おカネの神様に学ぶ個人投資家のすすめ

株の長期投資を勧める本

　本書を購入した時期は株式投資を始めて間もない２００３年でした。当時は株式投資に関してほとんど何も知りませんでした。株本の内容や有効性を判断する能力が無かったので、ただ書名に惹かれて購入したように思います。

　本書は三原淳雄さんと木村 剛さんとが対談形式で、望ましい個人投資家像について語っています。
　趣旨としては、個人投資家は株価に翻弄されることなく企業の事業内容と業績に注目し、長期投資を行うべきだと述べています。

　投資啓蒙書なので、具体的な売買手法は記載されていません。

　本書では長期投資のお手本として、ウォーレン・バフェット、ピーター・リンチの言葉を引用しています。一部を御紹介します。

ウォーレン・バフェットの言葉
◆得意とする分野に投資しなさい。広く知っていることよりも、本当に得意な分野をいかによく知っているかが大切だ。(p.185)
→知人に勧められたからとか、投資雑誌で推奨していたからという理由で株を買っていませんか。自分がよく知らない対象に投資すると、自信を持ってポジションを保持することが出来ません。

◆その会社が持っていると思われる価値より株価が安い、正直で有能な人に経営されている、これが株を買うポイント。(p.259)
→バリュー投資の根幹だと思います。価値の分析方法、判断基準というものを別途勉強する必要があります。

ピーター・リンチの言葉
◆下げが来れば乗り切る準備をし、好きな株が他の株と一緒に下がったとき、そのチャンスに買い増しをする。(p.211)
→普段から有望な株を選別しておいて、相場が悲観的で連れ安となったときに買い出動するという、逆張りです。一時的には評価損が出るかも知れないが、その後のリバウンドを期待した投資法です。

◆株を買う前に、その会社の魅力、成長性、弱点などを、もう一度、二分間だけ自問自答してみるとよい。子どもに理解できるほど理解がこなれていれば万全だ。(p.213)
→例えば車を買う際には事前に何週間も性能やデザイン、価格などを比較検討すると思います。それに対して株を買う際には、価値や投資理由をあまり検討せずに買うことが往々にしてあります。投資する価値の判断というものをもっと真剣に考える必要があると思います。

著者

三原淳雄、木村 剛

出版社

アスコム

目次

第１章　おカネの神様が教える「あなたのおカネを働かせる方法」
第２章　おカネの神様が教える「おカネ持ちなら誰でも知っている資産を倍にする方法」
第３章　おカネの神様が教える「巨富をつかむ成功の扉の開き方」
第４章　おカネの神様が教える「本物のおカネ持ちになるための法則」