デビッド・ライアンに学ぶ株式投資の教訓

デビッド・ライアンのインタビューから株式投資の教訓となる文言を抽出し、コメントを加えて考察しています。

株式投資の教訓と私のコメント

　マーケットの魔術師シリーズ第１巻に登場するトレーダー、デビッド・ライアンのインタビューの中から株式投資の教訓となる文言を抽出し、コメントを加えて考察します。

損切り

◆損の許容範囲は七パーセントだ。(p.246)

コメント
　株式投資では損切りのタイミングを予め決めておき、そのルールに従うことが重要です。何故なら株が一旦下げ始めると、どこまで下がるかは分からないからです。
　一定の損失が出た段階で損切りすれば、それ以上損失が広がることを防止出来ます。
　許容損失の割合を何パーセントにするか、あるいは値幅をいくらにするかは、各自の許容損失の度合い、投資金額の大小によって異なるので、個別に検討が必要です。

利食い

◆その株が値上りし、高値で保ち合い、そして下げ始めるまで待つ。それが僕にとっての売り場だ。(p.246)

コメント
　株式投資で利益を大きくするには、損切りは早く利食いはゆっくりという、損小利大の方針を取る必要があります。利益幅を予め決めるのではなく、株価が上昇する間はとことんトレンドに追従することで利益を伸ばします。
　トレイリング・ストップ(Trailing Stop)で逆指値のポイントを切り上げ、株価が下落してストップに引っかかった時点で手仕舞います。

経験から学ぶ

◆自分のやったひとつ、ひとつのトレードから学ぼうとする人間は、時間とともに進歩していく。(p.251)

コメント
　うまくいったら何故うまくいったのか、失敗したら何故失敗したのかを考え、それを記録することで、自分だけのマニュアルが出来上がります。
　マニュアルが更新される度に賢くなり、以前よりもうまくいくようになるでしょう。それは仕事でも株式投資でも日常生活でも同じです。

成功のポイント

◆自分のやっていることが本当に好きなら、みんなもっと成功できると思うけどね。(p.252)

コメント
　仕事や趣味及びスポーツなど、ある事柄に関して十分に時間と熱意を傾けても、自分のやっていることで満足のいく結果が得られない場合、自分はそれが本当に好きなのかどうか疑ってみた方がいいかも知れません。
　もしそれほど好きでないなら、それを続けることは骨が折れるし、満足な結果を出すことは難しいでしょう。
　逆に自分のやっていることが本当に好きなら、少々失敗しても諦めずに続けることです。諦めない限り、最終的には成功出来るという考え方です。

失敗から学ぶ

◆唯一の最も重要なアドバイスは、自分のミスから学べだ。これがトレーダーとして成功する唯一の道だ。(p.252)

コメント
　始めたばかりの頃はこれ以上はひどくならないという程ヘタクソなトレーダーの方がいい、とリチャード・デニスは述べています。
　身銭を切って、色々試して、ある程度痛い目に会わないと、うまくいく秘訣や正しいやり方は身に付かないのかも知れません。
　稀に、始めから何でもうまくこなす人がいます。しかし、色々な失敗を経験した人の方が最終的には進歩するし、大きく飛躍出来ると考えます。

自分なりの方法論

◆成功を収めるためのトレードの方法論はオリジナルである必要はない。(p.252)

コメント
　仕事のやり方や物事の進め方に関して、一から十まで全てを自分で考え出す必要はありません。人生の持ち時間は有限ですから、ある程度効率的に進める必要があります。
　ジェームス・Ｗ・ヤングは、著書「アイデアのつくり方」の中で、「アイデアとは、既存のアイデアの新しい組み合わせ以外の何物でもない。」という趣旨のことを述べています。
　先人の優れたアイデア、優れた投資戦略を手本にして、自分なりのやり方にアレンジすれば良いのです。その方がより早く具体的な形で結果を出すことが出来るはずです。

ウィザード人脈

ウイリアム・オニール…デビッド・ライアンが入社したオニール社の社長。ライアンは自分の投資法の殆どを、ウイリアム・オニールの著作や教えから直接学んだ。

新マーケットの魔術師に学ぶ株式投資の教訓(シリーズ第２巻)