嘉彦エッセイ


第7話(2004年10月掲載)


        



『チャンピオンになりたくばチャンピオンらしく振舞え』



 本文に入る前に…先月職業柄、指導現場においては同席者の中では最高齢になってしまったと、還暦の話を本文に入る前に申し上げました。

先日こんな体験をしました。元勤めていた自動車会社の開発部門のOB会が有りまして僅かのフライングをして参加しました。今度はなんと最年少の体験でした。当日は、さすがの厚顔の佐藤も全てが先輩でしたので、ペコペコのしどうしでした。

さて、本文に入りましょう。今日はその先輩たちに負けずに良い仕事をする話です。

 この格言のような言葉は、私の作り言葉であるが信条としている言葉でもある。

 しばしば企業の中で見られる現象に、ここのところは課長がやってくれないと、と上位者に託したり、責任を転嫁したりすることがある。責任は転嫁でなく本来の姿かもしれないが、課長の下にいる部下の主事や主任が全うしても何もおかしくはない。ツメ腹を切らされるときは別ではあるが…。

さてこのような姿勢で良い仕事ができるだろうか、その人の仕事が広がって行くだろうか。

 戦国時代、武将はライバルを破ればそのまま領土から領民まで自分のものになってしまう。下克上の時代であって、自分が勝ち取りたくばいくらでも取って代わるわることができた。失敗すればもちろん自分の命はなくなる。

ボクシングやテニスにはランキングがあって、上位者を破るといままでの自分のランキングが上昇する。アテネで福原愛ちゃんは上位ランキング(15位)の選手を破ったので当然ランキングは上がる。北島康介は見事に金メダルなのでランキング1位になるのであろう。テニスはトーナメントが度々行われているので、トーナメントに出場して自分のランキングを取得して行かねばならないが、ボクシングではエキジビジョンなどの機会で一気にシンデレラボーイになることがある。戦国の武将よりチャンスは多く安全ではある。

 我々の仕事にもシンデレラボーイのチャンスがあると思う。それは、いつも上位者並みの責任意識や判断能力(努力)を持っていたり、行動をしていたとする。周囲は本来の上位者がいない時にはまず間違いなくその人を頼るであろう。

主任が主任の仕事しかしなければ、いつまでも主任である。「課長になったらきっとできる」との考え方もあるが、保証はない。主任の時点で課長の仕事がこなせられるなら、課長になっても大丈夫との保証付となる。

 若くして昇格して行く人の多くは、現状の一つ上位、二つ上位の仕事を常にこなしている人である。課長になっていないのに課長欄に印鑑を捺してはならないが、仕事はなんら遠慮は要らない。多いに脅かせば良い。そうすれば課長はもっと良い仕事ができて、企業は発展するし、個人にも福音がもたらされる。周囲は事実上の課長と認めるであろうし、次の昇格人事で指名されること間違いなし。事実このような人を多く見てきた。

あなたも今日からチャンピオンになってしまいなさい。

(来月は『VEとゲートボール』です。お楽しみに)

          (株)VPM技術研究所 所長 佐藤嘉彦 CVS-Life, FSAVE

                          佐藤嘉彦 著 エッセイ集 「千載一遇」より