株で月３０万円稼ぎトレードで生活する田村式投資法

田村式投資法

　本書を読んだ時期は私が株式投資を始めた当初でした。
　当時は株式投資の書籍の内容を吟味する能力が低かったので、自分にとって有益かどうか分からずに購入しました。
　今にして思えば、ただ書名に気を魅かれただけだったように思います。

　著者は運の研究をしながらトレードをしている方で、投資家の心理状態と行動との関係を株式投資に活かそうとしています。

　田村式投資法の概要は、
・好業績株が
・出来高を伴って値下がりしたときに買い
・５％程度リバウンドしたら売り抜ける
・逆張りの
・短期売買手法
というものです。

　「出来高を伴って値下がりしたとき」というのは悲観的な売りが出た状態で、その後リバウンドする可能性があります。セリング・クライマックスとも呼ばれます。

　他の逆張りの売買手法としては、３点チャージ投資法が有名です。どちらも逆張りの短期売買であることは同じです。
　違いがあるとすれば、

３点チャージ投資法は、
・複数のテクニカル指標を組み合わせた
・明確な売買ルールで
・機械的に売買可能な手法
であるのに対し、

田村式投資法は、
・ルールが若干複雑かつ曖昧で
・自己裁量の余地を残した
・心理的な側面を重視した投資スタイル
ということです。

　教訓になりそうな文言を以下に抜粋してみました。
・好業績株が割安になった時に買う。
・情報は四季報と日経があれば充分。
・ＰＥＲ（株価収益率）が割安でなければならない。
・最低でもＰＥＲ３０倍以下の銘柄に投資する。
・できれば業績を増額修正した銘柄を狙いたい。
・ＩＴ相場が全盛のときは内需株が下落。
・値下がりが続き出来高が急増した銘柄を狙い撃ち。
・投資金額は常に一定に保つ。
・直近の高値から２０％下げてから買う。

失敗しないための銘柄選びの５つのポイント
１．債務のある銘柄は極力避ける。
２．買う当日の出来高は直近５日間の平均に比べ２倍以上であること。
３．出来高が急増した日の値下がり率が前日終値に比べ３％以上下落してから買うこと。
４．直近の高値（３ヶ月～５ヶ月）からの値下がり率が２０％以上であること。
５．前回の安値（２ヶ月）を下回っていること。

　本書の投資法を実施したとしても、月３０万円稼げるという根拠は特にありません。かと言って全く役に立たないという訳でもありません。
　一個人投資家の投資法を参考にして、自分なりの投資法を考えるきっかけにすればよいと思います。

著者

田村　孝

出版社

あっぷる出版社

目次

１章　株で生活費を稼ぐだけならあなたにもできる
２章　資金３００万円あれば月２０万円は稼げる
３章　１週間で５％は誰でも儲けられる
４章　売るときには欲張らずに、確実に利益を取る
５章　２％で下げ止まる、底値をピタリと当てる投資法
６章　ビギナーのためのこれから狙えるお勧め銘柄
７章　「金運」はこうして呼び込め