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リニアモーターカー、もう何年昔から聞いている言葉だろう? いまだ、実用されていないこの乗り物の原理について説明します。 知っていると思うが、こいつは浮いて走行するんです。 ではなぜ浮くのかってことになるんだが、こいつの日本語名は磁気浮上列車。 そうです、磁気の力を利用するわけです。
写真とかで見た事がある人がいるでしょう、超電導体がマイスナー効果によって浮いているとこを。 これは超電導の完全反磁性を利用した実験。 しかしこれは初期の事。 その後の研究によって生み出された高温超電導体では浮く原理が異なる。 高温超電導は磁場の強さが変化するのを嫌う。 つまり、磁場の強さが一定のところ以外は動けない。 磁場が一定の方がエネルギーが低くてすむからだ。 それを利用して浮くことが出来る。
図1 上が超電導体、下が磁石。縦線は磁束線。
水平、垂直方向に動こうとすると磁束線が超電導体を止めるような感じになる(ピン止め効果)。
浮いてるというよりは空中に固定されているという方が正しい。
しかし、いずれの超電導も何トンもの浮力を発生させられるほど優れたものではない。 (リニアの原理がこの超電導体を直接使っていると思っている人が多く、マイッたもんです。研究者の中にもいるんですよ。) そこで、磁石の吸引力と反発力を利用してつくったわけです。 これだと、超電導を使わなくても出来そうだが、強力な磁場をつくることの出来る超電導マグネットが必要になるんですよ。
まず、リニア本体にマグネットをのっけます。 ところで、リニアにもタイヤが付いているのご存知でした? リニアはタイヤで走り始めます。 で、レールもあるわけです。 重要なのはレールと磁石。 リニアが走り出すということは磁石が動くことと同じ。 すると、レールには電磁誘導の法則から電流が流れます。 この電流は、磁石と反発するような磁場を発生する向きに流れる。 つまり、磁石を搭載するリニアが浮くわけである。
図2 リニアの浮上原理。磁石自身の反発力ではなく、磁石を動かすことによって生じる電磁誘導を利用している。
さて、試験走行も行なっているこのリニアがなかなか実用にならない理由だが、こいつは非常に強力な磁場を使うため、線路近辺への影響なんかを調べなければならなかったりする。 ほかは安定性や騒音の問題かな。めげずに開発に取り組むJR東海と鉄道総合技術研究所を応援してあげて下さい。
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