ゲーリー・ビールフェルド
米国トップトレーダーが語る株式投資・ビジネス成功の秘訣、マーケットの魔術師シリーズ第1巻に登場するトレーダー、ゲーリー・ビールフェルドのインタビューの中から株式投資の教訓となる文言を抽出し、コメントを加えて考察します。
投資姿勢
一番重要なのは自己規律だ。(p.152)
コメント
自分なりの売買ルールを決めて、そのルールに忠実に従って売買することが正しいトレードにつながります。行き当たりばったりで、その都度売買ルールを変えていると、何が正しくて何が誤りだったのか、分からなくなります。
仮に、ルールに忠実に従ってトレードして、それでも損が出続けるとき、あなた自身は悪くありません。そのときは、当該売買ルールに優位性が無い、或いは相場の地合いに合っていないと疑うべきです。
自分は正しくトレードしているという自信が大切です。
メンタル管理
二番目に重要なのは忍耐だ。(p.152)
コメント
中長期投資においては、利益を上げる過程での一時的な評価損(ドローダウン)はつきものです。一時的な評価損に怖気づいてポジションを保持出来なければ、利益確定が出来ません。
損切りポイントをどのあたりに置けば、トータルの利益が最大化するのか、なかなか難しい問題です。
損切りポイントが浅過ぎると、一時的な株価変動ですぐに損切りが発生します。損切りポイントが深過ぎると、評価損が耐え切れないほど大きくなる可能性があります。
損切りポイントをどのように設定するかという問題は、損益との兼ね合いで興味深い研究テーマです。
三番目に重要なのは相場に入っていく勇気だ。(p.152)
コメント
買いポジションや売りポジション、すなわち建て玉を持つということには、多かれ少なかれ勇気が必要です。ある程度リスクを取らなければリターンを得ることは出来ません。
しかしリスクを取り過ぎると、見込みが外れた際に大きな損失を出す可能性が高くなります。
もちろん大き過ぎるリスクは禁物ですが、一歩前に踏み出さなければ物事は始まらないということも事実です。
五番目に重要なのは勝ちたいという強い願望だ。(p.152)
コメント
年間の利益目標を決めて最大限努力しても、多くの人が実現出来るのは目標の何割でしょうか。そうであったとしても、何か手に入れたいものがある時には、強く望まないと手に入れることは難しいでしょう。
損をしたことで感情的になってはいけない。(p.153)
コメント
相場は今日だけではありません。明日も相場は続きます。損は事業の経費と割り切って、明日以降の投資戦略を考えた方がプラスにつながるでしょう。
損失を挽回しようとして大きな勝負に出てはいけません。リスクを取り過ぎると往々にして更に損失を重ねることになります。
損切り
四番目に重要なのは潔く損を出せることだ。(p.152)
コメント
株式投資は利益を最大化することが目的であって、100%の勝率で勝つ必要はありません。うまくいかないトレードは諦めて損切りをして、気分を切り替えて再スタートするべきです。
仮に勝率が高くても、1回の損失額が大きければ、全体の損益はマイナスとなる場合があります。大負けは何としても防がなければなりません。
利がのったポジションはできるかぎり長くもち続け、うまくいかないポジションは素早く切るという方法を持つこと。(p.152)
コメント
上記の教訓に関してマイケル・マーカスも同様なことを述べています。損小利大がトレンド・フォロー、中長期投資の基本です。
しかし短期売買やシステムトレード、例えば3Days投資法を実施している場合には、この教訓には当てはまらないケースもあります。
資金管理
初めのうちは大きく勝負に出ない方がいい。(p.154)
コメント
一般的に投資の初心者は、リスクを大きく取り過ぎる傾向があるようです。
資金が小さいうちに大きな勝負に出ると、一度の失敗で大きな損失を出して撤退せざるを得なくなります。
資金管理には充分留意する必要があります。
ウィザード人脈
なし
新マーケットの魔術師に学ぶ株式投資の教訓(シリーズ第2巻)
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