か行の用語

害敵  籠脱け カトルボーン カナリアシード 仮母 キヌア 擬卵
ぐぜり 毛繕い 健康補助剤 原種文鳥 検卵 ゴマ塩文鳥

 

害敵=がいてき
文鳥の生命を狙う敵対動物のこと。

 文鳥の害敵といえばネコ、カラス、ヘビといったところだろう。特に日光浴のために外に出した時などに襲われる。その危険を予想できる環境では、目を離してはならず、むしろその危険があれば無理に日光浴をする必要はない。
 山中の我が家では室内にヘビが侵入し、文鳥をかじったことが2度あり(飲みこむ前に発見)、すっかり管理人はヘビ殺しとなってしまった。もし頻繁にヘビの侵入が起きるようなら、カゴを網などで囲わなければならないだろう。

 

 

籠脱け=かごぬけ
鳥カゴから逃げ出すこと。

 カゴの出入り口部分を自分で押し上げ、外に出てしまうものがインコには多く見られるらしいが、文鳥の中にもその技を習得するものがいる。
 知らぬ間にカゴの外に出ることは、さまざまな事故の原因となる。出入り口部分をガチャガチャとクチバシで押し上げるような動作を始めたら、金具や洗濯バサミで開かないようにしなければならない。

 

 

=かご
ここでは当然鳥カゴのこと。

 形態は色々だが、純粋に文鳥のことを考えるのなら一般的な四角い形のものが一番だと思っている。
 最近では観賞を主眼とした水槽状の鳥の飼育器があるが、活発な文鳥ではガラス面に衝突する危険が多いのではなかろうか。やめた方が良い。

『文鳥の飼い方育て方』

 

カトルボーン

 イカ(コウイカ)の甲羅を乾燥させたもの。成分の90%近くがカルシウムで、その補給のために与える副食。

 産卵期のメスは非常に食べるが、成分がほとんど卵の殻と同じなため、本能的に必要とするのだろう。ただ、普段の飼育では必須と言うものではない。
 インコの場合、サーフボード状の原型のままカゴの中に設置しておけば、むしり食べクチバシの手入れにもなるが、文鳥の場合は原型のままでは食べにくい。砕いて与えた方が良いだろう。

『文鳥問題』3

 

カナリアシード

 西アフリカやカナリヤ諸島原産の穀物で、もともとカナリアの飼料として使用されてきたが、市販の文鳥向きの配合飼料の中にも10%程度含まれている。文鳥の好物。カナリーシードとも表記される。

 日本古来のアワやヒエよりも栄養価が高いので、文鳥の肥満の原因と考える人も多いが、実際には飛びぬけた数値ではない。従って、単純に肥満の主因とは見なせない(肥満の原因としては青菜不足が大きいと思う)。
 ただ、エサ箱にたくさんの配合餌を入れておくと、こればかりを選んで食べてしまう文鳥があり、その点は注意が必要となる。

『文鳥問題』3『文鳥問題』9

 

仮母

 生みの親にかわって卵をあたため、ヒナを育てる鳥のこと。十姉妹(ジュウシマツ)が多く用いられる。

 文鳥にも育児放棄がありその対処として利用するものと説明されるが、より根源的には、経済上の効率から育雛による親鳥の時間的体力的な消費を避ける意味で、繁殖家(プロ・セミプロ)が必要とした行為と思われる。つまり一般の飼育者には必要ではない。

『文鳥の飼い方育て方』

 

キヌア

 ミネラルや必須アミノ酸を多く含み最近注目されている南米原産の穀物。人間用の加工食品として用いられるが、小鳥に与える人もいるらしい。

 メールで教えていただいたので文鳥に試したところ、あまり興味を示してくれなかった。臭いがきついので、味にも癖があるのかもしれない。
 栄養的には優れているので、ヒナの餌付け時に一部使用するのには良いかもしれないが、無理をして使用することもないだろう。

『文鳥問題』3「その後」

 

擬卵=ぎらん

 人工のニセモノ卵のこと。偽卵。

 一個50円くらいで市販されている。文鳥用の白いものと、カナリヤ用の青白いものがあるが、カナリヤ用でも文鳥は気にしないようだ。
 本来的な使用方法ではないが、文鳥の産卵が多い時、これを温めさせる事により産卵間隔を長くすることが出来る。

『文鳥問題』1『文鳥問題』15『文鳥の飼い方育て方』

 

ぐぜり

 生後2、3ヶ月のオス文鳥が囀る(さえずる)練習をすること。人間の変声期のようなもの。文鳥の場合、性別の判断はさえずるか否かなので、ぐぜりはじめてようやくオスと判断できる。

 鳥のさえずりは基本的にオスの求愛の歌で、また自己顕示の手段でもある。さまざまなさえずり方があるが、このぐぜり期間に人間の口笛などを教える事が出来る(絶対マネしない文鳥もいるようだが…)。ウグイスの「ホーホケキョ」を教える飼主は昔から多く存在する。

『文鳥の飼い方育て方』

 

毛繕い=けづくろい

 クチバシで羽毛をつまんで手入れすること。

 普段の文鳥は、ほとんど物を食べているか、寝ているか、毛繕いをしているかだと言える。丹念に身体全体の手入れをしているのは、かゆいためとか、老廃物や付着物を取るためだけではなく、油分を羽毛に塗るという重要な目的がある。尻尾の付け根にある皮脂腺(イボ状の突起)から油分をクチバシにつけてそれを全体に広めるのだが、これにより、水分をはじく光沢ある羽毛となる。

 

 

 

健康補助剤=けんこうほじょざい

 普段の食生活からは摂取しにくい栄養分を補うための人工食品、薬剤。いわゆるサプリメント。

 こういったものがやたらと好きな人もいるが、基本的にはいらないだろう。あくまでも補助なので、好き嫌いがあり青菜などを食べないような場合、やむを得ず与えるべきものである。
 また、過剰な摂取による深刻な健康的影響が考えられるので、与える場合は使用量などをしっかりと考えなくてはならない。

『文鳥問題』11

 

原種文鳥=げんしゅぶんちょう

 原産地ジャワ島などに生息していた時の姿を残す文鳥のこと。頭と尻尾は黒、頬と下腹部が白、背面と胸部がメタリックな青灰色で、腹部が桜色、クチバシと目の周りが赤い。並文鳥とも呼ばれる。

 現在はシルバーなどの新たな品種の繁殖過程で、遺伝的に先祖の姿をよみがえらせたものが発生してきているらしく、同じ原種の配色をしていても、遺伝子レベルでは多様な存在があるように思われる。つまり、両親が原種文鳥であっても、原種文鳥が生まれるとは限らない。
 現状では、ペットショップで桜文鳥として売られていたり、混乱している。今後しっかり区別して固定化する事が望まれる。

『文鳥問題』6 『文鳥の歴史』

 

検卵=けんらん

 有精卵か無精卵かを検査すること。温めはじめて一週間ほどした卵を光にかざし、血管が見えれば有精卵である。

 本来繁殖家(プロ・セミプロ)が無精卵を取り除き繁殖効率を高めるための行為なので、一般の飼育者には必要がない。むしろ、人間が手を出したことにより親鳥が卵を放棄する恐れもある。また、いずれかわかったところで飼育者に何の意味もない。余計な手出しは避けたい。

『文鳥の飼い方育て方』

 

ゴマ塩文鳥=ごましおぶんちょう

 多くは白文鳥と桜文鳥の間から生まれ、頭がまだら模様になるなど、両種の中間的な配色をしている文鳥。いわゆるパイド(まだら)文鳥。

 このての文鳥も桜文鳥として包括してしまう事が多いが、白文鳥と桜文鳥の交雑種と考えるべきであろう。
 日本では白と桜の交雑が頻繁におこなわれているので混乱してしまい、桜文鳥にも白い差し毛の多いものが存在するため、区別があいまいで難しくなってしまったものと思われる。いい加減に白と桜の交雑種を『桜』と称して市場に出すようなことをやめて、しっかり種の固定化をはかるべきだと思う。
 その上で、微妙で魅力的な配色のゴマ塩文鳥が雑種ではなく固定できるか、その道を考えるべきだろう。

『文鳥問題』5 『文鳥問題』6『文鳥の歴史』