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今回はMRIについてお話します。 まぁ、他にも医療分野で超電導(SQUID)を用いた診断技術があるんだけどね(MEGやMCGとか)。
MRIは核磁気共鳴という現象を利用した診断技術で1950年代に開発されました。 測定の対象は水素原子の原子核。 人間の体内はおよそ60%が水から成ります。 その水、H2Oを構成する水素を調べるわけです。 ゆえに、水を含むものだったら何でも断層像が取れるのだ、野菜とかも。 食品検査にも使えるのね。
MRIを撮るには3種類の磁場が必要となります。
静磁場 (一定な磁場のこと)
傾斜磁場
高周波磁場
人体を一定の磁場中に入れると生体内の水のプロトン(原子核のこと)が磁化することになる。
このプロトンに共鳴させるため高周波磁場をかけることにより、磁気共鳴を引き起こし共鳴信号が生体内から電波として出てくる。
この電波をアンテナコイルでピックアップするのです。
しかし、このままだと出てきた信号がどこから出てきたのかわかりません。 そこで、位置の区別をするため、傾斜磁場をかけます。 それにより、場所によって感じる磁場の強さが異なってきます。 信号の周波数は磁場の強さに比例するため、各部位から出てくる周波数の違ったものを一度にピックアップすることになります。 この信号をフーリエ変換という数学的手法により解析して、位置情報に変換し画像を得ます。
で、なぜ変病と正常な組織とを区別できるのか。 共鳴した水素のプロトンが元の状態に戻るまでの時間を緩和時間といいます。 この緩和時間というものが正常組織と悪性腫瘍組織とで異なるのです。 変病部、特にガンや腫瘍では細胞の生理活動が活発になり細胞内の水の運動が早くなるため、緩和時間が長くなります。 この緩和時間の違いにより信号の強度も違ってきます。 MRI画像上でこの違いを見ることにより変病部を診断できるのです。
っつーことで、やっぱり磁場。 こいつを発生させるには超電導マグネットがよろしい様で。
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