トム・ボールドウィンに学ぶ株式投資の教訓

トム・ボールドウィンに対するインタビューから株式相場の教訓に関する文言を抽出し、コメントを加えて解説しています。

株式投資の教訓とコメント

　米国トップトレーダーが語る株式投資・ビジネス成功の秘訣、マーケットの魔術師シリーズ第１巻に登場するトレーダー、トム・ボールドウィンのインタビューの中から株式投資の教訓となる文言を抽出し、コメントを加えて考察します。

相場のパターン認識

◆相場のパターンは何度も起こります。あるいは市場参加者も同じことを何度も繰り返します。それを利用しさえすればいいのです。(p.358)

コメント
　歴史は繰り返されると言われます。過去の上昇相場のチャートを見て、こんないい相場は二度と来ないだろうと悲観する必要はありません。
　時を経て状況が似ている相場はまたやって来ます。その時に乗り遅れないように、日頃から相場を監視し、準備をしておく必要があります。

投資姿勢

◆一生懸命トレードに打ち込むことです。それは忍耐力ですね。トレードをすることが好きでなければなりません。(p.361)

コメント
　仮に株式投資で損失を出していて、かつ、株式投資が好きでないなら、無理して続ける必要はありません。さっぱりと株式投資を止めて、預金にまわした方が安心して眠れるでしょう。
　逆に株式投資が好きなら、とことんその道を追求して研究と実践を続けて下さい。好きな道で継続して努力すれば成功に近づけると思います。

相場の観察力

◆敗者は一生懸命やらないということです。彼らは集中しないし、相場に影響を与える要因をつぶさに観察しないのです。彼らの目はまるで節穴なのです。(p.362)

コメント
　相場の達人から見ると、相場が下手な人はそれなりの理由があるようです。一生懸命やれば必ず成功するという保障はありませんが、一生懸命やらなければ、チャンスが巡って来ても対応出来ないと思います。

売買の頻度

◆彼ら（一般のトレーダー）はトレードし過ぎます。彼らはトレードすべき時を十分に選ばないのです。(p.363)

コメント
　年がら年中相場に参加する必要はありません。自分の投資戦略、売買ルールに照らし合わせて、優位性がある時だけ相場に参加すればいいのです。
　頻繁な売買で確実に儲けるのは投資家ではなく、手数料で稼ぐ証券会社です。

投資と仕事

◆トレードも他の仕事と同じです。一生懸命働き、時間と努力を注ぎ込めば、ツキはまわってくるものです。(p.371)

コメント
　努力をしないで棚ぼたで成功を待つ人にチャンスが巡ってくる可能性は低いでしょう。仮にチャンスが巡ってきてもそれに気付かないか、気付いても実行するかどうか迷っているうちに時期を逃してしまうでしょう。
　チャンスとかツキをものに出来る人は、普段から精進し準備していて、好機だと判断したら素早く行動出来る人だと思います。

大勝ちしたとき

◆大儲けをしたとたん、自分は間違いをしないと思い始めてしまうのです。「俺が相場をリードしているんだ」と思った瞬間、そのトレーダーは失敗するのです。(p.372)

コメント
　一般的に株式投資や商売で大きな利益を上げたり、仕事で好成績を出したりした後で気が緩み、気持ちが大きくなりがちです。自惚れて注意力が散漫になり、大きな失敗を招くことが多いようです。
　高額の宝くじに当選した人が当選後に金使いが荒くなったり、慣れない分野の投資に手を出したりして、その後大金を失うことが多いのも同じような理由からだと思います。
　休むも相場と言います。損失が続いたときや大儲けしたときは、少し休んで冷静になってから今後のことを考えた方がいいと思います。

利益目標

◆金銭的な観点でトレードするな。(p.372)

コメント
　利益や損失を具体的な金額の金や品物に当てはめて考えると、正常な投資判断を誤ることがあります。
　利食いや損切りのタイミングは、予め決めておいたルールや、テクニカル的な観点に従って決める必要があります。

手仕舞い

◆損が出ているトレードでも慌てて手じまわずに、タイミングを待て。(p.372)

コメント
　一般的には損切りは早い方がいいと言われます。一方で、損失が大きくなり狼狽(ろうばい)売りした時が底値だったということがあります。
　上記は慌てて底値で売るようなことはよくないという意味で言っていると思います。経験者がよく考えて行わないと、損切りのタイミングが遅れて損失が大きくなる可能性があるので、注意が必要なアドバイスです。

ウィザード人脈

ブライアン・ゲルバー…互いにそのトレードの能力を賞賛し合っている友人。

新マーケットの魔術師に学ぶ株式投資の教訓(シリーズ第２巻)