スパコンっていうとスーパーコンピュータのことなんだろうけど超電導でもいいじゃないか。
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ここは、ぼくが研究の対象として関わっている超電導についての小噺。最初は基本的な事柄を。興味の湧いた人は2回目以降も見て。
気付いた人もいると思うが“超電導”ではなくて“超伝導”ではないか、と思うだろうけど、どっちだっていいのだ。本来は“伝”だったのだが(逆が“常伝導”であるように)、
電子を導くということなんだから“電”でもいいではないか、という日本語特有の解釈により双方とも使われている。
“電子”という言葉を出してしまったんで超電導の大雑把な概念を紹介しよう。まず、大きな特徴は電気抵抗がゼロだということ。そして、マイスナー効果。今回は、前者について説明します。
身の回りの家電製品に用いられてる配線材のほとんどは銅である。これが電気を伝えるわけだが、この電気とは何であろうか?いささか抽象的な表現かもしれない。
この場合に限って言えば、“電気を伝える”とは“電子を伝える”ことである。この電子はというと、物質の中には多かれ少なかれ存在するものであり、なくてはならないのである。
つまり、これがないと原子は有り得ないのである。しかし、電子が動くということは原子ごと動くことになるのかというとそうではない。
電子は自分だけ原子から離れて動けるのだ。これでは原子のことと矛盾すると思うかもしれないが、物質中には動ける奴と動けない奴がいる。動ける奴がいわゆる“自由電子”である。
こいつの数によって、その物質がどれだけ電気を通しやすいかが決まる。いっぱいいる方が抵抗が高そうだが、電気抵抗というものは電子が多いほど低いのだ。(電気抵抗には他の要因もある。)
では、超電導は無限に多くの電子を持っているのか、となるが、そんなことはない。超電導はいつもその状態にいるわけではない。電気抵抗を持ったある常伝導体が、温度が低くなるとそうなる。 (どんなものでも温度さえ下げれば超電導になるわけではないが、その説明は難解なためここでは避ける。)そう、この“温度”というものが重要なのである。 そして、ある温度を境に電子は特殊な振る舞いをする。普通、電子は単独で動くのだが、ある温度以下になると電子は対を成して動くのである。そうすると超電導になるわけだ。 (ちなみに、この超電導のメカニズムは、まだ完全に正しいとはされてないが一般的な考えとして世にはばかっている。)
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