文鳥団地、そこは東側の窓に面しており、まぶしいほどの陽につつまれている。十数羽の住民たちは、それなりに静かで暖かなこの空間で、ゆったりとした日中をすごす。
すべては夜のために・・・。
日が暮れると、彼らは人の動きに敏感になる。
飼い主の部屋のドアが開くたびに、
「ちょっと、何してんの、いるのはわかってんのよ。早く出しなさいよ。」
鳥語の催促…。
午後7時半になると、それまで聞こえない振りを決め込んでいた飼い主が
スダレを開けて姿をあらわす。そして洗濯バサミで扉を開けていく。
毎晩繰り返される狂宴の始まりだ。
|