株式投資の教訓と私のコメント
米国トップトレーダーが語る株式投資・ビジネス成功の秘訣、マーケットの魔術師シリーズ第1巻に登場するトレーダー、ブルース・コフナーのインタビューの中から株式投資の教訓となる文言を抽出し、コメントを加えて考察します。
相場哲学
相場は一瞬にしてその人のお金を大きくしてくれる反面、そのスピードと同じくらいの速さで、そのお金を奪っていく。(p.68)
コメント
少しばかり利益が出たからといって自惚れてはいけないと思います。自分は投資がうまいなどと思って気が大きくなり、運用資金を大きくし過ぎたりリスクを取り過ぎると、相場が予想と反対方向に動いた場合に大きな損失を出す可能性が高くなります。
例えば仕事でも車の運転でも、始めた頃は緊張していて注意深く取り組むと思います。ところが、しばらくして慣れてくると油断が生じて失敗してしまうことがあります。
「上手の手から水が漏れる」という言葉があります。上手な者でも時には失敗することがあるという意味です。慣れてきてうまく行くようになった時こそ、細心の注意を払う必要があります。
リスク管理
自分で理解できないうちに損を出してしまうような状況を作ってはいけない。(p.69)
コメント
自分が仕組みやリスクについて理解出来ないような金融商品、投資対象に手を出してはいけません。同様に理解出来ない状況下でポジションを保持すれば、大きな損失を出す可能性があります。
一般の人が日常生活において、自分自身が何をやっているか分からない状況というのは、殆ど起こり得ないと思います。しかし株式投資や関連する金融商品への投資においては、仕組みやルールを理解しないままに投資して、大きな損失を出してしまうということが往々にして発生しています。
投資姿勢
自分自身がトレードに全精力を傾けられるのであれば必ず報われる。(p.70)
コメント
株式投資は気軽に始めることが出来ますが、片手間にやるものではないという意味にも取れます。全精力をかけてやるか、一切やらないかのどちらかであると。そして信念を持って取り組めば自ずと道は開けると言っています。
但し、やる気があっても運用資金が無くなってしまっては撤退せざるを得なくなります。大負けを防ぎ、投資の世界で長く生き延びることが重要です。
報われるという言葉の対象が金銭なのか、その他のものなのか分かりませんが、諦めなければ夢はかなうということだと思います。
失敗から学ぶ
定期的に間違いを繰り返すように心掛けなさい。間違うことは悪いことではない。(p.70)
コメント
小さい間違いを起こす度に過ちを修正してフィードバックすれば、取り返しがつかない大きな間違いを防ぐことが出来ると思います。
物事に慣れてくると油断が生じて大きな失敗をすることがあります。何か間違ってはいないか、油断はしていないかと、常に自分に問いかける必要があります。
資金管理
どこでストップするかはテクニカル的に見て決めるのだけれど、それによって自ずとポジション・サイズも決まってくる。(p.75)
コメント
ストップ・ロス・オーダー(逆指値注文)の値幅を決めると1株当りのリスクを限定出来ます。
ポジション・サイズは以下の計算式で求めることが出来ます。
取引可能な株数 = 1トレード当りの許容リスク額 ÷ 1株当りのリスク
詳細は資金管理の2%ルールを参照下さい。
投資戦略
儲かるようにトレードするには、どうしてそうするのか納得した上でポジションに執着しなければいけない。(p.87)
一度戦略を決めたのであれば、トレーダーはその計画にそってトレードを進めるべきであり、決して衝動的に計画を変更するようなことがあってはならない。(p.93)
コメント
売買ルールが明確に決まっており、そのルールに納得していれば、自信を持ってポジションを保持出来ます。
一方、気まぐれに投資方針を変えたり他人の意見に流されたりすると、仮に偶然に利益が出たとしても長期的にはコンスタントに利益を出すことは難しくなります。
自分が定めた売買ルールに従った結果、損失が出たとしても悲観することはありません。規律ある行動を取った上での損失は改善する余地が十分にあります。売買ルールを見直して再度挑戦すればよいのです。
資金管理
一回のトレードにつきリスクを一パーセントから二パーセントくらいに押さえるべき。(p.87)
コメント
資金管理、リスク管理は最重要課題です。初心者はリスクをとり過ぎる傾向があるように思います。リスクを限定すれば、仮に損失が数回続いても破産せずにトレードを続けられます。
損切りポイント
意外に遠くて、簡単には値が付かないようなポイントにストップを置く。(p.93)
方向が正しいのであれば、簡単にストップがヒットして仕方なく手じまわざるを得なくなるという事態を避けながら、チャンスを最大限に生かしている。(p.93)
コメント
ロスカット(損切り)があまり頻繁にヒット(起動)してしまうと、かなりの費用となってしまいます。ロスカットの頻発を防ぐには、ストップ・ロス・オーダー(逆指値)の値幅を大きめにし、逆にポジションサイズを小さくすることで、1トレード当りのリスクを限定出来ます。
ウィザード人脈
ジャック・D・シュワッガー…コモディティズ・コーポレーションでブルース・コフナーが自己勘定トレーダーをしていた時、アナリストとして一緒に働いたことがあった。
マイケル・マーカス…コモディティズ・コーポレーション入社時にブルース・コフナーを面接した。
新マーケットの魔術師に学ぶ株式投資の教訓(シリーズ第2巻)
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