ウイリアム・オニール
米国トップトレーダーが語る株式投資・ビジネス成功の秘訣、マーケットの魔術師シリーズ第1巻に登場するトレーダー、ウイリアム・オニールのインタビューの中から株式投資の教訓となる文言を抽出し、コメントを加えて考察します。
天井の見分け方
●四銘柄中三銘柄は明らかに市場平均と同じ方向に動く。したがって、日々の株価や出来高から相場が天井を打っていないかどうか知る必要がある。(p.226)
●市場平均が天井を打つ場合は、次の二つのうちどちらか一方が起こる。第一は、平均株価が新高値に達するが出来高を伴わない場合。第二は、数日間出来高が急増しているにもかかわらず、引き値ベースではほとんど指数が上がらない場合。(p.227)
コメント
例えば東証1部の銘柄を取引するのであれば、日経平均株価のトレンドを把握することは必須です。新聞やニュースで日々の日経平均株価は報道されていますが、日々の株価は見ていても、チャートを作成してトレンドを監視している人は意外に少ないのではないでしょうか。
買いポジションを持つなら、株価が移動平均線の上方を推移している間はポジションを保持し、天井を打ったと認識すれば一旦手仕舞うのが良いでしょう。
相場が天井を打つと個々の銘柄の株価は早晩下落しますので、常にトレンドを監視しておく必要があります。日経平均株価とMACDチャート
損切り
一銘柄の損は七パーセントまでに抑えるというのがわたしのルールだ。買い値よりも七パーセント下がったら、自動的に成行で売る。(p.229)
コメント
現物買い、信用買い、信用売りのポジションを持ったら、利食いや撤退のポイントを決めておいた方が良いでしょう。予想に反して株価が逆行したら、一定の値幅、一定の割合で自動的に撤退する仕掛けが必要です。それによりリスクを限定出来ます。
撤退ポイントを値幅で決める場合の値幅を幾らにするのか。買値からの下落率で決める場合の下落率は何パーセントにするか。値幅にしても下落率にしても、各人の相場観、損失許容度により異なります。
また買値との比較ではなく、運用資金全体に対して一定の割合の損失が出たら撤退するというやり方もあります。
資金管理における2%ルール
損を放置しておくというのは多くの投資家が犯す一番深刻な間違いだ。(p.229)
コメント
一般的に株式投資の初心者は利食いは早く、損切りは遅い傾向があるようです。評価損を長く引きずると、取引額によっては一銘柄でも致命的な損失になる可能性があります。
個別株ではストップ・ロスが必要だ。それはその株がどこまで下げるかわからないからだ。(p.233)
コメント
当該銘柄の株価が、この程度値下がりしたら下げ止まるだろう、という見込みが当る保障は全くありません。
どこかで損失をストップしないと、損失はどんどん膨れる恐れがあります。そのためには逆指値注文(ストップ・ロス・オーダー)が必要です。
ポジションの保持
まず、あんばい良く株が動いている限りホールドすべきだ。(p.230)
コメント
利食いはゆっくり、損切りは早く、というのが株式投資で大きく儲けるこつです。
しかし、頭で理屈は分かっていても、実行するのは困難です。
投資銘柄数
一般の投資家は、一度に何銘柄くらい持つのが良いでしょうか。
資金が5,000ドルの投資家は一、二銘柄、1万ドルなら三、四銘柄、2万5,000ドルで四、五銘柄、5万ドルで五、六銘柄、そして10万ドル以上でも6、7銘柄だな。(p.231)
コメント
分散投資がリスクを軽減するからと言って、多過ぎる銘柄に分散していませんか。
銘柄を分散し過ぎると、ポジションの管理が煩雑になり、全てを把握するのが難しくなります。
ウイリアム・オニールは、数多くの銘柄に投資するよりも、限定されたいくつかの銘柄で、その銘柄については詳しく知っていることの方が望ましいと述べています。
成功要件
一般的に言って、トレードで成功するためには基本的な三つの要件がある。銘柄の効率的な選択方法、リスク管理、そしてそれらを忠実に行う自己規律である。(p.237)
コメント
銘柄選択方法、リスク管理については、種々の方法が書籍、セミナーなどで紹介されています。形がある程度見えますし、勉強する手段が色々と存在します。
自己規律は自分自身のことでありながら、自分では見え難く、制御し難い部分です。一般的に人間は、他人に厳しく自分に甘いからです。明示的、機械的な方法で規律に従うようにしたいものです。
自分が検討して決めた売買ルールを紙に書いてよく見える場所に貼ったり、毎日声に出して読んでみたりするのも一つの方法です。
ウィザード人脈
デビッド・ライアン…オニールの会社に入社し、四年後、最年少の副社長となった。
著書
ウイリアム・オニールは以下の著書を出版しています。
|
|
|
オニールの成長株発掘法 - 良い時も悪い時も儲かる銘柄選択をするために
「マーケットの魔術師」として名高く、40年にわたり株式相場で成功を収めてきたウィリアム・オニールが、現在、そして将来の投資家たちにむけて成長株を発掘するための独自のノウハウを公開。 |
オニールの相場師養成講座―成功投資家を最も多く生んできた方法
今日の株式市場でお金を儲けて、そしてお金を守るためのきわめて常識的な戦略 |
オニールの空売り練習帖
売る方法を知らずして、買うべからず
売りの極意を教えます!
「マーケットの魔術師」オニールが空売りの奥義を明かした! |
新マーケットの魔術師に学ぶ株式投資の教訓(シリーズ第2巻)
|