吉岡直樹のサイト

3分講座

私は、始めは我流で(よくよえば独学ということになりますが)楽器をはじめ、その後、定期的にレッスンを受けることでベースの奏法を学んできました。

また、ジャズについては多少の理論書も参考にしましたが、基本的にはレコード(音源)と諸先輩方の厚い指導や助言をいただきながら日々精進しております。

最近は演奏活動に加えて、レッスンやワークショップなどをする機会も増えました。ようやくこれらの活動もライフワークのひとつとしての意義と手応えを感じられるようになってきました。

私自身も日々スキルアップすべく取り組んでいますが、同時に、多くのアマチュア・プレイヤーや若い学生に接する中で、確かな情報が足りなかったり、あるいは誤った理解にとらわれているケースをみかけることも少なくありません。私自身、これまでの経験を振り返っても、「そういうことはもっと早く知っておくべきだった」と感じたことは決して少なくありません。

また、中高生や大学生などのなかには、じゅうぶんな課題や情報が与えられていなかったり、あるいは適切な指導がなされていないために、身体・頭脳ともにもっともしなやかな貴重な時間をじゅうぶんに活用できていないケースもみられて、とても歯がゆい思いをすることがあります。音楽に限らずスポーツにもいえることかもしれませんが、ひょっとしたらこれは我が国特有の課題かもしれません。

さらに、新聞やエッセイを読んだり、お客様との会話をしておりますと、ベースという楽器、ジャズという音楽に対する先入観や誤解、イメージと実態のギャップを感じることがあります。なかには、夢をこわさないためにもそのままそっとしておいたほうがよいこともありますが、なかにはそれによって理解が妨げられているケースもあるかと思います。

私は、演奏をすればするほど、また知れば知るほど、ベース(コントラバス)という楽器や、ジャズという音楽がどんどん好きになっているように思います。そして、ベースやジャズに対してもっと知りたいという人たちが決して少なくないということも、なんとなく感じるようになってきました。

ベースという楽器の技術、ジャズという音楽の理解は、文章を読んだくらいではそう簡単に深まるものでないことは、私自身、身にしみて理解しています。しかし、ひとりでも多くの方に、ベースやジャズの奥深さについて知っていただくことで、少しでも地域や社会のお役に立てるならばという気持ちで、これから少しずつまとめていきます。

私なりの「キーワード」を散りばめているので、私と話をしたり、レッスンを受けたことのある方にとっては、記憶を呼び起こすようなよい復習の材料になることと思います。また、これからベースやジャズを始めようかと思っている方、あるいは始めてはみたものの何から手を付けてよいものか悩んでいる方(これは過去の私自身にほかなりません)にとって、少しでも手助けになればと願っています。

最後に、ひとつだけ。

理論書を1ページも読まなくてもジャズ・プレイヤーになることはできます。しかし、ジャズを聞かずに、ジャズ・プレイヤーになることはできません。また、ほかのミュージシャンとコミュニケーションすることなしにジャズを演奏できるようになることは絶対にありません。

つまり、ジャズを演奏するために必要十分なものは、インターネット上には揃っていないのです。ジャズの演奏に必要なものは、共演してくれる人たちと、ジャズを聴くのが好きなリスナーと、演奏させてくれる場所です。これらが揃っているのはニューヨークや東京だけではありません。日本であれば全国津々浦々にジャズを演奏する環境があります。お住まいの町や地域も例外ではないでしょう。ジャズに限らず音楽はひとりでやるものではありません。当たり前のことですが、もっとも重要なことだと思います。