嘉彦エッセイ


第76話(2010年10月掲載)


          



『マナー』

 ゴルフはマナーでルールができていて,禁止事項もマナー。靴を引きずるな、ショットする人の前に立つな、ディポットは直せ・・などなど他のプレーヤーのことを考慮したルールや禁止事項はマナーが背景になっている。サッカーのオフサイトなどは卑怯なことするな、正々堂々とやれとのこれもマナーぽいことが背景だ。今日はマナーのお話をしよう。

 携帯電話・・・国民の大半が持ち、我が家でも96歳のおばあちゃんがしっかり持っている。なかなか使わないが、それでも楽々フォンの3つのボタンは使っている。先日も家内と留守をしたら「何時に帰ってくるのか」と電話があった。時計は早くも6時を回っていたから、腹をすかしての電話だろう。結構・結構、私たちはニヤッと笑ったものだ。

携帯電話、駅で電車から降りて操作(多分メール)しながら歩く姿には甚だ迷惑を感じる。雑踏、そして多くの人は出勤や、家路に着こうとする急ぎの中、歩くリズムが壊わされる。人の流れも悪くなる。本当に腹が立つことがしばしばある。Priority Seat(優先席)周辺での携帯電話の禁止も車掌は車内放送で注意を促すが、誰一人その注意に耳を傾けようとはしない。もうこうなったら、そのエリアはペースメーカーに影響のない妨害電波を出すような車両を作り、電話を掛けたくとも掛けられないようにしてしまえば、乗客も減少し、優先席を求めて松葉づえの人が乗り込んできても座れるであろうから、効果倍増になるのではと思うのだが・・・。

携帯電話のシステムを売るNTTやSoftbank、AUなどはこの手のマナーキャンペーンをやらない。ただ自分の会社のシェアが上がることしか宣伝しない。これも企業マナー違反だ。酒類やたばこの宣伝には、必ず「お酒を飲んだら・・」とか「18歳未満は・・とか」リサイクルの呼び掛けの注意書きがついている。

先ほどの優先席、若者が堂々と座り年寄りが立つ、譲らない。家庭や学校教育の悪さだ。でも、先日こんな情景を見た。両親が5・6歳の子供を連れて乗り込んできた。(優先席ではないが)子供が座ろうとしたらお母さんが「お椅子には歳をとった人から座るのよ。パパが先、○○君は立っていなさい」・・・お父さんは座り、○○君を膝の上にだいた。周囲に人はほとんど立つ人はいなかったが、親の躾の一端、さあ、勇真君のジイジイ(私)はそうできるかなと考えた。


先日、公園を歩いていたら、縁石で形取った植え込みや、芝が植えられたエリアがあった。そこを人がすたすた踏み込んで横切って行く。角の部分は完全に植栽は踏み消され、通路と化している。悲しかった。私は植木を植えたり、芝を張ったり、緑を大事にするのが好きで、何しろ秋には紅葉の種を八ヶ岳や京都や奈良に求めて、毎年発芽させ、苗を何十本も分けて差しあげているくらいだ。だから絶対許せない現象。このマナーのなさには何をか言わんやだ。あと1m遠回りがなぜできないのだ・・・まして公園、ゆっくり楽しみにきている、多くの人が憩いを求めてきている、みんなで緑いっぱいにしようと思わないのが私には不思議だ。

アメリカで良く見る光景で実際に経験もある。スーパーの駐車場、ハンディキャップの人達用の駐車スペースは入り口の周囲に沢山確保されている。一杯になった駐車場で、ハンディキャップの人のところは空いていても、絶対健常者は駐めない。アメリカの駐車場は大きい、かなり遠くから歩く羽目に陥るが、気にしないで歩く、ゆったりしている、ソソクサしていない。彼らはハンディキャッパーを守る心を持っているからしっかり守る。躾が行き届くと当たり前になる。

スーパーでの買いもの、食材を手にとって、チョイスしなかった場合には元の並んだ状態に戻すのが常識と思っているが、そうはいかない、ぐちゃぐちゃにおいて行く。隣との境が分からなくなる・・・どういう気持なのだろう。しっかり、縦横揃えて置いて行ったら次のお客様には如何にも清潔な食品に思えてくる。自分で選ぶときには揃った方から取るではないか。夕刻の割引セール以外は・・。

仕事で良く関西に行くようになった。関西の電車は、路線案内の文字が小さくて見にくい。あれは経路が分からない人が見るものなのに私の老眼では遠すぎる、本当に苦労する。ローマ字など全く読めない。マナーの原点は相手の立場に立って考える。VEで言うなら「使用者優先の原則」だ。JRさん何とかしてよ、

そうそう、その社内ですっと腰かけたら、隣のおっさんが手でもっと向こうへ座れと合図する。私が「どなたか来たら座りますよ」と言ったら「誰も来いへん」私は譲らず隣の1人分を開けて座り続けたら、そのおっさん2駅過ぎたら向かい側に移った。見回したら7人掛けを5人で座るのが当たり前の関西、関東もマナーが良いわけではないのでこのごろの電車は3+4になるように手摺りを付け出した。Good Ideaだ。

 わが淵野辺駅に有料自転車置き場ができた。それまでは乗り捨て自転車の山で駅前広場は埋め尽くされていた。おいていきたい人の気持ちは分かるがみんなで渡れば怖くない主義だ。整理員が毎朝立つが手に負えない。撤去も多すぎて追いつかない。

そこに、有料自転車置き場ができた。その自転車置き場は1時間まで無料、あとは2時間100円だったかとにかく安い。自転車の前輪を置場に差し込むと奥にロックがあってガチャリ、そこからカウント開始。しかし、そのガチャリの手前で止めて行く人が多い。要領?が良すぎる。これはマナー問題ではなく犯罪、詐欺か何かの罪になる。私は意地悪だからそれを見つけると、ぐっと押して、ガチャリしてくる。今のところトラブルになってはいないがいつか当事者が見つけると何か言ってくるのだろうと思いつつガチャリ。

結局、身勝手・利己主義の結果がマナーの悪さに繋がるのだな・・・と思った。しかし、自分はどうだろう、決して褒められるマナーリストではない事に気付いた。

 気になるマナー、まだまだある。

*レストランの食事、トレーで運ばれてきたものは、終了時にみんなトレーに乗せて立っていますか。

*そして帰る時の椅子…元に戻していますか。

*メールの返信、知人・友人・ビジネス交流でしたら来信後遅れずに、「着信しています、ありがとう」を。

まだまだ、たくさんある。相手に喜ばれることがマナーだと思う。

皆さんはいかがでしょうか

一つずつ、やろう。ネ




    (株)VPM技術研究所 所長 佐藤嘉彦 CVS-Life, FSAVE