかりは「ちゃ〜んと預かってくれる病院も見つけてあるの。子連れで働く母親に理解のある女医さんがいらして、病気のときは入院させてもらえるの。そうじゃなかったら、毎日同じルート回れないものねぇ。」という。あかりのいう病院って、以前あかりが高熱の勇気を、無理矢理待合室に置いていった竜村医院のことか?竜村医院は、あかりの幼い時のかかりつけの病院で、そのよしみで勇気を預かっただけ。他に4人の母親の子供の面倒まで見ることになるなんて、竜村もいい迷惑である。それに、病気の子供を預かる病院があるということは、裏を返せば「子供が病気になったくらいで、仕事休むんじゃないよっ!」というあかりの主張なのかも知れない。4人のシングル・マザーの前途は多難である。

■文子、甘え過ぎ!
相変わらず、利子に夕飯の仕度をさせている文子。早く帰宅した望や恵理を気遣って、夕飯も早めに準備しようと思った利子は「お鍋でよろしいかしら?」と文子たちに問う。それなのに、文子ときたら無視して電卓叩きに夢中である。返事くらいしろっ、文子!いくら忙しいからって、その態度は利子に対して失礼だろう。でも、利子は次のセリフで頭がいっぱいなのか、文子の非礼を意に介していなかったみたいだけど。

■特別出演・森光子!
やってきました、ハワイの珠子叔母ちゃん!どんな“ヘンテコ英語訛り”を聞かせてくれるか、楽しみであったが、今回はちょっと趣が違う。英語訛りというより、日本語の文法がオカシイのだ。例えば、今でも大吉の助けとなって頑張ってくれている勉ちゃんについて、「大ちゃん、感謝しなくちゃね!(勉に対して)有難いと思ってるんですよ。バチ当たるわよ。」という。???このセリフ、オカシクない?セリフの順番がバラバラなのだ。普通「大ちゃん!感謝しなくちゃ、バチ当たるわよ!(勉に対して)有難いと思ってるんですよ。」だろう。英語訛りだけでなく、文法的にオカシナ日本語を話すことで、ハワイ暮らしの長い珠子を表現しようとしているのか?それとも、モノ覚えが悪くなった森光子が、セリフを思い出し思い出し言っている内に、変な日本語になってしまったのか?森が大女優なだけに、真相は闇から闇へ葬られるのだろう...。

■特別出演・森光子、おかわり!
葉子、政子と一緒に「おかくら」店内へやってきた珠子。久々の再会となった大吉と抱き合ったりして、カウンター席に腰掛けた。すると、「あらっ!まぁ、タキさん!」と最初から店内にいたタキに、初めて気付いたような声を上げ、次に「ヒ〜ナちゃんっ?アナタ、こんなに大きくなっちゃって!」とずっと珠子の目の前にいたヒナに、初めて気付いたような驚きの声を上げ、さらに「勉ちゃんっ?」とこれまた、ずっ〜と店内にいた勉に、初めて気付いたような素っ頓狂な声を上げた。珠子の目には、会話している対象者しか映らないのだろうか?特に、ヒナの場合、それまで珠子と会話していた長子の膝に座っていたのだ。ヒナに気付かないはずないではないか?まぁ、そんなにツッコムほどのことでもありませんが...。

■ヒナ、壊れちゃった...。
長子は、珠子に余計な心配を掛けたくないからと、常子が東京にいること、英作が毎日常子のマンションに通っていることなど、珠子には内緒にすることを、英作に承知させる。ああ、それなのに、全てをバラしてしまったのは、ヒナだった。ヒナは、まるで壊れたオモチャのように「本間のお婆ちゃまは東京にいるの。目と鼻の先だって!」から「珠子叔母さんが来てくれたおかげです。良かったぁ!」まで一気に捲くし立てた。これは、普段自分の面倒をロクに見ようとしない長子に対する反乱なのか?それとも、アニメ「ピカチュウ」の“原色点滅”を見た全国の子供がヒキツケを起こしたように、ヒナも珠子の派手派手な原色系の服装に、ヒキツケを起こしてしまったのか?それにしても、棒読みセリフを捲くし立てるヒナの口を、手で必死に塞ごうとする長子。終いには、ヒナの首にまで腕を回して締めようとする勢いだった。長子は、壊れたオモチャの電源を切ろうと思ったのか?コ、コワ〜。

■究極の選択。結婚か3億円か。
珠子の帰国寸前に、宗方との結婚を決意した葉子。そんな葉子に珠子は「アタシがアナタに3億の資金を出して、自分の好きな家を建てて売る会社を作りなさいって言ったら、どうする?それでも結婚する?」という。まさに、究極の選択。まっ、葉子ならば、迷わず3億円を選ぶだろう。だって、宗方と夫婦という立場になったら、遠慮なく大きな仕事を世話してもらえると思って、宗方との結婚を決めたんだから。3億円あれば、ヘタなダジャレしか言わない井上順、いや宗方と結婚する必要もないだろう。それより、3億円なんて金を登場させて、スガコ先生はどういうつもりか?渡鬼は「今の時代を生きる家族のドラマ」ではなかったのか?3億円なんて“今の時代を生きる家族”には無縁な額の金を登場させたら、現実味ゼロのドラマになるだろう。もっとも、キミの手当が月30万円という点からして、すでに渡鬼は現実味のないドラマになっていたけど。

■今週の気になったセリフ、いろいろ。
「東京の病院へ入院させて、アタシが面倒みなきゃしょうがないよ。」
珠子の突然の帰国に、珠子の体が悪くなったと疑心暗鬼になった大吉のセリフ。人の体より、自分の体を心配しなさい。手の震えといい、どう考えたって、大吉の方が面倒見てもらわなきゃならないんだから。

「葉子さんのお世話になっているというか、まぁ、お預かりしているというか。そういう立場の人間として、是非お目にかかって、ご挨拶しときたいのよ。」
葉子と一緒に成田まで、珠子を迎えにいくという政子のセリフ。“そういう立場”って、どういう立場なんだ?“世話になっている”と“預かっている”では正反対である。政子も、自分の立場を説明するのが、難しいと感じているのだろう。いや、難しいと思っているのは、スガコ先生か...。

「アタシがアナタに3億の資金を出して、自分の好きな家を建てて売る会社を作りなさいって言ったら、どうする?」
前述したように、珠子のセリフ。さすがに、会社は“こしらえる”とは言いませんでしたね...。

【今週の視聴率】
関東24.7% 関西24.8%(ビデオ・リサーチ社調べ)

第45回(2003年2月13日放送)
勇や眞の後押しもあり、五月は「おかくら」へ。久しぶりに、五月は珠子と再会する。珠子が突然帰国した理由、それは葉子から「結婚するかも知れない」という手紙を受け取ったからだった。葉子の結婚を心配した珠子は、自分が資金を出すから、好きな仕事をしろと言っても結婚するかと問う。宗方が好きだから結婚するという葉子の答えに、珠子は納得する。深夜、酒を酌み交わす葉子と長子。結婚生活の大変さを説く長子に、葉子はただ微笑むだけだった。翌日、マンションへ戻った葉子に、またも政子は宗方との結婚話を持ち出す。葉子は、仕事のための結婚に不純なものを感じると、宗方との結婚は止めるという。また、これ以上、迷惑はかけられないと、政子に太郎の家へ帰ることを促す。再び「おかくら」へやって来た葉子は、大吉や珠子、長子、珠子に会いに来た弥生、文子、常子に、結婚を止めたことを伝える。葉子は、珠子の資金提供も断り、小さな仕事でも一から出直すつもりで頑張るという。葉子の成長を喜ぶ珠子。大吉は、目に涙を浮かべて、珠子と握手するのだった。節分の日。「幸楽」では、従業員全員で食事会が催される。が、愛の就職について、またもモメる小島家の人々。そして、眞の進路相談の日。五月と一緒に面談を受けた眞だったが、担任の教師から東大はムリと言われ、ショックで落ち込むのだった。

■五月、珠子と再会。
先週、大吉から、ハワイの珠子が帰国するという連絡を受けた五月。勇や愛の後押しがあったにもかかわらず、キミの顔色を気にして、「おかくら」へ行くことを止めたはず。それなのに今週、冒頭から「父の手前もありますので、挨拶だけ行かせて頂きます。」と、キミの仏頂面もお構いなしに「おかくら」へ行った。...結局、行くのかよっ!先週、勇や愛には、自分の味方はするな、自分が我慢すれば「幸楽」に波風は立たないなんて、殊勝なこと言ってたクセに。でも、それも仕方あるまい。だって、渡鬼の主役である泉ピン子と特別出演の森光子が、絡まない訳にはいかないもの。どんな不自然な設定でも、二人の共演場面をこしらえなくては、絵にならないと思ったのでしょう、スガコ先生は。

■長子、結婚生活の大変さを説く。
深夜、「おかくら」の厨房で、まるで“「おかくら」のものは、アタシたちのもの!”とばかりに、勝手に店の日本酒を酌み交わす葉子と長子。宗方との結婚を決めた葉子に「結婚なんてしたらさぁ、自分のしたいことする時間削って、主婦の役目果たさなきゃなんないんだよ。」という長子。えっ...?英作の世話もせず、上げ膳据え膳で好きな翻訳の仕事にかまけている長子のセリフなのか、今のは?さらに「子供でもできてごらんよ。女房っていうね、重労働だけじゃ済まされないんだからね。」とホザク長子。えっ...?毎朝、ヒナの着替えも放棄して、眠り続ける長子のセリフなのか、今のは?きっと、長子は「おかくら」の美味い酒を飲んで悪酔いしてしまったのだろう。でなければ、全国の渡鬼視聴者が「お前が言うなぁ〜(怒)!」とツッコミを入れるようなセリフ、吐けるはずないもん。それにしても、珠子が帰国したら仕事の進行に差し支えるとか言ってたクセに、深夜に日本酒を飲む長子って、いったい...。葉子に、嘘八百の結婚生活の苦労話するヒマがあったら、とっとと仕事に戻れっ!

■葉子...もう勝手にしてください。
そんな長子の嘘八百話を信じたのか、結局葉子は結婚を止めることに。はぁ...。この葉子の結婚話に関しては、勝手にしてくださいという感じ。いったい、何回結婚する、やっぱり止めるを繰り返したら気が済むのか、葉子は?まぁ、葉子の結婚取り止めは予想されたことなので、これ以上ツッコムことは止めましょう。それより哀れなのは、宗方である。サンフランシスコへ行っている間に、自分の知らないところで、勝手に結婚話が進み、勝手にお流れになってしまったのだから。サンフランシスコから帰るその日に、葉子は結婚取り止めを決心してしまった。もう少し葉子の決心が遅れていたら、井上順も登場することができたのに。ご愁傷さま...。

■???
葉子から、宗方との結婚取り止めを聞いた政子。「葉子さんは宗方さんの愛情を、大きな愛情を感じたから、結婚したいとも思ったんでしょう?それがあなた、急に変わったのには、何か理由でもあるの?」と政子は葉子を問い詰める。でも、ちょっと待って?なんで政子は、葉子が宗方との結婚を決心していたことを知ったのだろう?宗方との結婚について、葉子が太郎に相談したとき、政子には黙っていてほしいと言っていたはず。葉子が、宗方と結婚する決心をしていたことなど、政子が知る由もないのである。ついでに「宗方さんだって、ハッキリ結婚をお断りしたら、もうお付き合いもなくなるかも知れません。」という葉子のセリフも変ではないか?だって、お断りするも何も、葉子はハッキリ宗方のプロポーズを断っているではないか?(「今週の岡倉家」第26回参照) それとも、あれから半年もたたない内に、またも宗方は葉子にプロポーズしたのだろうか?今回の葉子の結婚話は、謎だらけである。

■なぜ、常子?
結婚取り止めを大吉や珠子に報告するため、葉子は「おかくら」を訪れた。そこには、弥生や文子に交じって、なぜか常子の姿も。長子と戦争状態の常子が、なぜわざわざ敷居の高い「おかくら」へやって来たのか?きっと、常子演じる京唄子が「スガコ先生っ!なんでワテを出してくれへんのやっ!もう一ヶ月近くも出てへんやないかっ!」とスガコ先生を怒突いたからではないだろうか?さすが、関西漫才界の女ボス。押しの強さは天下一品である。って、勝手に妄想している僕って、いったい...。

■頑張れ、21世紀の裕次郎!
節分の日。「幸楽」では、勇や健治が豆まきに興じていた。健治は「福はウチ〜♪」と愛妻・光子の口に、豆を持ってきて食べさせてやるというキモイ夫婦愛を演じていたし、勇は店内に入ってきた城代に、タイミング良く(?)豆を投げつけてしまった。勇の豆を思いっきり浴びた城代は、苦笑いをしながら「私はやっぱり鬼なんだ。こちらへは出入りしちゃいけないってことかな?」と答える。そのやるせない表情とスネたような口調。今までの21世紀の裕次郎の演技の中で、5本の指に入るくらい真に迫っていた。(もっとも、5つも数えるほど、マトモな演技はしてないけど。) それもそのはず。だってこのセリフ、今の21世紀の裕次郎の心情を、的確に表現しているのだから。「私はやっぱり棒読み役者なんだ。渡鬼の撮影に出入りしちゃいけないってことかな?」っていう心情を。石原裕次郎みたいな役者を目指して芸能界入りしたものの、代表作といったらこの渡鬼だけ。しかも、その救いようのない演技力のせいで、ドラマの中での地位は、一流大学卒で外資系企業に勤める愛の素敵なボーイフレンド役から、今や場の空気が読めず視聴者の失笑を買うピエロ役にまで堕ちてしまった21世紀の裕次郎。頑張れ!いつか、君の演技が認められる日が来る!...と思う...たぶん...。

■リストラ予備軍なのか、城代は?
「幸楽」へやって来た城代は、勇に成田山のお札を渡した。「実は今日会社の連中と、成田山へ節分のお参りへ行ってきましてね。企業も、この苦しい時代を生き残ろうと思ったら、神頼みしたい気持ちにもなるんですよねぇ。」と棒読みする城代。今年の2月3日は月曜である。平日に、わざわざ成田山へお参りに行くかぁ?僕は典型的な日本企業に勤めているけど、会社の仕事を放って、節分のお参りなんて行ったことないし、神頼みしたい気持ちにもなったことありません。(っていうか、あまりに仕事が忙し過ぎて、2月3日が節分なんてことも忘れてました...。)いや、待てよ?もしかして、城代はリストラ予備軍なのかも?会社側は、城代にまともな仕事を与えず、“神社のお参り”というショムニ的な業務を与えて、自発的退職を迫っているのかも知れない。そう考えると、外資系企業に勤める割には、愛の英語の家庭教師をするなど、時間的に余裕があったことも納得できる。勇!愛と城代の結婚、もう少し待った方がいいぞっ!

■節分に成田山へお参りする外資系企業。
それにしても、スガコ先生の描く企業像は、現実とズレているような気がしてならない。以前、土用の丑の日、長太の勤めるゲームソフト会社に、鰻の蒲焼が届いたというエピソードがあった。(「今週の岡倉家」第17回参照) 節分のお参り、鰻の蒲焼の付け届けという昔ながらの市井の風習を、無理矢理外資系企業とかゲームソフト会社といった現代企業の中での出来事として描こうとするから、オカシクなるのだ。今の企業のことが分からなければ、ムリに描かなければいいのに。インターネット描写同様、視聴者の失笑を買うだけである。

■小島家、節分の日の夜のスケッチ。
「鬼は外!福は内!」 トラブル続きの小島家にも、節分の日はやってくる。豆をまいて、鬼を追い払った小島家の人々。そんな小島家の節分の日の夜のスケッチ。

大吉から、葉子が結婚を取り止めたという電話を受けた五月。早速、五月にイヤミをいうネタができたキミは、
「ホントに男運に恵まれない人なのねぇ、フッフッフッ。でもさ、仕事仕事って言ってたら、相手にも嫌われちゃうわよ♪」
と“五月の身内の不幸は蜜の味♪”と上機嫌に先制パンチ。このキミのパンチに反応したのは、勇であった。
「それ見ろ〜!なぁ、お前、アナウンサー落っこって、良かったんだよ!テレビ局なんて、お父さん、絶対反対だからなっ!」
と勇は巧妙かつ大胆に、葉子の話題を愛の就職問題にすりかえた。反論する愛を勇は、
(テレビ局が作るのは)日本人が皆バカになるような番組ばっかりだろ!」
と軽く受け流す。もちろん、このとき五月は「お父さんっ!」と愛や眞に対して良き母親を演じるために、勇を窘めるフリをすることを忘れない。ここで眞の登場である。
「お姉ちゃんがテレビの仕事をしたいって頑張ってるからって、何もテレビを目の敵にすることはないだろうっ!」
と勇のムチャクチャな理屈に、正論で対抗する眞。しかし、眞を無視して、ついに勇はホンネをさらけ出す。
「お前はね、大人しく花嫁修行してりゃあいいんだよっ!」
とどのつまり、勇はこれが言いたかったのである。なおも反論する愛をキミは、
「愛も愛だよっ!高いお金を使って、大学まで行かせてもらって、親に口答えできる義理かよっ!」
と恩着せがましく叱る。自分は愛の大学の授業料なんて、一円も払っていないクセに。そして、トドメの一言。
「母親の躾が悪いからね、こんな娘になっちまうんだよっ!」

これらの会話を、黙って食事しながら聞いていた城代。こんな小島家と姻戚関係を結んでまでして、愛と結婚したいのか?と城代に問うてみたい今日この頃である...。

■何か忘れてませんか...?
眞の進路相談の日。五月と一緒に面談を受けた眞は、担任の教師から東大はムリと烙印を押されてしまう。落ち込む眞。まぁ、葉子の結婚取り止め同様、これも予想されたことなので、横へ置いておくとして、問題は進路相談の日の日付である。節分の日の夜、眞は「2月12日に、保護者と一緒に担任の先生と進路相談っていうのがあるんだ。」と五月に話していることから、進路相談は2月12日に行われたことになる。でも、ちょっと待って?何か忘れていないだろうか?12日の前日は、11日で建国記念日。そうだ!2月11日は、キミの誕生日なのだ!前シリーズでも、キミの誕生日ネタがあった。今年のキミのお祝いはどうなったのだろうか?キミの友人・トミとふじは、お祝いにやって来たのだろうか?(っていうか、まだ生きているのか、この二人は?) 今週の渡鬼は、大部分が2月1日から3日にかけての話だったから、すっかり油断していた。ラスト90秒で、いきなり2月12日の進路相談の日のシーンをこしらえちゃうんだもん。しかし、恐らくキミの誕生パーティーはなかったものと思われる。だって、進路相談の日、なかなか学校から帰って来ない五月について、「もう、この忙しいのに、いつまでかかってるんだろうね、五月はっ!」とキミは思いっきり不機嫌だったもの。もし、誕生パーティーが開かれていたら、いっぱいプレゼントを貰って、翌日こんな不機嫌になるはずがないのである、キミは。

■今週の気になったセリフ、いろいろ。
「それで、葉子ちゃんが間違った結婚しないで済むのなら、安いもんだわよ。」
葉子から結婚取り止めの話を聞いた珠子のセリフ。安いもんだわよって、3億円だよ、3億円。何回も婚約と婚約破棄を繰り返している葉子に、間違った結婚をしないための3億円は高過ぎると思います...。

「えっ!結婚止めたって、急にそんなに変わるものなの?」
葉子の結婚取り止めを聞いた愛のセリフ。愛の疑問、それは渡鬼視聴者全員の疑問だと思います。

「もし合格したらね、お婆ちゃんね、町内中逆立ちして、歩いてみせるわよ!フフフ...。」
眞の東大受験に対するキミのセリフ。孫の受験に対して、こんなイヤミを言う祖母っているのだろうか?普通、応援するだろう。それに、たとえ合格したって、逆立ちなんか絶対しないクセに。

【今週の視聴率】
関東25.6% 関西25.4%(ビデオ・リサーチ社調べ)

第46回(2003年2月20日放送)
担任の教師から東大はムリと言われた眞は、落ち込んで家族の誰とも口をきこうとしなかった。心配する五月や加津。サチは、受験までの一年間、命懸けて頑張れと眞を叱咤激励。やる気になった眞は、勉強に集中するため店は手伝わない、塾ももっとレベルの高いところに通うとキミに宣言。東大は諦めないという眞に、キミは呆れ顔だが、五月は眞の夢を応援してあげたいと思うのだった。「おかくら」に、突然由紀が現れる。由紀は、長子や常子に、長男・紀彦が生まれて以来、伸彦や伸彦の姉・静子が病院を牛耳っている、紀彦の育児に専念しろと自分を働かせてくれないと話す。由紀は、常子に本間病院へ帰って来てもらい、紀彦の育児をしてほしいと願う。由紀の勝手な願いに呆れていた常子だったが、育児は父親にも責任があるという長子の発言に影響されたのか、由紀に大阪へ帰ることはない、しばらく自分のマンションで暮らせと言う。さらに常子は、長子に対して、嫁姑は止めて友達感覚で付き合おうと言うのだった。再び「幸楽」。加津に、小説を読んだ女性・ハンドルネーム“バラの小母さん”から「会いたい」というメールが届く。眞に会うことを止められた加津だったが、好奇心に駆られて待ち合わせ場所に行ってしまう。日曜日の公園、待ち合わせ場所にいた目印の“和服を着て手に赤いバラを持った”女性...それは、加津にとって思いもかけない人物であった。

■偏差値を知らない母親。
眞の進路相談に付き添った五月。お夜食の席で、突然五月は「偏差値って、何なんですか?アタシ、母親なのにそんなことも知らないで。」と言い出した。偏差値を知らない母親って、いったい...。いくら愛の女子大付属中学受験のとき、愛が勝手に勉強して、五月に受験の相談をしなかったからって、今の世の中、“偏差値”という言葉を聞いたこともない母親なんているのだろうか?いや愛だけではなく、眞だって、私立中学、都立高校と二度受験をしているのだ。五月が“偏差値”という言葉が初耳というのは、どう考えてもオカシイ。もし、本当に五月が偏差値を知らないならば、五月の母親としての偏差値はゼロである。

■眞の偏差値、61!
61って、ビミョーな数字だね。っていうか、小島家の長男・眞にしては、結構高い数字ではないのか?何しろ、次から次へとトラブルが巻き起こる「幸楽」で、若年性更年期障害を起こしていた眞である。こうした障害を乗り越えての偏差値61。むしろ、この数字は立派ではないか?東大はムリかも知れないけど。

■聖子ちゃんの独りごと。(聖子の日記より)
×月×日
 朝、大きい女将さんがお店にいらっしゃったとき、「朝の寒さは堪えますよ。大事なお体なんですから」ってゴマすったの。そしたら案の定、大きい女将さんったら、「年寄りだからって甘えているとさ、後で何言われるか。他人の嫁がいるとね、自分にも厳しくしないと」って、五月にイヤミを言ってたわ。フフフ、五月がイビられるように、うま〜く誘導してやった。大きい女将さんにゴマすると、必ず五月にイヤミを言うのよね。これが快感なのよ〜!毎朝これをやらないと、一日が始まらないっていう感じかしら(笑)。
 浩次の奴、またケータリング先でご祝儀もらったみたいね。アタシ、知ってるんだから。たっちゃんとグルになって、ご祝儀半分ネコババしてることを。「浩ちゃん、ご祝儀貰うとみんないい人になっちゃうのよねぇ」ってイヤミ言ったら、真顔で反論してきたわ。人間って心にやましいことがあると、ムキになるものなのよね。善人ヅラしている浩次を見ていたら、何かムカついたので、また大きい女将さんを操作して、五月をイビってやったわ。大きい女将さんにマッサージして差し上げるって言ったら、「自分の子供の心配はしてもね、アタシの体のこと、心配してくれる人間なんて、だ〜れもいやしないの。聖子ちゃんだけよ♪」って、また五月にイヤミ。ホント、大きい女将さんって、アタシのロボットね。操作のしがいがあるってものよ!
 ところで、今日は気分がいいわ。だって、眞の偏差値が低すぎて、東大入れないって分かったんだもん♪アタシのことを「腹黒いブタ!」なんて、悪くいったバチが当たったのよ。いい気味よ。でも、東大合格なんて、もともとムリな話。だって、あの中卒バーコード親父と高校中退の隠れシャネル狂いの五月の息子なんだよ。受かりっこないじゃない。でも、もし東大あきらめたら、「幸楽」を継ぐことになるのかしら?そ、それだけは何としても、阻止しなければ!だって、ゆくゆくは大きい女将さんに遺言書を書き換えてもらって、アタシの店にするつもりなんだから。何か手を打たないと...。そうだ!サチよ!サチをけしかけて、眞に東大をあきらめないように、説得させようっと!「幸楽」の男なんて、みんな単純だから、すぐに「東大あきらめない!」なんて言い出すに決まってるもの。まっ、東大受けて落っこちて、泣きっ面の眞を見るのも、これまた一興よっ!

■眞、再び東大一直線!
そんな聖子に唆されて(ウソ)、サチは、東大受験を諦めた眞を叱咤激励する。あれほど落ち込んでいた眞なのに、サチに説得されて再び東大受験を目指すことに。夕暮れの公園で、眞とサチが会話した時間、わずか260秒。(あっ、サチの“眞との出会いから「幸楽」で働くようになるまで”の説明セリフを除いたら、もっと短いか。)この短い時間で、再び東大受験を目指すことを決意した眞って、いったい...。単純過ぎるよ。それにしても、東大がダメなら「幸楽」を継ぐっていうのは、いかがなものか?前にも書いたが、東大か「幸楽」かなんて、選択の幅が狭過ぎるっちゅうのっ!究極の選択じゃないんだから。ロボット作りたいなんて夢、東大出なくても叶うだろう。っていうか、眞の作りたいロボットって何なんだろう???

■眞の受験勉強。
サチに発破を掛けられて、俄然やる気になった眞。今まで授業料が高いからと遠慮していたレベルの高い塾へ通うといい、店も東大受験が終わるまで手伝わないとまで言う始末。周りの雑音には耳を塞ぎ、東大受験に集中するつもりのようだ。しかし、トラブル続きの「幸楽」で、受験勉強に集中することができるのだろうか?いや、心配は無用である。なぜって?だって、「幸楽」をトラブルまみれにしている“スガコ”という名の神様は、眞が受験する来春まで、船旅で世界一周したりしてお休みするらしい。その間、「幸楽」にトラブルなんて起きようがないのだ。眞もゆっくり受験勉強に集中できるのである。

■加津のファン、今度はオバハン。
またも「幸楽」に現れた加津の小説ファン。前回は女子高生だったが、今度はオバハン集団。スガコ先生のドラマと違って、幅広い年代に支持されているということですね、加津の本は(笑)。ところで、加津のファンに対するキミの態度といったら、ヒド過ぎる。加津のことを尋ねたり、サインを求めたりするオバハン集団に、キミはあからさまにイヤ〜な顔をして、お釣りも乱暴に手渡した。ついこの間まで、加津の小説のおかげで店の売上げが伸びた、加津には足を向けて寝られないって言っていたではないか、キミは。なんで急に、加津のファンに対して不機嫌になったのか?やっぱりキミは、自分の誕生パーティーを忘れられたことを根にもっているのかも?ついつい加津のファンに当たってしまったのだろう。客に当たるなんて、キミは商売人失格である。それにしても、わざわざファンが「幸楽」までやって来るなんて、相当加津の小説は売れていると見た。なんで売れているのか、あかりのおむすび同様、謎だけど。

■大吉、目を覚ませっ!
今だに大吉は、常子に食事を届けているらしい。恐縮する英作に、長子は「いいのよ〜♪アタシが嫁下りた〜なんつって、お義母さんに何にもしないんだもん。父親の責任として、せめてお義母さんに食事でも運ばないと、お父さんの気が済まないのよ♪」とまるで他人事。おいおい、大吉は長子のためを思って、毎日震える手で常子の料理をこしらえて運んでるんだよ。そんな姿を見たら、普通の娘だったら止めさせるだろう。娘を気遣って、娘の姑にしなくていいことまでやるという点では、常子への食事運びは、以前「幸楽」でキミにした土下座と同じである。あの時、五月は泣きながら止めた。情けない父親の姿を見たくなかったからである。長子も、毎日せっせと常子の料理をこしらえている大吉の姿を情けないとは思わないのか?あっ、大吉が常子の料理をこしらえている姿なんて、翻訳の仕事にかまけている長子は見たこともないか...。

■被害妄想な由紀。
突然「おかくら」へやって来た由紀は、長子や常子に「伸彦と伸彦のお姉さんとが病院牛耳って、アタシが病院に復帰したいって言っても、君は紀彦の子育てに専念したらいいの一点張りで。」と不満を言う。えっ?これって、不満なことなの?ただでさえ人手が足りなくて、忙しい病院業務を休ませてでも、由紀には育児に専念させたいという伸彦の気持ち、感謝こそすれ、不満に思うことではないはず。さらに由紀は「紀彦が生まれるのを待ってたように、アタシを病院から追い出そうとしてるとしか思えないでしょう?このままじゃ今に、伸彦とお姉さんに本間病院乗っ取られちゃうわよっ!」とまで言い出す始末。はぁ?そもそも伸彦の姉・静子が本間病院へやって来たのは、由紀が妊娠、出産、育児に専念できるようにするためではなかったのか?由紀もそれを承知して、静子を受け入れたのではないか?静子は大病院の産婦人科を辞めて、由紀を助けるためにわざわざ本間病院へ来たのだ。由紀の妊娠中だけ、替わりを勤める臨時雇いとは訳が違う。それに「牛耳る」とか「乗っ取る」とか言うのも変。本間家へ婿入りした以上、伸彦は立派な本間病院の後継者なのだ。「牛耳る」のは当たり前だし、「乗っ取る」という言葉は、本間家以外の人間が病院の経営権を奪った時に使う言葉だろう。しかし、由紀以上にオカシイのは常子だった。最初、由紀の意見を批判していた常子も、いつの間にか由紀の味方に。まっ、オカシイという点では似たもの親子なのかも知れない、常子と由紀は。

■もし由紀と伸彦が離婚したら...。
さらに由紀は、大阪の本間病院に紀彦を置いて出てきたらしい。紀彦は去年の12月生まれだから、まだ生後2カ月だよ。そんな赤子を置いて出てくるなんて、由紀は母親失格である。伸彦や伸彦の姉は病院業務で忙しいから、紀彦の面倒だってロクに見ることはできないだろう。この世に生を受けて早々、紀彦も災難である。それにしても、もし伸彦と離婚なんてことになったら、由紀はどうするつもりなのか?裁判になれば、誰が見たって育児を放棄した由紀の方が不利である。由紀は病院から追い出され、紀彦も手放すことになるだろう。一方、伸彦の方は、本間病院を手中に収め、関西弁を捲くし立てる顔デカ姑からも解放されて、さらに紀彦という立派な後継者もいて、万々歳であろう。本間病院の将来の後継者である紀彦は、由紀にとって本間病院を取り戻す唯一の切り札のはず。何としても紀彦だけは連れて出てくるべきだった。あっ、そうしたら、紀彦の育児からは解放されないか...。

■“メール”という名の掲示板。
夜中、受験勉強を頑張る眞のために、加津はお夜食をこしらえてあげることに。加津がこしらえている間、加津のパソコン画面を覗いた眞は「何だ、これ?」と問う。すると、加津は「私の本を読んでくれた人が、感想のメールを送ってくれてるの。読み切れないほど、入ってるんだから♪」と答えた。メール???パソコン画面に映し出されているのは、誰がどう見ても“掲示板”にしか見えないのだが...。しかも、その“メール”という名の掲示板には、ハンドルネーム・バラの小母さんから、堂々と「今度の日曜日の正午、新宿中央公園の公園大橋に立っています。和服を着て手に赤いバラの花束を持っていましょう。」とか書き込まれているし。眞とサチの最初の出会いの時も、眞のHP「迷える子羊」の掲示板に、待ち合わせ場所と時間が書き込まれていたっけ。また、同じ過ちを繰り返すのか、スガコ先生!日曜の正午、「幸楽」で加津に会えなかった多くの加津の熱狂的ファンが、新宿中央公園に押しかけること必至である。

■今週の気になったセリフ、いろいろ。
「東大受けて落っこちりゃ〜いいんだよっ!『幸楽』を継ぐつもりになりゃ〜いいのっ!それでいいのっ!」
眞に東大受験に対するキミのセリフ。だから、自分の孫の受験に、そんなこと言う祖母っているのでしょうか???

「東大へ入れないような奴が、他の大学へ入ったって、何ができるって言うんだっ!」
叱咤激励するサチに対する眞のセリフ。世の中、東大卒以外の人間の方が、はるかに多いと思います。そして、偉業を成し遂げた人も、東大卒以外の人間の方が、はるかに多いと思います。眞クン、勉強ばかりしてないで、たまにはNHKの「プロジェクトX」でも見てみたら?!

【今週の視聴率】
関東24.3% 関西23.0%(ビデオ・リサーチ社調べ)

第47回(2003年2月27日放送)
“バラの小母さん”の正体は、加津の母・みのり(熊谷真実)であった。高級な和服姿のみのりは、加津をホテルのスイートルームに招待する。みのりは、今でも加津を捨てる原因となった男・高村と一緒に、インドネシアで贅沢な暮らしをしていると語る。加津の本を読み、自分を恨んでいないと知ったみのりは、加津に会う決心をしたという。涙を流して、加津に詫びるみのり。加津は、みのりが幸せならばそれでいい、これで本当にみのりのことを忘れることができると答える。しかし、ホテルのクローゼットで汚れたコートや靴、手提げ袋を見つけた加津は、みのりがウソをついている、本当は金に困っていると察する。「幸楽」に連絡してくるとウソをついて、ホテルを抜け出た加津は、中村編集長に連絡して、金を借りる。が、ホテルに戻ると、みのりは姿を消していた。「おかくら」では、常子のマンションに身を寄せている由紀が、紀彦を残して本間病院を飛び出したことを後悔していた。しかし、長子や常子は、父親にも子育ての責任があると、本間病院へ戻ろうとする由紀を引き止める。珍しく意見が一致した長子と常子。再び「幸楽」。真夜中、眞にキッチンで独り泣く姿を見られた加津は、眞にみのりのことを話す。気落ちする加津を励ます眞。やっと、気を取り直した加津は、二度とみのりの話はしないという。寝室の扉の影で、眞と加津の会話を聞いていた五月は、加津の本当の母親になってやろうと心に誓うのだった。

■加津の母・みのり登場!
今週、ついに加津の母親が登場。加津の小説が出版されたときから、予想されていたことだけど。みのりは、高級和服に身を包み、ホテルのスイートを予約するなど、贅沢な暮らしをしていると装うが、実は小汚いコートを小粋に着こなす、立派な貧乏人であった。但し、どの程度の貧乏人なのかは、定かではない。携帯電話は所持してるし(加津は、クローゼットの中から鳴り響くケータイの着信音に導かれて、みのりの小汚いコートや靴を見つけてしまう)、加津のホームページへアクセスしていることから、恐らくパソコンを所有し、プロバイダー契約もしているものと思われる。銭形金太郎のゼニキンスタジアムだったら、予選落ちしてしまうレベルではないか?しかし、実の娘に会うのに、なぜみのりは見栄をはるのか?普通に会えばいいじゃん、普通に。それとも、貧乏人の格好で会ったら、小説の印税目当てで会いに来たと誤解されるとでも思ったのか?しかし、それより一番気になったこと。みのりのケータイを鳴らしたのは、いったい誰なのか?みのりの男・高村か?それとも借金取りなのか?

■加津の暴走。
クローゼットで小汚いコートや靴、手提げ袋を見つけた加津は、みのりが贅沢しているなんてウソ、実は貧乏人と小学生のクセに見抜いてしまう。加津は鋭いねぇ〜。クローゼットの中の状況証拠だけで、相手の正体を見抜くなんて、お前は大沢家政婦協会の石崎秋子かっ?!しかも、みのりのために、中村編集長から100万円もの金を借りようとするし。そこまで頭の回る小学6年生って、いないだろう?やはり「幸楽」での生活がいけないのだ。500万円持ち逃げするブタ従業員やら、シアトルにいるデキ損ないの娘に2000万円渡す鬼ババァなどが周りにいては、「世の中、結局金で片がつく」と思ってしまうのも、ムリないだろう。長太は、早く「幸楽」から加津を引き取るべきだろう。あっ!長太のところには、渡鬼最大級の金の亡者がいたよ。“邦子”という名の亡者が...。

■中村編集長の思惑。
そんな小学生の金の無心を、簡単に聞き入れたのが、中村編集長であった。中村が加津にいくら渡したのか不明だが、普通いい大人が小学生に、理由も分からない金なんか渡さないだろう。しかも、中村だったら、「『母恋い』の主人公の少女は、金の無心なんかしない、独りで逞しく生きる少女だったはずだよ。それなのに、やぶから棒に『100万円貸してほしい』だなんて。オジさんガッカリだな。」なんて、紳士ぶった口調で言いそうなものなのに。しかし、そこはいくつものベストセラーを手がけてきた中村のこと、何か思惑があって、金を貸したのだろう。ズバリ、中村は「続・母恋い」を出版するつもりなのではないか?加津の金を貸してほしいという話から、「これは続編のネタになるようなことが起きたな。」と編集長としての嗅覚を働かせた中村は、加津に金を貸して、しばらく泳がせようと思ったのではないか?もっとも、中村が加津に貸した金が千円札1枚だったら、話は別だけど。

■みのり、再び行方不明に。
中村から金を借りた加津が、再びホテルに戻ると、みのりは姿を消していた。みのりの連絡先を聞いてなかった加津は、二度とみのりに会えないと落胆する。でも、ちょっと待って。加津には、みのりからメールが届いていたではないか?「会いたい」って、返信すればいいじゃん。あっ!渡鬼の場合、“メール”とは“掲示板”のことだった。返信のしようがないか。いや、だったら、みのりの書き込みに「母さん、もう一度会いたい」ってレスすればいいじゃん。母子の個人的な書き込みが、インターネット上で公開されれば、テレビのワイドショーが「『母恋い』の主人公の母親、見つかる!」とか騒ぎ出して、ワイドショーのレポーターがみのりを見つけてくれるかもよ♪

■眞の推理力。
眞は、「幸楽」に戻ってきた加津の異変を見逃さなかった。真夜中、独り泣く加津に(バラの小母さんは)誰だったんだ?お母さんだったんじゃないのかっ?」と問う眞。鋭いねぇ〜。眞は@元気がない、Aお夜食もロクに食べない、というたった2つの加津の異変だけで、加津がみのりと会っていたことを見抜いてしまった。夜食の席の挙動だけで、その人物が昼間何をしたかを言い当ててしまうなんて、眞は「えなりかずきの事件でござる」の小林少年も顔負けの推理力である。もっとも、そんな推理力、東大受験には何の役にも立たないけど。

■長子と常子、余計なお世話。
本間病院を飛び出して来たことを後悔し始めた由紀。弱気になって大阪へ戻ろうとする由紀に、常子は「今ね、子供のこと心配や言うて、帰ってみなはれ。それこそ、伸彦さんの思うツボでっせっ!」と捲くし立てる。せっかく由紀が帰ろうっていう気になっているのに、なんで事を荒立てようとするかなぁ、常子は。いや、常子だけではない。長子に至っては「いくら紀彦ちゃんが恋しいからって、今折れたら何にもならないじゃないの。紀彦ちゃんには、医者っていう父親がついてんの。死なせたりしないわよっ!」とのたまう始末。「死なせたりしないわよっ!」だって?!当たり前だろう!いくら仕事で忙しいからって、どこの世界に自分の子供を死なせるバカがいるか!そんな生死の問題ではなく、ちゃんと紀彦が面倒を見てもらっているのかを心配してるんだよ、由紀は。長子と常子は、伸彦に紀彦の世話をさせて、どんなに子育てが大変かを思い知らせるつもりらしい。伸彦の意識革命の道具に使われた紀彦が哀れである。生後2カ月の赤子に負担をかけるより、長子と常子が大阪に出向いて、伸彦を説得すれば済む話じゃないの?ホント、長子と常子は、事を荒立てる方へ荒立てる方へ進めているように思えてならないのである。

■峯屋主人・野川由美子。
今週、みのり役の熊谷真実の他に、もう1人新たな登場人物が加わった。野川由美子である。役柄は、みのりに高級和服を貸す呉服屋「峯屋」の女主人役である。名前は、今のところ不明。ちなみに、みのりもタイトルバックの役名では「加津の母 みのり」となっており、名字が不明。浩次、加奈に続いて、3人目の“名字不明”者である。って、どうでもいい話ですね...。

■城代って、いったい...(何度目?)
愛にテレビ番組の制作プロダクションのバイトを紹介するために、「幸楽」へやってきた城代。城代がやってきたとき、「幸楽」は客から「シュウマイ定食、まだっ?」と文句を言われるくらい忙しい時間帯だった。キミや聖子、サチらが忙しく動き回る店内に顔を見せた城代。キミのところへやってくると、思いっきりの笑顔で、こう言ったのだ。「急に春らしくなりましたですね♪」...だから、場の空気を読めって〜のっ!つくづく状況判断のできない男である、城代は。こんな平凡な時候の挨拶でも、忙しさで殺気立っている人間にとっては、一種の暴言になることが分からないのか。しかも、「なりましたですね♪」って何だよ?「なりましたね♪」でいいじゃん。...ああ、また今週も、城代にツッコミ入れちゃったよ(鬱)。

■今週の気になったセリフ。
「立派な本間の嫁や!頼りにしてまっせ〜!」
由紀の件で、珍しく長子と意見が一致した常子のセリフ。本間の嫁?アンタ、先週長子に「嫁姑やめまひょ、なっ!」って言ってたじゃないか?それなのに、また本間の嫁だなんて。結局、常子にとって、長子は本間の嫁以外の何者でもないのだ。

【今週の視聴率】
関東23.3% 関西24.4%(ビデオ・リサーチ社調べ)

第48回(2003年3月6日放送)
勇やキミは、サチが約1ヶ月間、コンピューター企業に体験入社するためアメリカへ行ってしまうので、代わりに愛や眞に店を手伝わせようと考えていた。しかし、愛は大学の研究室で教授の研究の手伝いをするとウソをついて、テレビ局の制作プロダクションのバイトを始めていたし、眞は東大の受験勉強でそれどころではなかった。3月は卒業式シーズンで、謝恩会の出前やケータリングの書入れ時と考えていたキミは不満を隠さない。加津はみのりのために借りた金を中村編集長へ返そうとする。渡した金は原稿料だから、加津の好きなものを買えという中村に、加津はお雛様が欲しいという。だが、加津が帰宅すると、立派なお雛様が飾られていた。五月が加津のために飾ったのだ。五月に感謝する加津。その頃、旅館の仲居として働いていたみのりも、お雛様を見て加津を思い出していた。加奈のために用立てた200万円の借金を全額返済した光子が、再び「幸楽」で働きたいと申し出る。常子と由紀が雛祭りのお祝いに「おかくら」へやって来る。伸彦から連絡がないことに業を煮やした常子は、大阪へ戻り、伸彦姉弟を本間病院から追い出す覚悟をしていたが、そこへ伸彦が現れる。伸彦は由紀に子育てを任せきりにしたことを詫び、帰って来てほしいという。由紀は迎えに来てくれた伸彦に涙を流して感謝し、本間病院へ戻ることを承諾する。そして「幸楽」。先輩たちに怒鳴られながらも、テレビ局のバイトを頑張る愛。しかし城代から、愛がテレビ局でバイトしていると聞いた勇は大激怒。愛が帰宅するなり、勇は愛を怒鳴りつけてしまうのだった。

■さよなら、サチ!
サチが約1ヶ月間、アメリカのコンピューター産業の最前線企業に体験入社することになった。しかし、サチの家は父親が失業中で、サチが大学進学を諦めたほど貧乏だったはず。よく1ヶ月近くも、アメリカへ行ける費用があったもんだ。「幸楽」のバイト代なんか雀の涙ほどだし、そのほとんどはコンピューターの専門学校の学費に消えていたのではないか?だが、それより気になったのは、サチのアメリカ滞在期間が3月10日から4月3日までだということ。つまり、サチが帰国する頃、渡鬼は終わっているということである。これで、今シリーズのサチは見納め。果たして、次シリーズにもサチは登場するのか?全ては眞の東大受験にかかっていると言えるだろう。もし来年4月、眞が東大生になっていたら、眞を見守るというサチの役目も終わり、「幸楽」を去っているだろう。っていうか、もし来年4月、まだサチが「幸楽」のバイトをしながら専門学校に通っていたら、次のツッコミを入れたい。お前、いったい何年間、コンピューターの専門学校に通えば気が済むのかっ!友達と一緒にコンピューター会社を設立する話はどうなったっ!って。という訳で、さよなら!サチ!長い間、お疲れさんでした。

■2秒間の奇跡。
最近、後輩の浩次にセリフを奪われ気味のたっちゃん。そのたっちゃんに奇跡が起きた。えっ?たっちゃんのセリフが増えたって?違う違う。冒頭の出演者クレジットで、たっちゃんの名前が葛山信吾と並んで表示されたのだ。葛山は現在、CXドラマ「いつもふたりで」で、松たか子、坂口憲二の次に名前が単独で表示されるほどの俳優。その葛山と並んだのである。誰でも「へぇ、たっちゃんって、葛山と同クラスの役者だったんだ。」って感心するだろう。まさに渡鬼ワールドでしか起こり得ない奇跡。しかし、この奇跡は長くは続かなかった。だって、2人の名前が表示されたのは、たったの2秒間だったんだもの。それにしても、渡鬼の出演者クレジットって、役者の名前が単独表記になる基準ってあるのだろうか?

■光子、200万円返済。
去年の7月、義理の娘・加奈へのお餞別のために、金融会社から200万円もの借金をした光子。この借金のため、光子は「幸楽」から給料のいい病院の栄養士へ転職した。あれから8ヶ月。ついに光子は借金を全額返済した。8ヶ月で200万円。月に25万円返してきたことになる。これって、スゴイことではないか?健治にも手伝ってもらったから、早く借金を返済できたと光子は言うが、「幸楽」の給料なんて安いでしょう。(っていうか、加奈は健治の実娘なんだもの。ホントならば、健治が一人で借金返済するのが、筋ってもんじゃない?)なぜ、光子はそんなに早く借金を返済することができたのだろうか?「借金返済の方法なんて、どうでもいいのっ!最終回も近いんだよっ!少しでも多く今シリーズの問題を解決しとかないと、次シリーズは『光子の借金はこうなったのよね』みたいな説明セリフだらけになっちゃうじゃないっ!」というスガコ先生の声が聞こえたような気がした...。

■五月、なぜ拒む?
健治から、愛、眞、サチが「幸楽」を手伝えなくなって、人手不足になるのではないかと聞いた光子は、五月に再び「幸楽」を手伝いたいと申し出た。しかし、折角の光子の申し出を、五月は「とんでもない!光子さんは病院の栄養士って大事なお仕事がおありなんだから!」と拒んでしまう。病院の仕事は借金返済のために始めたもの、その借金も全額返済したので、病院はいつ辞めてもいいと光子が言うと、「とんでもない!ウチなんか手伝って頂いたって、光子さんのように栄養士の資格を持ってる方に見合うお手当なんて、とても差し上げられません!」とまた拒否。お手当貰うつもりなど毛頭ないという光子に、五月は「いえ、いいんですよ、心配して頂かなくたって!ウチは何とでもなりますから!」と3度目の拒否。今の「幸楽」にとって、人手は喉から手が出るほど欲しいはず。しかも光子は、かつて「幸楽」で働いていたから要領だって分かってるし、しかも無給でいいとまで言っているのだ。なぜ五月は光子の申し出を拒むのだろうか?きっと、五月は光子の申し出に胡散臭いものを感じたのだろう。だって、まともな神経の持ち主ならば、8ヶ月で200万円もの借金を返せるような給料のいい職場を辞めて、鬼ババと腹黒い三つ編みブタのいる中華料理店でタダ働きしようだなんて思うはずないもの。光子は何かを企んでいる。五月はそう思ったに違いない。

■タキ、花の髪飾り。
タキの頭に引っ付いていた紫の花。あれは何なんですか?女性は皆、雛祭りには花の髪飾りを付けるものなんですか?ウチは男兄弟なんで、雛祭りについては無知なもので良く分かりません。それにしても、タキの頭に紫の花飾り。これは似合う、似合わない以前の問題のような気がする。思うに、バランスが悪いのだ。タキの顔はデカイ。頭もデカイ。それに対して、紫の花が小さ過ぎるのだ。だから、髪飾りというより、何かが頭に引っ付いているという印象を与えてしまうのだろう。でも、だからって、タキの頭にデッカイ胡蝶蘭が咲き乱れていたら、それはそれで引いてしまうけど...。

■長子、花の髪飾り。
という訳で、長子も花の髪飾りを付けて、常子・由紀親子を出迎えた。ところが、2階へ上がった長子の髪から、その花の髪飾りが消えていた。いつの間に、長子は髪飾りを取ったのか?きっと、長子はタキの髪飾りを見て思ったのだろう。いくら昔からの風習だからって、やって良い事と悪い事があると。似合わない髪飾りをムリに付け続けることは、周りの人間にとっては拷問に近いことだと。人の振り見て、我が振り直せである。そういった意味では、タキの髪飾りも役に立ったということだろう。(ナンノコッチャ)

■ヒナの雛祭り。
ヒナの雛祭りのお祝いのため、英作は他人に仕事を振って早めに帰宅した。「お母ちゃんと由紀が来るかも知れないっていうから、ウチの家族が揃うなんて滅多にないことだからムリしたんだ。」という英作。なんだ、ヒナのために早引けした訳ではないのか。っていうか、由紀が上京して以来、毎日のように顔を揃えているじゃん、本間家は。その後の常子のセリフを聞くと、雛祭りみたいなお祝いの席で顔を揃えるのが久しぶりということみたい。いずれにせよ、娘のお祝いに家族が集まるからって早引けできるなんて、ホント英作は恵まれた職場に勤めてるよ。

■仕事覚えの悪い女たち。
加津の前から姿を消したみのりは、東北地方(?)の某旅館の仲居になっていた。しかし、仕事覚えが悪いのか、旅館の女主人から「いズもいズも、おんなズごとを言わせねでけさえっ!」と訛りのキツイ言葉で叱られてしまう。一方、テレビ局の制作プロダクションでバイトを始めた愛。みのり同様、仕事覚えが悪いのか、番組の女スタッフから「何度言ったら、覚えてくれるのかしらねっ!」とイヤミを言われてしまう。仕事覚えの悪い女・みのりと愛。きっとこれは「会社に頼っちゃダメ。手に職つけて独立しなきゃ!」というスガコ先生のメッセージなのだろう。だから、弥生やあかり、文子、葉子、長子みたいな“自営業”の女たちは簡単に成功するけど、みのりや愛みたいに既存の会社で働く女たちには試練を与える。非常に分かりやすいスガコ先生のメッセージですね。

■ああ、城代。(何度目?)
連日、テレビ局の制作プロダクションのバイトで帰りが遅い愛。大学の研究室で教授の研究の手伝いをしているという愛のウソを信じている勇は、帰りが遅くなるような手伝いなんか辞めさせて欲しいと、城代に相談した。「なるべく早く帰れるように話してみます」とか何とか適当なこと言ってゴマカせばいいものを、城代は勇に愛のバイトの内容をバラしてしまった。ホントに城代は情けない男である。決められたセリフを棒読みするしか能がないから、機転を利かせてアドリブでその場をしのぐということができないのかも知れない。ところで、城代が「幸楽」を訪ねた理由は、たまたま可愛いケーキを見かけて、雛祭りに独りぼっちの加津に届けたくなったからというもの。城代が「幸楽」を訪ねた時刻は16時40分。そんな時間に退社して、縁もゆかりもない小娘のためにケーキを買う外資系会社員なんて、絶対いないと思います...。

■今週の大爆笑。
城代から愛のバイトの内容を聞いた勇は、苦虫を噛み潰したような表情で、愛の帰りを待つ。城代も愛との約束を破ってしまったことに責任を感じて、同じく愛の帰りを待っていた。そこへ、愛が帰宅。リビングに入ってきた愛の頬を打とうとして、右手を後ろへ振り上げた勇だったが、その手の先には城代の顔が...。勇の平手をマトモに顔面で受けた城代。さすが、勇である。節分の豆まきの時といい、城代をどうイジれば視聴者が大爆笑できるか、ちゃんと心得ている。スガコ先生も、こんな三文コントのネタにもならないようなシーンを、よくこしらえたものだ。拍手を送りたい。それにしても、城代。勇の平手打ちを浴びた後、誰からもフォローされず、放置されたまま、ドラマは終了。そんな扱いされていいのか!と渡社長に聞いてみたい今日この頃である。

■今週の気になったセリフ、いろいろ。
「またどんな親子ゲンカになるのかと、身が細る思いの五月だったのでした。」
冒頭のナレーションより。その割には、五月の体格はシリーズを追う毎に、細るどころか逞しくなってきていると思います。っていうか、親子ゲンカが予想されるんだったら、何か手を打て、五月!

五月「口答えしたら、母さんが叱られるの。」
「ゴメンね、母さん。俺がワガママ通したら、この家での母さんの立場ないの分かってるけど...。」
春休み、店を手伝わないと宣言した眞。キミは母親の躾が悪いと五月をイビる。キミに歯向かう眞を窘める五月と、五月に詫びる眞。この会話、キミのいる前で堂々と展開された。こんな会話を目の前でされたら、キミだって面白くないだろう。今さらだけど、どうして渡鬼の登場人物って、所構わず思ったことを口に出してしまうのだろうか?そりゃあ、人間関係に軋轢が生じるはずである。

「紀彦ちゃんは、あなたと由紀ちゃんの子供なんです。育児は夫婦で助け合ってするもんじゃないんですか?」
由紀を迎えに来た伸彦に、育児のあるべき姿を説く長子のセリフ。この後、長子は延々と伸彦に育児についての講釈をたれる。お前が言うなっ、長子!ヒナの面倒はタキに任せているクセに、夫婦で助け合いも何もないもんだ。こんなトンデモ女に、説教されてる伸彦が哀れである。

【今週の視聴率】
関東24.2% 関西24.6%(ビデオ・リサーチ社調べ)

第49回(2003年3月13日放送)
愛のテレビ局でのバイトに、勇やキミは猛反対。勇は「どうしてもやりたければ家を出て行け」と言い放ち、愛は「幸楽」を出て行く。キミの手前、愛が出て行くことを黙認した五月だったが、大吉に連絡し、もし愛が訪ねて来たら受け入れて欲しいと頼む。果たして、愛が訪ねた先は「おかくら」だった。大吉は表向きは渋い顔をしながらも、愛が居候することを認める。五月は愛のため、加津に10万円と手紙を「おかくら」へ届けさせる。愛が「おかくら」にいることを見抜いていたキミは、愛が帰って来ても敷居は跨がせない、「おかくら」とも縁を切ると言い放つ。愛がいなくなって人手が足りなくなった「幸楽」だったが、光子が病院の栄養士の仕事を辞め、正式に「幸楽」に復帰する。「おかくら」に常子と神林が現れる。息子や娘の煩わしさから解放されたいという常子は、神林と一緒に暮らしていくと宣言する。お受験に合格した私立の小学校へ通いたいというヒナ。しかし、長子は翻訳の仕事があって送り迎えができないから、近所の小学校へ通わせるという。長子の考えに賛同する常子。だが、神林は大人の勝手でヒナの夢を踏み潰すことは許されないと激怒する。一方、常子と神林が同居することを知った英作は、常子を疎ましく思う長子が悪いと不満顔を隠さない。そして、葉子が「おかくら」を訪れる。政子と大喧嘩した葉子は、政子が山口の家に帰ってくれたと上機嫌だった。

■城代の戦略。
愛がテレビ局でバイトしていることを、勇にバラしてしまった城代。当然、勇は激怒し、愛にバイトを辞めるように言いつける。しかし、愛は一歩も引かず、ついに勇は愛に家を出て行けという。そこへ城代の登場。「お父さんっ!愛さんは別に悪いことをしてる訳でも、いい加減な気持ちでやってる訳でもないんですっ!」と珍しく少しだけ感情を込めたセリフ回しで、愛の擁護に回った。何を今更と思うが、しかし、これが城代の戦略だったのかも。つまり、わざと勇に愛のバイトをバラし、責められる愛を庇う役回りを引き受けることで、愛の気を引こうという戦略である。そう考えると、勇から浴びた平手打ちも納得。城代は、愛の同情を買うために、わざと勇の後ろに回り込んで、顔面を殴られるように仕組んだのだ。結局、同情されなかったけど。策士・城代。しかし、そんな城代の戦略も失敗に終わった。愛曰く、(城代は)ただ人がいいだけで、何も分かってないの。」だって。

■スガコの本音。
テレビ局でのバイトについて、お互い主張を譲らない勇と愛。2人のセリフから、スガコ先生の渡鬼に対する考え方を読み取ってみよう。自分が担当している番組について、勇に説明する愛のセリフから。

「お笑い系の人たちが大勢出てるバラエティー番組。お父さんは見たことないから知らないだろうけど、視聴率が高いので有名な番組なの。」
スガコ「渡鬼は、橋田ファミリーの人たちが大勢出てる長寿命ドラマ。お父さんと若い人たちは興味ないから知らないだろうけど、視聴率が高いので有名な番組なの♪」

「そんなクダラない番組のために、一日中走り回っているのか?」
スガコ「そんなクダラない番組のために、一年中台本を書きまくっているのかですって?余計なお世話よっ!」

「どんなにクダラない番組だって、作る人はみんな一所懸命だし、見る人は楽しんでるの。それでいいじゃないっ!」
スガコ「どんなにクダラないドラマだって、出演者はみんな長セリフ喋るのに精一杯だし、見る人はドラマ展開にツッコミ入れて楽しんでるの。それでいいじゃないっ!」

■娘の夢を踏み潰す親たち。
んで、結局愛は「おかくら」へ。「ディレクターになりたいだなんて、最高の夢!」と言って、愛の夢を励ます長子。一方、愛の夢を理解しない勇については「テレビの仕事っていうだけで、何でも軽薄だとかクダラないとかっていう考えがオカシイのよ。」と批判する。その長子、ヒナには私立小学校への進学を諦めさせるつもりのようだ。理由は、@ヒナを医者にする必要がなくなった。A翻訳の仕事を抱えていては小学校への送り迎えができない、ということみたい。しかし、ヒナは今でも医者になるつもりでいるのだ。他人の娘の夢は応援するクセに、自分の娘の夢は踏み潰す長子って、いったい...。長子に勇を批判する資格なんてないのである。

■神林の反乱。
自分の仕事のためにヒナの夢を踏み潰そうとする長子と、ヒナの世話は長子に任せたからと長子の考えに賛同する常子。この2人に反旗を翻したのは、神林であった。「あ〜んな難しい勉強させといて、ヒナ子ちゃんをその気にさせておいて!えぇ〜、それでせっかく、受か、受かった学校に、その〜、お、親の都合で行かせなくするなんて、そ〜んな理不尽なっ!」と大吉ばりに声と体を震わせて批判した。神林の言うことは、一から十まで正しい。長子も常子も、自分たちの都合だけで、ヒナを医者にさせようとしたり諦めさせようとしたり。ヒナは長子たちのペットではないのだ。嫁姑の争いの道具に使われた感のあるヒナのお受験。ヒナが医者になる夢を持ち続けている以上、長子と常子はしっかりその責任を取るべきである。

■ああ、英作。
そんな愛娘・ヒナの夢が打ち砕かれようとしているというのに、英作の関心は専ら常子にあった。常子がマンションを引き払って、神林と同居することになったと知った英作は「お前が悪いんだぞ〜!」と長子を責める有様。由紀の件で、長子と常子が仲良くなったことを忘れたのか、英作は!さらに、今の病院で内科医長というポストを世話してもらった恩も忘れて、神林のことを「あんな男」とか「あんな奴」呼ばわりする始末。ホント、英作は情けないほどのマザコン男である。常子は60歳を超えた大人も大人だよ。誰と同居しようが、常子の勝手ではないか。常子が病気というならともかく、今だ暴走機関車の名を欲しいままにしている顔デカババァである。また、神林がどうしようもない男ならともかく、渡鬼の登場人物の中では一番の人格者である。2人の同居に、何の文句があるのか?常子の件で、長子にウダウダ文句言って、不貞腐れて独りで鯖寿司食う前に、もっとヒナのことを考えてやれ、英作っ!

■スガコの本音 Part2。
もうひとつ、スガコ先生の本音が垣間見られるセリフがありました。壮太に里芋の皮むきを教えるタキのセリフより。

タキ「素質や器用さだけじゃ、一人前にはなれないの。辛抱して同じことをやって、それを体で覚えるようにしないと。」
スガコ「俳優としての素質や器用さなんていらないの。アタシの有難い長セリフを辛抱して、毎回同じようなセリフと演技を繰り返して、それを体で覚えるようにしないと、一人前の渡鬼役者にはなれないの。」

タキ「失敗なんかしたっていいの。失敗して使えなくなった材料は、お店にご迷惑掛けないように、アタシがちゃんとお返ししとくから。」
スガコ「NGなんか出したっていいの。NGで使えなくなったテープ代は、フクコに迷惑掛けないように、アタシがちゃんと弁償しとくから。その代わり、盆暮の付け届けだけは忘れないようにね♪」

■今週の気になったセリフ、いろいろ。
「大声でわめいたって起きてもらいます!」
深夜2時に「おかくら」を訪れた愛と城代。こんな時間に大吉が起きているのかと心配する城代に、愛が一言。大声でわめいたら、近所迷惑でしょう。しかも岡倉家には、朝早く起きて河岸に行かなきゃならない壮太だっているんだよ。人の迷惑を考えないワガママ娘・愛。さすが、小島家の血を引くだけある...。

「なんてたって、時代の先端を行く華やかな仕事だからね。」
テレビ業界に関する長子のセリフ。「その華やかな業界のトップにいるのがアタシなんだよ!」というスガコ先生のシタリ顔が見えた気がしました。

「よくまあ、そんな歯の浮いたようなお世辞言えるわねぇ。」
光子がケータリングに参加してくれることで、光子目当ての注文が増えるという周平。それに対する聖子のセリフ。女の嫉妬は、時に真実を見えなくさせてしまうのですね。

【今週の視聴率】
関東25.1% 関西24.0%(ビデオ・リサーチ社調べ)

第50回(2003年3月20日放送)
「おかくら」に居候してテレビ局のバイトを続ける愛だったが、ミスを連発。AD(須藤公一)やスタッフ(広澤恵)の厳しい叱責に、独り涙していた。宗方の件で大喧嘩した葉子と政子。葉子は、政子や宗方と縁を切り、小さい仕事でも引き受けて一から出直す覚悟をしていた。一方、政子は葉子のマンションを出て、山口の家に帰ることに。突然の政子の帰宅に驚いた太郎だったが、葉子から訳を聞いて納得し、再出発する葉子を励ます。葉子のマンションで引越しの片付けをしていた政子は、帰宅した葉子に余計な世話を焼いたと詫びを入れる。寂しげな政子に、葉子は改めて今までのお礼を言うのだった。「幸楽」では、愛の家出以降、食卓から会話が消えて、加津は寂しい思いをしていた。しかし、店の方は、光子のケータリングの評判が良く、キミは上機嫌。「おかくら」に宗方が訪れる。大吉に呼び出され宗方と会うことになった葉子は、二度と宗方の仕事は引き受けない覚悟をしていた。しかし、アメリカのビル売却が葉子のためではなくビジネスのためだと知った葉子は、宗方に対して肩の荷が下りたような気になり、宗方依頼のオフィスのリフォームという仕事を引き受けることにする。そして、団地の広場でむすびの移動販売を頑張るあかりと勇気。その姿を遠くから見つめる良の姿があった...。

■米英軍、イラクへの空爆開始。
今から12年前の1991年1月17日、湾岸戦争が勃発。多国籍軍によるイラク空爆が開始された。当時、オンエア中だった渡鬼パート1は、報道特別番組に差し替えられた。あれから12年。奇しくも同じ渡鬼オンエア日に、同じイラクの空爆が開始。渡鬼のドラマの登場人物は同じことを繰り返していると笑ってみるものの、現実社会でも同じこと。人々が争うのは、ドラマの中だけにしてほしいものです...。

■愛、試練の日々。
憧れのテレビ業界を目指して頑張る愛だが、ミスを連発して叱られっぱなし。人気アイドルを東京駅まで迎えに行くのを忘れたり、ロケ車に飲み物を積むのを忘れたり、深夜食の手配を忘れたりと散々。ADからは「言われなくても、お前は今日の出演者のスケジュールは分かってるだろっ!」と、女スタッフからは「深夜食の手配するくらい、言われなくたって分かってるでしょうっ!」と叱責される。思うに、愛は言葉で指示を受けないと行動できない人間のようだ。でも、それも仕方あるまい。愛は一から十まで何でも思ったことを口にしないと気が済まないという家族に囲まれて育ってきたのだ。相手が何を望んでいるか、何をすべきなのかということを想像する力が、著しく欠如しているのだろう。口でハッキリやるべきことを伝えないと行動できない愛。しかし、これって、テレビ局の仕事以前に、普通の会社員としても、かなりの障害になると見た。

■葉子と政子、ついに別居!
葉子と政子が別居することになった。「どう考えても不自然な同居」という声を聞く耳も持たず、ダラダラと続けてきたのに、最終回まで残り1回というところでの別居。これで本当に政子は渡鬼からリストラされてしまうのか?次シリーズでの登場はないのか?もう二度と「今日は葉子さんのお祝いですの♪」という政子の迷セリフを聞くことはできないのか?別に聞きたいとも思わないけど。まぁ、長い間お疲れさまでした、草笛さん!(しかし、予断は許さない。来週の2時間半スペシャルで、トンデモないドンデン返しがあるかも知れないし...。)

■太郎、説明セリフの一気読み。
突然の政子の帰宅に驚いた太郎。葉子から事情を聞こうと、会社を休んで「おかくら」に現れた。会社を休むほどのことかっ!事情を聞くだけだったら、電話一本で済むだろうがっ!そんなにテレビ画面に登場したいのか、英一郎っ!...失敬、話が逸れました。「おかくら」へやって来た太郎。「お袋がさ、突然、昨夜遅くやって来て...」から「俺も仕事休んで葉子のこと探してたんだよっ!」まで一気に捲くし立てた。その内容は、「私のことはほっといて頂戴!」という政子の口マネをしてみたり、オロオロする美智の様子をこれまた口マネを交えて話したりと、全て“政子の帰宅から今朝までの山口家の出来事”を太郎による独り芝居で再現したものだった。そんなこと、微に入り細に入り話さなくたっていいじゃん!とっとと葉子に、政子と別居した訳を聞けばいいものを。余計なセリフが多過ぎるんじゃあ!

■大吉の心遣い。
そんな説明セリフを一気に捲くし立てた太郎だったが、さすがに喋り疲れたのか、最後に「スイマセン、ちょっとお水頂いていいですか?」と。コップに水を注ぐタキに、大吉の「早くしてあげて」というセリフ。大吉は、演技そっちのけでセリフを捲くし立てる太郎を気遣ったのだろう。早く水を飲んで一息ついてほしいと思ったに違いない。さすが、渡鬼のゴッド・ファーザー。周りの人間への気配りを忘れていないのである。

■葉子、いくつになっても甘えん坊。
政子や宗方と縁を切る決心をした葉子。しかし、2人と縁を切っては、仕事はもちろん住む場所さえたちまち立ち行かなくなってしまうのは、火を見るよりも明らか。そこで大吉の登場である。「一人で出直す覚悟ができたんだったらさ、父さんができることはしてやる。」と葉子に金を貸すことを承諾する。ホント甘いね、大吉は。葉子の覚悟なんて、アテにならないのは、分かり切っていることではないか。その内、宗方がシャシャリ出てきて、何だか分からない内にまた一緒に仕事するなんてことになりかねないのだ。...って、おいおい出てきたよ、宗方が!

■ゾンビ男・宗方復活!
という訳で、宗方の登場である。サンフランシスコへ行っている間に、葉子との婚約&婚約破棄話が勝手に進むなど、自分の知らないところでヒドイ扱いを受けていた宗方だったが、それにもメゲずに再登場。まさに、ゾンビ男の名に相応しい活躍ぶりである。ところで、二度と宗方とは仕事をしないと宣言したはずの葉子。その舌の根も乾かぬ内に、再び宗方と仕事をする決心をした。なぜ?それは、宗方がサンフランシスコでビルを処分した理由が、葉子に理想の仕事をさせるためではなく、オフィスのリフォームにかかる資金を作るためだったからというもの。そのことを宗方から聞いた葉子は、パッと表情が変わり「それを伺って気がラクになりました♪アタシ、宗方さんに借りなんてないんだ♪」などとほざき、あれよあれよという間に、宗方依頼のオフィスのリフォームの仕事を引き受けてしまった。...なんだよ、それ。サンフランシスコのビル処分が葉子のためではないなんて、宗方のウソかも知れないではないか。それに、理想の家作りであろうがオフィスのリフォームであろうが、ビル処分で得た金を葉子の仕事のために使うことには変わりないじゃん。葉子は何を勝手に納得してるのか?しかし、視聴者を置いてきぼりにしてドラマはドンドン進み、ついに葉子は宗方と契約を結ぶことになる。いや、置いてきぼりにされたのは、視聴者だけではない。大吉である。気まぐれワガママ娘のために金を貸そうとしていた大吉。2人が笑顔で「おかくら」を去った後、「どうなってるんですかね、あの2人は?」とタキに愚痴。いい加減、学習してほしいです、大吉には。

■文子と利子、上機嫌♪
文子と利子、相変わらず2人でつるんで「おかくら」でのんびり食事である。イラクへの空爆が開始されたんだよ。海外旅行者の数も減るだろうに、文子の旅行代理店は大丈夫なのか?今、こうして利子と毒にも薬にもならない会話をしている間に、文子のオフィスには旅行キャンセルのファクスやメールが山ほど届いているかも知れないのに。って、ドラマと現実をゴッチャにし過ぎてますね、僕は...。

■良、復活&勇気、名演技!
今週、ついに良が再登場した。しかし、セリフなし。遠くから、むすびの移動販売を頑張るあかりと勇気を見つめるだけ。当然「へへっ♪」というセリフも聞かれなかった。「へへっ♪」なんて言える状況ではないか...。しかし、良の代わりにインパクトのある演技を見せたのは、勇気。良の姿に気付いた勇気は、良に向かって歩き出す。が、良に気付かないあかりに行く手を阻まれてしまう。良が去って行くのを黙って見守るしかない勇気は、唇を噛み締めて悔しさを滲ませた表情をした。これが、あの無表情の勇気なのか?もしかして、CG処理?

■眞兄ちゃん、頑張って!
深夜、リビングでうたた寝している加津。早く寝ろという五月に、加津は「まだ眞兄ちゃん、勉強してるんだよ。起きててあげないとさ。」と答える。眞がいつお夜食を食べに来てもいいように、リビングで待機しているのだ。ホント眞思いだねぇ、加津は。まるで息子の受験勉強に付きそう母親みたい。加津の将来は教育ママか。っていうか、お夜食の世話なんてする必要ないだろう。その気になれば、カップラーメンだって何だって腹に入ればいいんだもん。それくらい眞一人でできるはず。(ちなみに、僕は受験生の頃、自分でインスタントラーメン作ったり、ソーメン茹でたりしてました。)加津は東大受験が終わるまで、毎晩リビングで待機し続けるつもりなのか?五月も、そんなこと小学生の加津に任せるなよ。長太やみのりが知ったら泣くぞ、加津が「幸楽」でヒドイ扱いを受けてるって。

■今週の気になったセリフ、いろいろ。
「『幸楽』の家族は重苦しい雰囲気で会話もなくなり、愛のいない寂しさと一緒に...。」
冒頭のナレーションより。...思いっきり長セリフの会話しとるやんか、幸楽の家族どもはっ!

「美智は今、空間デザイナーの修行でさ、専門の先生のお宅に通ってるじゃない。」
美智の近況を説明する太郎のセリフ。とうとうそこまでいったのか、美智は。でも、空間デザイナーになっても、葉子と一緒に仕事できないのでは?オフィスのリフォームに、カーテンの色なんて関係ないもん。葉子に唆されて空間デザイナーを目指した美智。仕事のアテもないのに、頑張って修行しているなんて、哀れ過ぎる...。

「ピアノの先生には、このままいけば合格疑いナシって、お墨付き頂いたの♪」
望のピアノの上達を自慢する文子のセリフ。望って、去年からピアノを習い始めたはず。まだ一年も経ってないのに、もう音大の合格間違いナシと言えるほど上達したのか?バイエルの上下をクリアしたって、音大に入れる道理はないんだぞ、文子っ!っていうか、スガコ先生っ!

「亭主は元気で留守がいい。昔の人はいいこと言いますねぇ♪」
利子のセリフ。昔の人?「亭主は元気で留守がいい」って、「タンスにゴン」のCMコピーでしょう。昔からある諺じゃありませんよ、スガコ先生っ!

【今週の視聴率】
関東21.1% 関西21.1%(ビデオ・リサーチ社調べ)

パート6最終回スペシャル(2003年3月27日放送)
いよいよ最終回を迎えた渡鬼。果たして、全視聴者が納得できる結末になっているのか?各家庭ごとにまとめました。

野田家の春
むすびの移動販売中、勇気が自転車との衝突事故に遭ってしまう。突然の事故に動転するあかりの目の前に現れたのは、良だった。勇気を抱きかかえ、病院へ向かう良。幸い勇気は外傷もなく助かる。あかりや病院に駆けつけた弥生に、良は今までの事情を話す。未亡人の女社長に請われて仙台へ向かった良だったが、会社再建に失敗し退職。また、良は女社長とは男女の関係はなかったという。涙ながらに良を非難しながらも、家に帰ってきてほしいと懇願するあかりに、日本に見切りをつけ上海に発とうとしていた良は、野田の家に帰ることを決心する。久しぶりに帰宅した良に、ハナは激怒するが、弥生やあかりに説得されて、良を受け入れる気持ちになる。再び「ごはんや」の仕事に戻った良は、「おかくら」へ配達に訪れ、大吉に詫びを入れる。そして、野田家の食卓は、再び和やかな笑いに包まれるのだった...。

■エライね!勇気!
あかりが、むすびの販売で客とクダらない会話をしている間、勇気は良の姿を発見。走り寄ろうと道路に飛び出した瞬間、自転車とぶつかってしまう。しかし、勇気ときたら、泣きも喚きもせず、相変わらず宙を見つめる無表情ぶり。エライね!勇気!さすが男の子。良やあかりを心配させまいとして、わざと何でもないような顔をしてたんだ。...そ、そうだよね、勇気!

■弥生が余裕カマしていた理由。
良の家出以来、取り乱すこともなく「良には夢を叶えてほしい」などと落ち着き払っていた弥生。その余裕はどこから来るのかと思っていたら、実は弥生は仙台での良の行動を把握していたのだ。「アタシ、ときどき人に頼んで仙台の会社に電話してもらって、それとなくアナタ(良)の様子、聞いてもらっていたんです。」という弥生のセリフから判明。仙台での良の様子が分かっていたのなら、せめて良を心配しているハナには伝えてやれよ。ハナは良が家出して以来、めっきり言葉数も少なくなって落ち込んでるんだから。それとも、良の再建手腕のダメぶりを聞いて、ハナに伝えるのがためらわれたのか?

■良、会社再建失敗!
未亡人の女社長に頼まれて、家族も仕事も捨て仙台へ向かった良。早速、会社経営の実態を調査して、大規模なリストラ策を打ち出した。が、前社長の取り巻きに邪魔されて、あえなく会社再建は失敗してしまう。しかし、それも仕方あるまい。だって、しがない「ごはんや」風情の中年男に、いきなり乗り込まれてリストラだなんて言われたら、誰だって面白くないだろう。これが、いくつもの会社再建に敏腕を奮ってきた銀行員とかいうなら、話は別。ごはんやだよ、ごはんや。誰だって、疑わしいって思うだろう。さらに、良は前に勤めていた大手企業で、人事担当重役としてリストラする立場にあった。リストラの悲哀を知って、前の会社を辞めたはず。その良が、簡単にリストラ策を打ち出すなんて。従業員のクビを切ったら、一時的には会社経営は持ち直すかも知れない。しかし、根本的な解決にはならないのだ。リストラ以外の方法で会社を持ち直させてこそ、良の夢が果たせるというものではないか?それとも、仙台の会社には知人もいないから、心置きなくクビが切れるということなのか。

■フクコの本音。
会社再建策に関する良のセリフ。それは渡鬼プロデューサー・フクコの本音にも聞こえた...。

「3分の1の人員整理が必要だった。ことに前社長の息のかかっている連中が、用もないのに高い給料取ってんだ。」
フクコ「渡鬼は、役者の3分の1の人員整理が必要だったのよ。ことに前シリーズから出演している連中が、セリフもないのに高いギャラ取ってんだから!」

しかし、良もフクコプロデューサーも、人員整理には失敗したようだ...。

■ハナ、大激怒!
弥生、あかり、勇気とともに久々に野田家に戻った良。しかし、良の顔を見るなり、ハナは大激怒。良を叩こうと、杖を振り回す始末。(城代がいたら、間違いなく頭に当たっていたな。)弥生やあかりに諭されたハナは、良が家に戻ることを承諾。しかし、よほど腹の虫が治まらなかったのか、「今度、弥生さん裏切るマネしたら、アテ、アンタ殺して、アテも死ぬ!」と宣言。年老いた母親にこんなセリフを吐かせるなんて、良はホント親不孝だね。一方のハナ。激怒ぶりもさることながら、良を許した後、「早よ、風呂へ入んなはれ。アンタ、ニオうで。」と言って、顔にニヒルな笑みを浮かべて、その場を去った。思わず「役者だねぇ」などと感心してしまった。あっ、役者か...。

■受験に効く!あかりのむすび!
あかりのむすびを買いに来た主婦。「ウチの子ね、無事第一志望の大学に入れたの。おたくのおむすびのおかげよ♪」とのたまう始末。その時、あかりは閃いたに違いない。「『受験に効くごはんやのおむすび!』って宣伝文句、ホームページに載せちゃおう♪この奥さんにも登場してもらって、おむすびの効果を語ってもらうのよ。そしたら、注文殺到疑いナシね♪」...止めなさい、あかり。JAROに訴えられるぞ。って、その前に東大合格を目指す眞に食べさせてやったら?それで合格したらむすびの効果はホンモノだし、加津だって毎晩眞のお夜食のためにリビングで待機する必要もなくなって一石二鳥じゃん!

小島家の春
愛がなかなか「幸楽」に戻らないことに不満を募らせた勇は、ヤケ酒を飲む始末。キミは、母親としても女房としても失格と五月を責めていた。愛を心配した加津は、愛のケータイにメールを送り続けていたが、返信はなかった。毎日深夜までテレビ局のバイトを頑張っていた愛だったが、ADのイビリに近い叱責に、ついにブチ切れてADを殴ってしまう。バイトを辞めることになった愛は、城代とともに「幸楽」に戻ってくる。愛を許してやってほしいと土下座する城代。が、愛にイヤミを言うキミに、城代は声を荒らげて抗議する。城代の謝罪に免じて、勇は愛の帰宅を許すのだった。テレビ番組を作るという夢を潔く諦めた愛は、城代に感謝しこれから大事にお付き合いすると宣言する。一方、小学校の卒業式を迎えた加津は、ホームページに長太から卒業記念に貰った服を着た自分の写真を掲載して、卒業の報告をする。「幸楽」から遠く離れた旅館の仲居として働くみのりは、加津のホームページを見て、我が娘の卒業を独り喜ぶのだった。そして笑顔の戻った「幸楽」では、今日もまた忙しく店内を動き回る五月の姿があった...。

■愛、ブチ切れ!
テレビ局のバイトでミスを連発する愛。しかし、愛にロクな指導もせず仕事を辞めろというADに、ついに愛は「辞めればいいんでしょっ!これ以上、アンタの下で働くなんてゴメンだわっ!」とブチ切れ、ADの頬を殴ってしまった。そして、テレビ番組を作るという夢を捨てて「幸楽」へ。あ〜あ、一時の感情で一生の夢を捨て去ってしまった愛。社会人になったら、キレそうになることなんて、山ほどあるんだよ、愛。そして、キレた方が負けなんだよ、愛。(って、ちょっと社会人の先輩ヅラしてみました...。)しかし、夢を捨てるのは勝手だが、このバイト、城代の紹介でしょう?辞め方にも、礼儀ってものがあるはず。職場の人間に悪態ついて殴って辞めるなんて、最悪な辞め方。城代の面目マル潰れである。って、愛は城代の面目なんか、どうでも良かったのかも知れないですね...。

■アッパレ!城代!
この一年ですっかり城代は、哀れなピエロ役に落ちてしまったと思っていた。しかし...ラストもラスト、トンデモナイ大逆転が待っていた。夢破れた愛とともに「幸楽」へやって来た城代。大吉のお株を奪って、まずは五月や勇に土下座。そして、勇に許してもらわなくても構わないという愛に、「何、バカなこと言ってるんだっ!クダらない意地張ってないで、テレビの仕事は諦めましたって、頭下げればいいんだっ!」と説教。えっ?これが、いつも状況判断もできずヘラヘラしていた城代なの?と思った矢先、信じられない光景が...。なんと城代は、キミにまで説教を始めたのだ。愛の帰宅を許さないキミに「夢と挫折を繰り返しながら、自分探しをしてるんです。それを暖かい目で見てあげるのが、大人の役割じゃないんですかっ!それでもあなたは愛さんのお婆ちゃんですかっ!それじゃ、愛さんは可哀想だっ!愛さんがこのウチへ帰りたくないって強情張るのもムリありませんっ!」と声を荒げて抗議した。アッパレ、城代!良くぞ、言った!あの城代が、キミに向かって「大人のあるべき姿」を説くなんて。まあ、確かにキミは感情の振れ幅が大き過ぎて、その点、まだまだ子供と言えるかも知れないけど。それにしても、まるで一年間のボケキャラを全て帳消しにして、城代を一躍ヒーローに仕立て上げるようなこのシーン。渡社長から城代の描き方にクレームでもついたか、スガコ先生?

■アッパレ!光子!
そんな城代の変身ぶりに影響されたのが、光子だった。その矛先は、宿敵・聖子。城代のアッパレぶりをホメ称えた光子に、聖子は「ゴマすり」と軽くイヤミ。それに対して、光子は涼しい顔して「ゴマすってるのは、あなたの方でしょう。大きい女将さんの肩ばっかり持って。それで『幸楽』貰えるつもりでいるのかも知れないけど、そうは問屋が卸さないわよ。」とピシャリ。「肩ばっかり持って」というセリフが、「肩ばっかり揉んで」だったら笑えたけど。「そうは問屋が卸さないわよ」というセリフが、「アンタなんか、豚屋に卸しちゃうわよ」だったら、もっと笑えたけど。さらに、歯向かってくる聖子に「悔しかったら、あなたも少しは『幸楽』の儲けになるような事したらどうなの?大きい女将さんに取り入って、若い女将さんや愛さんの足引っ張るだけしか能がないんじゃ、『幸楽』にはただの疫病神じゃない。」とまたまたピシャリ。口では敵わないと思った聖子は光子に殴りかかるが、光子はそれも軽くよけてしまう。完全に光子の勝利。高視聴率ドラマ・渡鬼のラストで全視聴者の溜飲を下げる役割を、城代と光子に任せるなんて、スガコ先生も考えたものである。しかし、光子のセリフで聞き捨てならない個所がある。それは「それで『幸楽』貰えるつもりでいるのかも知れないけど、そうは問屋が卸さないわよ。」という部分。裏を返せば、「アタシだって『幸楽』貰える可能性があるんだから」という光子の本音かも知れない。次シリーズ、もしかして光子は新たな鬼になる可能性大である。

■キミ、鬼姑のまま終了。
毎シリーズ、どんなに鬼姑ぶりを発揮しても、必ず最終回には良い姑になっていたキミ。パート5では、ラスト10分で良い姑になるという離れ業を演じていた。ところが今シリーズ、ついにキミは良い姑にはならなかった。城代に「大人のあるべき姿」を諭されたキミは、仏頂面をして終了。えっ?キミが良い姑にならなきゃ、渡鬼は最終回を迎えることができないのではないか?しかし、これには訳があるのだ。昨年、キミは7月から9月までの2ヶ月間、久子親子のためにシアトルに行っていた。その時の時差ボケが、まだ続いているのだろう。日本では12ヶ月経っているのに、キミの体内時計はまだ10ヶ月目くらいなのだ。キミが良い姑になるまで、あと2ヶ月間必要なのである。

■愛と城代、再び...。
城代のヒーローぶりに感激したのか、「城代さんはアタシには大事な人なの。これから大事にお付き合いするの♪」と城代と再び付き合うことを宣言した愛。後日、2人で「おかくら」で食事したり、映画観たりと仲良くデートする始末。めでたし、めでたし...でいいのか?これって、結局パート5の頃の2人に戻っただけじゃん!結局、渡鬼って、スタート地点とゴール地点が同じドラマだったんですね...。

■光子のセリフより。
「城代さんの気持ち、アダやおろそかにしちゃ、バチが当たるわよ♪」
城代のアッパレぶりを見て、愛を笑顔で諭す光子のセリフ。この後の「そうは問屋が卸さないわよ」といい、現代風の顔立ちをした光子の言葉とは思えないセリフ。まあ、今さらツッコムのも何ですが...。

■聖子のセリフより。
「ホント、『幸楽』の皆さんは、お人が良過ぎますよね。」
加津を預かる小島家の面々に対する聖子のセリフ。人が良いって...だから、お前も500万円持ち逃げしたって雇い主に悪態ついたって、居座り続けられるんだろうがっ!

■加津のセリフより。
「おひさまが帰ってきた!」
愛の帰宅を喜ぶ加津のセリフ。  プッ...(笑)。  愛は御仏なのか。

高橋家の春
春休みを利用して、望は塾の合宿へ、恵理はピアノの先生の別荘で特訓を受けるために伊豆へ。子供たちから解放された文子と利子は、香港へ旅行することに。春休みを文子や望と過ごすため帰国した亨にお構いナシに、文子たちは香港へ行ってしまう。残された亨の元へ、単身赴任先の札幌から帰って来た利子の夫・典介(佐藤B作)が訪ねてくる。「おかくら」で酒を酌み交わす亨と典介。最初、利子の勝手な行動に腹を立てていた典介だったが、大吉や亨に利子のことを話している内に、利子の自立を喜ぶようになる。すっかり、亨と意気投合した典介は、亨を北海道の温泉に誘うのだった。そして、後日。文子のマンションでは、相変わらず仕事に忙しい文子の姿があった...。

■仕事、大丈夫なの?
利子と香港旅行することになった文子。この時期、ゴールデン・ウィークや、早い人ではお盆休みの海外旅行の予約をする人も結構いるはず。何日間留守にするのか知らないが、旅行代理店の仕事は大丈夫なのか?なかなか連絡のつかない文子に、業を煮やしたお得意様が「これだから個人の代理店はダメなんだよっ!」と大手代理店に流れる心配はないのか?いつも仕事で忙しくて、食事をこしらえるヒマもなかったはずの文子。いったい、どうやって休みが取れるように調整したのか?イラク戦争勃発で、海外へ行く人も減ると見込んでのことなのか?後日、英語を捲くし立てて仕事の電話をする文子の姿があった。しかし、利子の姿はナシ。...やはり旅行の予約が減って、利子はお払い箱になったのかも?!

■文子、旅行代理店をする資格ナシ Part1
香港旅行のためパスポートを取りに行った帰りに「おかくら」へ寄った文子。大吉に「気がついたら、アタシのパスポートの期限が切れてて、慌てて申請して今日貰えたの。」と説明。おいおい、アンタ、旅行代理店を営んでるんだろう?パスポートの期限が切れてることに気付かないなんて、大丈夫なのか?文子の旅行代理店は個人で経営しているのである。もし、文子の旅行客が海外で事故に遭って、家族と現地に向かうなんてことになったら、旅行会社の人間として同行するのは文子しかいないんだよ。その時、パスポートの期限が切れてるなんて気付いたって遅いのである。「あらっ?パスポートの期限が切れてるわ!お父さん!悪いけど、お父さんのパスポート貸して!」ってな訳にはいかないんだぞ、文子!

■文子、旅行代理店をする資格ナシ Part2
利子との香港旅行を楽しみにしている文子。突然の亨の帰国にも、「前もって連絡してくれないと。」と亨を責める始末。でも、ちょっと待って。自分だって、亨に香港へ行くことを連絡してないじゃん!さらに、望が塾の合宿へ行くことも連絡してないみたい。もし、亨の身に何かあって、日本の家族に連絡を取りたい時、どうするのか?っていうか、海外旅行をする場合、緊急連絡先に自分が乗る飛行機や泊まるホテル、旅行中のスケジュールなどを伝えておくだろう。文子の場合、緊急連絡先とは、実父の大吉か夫の亨である。文子は、大吉に旅行の詳細を伝えてないみたいだし、亨に至っては旅行すること自体連絡していない。そんな海外旅行する場合の常識すら心得ていないなんて、文子に旅行代理店を営む資格なんてないのである。

■不自然な訪問。
何はともあれ、亨一人をマンションへ残し、文子と利子は香港へ。残された亨は、散らかった文子の部屋の片付けを始めた。その直後、マンションのチャイムの音が...。利子の夫・典介の訪問だった。亨と同じように、利子から香港行きを聞いていなかった典介は、寝耳に水の表情。利子の勝手な行動に呆れるやら、怒るやら。でも、ちょっと待って。文子たちが部屋を出てから、典介がドアのチャイムを鳴らすまでの時間、わずか24秒間であった。この短い時間だったら、普通廊下かエレベーターで文子たちとすれ違うだろう。文子たちは、重いトランクを持っていたのだ。そんなに早くマンションを立ち去るとも思えない。或いは、長い単身赴任生活で妻の顔を忘れたため、すれ違っても気付かなかったのかも?!

■ガラ悪すぎ、典介!
妻に勝手をされた者同士、亨と典介は「おかくら」へ。ところが、この典介、酒が入るとかなりガラが悪くなるタイプみたい。典介を慰めようと、大吉が利子の勝手を非難すると、顔色が変わって、大吉のことを「アンタ!」呼ばわり。まあ、自分の妻を悪く言われて面白くないのは分かるが、相手は亨の義父である。いくら酒に酔ってるからって、もう少しモノの言いようがあるだろう。大吉だって、最終回に突然現れた新参者に「アンタ!」呼ばわりされて面白くないはず。亨も間に入って、典介をなだめるくらいの器量を見せなさいって!その後の典介の独り芝居に、終始ムスっとした表情の大吉が印象的でした...。

■利子のセリフより。
「今度は是非、ハワイへもお供させてください♪」
新婚旅行はグアムだったが、本当はハワイへ行きたかったという利子のセリフ。...年末のハワイロケ参加のおねだりか?

■消えたトランク。
録画した人、要チェック!大きなトランクを持って、文子のマンションを訪ねた利子は、玄関の脇にトランクを置いて部屋に上がった。その後、亨が鳴らしたチャイムの音を聞いて、玄関へ向かった利子。しかし...玄関の脇にあったはずの利子のトランクが消えていた。さらに、玄関からリビングに向かう亨の後ろ、玄関の脇に再び利子のトランクが現れたが、明らかに最初利子が持ってきたトランクと種類が違っていた。最初のは、センターに赤いベルトを巻いたシルバーの大きなトランク。後に現れたのは、キャリーハンドルが高く伸びた黒っぽいトランク。...こ、これは、いったいどういう訳なのか?こんな怪奇現象が起こるなんて、文子のマンションは呪われているのかも...。

葉子の春
宗方から、オフィスビルを住宅用にリフォームする仕事を請け負った葉子は、美智にスタッフとして参加してくれるように願い出る。しかし、美智は、山口の家に帰って来てから塞ぎ込んでいる政子に気を使う日々を過ごしていた。空間デザインの勉強も止めた美智は、葉子の申し出を断ってしまう。葉子のマンションに政子と宗方が訪ねてくる。再び葉子と宗方が一緒に仕事を始めたと聞いてお祝いに駆けつけた政子だったが、また葉子の世話をしたいと申し出る。独りで仕事をする寂しさを痛感した葉子もまた、政子に同居してほしいと願い出る。葉子、政子、宗方の3人は、再び家族のような付き合いを始めることになった。後日、「おかくら」に集まった葉子、太郎、美智の3人。太郎と美智は葉子に礼を言い、葉子は改めて美智に仕事の依頼をするのだった。そして、葉子のマンション。仕事に勤しむ葉子と、甲斐甲斐しく世話する政子の姿があった...。

■訂正。
葉子たちにツッコム前に、ひとつ訂正。先週の「今週の岡倉家」で、「オフィスのリフォームに、カーテンの色なんて関係ない。空間デザイナーを目指す美智の出る幕はないのでは?」と疑問を呈したが、オフィスビルのリフォームって、住宅用にリフォームするということだったのですね。それなら、美智の手腕も大いに発揮されるでしょう...。

■おいおい、またシャシャリ出てきたよ!
何だか訳が分からない内に、再び同居を始めることになった葉子と政子。...もう、呆れてモノが言えません。政子のことを鬱陶しがって、ついに政子を追い出した!と大喜びしていたではないか、葉子は!その舌の根も乾かぬ内に、また政子と同居かよ!政子も政子である。自分が追い出されたのも忘れて、「アタシで良かったら、また葉子さんのお世話ぐらいならさせて頂きます。」とのたまう始末。しかし、政子の表情は気恥ずかしさに満ちていた。そりゃそうだろう。政子ではなく、演じる草笛光子が気恥ずかしいのである。草笛は自らの役柄の描かれ方に、「私、バカみたいじゃない!」と内心思っているのでは?そんなバカみたいな役を演じさせられて、草笛もお気の毒である。

■3バカトリオ再結成!
そんな草笛の気持ちも知らず、ついに政子の“あのセリフ”が登場する。「ねぇ!こういう家族もいいんじゃない♪」...はぁ〜、出たよ。ついに出ちゃったよ、政子の迷セリフ。このセリフ、今まで何回、何十回、いや何百回聞かれたことか。今、初めて思いついたような言い方するなっ!学習能力ないんかっ!いつまで家族ごっこを続ければ、気が済むのか!っていうか、結局、葉子、政子、宗方の3バカトリオ、一年前の関係に戻っただけじゃん!いったい、この一年間、葉子たちは何を右往左往していたのか?次シリーズ、オフィスビルのリフォームが終わった葉子。資金繰りが苦しくなった宗方は、また葉子にプロポーズして、政子が後押しして、葉子が偽装婚約して...。まるでゴールのない人生ゲームだな、これは。

本間家の春
ヒナが合格した私立小学校の入学前の参観日、長子と英作はヒナの進学を巡って大喧嘩する。近所の普通の小学校へ通わせるという長子と、ヒナの希望通り私立小学校へ通わせるという英作。両親の大喧嘩に心を痛めたヒナは泣きながら、普通の小学校へ通うから喧嘩は止めてという。ヒナを不憫に思った大吉は自分がヒナの送り迎えをするから、希望の小学校へ行かせてやれというが、長子はこれがアタシの教育方針と聞く耳を持たない。そこへ、常子と神林が現れる。ヒナを心配した神林が常子を説得して連れて来たのだった。ヒナを不憫に思った常子は、長子に頭を下げてヒナの送り迎えを申し出る。そんな常子の姿を見て、目に涙を浮かべて感謝する長子。常子は、これからも言いたいことを言い合える関係でいようという。晴れて希望の私立小学校への入学が決まったヒナ。嬉しそうなヒナの寝顔を肴に、長子と英作は仲直りの乾杯をする。そして、後日。長子、英作、常子、神林、ヒナの5人は仲良くお花見に興じるのであった...。

■ヒナ、名演技!
両親の大喧嘩に涙するヒナ。この一年で一番成長したのは、ヒナかも知れない。他の大人たちは、同じことの繰り返しだし...。ヒナは、大きな目から大粒の涙をコボして、大吉に長子と英作の喧嘩を止めさせるように懇願する。あんなに涙を流して...相当、目薬がシミたと見た。

■長子、教育方針180度大転換!
ヒナの進学を巡って、長子と英作は大喧嘩。自分がヒナの送り迎えをするから希望の小学校へ入れてやれという大吉に、長子は「甘やかさないでっ!送り迎えのことだけじゃないのっ!アタシの教育方針として、近所の小学校に通わせるって、決めたんだからっ!」と剣もホロロ。ところが、その舌の根も乾かぬ内に、ヒナの送り迎えを申し出た常子に、ヒナを任せてしまうことに。おいおい、お前の教育方針とやらは、どこへ行ったんだ?結局、ヒナの送り迎えが面倒なだけだったのかよ!常子は神林宅に居候してヒナの送り迎えって、結局一年前に逆戻りじゃん!いったい、長子たちはこの一年間、何を右往左往していたのか?次シリーズ、ヒナの送り迎えの途中で事故を起こした常子が首にギブス巻いて、それを見た長子が「もうヒナは遠くの私立小学校には通わせません!近所の小学校で充分です!」とか言い出して...まるでゴールのない人生ゲームだな、これは。

■お花見に興じる本間家の人々。
いかにも、ウソっぽい桜でしたね。あの桜の散り具合、まるで、梅沢富美男の「夢芝居」を見ているようでした...。

そして、「おかくら」の春
愛のバイトを心配する大吉。良の「ごはんや」復帰を喜ぶ大吉。亭主をないがしろにして香港へ旅立った文子たちに呆れる大吉。初対面の典介から「アンタ!」呼ばわりされた大吉。ヒナの私立小学校入学を喜ぶ大吉。今週もいろいろな出来事が起こった「おかくら」だったが、まるで今週限りでトラブルとはサヨナラとばかりに、バタバタと諸問題が解決していった。トラブルが消えていくのはいいが、ついでに大吉が計画していた弥生の誕生パーティーも消え去ってしまった。夜、亡き節子の位牌の前で、大吉は震える手でビールを注ぎ、節子と乾杯する。トラブルがなくなった途端、自分たちの生活に追われて姿も見せない娘たち。普段は娘たちが持ち込むトラブルを鬱陶しいと思っていた大吉だったが、娘たちが来なければ来ないで、一抹の寂しさを隠せない。しかし、娘たちが来ないことは幸せにやっている証拠と自らに言い聞かせるように、節子に語りかける大吉。「ご心配いりませんよ。一年経てば、娘たちはまた来ます。」という節子の声が聞こえるような気がしていた大吉だった...。

■壮太のセリフより。
「愛さん見てると、俺もへばっちゃいられないって、ガッツが出てくるんです。元気を貰っちゃうんです、愛さんに!」
へばっちゃったね、愛は...。それに、いろんな人から元気貰うんだね、壮ちゃんは。もしかして、愛がバイト辞めたのも、壮ちゃんに元気を吸い取られたからかな?人の元気や精気を吸いとって、板前修業を続ける壮ちゃんって...お前はスペース・バンパイアか!(って、このツッコミ、分かる人少ないでしょうね...。)

■最後の最後に感動。
節子の位牌の前で、ビールを乾杯する大吉。その時のナレーションに感動してしまいました。「『ご心配いりませんよ。娘たちはまた来ます。このまま平穏無事にいくとは思えません。お父さん、いつまでも元気でいてやって下さい。娘たちには誰よりもお父さんが頼りなんです。最後は、お父さんしかいないんです。いつまた何が起こるか、分からない世の中ですからねぇ。』 そんな節子の声が、大吉には聞こえるような気がしていたのでした...。 ウン!大吉には元気でいてほしいです。壮太に元気を吸い取られることなく、元気でいて下さい、大吉さん!

■次シリーズへ持ち越しの問題いろいろ。
・和夫は再びあかりにストーカー行為を働くのか?
・愛は何の仕事に就いているのか?
・眞は東大に合格するのか?それとも「幸楽」を継ぐのか?
・眞が東大合格した場合、キミは逆立ちして町内を歩くのか?
・愛と城代の関係に進展はあるのか?
・聖子VS光子の争いはどうなっているのか?
・加津とみのりは再会するのか?
・シアトルの久子・加奈親子はどうなっているのか?登は何をしているのか?
・隆は相変わらず水道工事人の修行を続けているのか?ミカの受験はどうなるのか?
・加津の小学校卒業祝いに、眞がプレゼントした靴のアクセサリーって、何かの伏線なのか?
・たっちゃんや浩次は「幸楽」に残っているのか?
・文子と利子は相変わらずつるんでいるのか?
・文子の旅行代理店や亨のハワイのホテルに、イラク戦争の影響はないのか?
・望のガールフレンド・恵理は無事音大に合格するのか?
・典介はまた登場するのか?
・葉子、政子、宗方は相変わらずつるんでいるのか?
・美智は空間デザイナーの資格を取ることができるのか?
・壮太は板前の修業を続けているのか?
・大吉の体は大丈夫なのか?
・そして...年末のハワイロケに参加する役者は誰なのか?

■そして、番組最後のテロップより。


一年のながい間 ありがとうございました。
また来年、桜の季節にお会いできることを楽しみに...。

【今週の視聴率】
関東25.5% 関西25.0%(ビデオ・リサーチ社調べ)

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