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今回は、電子が対を成して動くことについて説明致す。
まず、固体というものについて説明せねばなるまい。液体や気体と異なり、固体は形を持っている。それはどういうことか、原子が固定されていると考えられないか。何らかの力によって原子同士が結合しているのである。そうやって出来上がったものを格子と呼ぶ。簡単な例を言ってしまえば、ジャングルジムのようなものだ。パイプの交差するところに原子がいて、そのパイプが結合力を表していると考えるとわかりやすいかな。
しかし、固体であれば常に静止しているわけではなく、熱などにより振動しているのだ。逆に、絶対零度(0[K]=-273℃)になれば熱による振動はなくなるのである。しかし室温(300[K])ともなると熱振動が盛大なため、電子がそれに邪魔され、電気抵抗となって現れる。
ここまで、熱を中心に考えたが、絶対零度では原子はまったく振動しないであろうか。たとえば、下の図を見て頂きたい。これは正イオン格子(プラスにイオン化した原子が並んだジャングルジム)の中を電子が通るときの図である。(黒丸が正イオン、白丸が電子)
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(オセロじゃないっす...) |
つまりこの場合、原子はプラスで、電子はマイナス、おたがい引き合うわけだ。しかし、電子が過ぎ去るとその引力がなくなり、離れるわけである。そしてバネのようにビヨンビヨンと振動する。
さて、本題だが、上図のように電子が来ると、そこは部分的にプラスの密度が高い場所になる。このような領域にはマイナスの電荷を持ったもの、つまり、電子が引き付けられる。それを表したのが次の図である。
このように原子がビヨンビヨンとなる前に次の電子がやってくれば、電気抵抗の原因であった振動というものがなくなり電気抵抗ゼロが実現できるではないか、というのがBCS理論と呼ばれるもので、いまのところ超電導のメカニズムを説明できる最有力の理論である。
この理論が完全に適用できないのには理由があるのだ。というのは...っと、長くなってしまったのでつづきは次回に。
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頭が痛い |